
既卒・中卒でも年収アップができる方法!注意点やポイントも解説
はじめに
既卒や中退の方の中には「仕事を一生懸命にやっているのに、思ったように年収が上がらない」と悩む人が少なくありません。
特に学歴が壁となり、キャリアの選択肢が狭まると感じることもあります。
しかし、実際には工夫や行動次第で収入を伸ばすことは可能です。
本記事では、既卒・中退者が年収をアップさせるための方法や注意点を解説します。
【既卒・中退の年収】実力で年収アップは可能?
「努力さえすれば年収は上がるはず」と考える人も多いですが、実力だけで大幅な収入増を実現するのは難しいのが現実です。
年収には学歴や職種、業界の水準、企業の評価制度といった要素が大きく影響します。
ただし、不利な立場にあってもスキルや経験の積み重ねによって評価を高め、収入アップを目指すことは十分可能です。
ここでは既卒・中退者の実力と年収の関係を見ていきましょう。
中退と大卒の平均収入の違い
中退と大卒では、初任給から大きな差が生まれます。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、大卒の初任給は約21万円前後、高卒は約18万円、中退者は多くの場合「高卒扱い」となるため、同程度の給与水準でスタートするケースが一般的です。
この差は就職時だけでなく、その後の昇給や昇進にも影響します。
さらに大卒と比較すると、生涯賃金において数千万円規模の差が出るという調査もあります。
つまり、中退からキャリアを始めると、最初の給与差が長期的な年収格差につながりやすいのです。
ただし、全ての中退者が低収入に固定されるわけではありません。
スキルや資格を取得したり、成長産業に転職したりすることで、学歴の壁を乗り越えて年収アップを実現する人もいます。
参照:賃金構造基本統計調査
年収や生涯賃金の差が大きい
大卒と中退では、年間の給与だけでなく生涯賃金においても大きな差が生じます。
厚生労働省や労働政策研究・研修機構の統計によると、大卒男性の平均年収は約500万円前後で推移する一方、中退者や高卒者は平均400万円前後にとどまる傾向があります。
この差は年間で100万円以上、40年近い就労期間を通じると数千万円規模の開きとなります。
さらに、昇進のチャンスや管理職への登用も学歴の影響を受けやすく、中退者は役職に就きにくいことが要因となっています。
もちろん全員がそうではなく、専門スキルや営業実績など、成果を数値で示せる人は高収入を得るケースもあります。
しかし、平均的なデータとしては「中退=大卒よりも収入水準が低い」という現実は否めません。
このギャップを埋めるには、学歴の不利を補うスキルアップや資格取得、成長産業への挑戦といった戦略的なキャリア形成が求められます。
【既卒・中退の年収】中退の年収が低い理由
中退者の年収が大卒に比べて低くなりやすいのには、いくつかの理由があります。
ここからは、中退者の年収が低くなる主な理由を見ていきましょう。
中退は「高卒扱い」になる
大学を中退すると、最終学歴は「高卒」とみなされるのが一般的です。
そのため、就職時の初任給は大卒水準ではなく高卒と同じ基準で設定されます。
厚生労働省の調査でも、大卒と高卒の初任給には数万円の差があり、数年後の昇給額にも影響を及ぼすことが分かっています。
中退者が「高卒扱い」となることは、キャリアのスタート地点から収入面で不利になる大きな要因です。
ただし、学歴が全てではありません。
資格を取得したり、実務でスキルを積み上げたりすることで、大卒に負けない収入を得ることも十分に可能です。
大卒・新卒向けの求人に応募できない
多くの企業では、大卒を対象とした「新卒枠」を設けており、大学を中退した人はその枠に応募できない場合がほとんどです。
既卒や中退者は「既卒採用」や「中途採用」といった枠での応募が中心となり、選べる求人の幅が限られてしまいます。
新卒枠は教育制度が整っている大手企業が多く、安定したキャリアや高い年収につながりやすいため、応募できないことは大きなハンデとなります。
ただし、既卒や中退者を対象とした求人も年々増加しており、必ずしも不利な状況だけとは限りません。
企業によっては学歴よりもスキルや経験を重視するところも多く、自分らしさを活かせばしっかりと採用のチャンスをつかむことができるでしょう。
就職率が低い
大学を中退した人の就職率は、大卒や高卒と比べて低い傾向があります。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)がまとめたデータによると、中退者は就職活動で不利になりやすく、安定した雇用を得にくい状況が見られます。
理由としては、履歴書に「中退」の経歴が残ることで採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう点や、新卒枠に応募できないため求人の選択肢が限られることが挙げられます。
