キャリアプランとは?面接の質問や回答例文・考え方を徹底解説
昔は、終身雇用や年功序列が基になっていました。
最初に入社した企業に骨をうめることを美化していたため、企業に入社したらどんな仕事をするのか、どうやってキャリアアップしていくのかといったことを企業が主になって考えてくれていた時代です。
しかし、現在では、日本自体のビジネスに関わる環境が大きく変わってきました。
労働人口が減り外国からの技能実習生を雇う危機的な不況をうけ、終身雇用や年功序列の制度は終わりを告げようとしています。
労働人口が減っていく理由の一つに、在宅ワークやリモートワークのような新しい働き方が出てきたのもあり、家から外出できなくても生活ができるくらいのお金を稼げるようになってきたのが理由の1つです。
そういった中で自分がこの先どんな風に生きていくのか、将来どんな人間になっていたいのかキャリアプランを立てておく必要があります。
また、生き方だけではなく、就職活動中や転職活動中の方にも最近は応募した企業の面接担当者からキャリアプランを聞かれる場合があるので是非参考にしてみて下さい。
キャリアプランとは?
キャリアプランとは、どのようにして行動するのか具体的に計画したものです。
一つの会社で生涯勤めあげたい方もいれば、転職や独立を考えておられる方もおられるでしょう。
今現在、リモートワークや在宅ワークなどの働き方が増えてきており、キャリアプランの考え方も変えていかなければなりません。
将来、自分が理想とする自分になるにはどんな知識・資格などが必要なのかを理解し具体的に行動したらいいのか把握しておく必要があります。
よく似た言葉に「キャリアパス」というものがありますが、これは会社員が目標にする立ち位置に就くための経験や資格などのレールを示している言葉です。
もう一つ、似た言葉に「キャリアビジョン」がありますが、これは「将来自分がこういうことをやってみたい」などの未来の自分の姿を示しています。
キャリアプランは、「キャリアビジョン」を現実のものにする為の行動計画です。
キャリアプランが面接で聞かれる理由はミスマッチ対策
面接担当者がなぜキャリアプランを聞くのかというと、応募者が望んでいるキャリアを自社で実現できるか確認するためです。
企業と応募者の思いに食い違いがないかを見極められるので、自社にマッチした人材かどうかを判断することができます。
具体的には、企業が数年後には業務の責任者になりたいと考えるのに対し本人は責任者になりたくはなく、現場でまだまだ経験をしたいなど考えが合わなくなってきます。
本人が業務に対してやりたいことができなくなってしまった場合、せっかく入社したにも関わらず直ぐに辞めてしまうことが考えられるので、面接の際にはキャリアプランに関して質問し本人の思いと企業の思いが合わないか確認するのです。
キャリアプランを作る3つのメリット
キャリアプランを作る3つのメリットは、下記のとおりです。
モチベーションが上がる
自己PRに活用できる
選択できる幅が広がる
モチベーションが上がる
仕事に対するモチベーションが下がる理由の1つに自分が企業で働く目的が分からなくなるというのがあります。
モチベーションを上げるにはまず、自分が今取り組んでいる業務が何のために行うのか、誰のために行うのかなどの目的をはっきりさせましょう。
目的をはっきりさせることによって業務に対する意識ができ、成果に繋がりやすいです。
逆に、目的もなくただ業務をこなすだけでは、知識や経験を積むことが出来てもモチベーションを上げることができません。
自分が将来どんなことをして生きていくのか具体的な目標があれば、目標に近づくためにはどうしたらいいのか理解するようになりモチベーションを上げることができます。
自己PRに活用できる
キャリアプランを立てることで、効果的に自己PRをすることができます。
それは、自分の中の知識や経験を見つめなおし、自身の得意不得意を発見できるからです。
就職活動の中でキャリアプランを聞かれることがありますが、キャリアプランがはっきりしていれば、企業側がなぜ自社を選んだのか志望動機に納得してもらいやすくなります。
企業が、自身にキャリアプランを聞く理由は自分の考えたキャリアプランが自社と自身に合っているかどうかを見極めるためです。
もし、自身と企業が合わない場合入社してもすぐに辞めてしまうのではないのかと考える担当者もなかにはいます。
