7月入社で転職をするメリット・デメリットは？スケジュールや転職成功のコツを紹介

【7月入社の転職】7月入社における企業の採用理由

まず、7月入社における企業の採用理由は、主に欠員補充のことが多いでしょう。

たとえば、4月入社の採用に不足があったり、3月に退職者が多く出たりした場合の欠員補充として募集をかけることがあります。

6月にボーナスを設定している会社も多いため、ボーナスをもらってから退職する人の欠員補充の可能性もありますが、その場合は7月入社直前での募集になりやすいでしょう。

なかには、新卒採用がひと段落したタイミングで中途採用に力を入れ、下半期に向けた人員強化・事業拡大を目的として採用を増やす企業もあります。

採用目的によって選考のスピードや求められるスキルは異なり、適切な対策も変化していくため、自分の入社希望時期の採用理由はどのようなものがあるのかを理解しておくことが大切です。

【7月入社の転職】7月入社で転職をするメリット

前述の通り時期によって企業の採用目的が異なるため、転職者側の動向や状況も変化します。

ここでは、7月入社で転職をするメリットとして以下の7つを紹介します。

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

ライバルが少ない

7月入社は、他の時期の転職と比べて比較的ライバルが少ない時期です。

多くの企業は、まとめて研修を行うためにも4月入社や10月入社を目指して採用活動を活発化させます。

そのため、7月入社を目指す転職活動期間では求人数も少なく、転職希望者もそこまで多くはありません。

また、6月のボーナスを受け取ってから退職の意思を申し出ようと考えている人とは、転職活動時期が被らないため、7月入社における転職活動期間はライバルが少ない時期だと言えるでしょう。

一つの求人に対する応募者が少なければ、自然と選考に進む可能性も高まります。

ライバルが多い分転職活動が難航する可能性もあるため、できるだけ有利に転職活動を進めたい人には大きなメリットになるでしょう。

ボーナスをもらって転職ができる

6月にボーナスがある企業の場合、7月入社はボーナスをもらってからの転職になります。

年収アップを目的に転職をするのであれば、ボーナスをもらわずに転職をするのは勿体ないと感じることでしょう。

7月入社だと「6月には有休消化に入りボーナスがもらえないのでは？」と考える人もいますが、有給休暇期間は会社に在籍している扱いになるため、ボーナスは規定通りもらえます。

ただし、ボーナスはあくまでも企業側が支給額や条件を設定しているものであり、減給や不支給は基本違法性がありません。

なかには早めに転職を申し出ることでボーナスを満額支給しないと決める企業もあるため、転職後の収入や貯蓄と相談をしながら慎重に考えることが大切です。

レアな求人が出る可能性がある

7月入社の場合、レアな求人が出る可能性もあるのもメリットの一つと言えるでしょう。

4月が新年度となる企業の場合、各部署の人手不足が表面化するのが夏までの期間です。

そのため、欠員補充や新体制での強化目的で求人が出ることも多く、普段は募集しないような希少なポジションの求人が出る傾向にあります。

また、3月に退職した人の欠員補充であれば、管理職のポジションが空く可能性もあるでしょう。

求人数が4月入社と比較して少ない分、7月入社はレアな求人に出会える可能性が高いため、スキルや経験を活かして穴場のポジションを狙いたいという人にはおすすめの時期です。