その結果、非正規雇用や短期雇用に就く人の割合が高くなり、年収も伸びにくくなります。
ただし、中退という経歴自体が決定的に不利というわけではありません。
中退後に得た経験やスキルをうまく伝えることで、正社員としての就職やキャリアアップにつなげることも十分可能です。
【既卒・中退の年収】年収をアップさせる方法
中退や既卒の経歴があっても、年収を上げることは可能です。
学歴による不利だと感じるかもしれませんが、働き方や選ぶ業界、スキルの磨き方によって収入を伸ばせるチャンスは広がります。
ここからは、年収をアップさせるための方法を紹介します。
年収の高い業界で働く
年収を上げたい場合、まず注目したいのが業界選びです。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、金融業や不動産業、情報通信業は全体平均よりも給与水準が高い傾向にあります。
特にITエンジニアやコンサルタントといった専門職は、スキルを磨くことで年収アップも可能。
また、営業職のように成果が収入に直結する業界も、大きな収入を狙える可能性があります。
一方で、飲食や販売などのサービス業は平均給与が低めで、長期的な収入アップを考えると難しいかもしれません。
中退や既卒の経歴を持っていても、成長性のある業界に身を置くことで、実力や努力が評価されやすくなり、安定した年収アップを目指せるでしょう。
年収アップにつながる資格を取得する
資格を取得することは、既卒や中退の方にとって年収アップを狙う有効な手段です。
特にIT系や金融、不動産など専門知識を求められる分野では、資格を持っているだけで採用の可能性が高まり、初任給や昇給にプラスされるケースも多くあります。
たとえば、ITパスポートや基本情報技術者、簿記、宅建士などは幅広い業界で活かせる代表的な資格です。
さらに、資格は「学歴ではなくスキルを証明する武器」としても役立ちます。
勉強時間や受験費用は必要ですが、キャリア全体で見れば投資効果は大きいといえます。
未経験から挑戦できる資格も多いため、自分の希望する職種や業界に合ったものを選んで取り組むようにしましょう。
正社員で働く
年収を安定的に上げるためには、非正規雇用よりも正社員として働くことが重要です。
アルバイトや契約社員は柔軟な働き方ができる一方で、昇給や賞与、福利厚生といった待遇面が限られており、長期的に見ると収入の伸びは小さくなります。
これに対して正社員は、昇進や昇給の機会が多く、企業内でキャリアを積み上げるほど収入アップが見込めます。
特に既卒や中退者の場合、就職活動の早い段階から正社員採用を目指すことが、将来的な年収格差を縮めるポイントになります。
非正規で経験を積んだ後に正社員登用されるケースもありますが、空白期間を作らず、できるだけ早く正社員として働く環境を選ぶことが大切です。
地方から都市部へ転職する
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(都道府県別データ)」によると、東京都をはじめとする都市部は地方に比べて平均賃金が高く、同じ職種でも月収に数万円以上の差が出ることがあります。
製造業やサービス業でも都市部では企業規模が大きく、待遇や昇給制度が整っている場合が多いため、長期的な収入アップが見込めます。
一方で、都市部は生活費も高くなるため、年収増と生活コストのバランスを考えることも重要です。
特に既卒や中退者にとって、地域を変えてチャンスの多い都市部で就職・転職活動を行うことは、キャリアアップと収入増を同時に狙える有効な手段といえます。
【既卒・中退の年収】年収アップの際の注意点
年収を上げるための行動は大切ですが、注意すべき点を理解しておかないと失敗につながることもあります。
特に既卒や中退の方は、就職活動の進め方や面接での伝え方によって印象が大きく変わります。
また、年収だけを基準に企業を選ぶと、働き続けるうえでミスマッチが起こることも。
ここからは、年収アップを目指す際に意識しておきたい注意点を解説します。
できるだけ早めに行動して空白期間を作らない
既卒や中退者にとって、就職や転職活動を始める時期は非常に重要です。
空白期間が長くなるほど「働く意欲が低いのではないか」と採用担当者に不安を与え、書類選考や面接で不利になることがあります。
特に正社員経験が少ない場合は、短期間でもブランクが大きなマイナス要因として見られるかもしれません。
そのため、できるだけ早めに行動し、就職活動やスキル習得を並行して進めるようにしましょう。
たとえ希望通りの企業にすぐ入れなくても、経験を積める職場で働くことでキャリアの土台が作れます。