キャリアプランが曖昧な場合、自己分析が明確でないため「この人は自社で活躍できるのか」というイメージが付きやすいです。
選択できる幅が広がる
キャリアプランを立てることにより、自分のやりたいことが明確になり、目指す理想像に近づくため選択できる幅が広がります。
転職で将来、自分が何をしたいのかはっきりとした道筋が見えてくるからです。
ただし、道筋が決まらずそのまま転職すると自身と企業が合わないことがあるために転職を繰り返し行うことがあります。
自分が将来自身でやりたいことを明確にしキャリアプランを立て、自身に合った企業を見つけましょう。
キャリアプラン明確にする3つのステップ
キャリアプランを明確にする3つのステップは、下記のとおりです。
自己分析をする
将来像を決める
必要なプロセスを考える
自己分析をする
自分の今の現状を把握し、今までにどんな仕事をしてきたのか、どんなことが出来るのかを思い返し経験を整理すると分かりやすいです。
具体的な例は下記のとおりです。
どんなスキルがあるのか
仕事にやりがいはあるのか
これまでの業務の中でやりがいのある業務はなにか
将来どんなことをして生活していきたいのか
このようなことを考え、どのような価値観で行動しているのかが分かればスタート地点が把握できます。
自己分析とは、今自分がいる場所を理解し、過去を振り返り経験や知識を整理する作業と言えるでしょう。
将来像を決める
今自分の立ち位置が把握出来たら、目的地も決めます。
目的地は、将来自分がなりたいと思う理想像です。
どんな職種や収入を達成したいのか、また今の会社で働きたいのであればどのような役職や収入を達成したいのかを考えましょう。
目標は必ずしも今の会社でなくてはならないわけではなく、実現したい思いがあれば自由に考えることが重要です。
キャリアプランは、仕事のみならずこれからの生き方として自分の理想像を思い描くことも大切なことであり、キャリアプランと別に考えると考えがまとまらなくなります。
必要なプロセスを考える
将来、自分が何をしたいのか分からない場合、一度自分には何が出来て何が出来ないのかを考え、整理します。
同じ職種の同期などと比較し、自分はこれなら人には負けない、しかし自分はこういうところがあまりできていないなどというような観点から考えていくといいでしょう。
自分が今まで行ってきた経験から自己分析できたら次は、将来の自分の理想像を目指すために自身のやりたいことを見つけます。
自己分析したことによってこれからどんな資格が必要なのか、どういったことをこれからしなければならないのか答えが出てくるでしょう。
キャリアプランを立てる際には、始めから大きい目標をたてるのではなく、小さくてもいいのでより確実に出来る目標を作り分割するなどをして達成しいい結果に結びつきます。
そして、遠くの目標よりも目の前にある自分が今しなければいけないことを確実に達成することが将来自分の思い描く理想像の近道です。
【年代別】キャリアプランの考え方と例文
ここでは、年代別に分けたキャリアプランの考え方や例文を解説します。下記の年代を年代を解説するので、キャリアプランについて明確に決まっていない場合は、ぜひ参考にしてください。
20代
30代
40代
50代
20代のキャリアプラン
20代の場合は、まだ年齢が若年なため経験や実績よりも個人の将来性の期待で選考されることが多いので、業務に対する心構えができていて、この企業で成長したいという思いが伝わるキャリアプランを提示できるといいでしょう。
今現在、営業として会社の中で一番の成績を取れるように毎月の目標から2倍、3倍の会社に対して利益を出すように心がげております。
お客様に対する対応をつけるためには、日頃からどんなことをしたらいいのかを考え社内の諸先輩方からご指導をうけ技術をしっかり磨きたいです。
また、他の業種の営業担当が成功している方法を書籍やセミナーなどでも学ぶようにしています。
30代のキャリアプラン
30代の場合は、企業での立ち位置では中堅どころの年代です。
今までに培ってきた知識や経験を活かして、他の企業や業種に与える影響力を自身がここまで出来るということを伝えられるといいでしょう。
具体的には、会社にとって業績が大きく上がるプロジェクトを立ち上げ自分が知っている技術をプロジェクトメンバーに指導するなどがあります。