ただし、即戦力となる人材を求められているケースも多く、求人が出たらすぐに動けるような準備をしておく必要があります。

急募の場合スムーズに進みやすい

欠員補充による急募の場合、選考がスムーズに進みやすいというメリットもあります。

企業側はなるべく必要なポジションに穴を空けたくないと考えており、採用活動に対する本気度も高まるのです。

求人や転職者が多い時期の場合は、その分選考に時間をかけて応募者を比較したいという企業も多いため、選考にある程度時間がかかることを想定しておかなければいけません。

転職活動に長い時間を当てられなく、スムーズに選考を進めたいと考えている転職者にとっては、企業の採用スピードは重要な要素になるでしょう。

また、6月のボーナスを満額もらえるようにギリギリまで退職を申し出ない人もいるため、7月入社の求人は急な募集になりやすいのが特徴です。

転職をすべきかどうかの見極めができる

7月入社の場合、4月以降に転職活動を始めるケースが多く、転職をすべきかどうかの見極めがしやすくなります。

4月を新年度とする企業の場合、3月や4月に新体制として配置転換を行うため、異動などを踏まえて転職するかどうかを判断できるのです。

なんとなく転職をした結果、前職の方が良かったと後悔する人も少なくありません。

人間関係や業務に関することなどは、転職をしなくても問題や不満を解決できる可能性もあります。

急いで4月入社に向けた転職活動を行うよりも、7月入社を目指す場合は慎重に考える時間が多いです。

新体制を踏まえたうえでの転職活動は、改めてキャリアプランを整理するのに最適なタイミングだとも言えるでしょう。

ゴールデンウィークを有効活用できる

7月入社を目指して4月以降に転職活動を行う場合、ゴールデンウィークを転職活動に当てられるのもメリットの一つです。

長期休暇を有効活用することで、自己分析や企業研究、応募書類の作り込みが十分にできます。

在籍中の転職を目指す場合、転職活動に取れる時間は多くありません。

ゴールデンウィークを利用すれば、普段仕事以外の時間を使って動くよりも負担を減らしながら入念な準備ができるため、休職期間を作りたくない人にはおすすめのタイミングです。

また長期休暇を活用し、転職に向けた資格取得の勉強や新しい経験を積むのも良いでしょう。

もちろん短期間で成果がすぐに出るわけではありませんが、転職先やキャリアに関して視野を広げるのにも効果的です。

入社して数カ月で夏休み・お盆休み

夏休みやお盆休みを7〜8月に設定している企業は多いため、7月入社であれば入社して数カ月で長期休暇を取ることができます。

入社して半年ほど立たなければ有給休暇が付与されないという企業も多いでしょう。

仮に入社時に有給休暇が付与されたとしても、転職したばかりで長期休暇を取りにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。