行動の早さは、将来の年収アップにも直結する重要なポイントです。
中退の理由はポジティブにまとめる
就職活動や転職活動では、中退の理由を必ず聞かれます。
その際に「勉強についていけなかった」「人間関係がうまくいかなかった」といったネガティブな説明をすると、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまいます。
大切なのは、中退を自分の成長や前向きな選択として伝えることです。
「在学中に興味のある分野を見つけ、早く実務経験を積みたいと考えた」「家庭の事情で中退したが、その後は安定して働き続けている」など、ポジティブに言い換える工夫をしましょう。
理由を前向きに整理して伝えることで、中退の経歴が大きな弱点ではなく、むしろ挑戦意欲として評価されることもあります。
自分に合った企業・業界を選ぶ
年収だけを基準に企業や業界を選んでしまうと、入社後に仕事内容や環境が合わず早期離職につながるリスクもあります。
既卒や中退者がキャリアを安定させるには、自分の適性や価値観に合った仕事を選ぶことが大切です。
人と関わるのが得意なら営業職、コツコツ作業が得意なら事務やエンジニアなど、自分の強みを活かせる職種を選ぶのもおすすめです。
給与が高くても過度な残業や人間関係の悪さで続けられなければ本末転倒です。
自分に合った企業・業界を見極めることで、長く働きながらキャリアを積み上げ、結果的に年収アップにもつながっていきます。
【既卒・中退の年収】転職で年収がアップする平均相場
転職によって年収を上げられる可能性はありますが、その幅には一定の傾向があります。
厚生労働省の調査によると、転職によって年収が増える人は全体の38.6%程度で、増加幅は年収の10%以上が27.2%です。
一方で、年収が変わらない、あるいは下がる人も一定数おり、転職が必ずしも収入アップにつながるわけではありません。
特に既卒や中退者の場合、経験やスキルが十分でないと、未経験採用や非正規雇用を選ばざるを得ず、収入が下がるケースもあります。
大切なのは、転職前に市場価値を客観的に把握し、データを参考に現実的な相場を理解しておくことです。
無理のない計画で転職活動を進めることで、安定したキャリアアップと年収増加を実現できます。
参照:転職入職者の賃金変動状況
【既卒・中退の年収】年収アップを実現できるおすすめの職種
学歴にハンデがあっても、選ぶ職種によっては大きな年収アップを狙うことが可能です。
特に成果が収入に直結する営業職や、専門スキルを武器にできるITエンジニア、安定した待遇が魅力の公務員などは注目すべき職種です。
また、事務職や販売・接客業といった幅広い層が挑戦しやすい職種もあり、それぞれに収入を伸ばすポイントがあります。
ここからは、既卒・中退者におすすめできる職種を紹介します。
営業職
営業職は成果が給与に直結しやすく、既卒や中退者にとっても年収アップを狙いやすい職種のひとつです。
特にインセンティブ制度を導入している企業では、契約件数や売上に応じて報酬が上乗せされるため、実力次第で大卒以上の収入を得ることも可能です。
厚生労働省の統計によれば、営業職の平均年収は約550万円前後です。
未経験からでも挑戦できる企業が多く、成果を積み重ねていけばキャリアアップや昇進も期待できるでしょう。
人と接するのが得意な人や目標達成にやりがいを感じる人に向いている職種です。
ITエンジニア
ITエンジニアは、学歴よりもスキルや実務経験が重視される職種です。
プログラミングやネットワーク、セキュリティなど専門分野を習得すれば、既卒や中退からでも高収入を目指せます。
厚生労働省の統計によると、ITエンジニアの平均年収は550万円を超える水準で推移しており、経験やスキルによっては600万円以上を得る人も少なくありません。
さらに需要が高いため転職市場でも有利に働きやすく、キャリアを積むほど市場価値も上がります。
資格取得や研修を活用すれば、未経験からでも着実に成長できる点も魅力です。
公務員
公務員は安定性の高さと給与水準の安定が魅力の職種です。
勤続年数に応じて昇給が確実にあり、長期的に見ると安定した年収アップが見込めます。
厚生労働省のデータによると、地方公務員の平均年収はおよそ640万円前後で、民間企業と比べても優れています。
また、福利厚生や退職金制度も整っているため、将来の生活設計を立てやすい点もメリットです。
既卒や中退者でも公務員試験に合格すれば学歴に関係なく採用されるため、努力次第で安定した収入とキャリアを築くことができます。
参照:賃金構造基本統計調査
事務職
事務職は安定した働き方ができる一方で、年収は比較的低めとされる職種です。
平均年収は約450万円前後で推移しており、大きな昇給は見込みにくい傾向があります。
ただし、経理や総務、人事など専門性を持つ分野に進めば評価が上がり、収入を伸ばすことも可能です。