自分が応募した企業が求めるものと、自身がやりたいことや目標がちゃんと合っているのかを探すようにしていきましょう。
今までの経験を活かし、数年後には、大規模な組織まとめるリーダーとして活躍していきたいです。
若手、新人の育成に力をいれており戦力化できるように現在はコーチングスキルなどを学び自社の営業方法をスマホやパソコンなどで直ぐ見直しできるように教材も作成しております。
40代のキャリアプラン
40代の場合ですと、管理職としての採用されることが多い年代です。
会社での40代は、全ての方に当てはまるわけではありませんが主に普段行っている作業の全体を効率よく回すことが求められます。
業務で中心的な存在になり、他の方たちに指示をしたり人材育成を任せられることが増え、自身のリーダーシップを発揮する場が出てくるでしょう。
40代は後輩との考え方の違いが作業を行う上で痛感させられる機会でもあります。
自分と考え方が違うとしても、ちゃんと後輩の声に耳を傾け作業を円滑に回すことができるスキルが必要です。
そして組織が管理者に求めるものは、時代の流れを読んだ新しい事業の立案、組織の仲間をしっかり引っ張っていけるのか、など的確になってきます。
組織の思いと合わさる具体的な内容を伝えられるといいでしょう。
私は、今から2〜3年以内に会社の売り上げが〇億円規模の仕事を考え出す営業チームを作り上げリーダーとして会社に貢献したいと思っております。
そのためには、営業チームが業務が行いやすい環境づくりや人材の育成、またマーケティングなどの組織と連携し失敗や成功を整理し作業に取り組みたいです。
より大きなビジネスとして、生産性の高いチームに作り上げたいと考えております。
50代のキャリアプラン
一昔前は、50代で定年退職を迎えるような時代がありました。
今現在は、人生100年時代と言われこれまでの知識や経験、資産の蓄えなどを活かし今までとは異なった分野に挑戦したいと思われる方もいらっしゃると思います。
他の世代と同じようにキャリアプランを考えることが、自分のキャリアのためにはもちろん転職活動にも必要です。
今までの経験や人脈、知識と資格を活かすことを考え成長しようとする意欲と素直さ、新たな仕事に挑戦しようという思いが伝わるプランを提示できるといいでしょう。
営業とマーケティングの部長をしてきた経験を活かした分析力やマーケットの観点、異業種の経営の人脈、そして開発業務に携わった知識で経営の視点から2〜3年以内に会社に貢献できる事業を立ち上げます。
営業とマーケティングの両方の管理職の人材育成や業務に対する気配りができる後進の育成を並行して行い、会社に貢献できるようにしていきたいと思います。
キャリアプランに関する質問例と回答例
回答例 私は、御社に入社しましたら将来は売り上げトップを目指したいと考えており、御社の商品や商材を熟知し2年間は行動量にこだわって業務に対する経験を行いたいです。
回答例 5年後、10年後には営業部門のリーダーを目指し業務に対する提案のノウハウを後進に指導を行い会社の売り上げに貢献できるように成長していきたいです。 質問3. キャリアプランを達成するには何が必要ですか? 回答例 今は、御社の売り上げのトップを目指しておりますが、ゆくゆくは業務に対する リーダーを目指しております。
キャリアプランを面接でアピールする3つのポイントは、下記のとおりです。
企業のニーズに焦点を当てる
一貫性を持たせる
志望企業でしか叶えられない理由を伝える
企業のニーズに焦点を当てる
キャリアプランは、自身の知識と資格で判断するものなのでちゃんと考えておく必要があります。
面接でキャリアプランを聞かれる理由は、応募者の思いと企業側の思いが合っているのか確認するために聞かれるもので全てを素直に答える必要はありません。
具体的には、将来独立するための経験を積みたいと考えていたとしても企業がその考えを良いと思うのか違ってきます。
そうなってくると面接担当者は、自身のキャリアプランを伝えることにより「この考えではうちの会社とは合わない」と感じてしまい採用を見送るという可能性がでてくるからです。
また、業務に対する専門性を高めたい、業務で海外には行かないにも関わらず海外で会社に貢献したいなどの企業が提供できない提示をすると自身と企業の考えが合いません。
自身のキャリアプランと企業が求めるものが一致するかを事前に調べ、面接の際に伝えられるといいでしょう。