たとえ経験職への転職だとしても、新しい環境への挑戦は心身共に疲れるものです。

そのため入社してすぐの長期休暇は、転職による疲労やストレスの回復に効果的だと言えます。

また、すぐといっても1カ月ほど働いてからの休暇のため、「長期休暇で新しい業務が覚えられない」「忘れてしまう」という事態には陥りにくいでしょう。

【7月入社の転職】7月入社で転職をするデメリット

次に、7月入社の転職におけるデメリットとして以下の4つを紹介します。

これらのデメリットは、人によっては後悔の残る転職になる可能性もあるため、あらかじめ把握したうえで転職活動を始めることが大切です。

それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

求人の選択肢が狭まる

7月入社の求人は、4月入社や10月入社などのピーク時と比べると少なくなるため、自然と転職先の選択肢が狭くなります。

特に4月入社の求人は1年で最も多く掲載される傾向にあり、その時期の求人数を見て余裕を持っていると、転職活動を始めてから求人数の少なさに焦ってしまうでしょう。

急募の求人の場合、有力な候補者が見つかり次第すぐに掲載終了となるケースもあるため、すぐに動ける状態にしておかなければいけません。

気になる求人を見つけても、応募する準備が整った頃には募集終了してしまったという事態を避ける必要があります。

また、7月入社の求人を逃すとさらに求人数が減る可能性もあり、転職活動が長引く可能性もあるでしょう。

穴場の求人を狙った結果、転職活動が難航しないよう注意することが大切です。

ボーナスに影響が出やすい

7月入社を目指すとなると、1〜2カ月前には退職の旨を申し出ることも多いでしょう。

有給休暇が残っていれば適度に消化する必要もあるため、企業によっては業績を理由にボーナスの減給があるかもしれません。

さらに、働きながら転職活動を行う場合、現職の業務がおろそかになってしまいボーナスに影響が出ることも考えられます。

年収アップを目的に転職を決意した場合、転職活動をすることで年収が下がってしまうのは本末転倒とも言えるでしょう。

そのため、一時期の収入は下がってしまっても今後の年収が上がるなど、長期的な視点で転職活動を進めることが大切です。

ボーナスの不支給や減給は企業側の判断に任せるしかないため、ボーナスに影響が出ることを前提として考えておく必要があります。

スケジュールがタイトになりやすい

4月以降から転職活動を始めて7月入社を目指す場合、スケジュールがタイトになりやすいというデメリットがあります。

企業側は4月からの新体制で教育に時間を割いたり、ゴールデンウィークで長期休みになったりと中途採用のスケジュールが組みにくくなるのが主な理由です。

また、転職者自身も4月からの業務が忙しくなる可能性があるため、転職活動のスケジュールが立てにくくなるでしょう。

中途採用の転職では複数社も並行して応募し、書類選考から最終面接までを上手く調整しなければいけません。

内定が出てから回答期限を設けられるケースも多く、いくつかの企業を比較したいという人は最終面接のタイミングも調整する必要があります。

7月入社を目指すのであれば、そんなタイトなスケジュールでも綿密に計画を立てて行動することが大切です。

手厚いサポートが受けにくい

7月入社の場合、転職後のサポートが4月入社に比べて不十分なことも多いでしょう。

特に急募の求人や経験者採用の場合は、研修の時間を省いて実務に取り掛かるケースもあります。

4月入社であれば、新卒と同時に研修やオリエンテーションを受けられることもありますが、基本的に中途採用では即戦力として求められることも多いです。

どちらにしても、未経験の転職でない限りは、自分から積極的に行動して職場になじむ努力が必要でしょう。

また採用人数が少ないことから、同期がいない可能性もあります。

一緒に成長していく仲間がいないことに心細さを感じる人は、採用人数の多い時期に転職をしたり、複数人での研修制度がある企業へ転職をしたりと工夫することも大切です。

【7月入社の転職】7月入社を目指す転職スケジュール

ここでは、7月入社を目指す転職スケジュールについて解説します。

希望通りの時期に内定を獲得するためには、事前準備や入念な計画を立てることが大切です。

転職活動の開始時期やモデルスケジュールについて詳しく紹介するので、計画を立てる際の参考にしてみてください。

逆算して考える

7月入社の転職を実現するには、まず逆算して何をしたら良いかを考えましょう。

転職活動における一般的なステップや期間は以下の通りです。

上記の目安で考えると、面接回数が少なかったり順調に選考が進んだりした場合の転職活動期間は2カ月〜3カ月程になります。

ただし、この期間はあくまでも目安であり、準備を入念に行っていたとしても実現できるかはわかりません。

たとえば、先方との面接スケジュールが合わないことや、退職の交渉がうまくいかずに退職予定日がずれてしまう可能性もあります。

転職活動は一人で完結するのもではなく、応募先企業や現職との兼ね合いが発生し、想定通りに進まないものとして考えておく余裕が大切です。

おすすめは3月からの活動開始

上述の転職活動期間の目安で考えると、7月入社を目指した場合の転職活動の開始時期は4〜5月になります。

ただし、前述のように転職活動には何が起こるかわかりません。

もちろん4〜5月の活動開始でも間に合うケースがありますが、ゴールデンウィークなどの休暇期間を考えると余裕を持ったスケジュールにする必要があります。

そのため、おすすめは3月上旬から転職活動を開始することです。

3月から活動を開始した場合、内定を5月に獲得、遅くても6月に獲得するイメージで動けるでしょう。

スケジュールを立てるうえでのポイントは、最終面接の日程をなるべく複数社で近づけることです。

中途採用の面接は一般的に2〜3回であることが多いため、追加で応募を行うタイミングもできるだけ早めたり同じタイミングで複数社に応募をしたりするようにしましょう。

【7月入社の転職】7月入社の転職を成功させるためのコツ

想定通りに進みにくい転職活動において、希望入社時期を叶えるためにはポイントを押さえて準備を行うことが大切です。

7月入社の転職を成功させるためのコツとして、以下の5つを紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

入念な計画を立てる

7月入社を実現させるためには、入念な計画が欠かせません。

7月入社を目指した転職活動では、ゴールデンウィークといった長期休暇を挟むため、他の時期よりも1〜2週間ほど転職活動がストップしてしまいます。

もちろん長期休暇を利用して情報収集や応募書類のブラッシュアップを行うこともできますが、書類選考や面接は止まってしまう前提での計画が必要です。

転職活動で一番時間がかかるのは選考であるため、ゴールデンウィーク明けにすぐ選考を進められれば間に合うのか、本命企業は休暇前に受けておくべきなのかなど、内定時期を逆算したスケジュールを緻密に立てていきましょう。

また、計画を立てる際には上手くいかなかった際の代替案を考えておくのもおすすめです。

早めに行動をする

どうしても7月入社の転職を実現させたいという人は、モデルスケジュールよりもできるだけ早めに行動をするよう心がけましょう。

早めに行動することで、転職活動にかけられる期間が長くなるため、失敗してもやり直しがききやすくなります。

とはいえ、応募するタイミングがあまりにも入社時期とかけ離れていると、企業側の採用したいタイミングやニーズとずれてしまうかもしれません。

時期が合わないことでお見送りになると自分の中でのモチベーションも下がってしまうため、応募するタイミングは慎重に考えるようにしましょう。

早めの行動としておすすめなのは、情報収集や自己分析、応募書類の作り込みです。

転職活動を行う人の中には、この準備段階に時間をかけない人も多いですが、情報収集を徹底して行い応募書類をブラッシュアップさせるだけでも選考の通過率が高まりやすくなります。