また、事務スキルは幅広い業界で必要とされるため、転職先の選択肢が多い点も魅力です。
既卒や中退者にとっては、パソコンスキルや簿記といった資格を取得することで採用されやすくなり、キャリアを安定させやすい職種といえます。
販売・接客業
販売・接客業は未経験から挑戦しやすく、既卒や中退者にとって採用の門戸が広い職種です。
平均年収はおよそ330万円前後と低めですが、店長やエリアマネージャーといった管理職に昇進すれば収入アップが見込めます。
また、接客スキルやコミュニケーション能力は他の業界でも評価されやすく、転職の際に強みとして活かせる点もメリットです。
成果を上げた人が昇格しやすい環境も多いため、経験を積むことでキャリアの幅を広げることが可能です。
人と接することが好きで、やりがいを重視する人には向いている職種といえるでしょう。
参照:平均年収ランキング
【既卒・中退の年収】年収アップのポイント
年収を上げるためには、ただ求人に応募するだけで十分ではありません。
特に既卒や中退の方は、学歴で不利に見られがちな分、その分を補うための工夫が必要になります。
学歴や経験不問の求人を活用したり、スキルを身につけて市場価値を高めたりすることが収入増につながります。
また、転職エージェントを上手に活用することもポイントです。
ここからは、年収アップを実現するためのポイントを紹介します。
学歴・経験不問の求人を探す
既卒や中退者が年収アップを目指す際に有効なのが、学歴や経験を問わない求人に挑戦することです。
こうした求人は実力や人物面を重視する企業が多く、面接での印象ややる気次第で採用される可能性も十分にあります。
特にベンチャー企業や成長産業では、学歴よりも「入社後にどれだけ成果を出せるか」を評価される傾向が強いため、スタート時の給与は平均的でも、実績次第で大きな昇給を狙えるでしょう。
また、未経験からでも応募できる求人を積極的に探すことで、キャリアの第一歩を踏み出しやすくなります。
条件だけにとらわれず、自分の強みを活かせる環境を見つけることが、長期的な年収アップにつながる大切なポイントです。
有利になるスキルや経験を身につける
既卒や中退で不利になりやすい学歴を補うには、企業から評価されやすいスキルや経験を磨くことが効果的です。
パソコンスキルや英語力、簿記資格、IT関連の資格は幅広い業界で活かせるため、挑戦する価値があります。
アルバイトや派遣の経験でも「リーダーを任された」「売上に貢献した」といった実績があれば十分な強みとなるでしょう。
さらに、専門学校やオンライン講座で学んだ知識もアピール材料になります。
こうした取り組みを積み重ねることで応募できる求人の幅が広がり、採用時の給与や昇給につながるチャンスをつかみやすくなります。
「年収アップ」を転職の目的にしない
転職を考える際、「年収を上げたい」という気持ちは当然ありますが、それだけを目的にすると失敗につながる可能性があります。
給与が高くても仕事内容が合わなかったり、職場環境が悪かったりすれば長続きしません。
結果的に短期間で転職を繰り返してしまい、キャリア全体の評価が下がるリスクも。
大切なのは、業務内容や将来性、働きやすさといった条件も含めて総合的に判断することです。
自分の経験やスキルに見合った待遇を選ぶことで、安定して働き続けられ、その結果として年収も自然と上がっていくでしょう。
転職エージェントを利用する
年収アップを目指すなら、転職エージェントを活用するのも有効な手段です。
エージェントは非公開求人を多く扱っており、自分では見つけにくい条件の良い求人に出会える可能性があります。
また、履歴書の添削や面接対策といったサポートを受けられる点も大きなメリットです。
特に既卒や中退の方は、応募書類や面接で不安を感じることが多いため、専門のアドバイザーに相談することで安心して活動を進められます。
「アゲルキャリア」 では、学歴や経歴に自信がない方でも強みを引き出し、希望に合った求人を紹介しています。
専任のキャリアアドバイザーがサポートするので、年収アップや安定した就職を目指す方におすすめです。
まとめ
既卒や中退だからといって、年収アップを諦める必要はありません。
学歴による不利は確かにありますが、業界や職種の選び方、資格取得、正社員としてのキャリア構築など、工夫次第で収入を伸ばすことは十分可能です。
転職市場の相場を理解し、自分に合った企業を選ぶことも大切です。
また、転職エージェントを利用すれば、自分一人では見つけにくい求人や対策を得られます。
将来の安定と収入アップを目指すなら、早めの行動と戦略的なキャリア形成を意識して動いていきましょう。
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