一貫性を持たせる
面接の際には、入社したら会社で何をしたいのかと質問された方もいらっしゃるかと思います。
自分が到底達成できない目標を立てて提示したとしても説得力がありません。
まずは、企業に入り仕事で実現したいことや理想像をちゃんと考えそのことに関して自分が今できること大切にしたい思いを整理します。
最後に、自分がなりたい理想像にむけて何をすべきかを整理し、今行っている業務の延長で「こうなりたい」、「こういうふうにやっていきたい」と伝えていくと理解されやすいです。
キャリアプランに達成できない目標を入れ込むと、目標達成に時間がかかるかもしくは、達成できないこともあります。
初めから、大きな目標ではなく現実的にちゃんと達成できる目標を設定したほうが理想像に近づくには一番の近道になるでしょう。
志望企業でしか叶えられない理由を伝える
企業が知りたいのは、会社に入り将来何を成し遂げたいのか、実現したいのかという目標です。
10年後、20年後には会社で何をしていますかなど聞かれない限り、この会社でなければならないという思いと理由をはっきり伝える必要があります。
数年以内に達成できる目標などから土台をしっかり固めて具体的な内容を伝えるといいでしょう。
今現在、終身雇用という考えが無くなりつつあります。
理由としては、リモートワークや在宅ワークなどの働き方が増えてきていて1つの会社に残ることが難しい時代です。
そうした中で、会社でどういった目標を立てるのか、どうやって生きていくのか「環境の変化」に対応できるようになっている必要があります。
キャリアプラン作成時における3つの注意点
キャリアプラン作成時における3つの注意点は、下記のとおりです。
企業ごとに分けて作る
具体的な方法まで考える
定期的に振り返る
企業ごとに分けて作る
先ほども記載しましたが、就職活動や転職活動を行う際にキャリアプランを聞かれるのは応募者の思いと企業が求めている思いが合っているかどうかです。
応募しているところが必ず採用していただけるとは限りません。
一つの企業のことだけを考えるのではなく、自分のやりたいことができそうな企業をいくつか選び、応募しようとしている企業に対してのキャリアプランを作成しておくことが重要です。
一つにこだわることも重要ですが、もし失敗した時に臨機応変に対応ができるようになっているのも重要なことだといえるでしょう。
具体的な方法まで考える
キャリアプランを作成する際には、具体的な方法まで考えておくことが重要です。
安易な思いで作成してしまうと、どこから行動していいのか分からずせっかく立てた目標を達成できなくなります。
キャリアプランを作成するには中期から長期にかけての目標を立てますが、未来のことを考えると不安要素がでてくるので気持ちに余裕をみせることで軌道修正がやりやすくなるでしょう。
しかし、一番大切なことは最後の目標がゆるがないということです。
多少の寄り道をしたとしても自分が立てた目標にちゃんと進んでいるのであれば問題ありません。
定期的に振り返る
一度立てたキャリアプランは定期的に見直しましょう。
どんなに綿密に計画を立てたとしても、すんなり計画どおりに進む保証はありません。
むしろ、自分の思い通りにいかないことが多いでしょう。
初めに立てた計画にこだわりすぎると、目標に対しての道から外れてしまった場合、やる気をなくしてしまいます。
そういう時の状況変化に応じて柔軟な対応をすることが、キャリアプランを達成できる重要なことです。
また、計画通りうまくいかないことも考えておくと現実を見据えたキャリアプランになっていくでしょう。
まとめ|キャリアプランで企業との相性がわかる!
キャリアプランは、将来の目標・目的を表した指標で、企業が採用するために判断する要素のひとつです。
もし、転職したい会社がある場合、企業研究をもとに入社後のキャリアプランを立ててから面接に向かうようにしましょう。
キャリアプランを安易な思いで考えるとチャンスを見逃したり、どんなふうに動けばいいのか分からなくなり、最終的には目標が達成できないまま働く可能性があります。
職して終わりではなく、入社してから自分の目標・目的を達成し、自身の幸福度を高めるためにも、キャリアプランをしっかりと考えるようにしましょう。
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