自己分析や企業研究を行う

これは7月入社の転職に限りませんが、転職を成功させるためには自己分析や企業研究、業界研究を徹底して行うことが大切です。

これらは選考を進めるうえでももちろん役立ちますが、ミスマッチのない転職を実現するためにも欠かせません。

自分の思考や強み・弱み、企業や業界の特徴・実態を理解しないまま転職活動を進めてしまうと、実際に入社してから「思っていたのと違う」と後悔する可能性があります。

特に転職理由を深掘りしないまま、条件面だけで転職先を決めてしまうのは危険です。

何を求めて転職をしたいと思ったのか、長期的なキャリアプランを実現するためには何が必要なのかなど、ゆっくり向き合うことで見えてくる課題もあるため、まずは自分自身や企業・業界のことを深く理解していきましょう。

現職の業務量を調整する

働きながらの転職活動を行う場合、現職の業務量を調整することも大切です。

転職活動の開始時期である3〜4月は、多くの企業が年度末で忙しくなる傾向にあります。

業務量が増えると、両立しようとして体調を崩してしまったり、転職活動や現職の業務のどちらかがおろそかになってしまったりする可能性もあるでしょう。

退職の意思を伝えていない段階で業務量を調整するのが難しいという場合は、周りに協力を得られるよう相談してみるのも一つの手です。

忙しくなってからの相談や調整は難しい可能性があるため、数カ月前から業務の割り振りを見直したり上司に相談したりして、3月までに環境を整えておく必要があります。

転職活動をしようとして現職や体調、転職活動自体に影響が出てしまっては本末転倒のため、事前に業務量を調整して無理のない転職活動を行いましょう。

転職エージェントを活用する

希望通りの時期に転職を実現させたい場合は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。

転職エージェントでは転職のプロがヒアリングをし、キャリアや希望をもとにおすすめの求人紹介や書類作成、面接対策などをサポートしてくれます。

また、7月入社ならではのレアな求人を紹介してもらえたり、最終面接の時期を複数社で合わせられるように調整してもらえたりと、転職を成功させるための心強い存在になってくれるでしょう。

働きながらの転職活動は体力も時間も必要であり、一人で全てを行うのは非常に大変です。

転職エージェントでは企業とのやり取りも代わりに行ってくれるため、現職との両立をしながらスムーズに進めたいという人には最適なサービスと言えるでしょう。

【7月入社の転職】よくある質問

最後に、7月入社の転職について聞かれることの多い質問として、以下の2つに回答していきます。

7月入社の転職を考えている人や不安・疑問を抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

未経験の仕事や業界への転職は可能？

事前準備を徹底しマッチする企業があれば、7月入社で未経験の仕事や業界へ転職することは可能です。

ただし、7月入社の場合は4〜5月の求人に応募することになり、4月入社と比べると求人数は大幅に狭まります。

また、欠員補充を目的とした求人が多くなる傾向にもあり、即戦力となる経験者を募集している企業が多いでしょう。

仮に入社できたとしても、研修などの受け入れ体制が整っていない場合もあり、未経験転職の難易度は高くなると考えられます。

そのため、未経験での挑戦を考えるのであれば、求人の増える4月入社や10月入社を目指したり未経験を多く募集している職種・業界を狙ったりするのがおすすめです。

7月入社の転職での注意点は？

7月入社の転職を成功させるためのコツとして「入念な計画を立てる」とお伝えしましたが、長期休暇を見据えたスケジュール管理は必須です。

他には、暑さ対策や体調管理が求められます。

転職活動を始める時期は季節の変わり目でもあり、体調を崩しやすい時期とも言えるでしょう。

ゴールデンウィークに体調を崩す人も多いため、人混みに行く際は注意が必要です。

また、6月に差し掛かると半袖になる日も増えてくるため、夏用のスーツも用意しておきましょう。

特に普段スーツを着ない人は、クリーニングに出したり新しく購入したりするのにも時間がかかります。

面接では見た目の清潔感や季節感も評価対象になりやすいため、忙しくなる前にあらかじめ準備しておくことが大切です。

まとめ

この記事では、7月入社で転職をするメリットやデメリット、企業の採用目的やおすすめの転職スケジュール、転職を成功させるためのコツなど、まとめて紹介しました。

7月入社の転職を目指す場合、他の時期と比べて求人数が減る分ライバルも少なく、普段は出ないようなレア求人が出る可能性があります。

また、長期休暇を挟むため転職活動の準備も進めやすく、急募の求人であればスムーズに選考が進むといったメリットも考えられるでしょう。

ただし、転職市場が落ち着いている時期の転職では、緻密な計画が求められます。

想定通りにいかないケースも多々あるため、入念な準備と計画、早めの行動を心がけることが大切です。

7月入社での転職を実現させたいという人は、この記事を参考にしてスケジュールを組み、5〜6月に内定を獲得できるよう準備を進めていきましょう。