
ソルジャー採用って何?特徴や企業の見分け方なども徹底解説!
はじめに
転職活動に励んでいる人の中で、とくに大手企業に転職を検討している人は「ソルジャー採用」というワードを目にしたことがあるのではないでしょうか。
ソルジャー採用をそのまま訳すと、「兵士の採用」となります。
しかしこれだけでは、いったいどんな意味を持つ採用なのか、どういう人材を「ソルジャー」と呼ぶのかわかりませんよね。
今回の記事では、ソルジャー採用の定義や特徴を解説しています。
ソルジャー採用されることのデメリットや、ソルジャー採用を避けるための転職活動方法についてもご紹介しているので、効率的に大手企業への転職ルートがわかるようになるでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
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ソルジャー採用とは
ソルジャー採用とは、出世もせず生涯現場で平社員として働く人材を採用することです。
悪い言い方をすると「いつ辞めても代わりはいる」と使い捨てのような形で採用することを、戦場で朽ちゆく名もなき兵士に例え、皮肉めいた形で使っているのです。
「一定レベルの大学以下はソルジャー要員」と、学歴で区別して採用活動することを、ソルジャー採用と呼ぶこともあります。
しかし現在は状況が少し変わり、出世できる才能があるかよりも採用数を意識して選考を行う会社が増えました。
特に離職率が高い銀行や証券、不動産などの離職率が高い業界でソルジャー採用が行われています。
つまり、出世できる才能があるかよりも、採用した中から抜きんでる人材を探すという形で、「質より量」のスタイルで選考を行っているのです。
学歴でフィルターされることが多い
学生時代の就活では「学歴フィルター」を実感したことのある人も多いのではないでしょうか
実は中途採用においても学歴フィルターが存在することがあります。
ソルジャー採用はとくに学歴で差別化をしている採用方法のため、一定学歴以下は不利になることが少なくありません。
ソルジャー採用における学歴フィルターは明確な定義はありませんが、一般的には下記以外の大学はソルジャー要員となる可能性が高いです。
・旧帝大
・早慶上智
・MARCH
・関関同立
・上位国公立大学
上記の大学はいわゆる「高学歴」と呼ばれる分類で、大手企業でも優秀な新卒として採用してもらえる確率が高い学歴です。
日東駒専やFランと呼ばれる大学卒の場合、大手企業ではソルジャー要員として採用される可能性が高いと考えましょう。
ソルジャー採用されて万年平社員の道を歩むことを避けたいなら、多少妥協して大手企業以外の会社を選ぶことをおすすめします。
中小企業やベンチャー企業でも、働き方がホワイトで高所得が期待できる会社はたくさんあるので、視野を広げて転職活動をしてみてはいかがでしょうか。
キャリア採用との違い
キャリア採用とは、即戦力となる社員を中途採用することを指します。
大量採用をするソルジャー採用とは違い、優秀かつ会社との相性が良い人だけを厳選して採用するため、転職の難易度は高いといえます。
キャリア採用される人は、前職で一定以上の実績と経験を残さなければなりません。
営業職でキャリア採用されるなら、当然ながら営業としての高い実績と高度なスキルを保有している必要があります。
未経験からスタートして徐々に育成するソルジャー要員とは違い、入社してすぐに高い目標値を与えられます。
そのため、キャリア採用は好条件で採用されることが一般的です。
ソルジャー採用の社員は最低基本給スタートなのに対し、キャリア採用者はその倍以上の給与を約束されて入社することができます。
ソルジャー採用もキャリア採用も大手企業を中心に行っている採用手法ですが、双方を比較すると転職のハードルも待遇も大きく異なるのです。
ソルジャー採用者の特徴
これまでソルジャー採用の定義について理解を進めていくと、「ソルジャー採用=働きアリ」のように悪い印象を持つことが多いのではないでしょうか。
ストレートにお伝えすると「捨て駒」のような存在ではありますが、大手企業のほとんどがソルジャー採用をとり入れていると言われています。
大量の新入社員を採用する大手企業の場合、出世コースが期待できる一握りの社員とそうでない社員を差別化して配属先を決めることがあるからです。
たくさんいる同期の中で出世できるのは優秀な一握りで、その他大勢はずっと現場で働くソルジャーとなるのです。
それでは、ソルジャーとして採用された社員はどのような特徴があり、入社後はどのような環境で働くのでしょうか。
収入や業務の面などさまざまな視点から見て、3つの特徴をピックアップしました。
収入は意外と高い
「辞める前提で雇う」と聞くとぞんざいに扱われるようなイメージもあります。
しかし、ソルジャー採用をしている会社は、平均より給与が高いという特徴があります。
大量採用をするということは、従業員数が多い大手企業というケースが多いです。
会社の規模に応じて、当然社員への手当は手厚くなります。
ソルジャー採用の中でも特に多いとされる営業職は固定給+歩合制を用いている企業が多いため、成績次第では平均を大きく上回る収入が得られる可能性も大いにあります。
また、大手企業では寮や家賃補助などの福利厚生が充実しているために、生活費を差し引いても、手元に残るお金が多いのもメリットです。
このようにソルジャー採用は、現場はきびしくとも高収入を約束される企業が多いのです。
仕事がずっと激務
収入は良くとも、ずっと現場での激務が続くのはソルジャー採用枠の一番つらいところです。
一部の社員を除いたほとんどが、何年働いても一向に出世できず、現場で過酷な労働環境を強いられています。
また管理職になれなくても、営業職の中で出世することで、新入社員のころよりも業務量が増えます。
さらには若手の教育や、管理などの責任が増えることでプレッシャーとなり、モチベーションが低下する社員も多くいるのです。
高学歴であるからといって、必ず出世できるというわけではありません。
大企業なら早慶以上の学歴がある学生はたくさんおり、その中でも特に優秀な人材しか管理職にはなれません。
ソルジャー入社をした時点で、ずっと現場でノルマや目標を抱えて働くという覚悟をしなければならないのです。
生き残ることが難しい
次に、定年まで働くことが非常に難しいという特徴があります。
現場は過酷な環境にあり、大企業であれば数年単位で転勤や異動を繰り返すために、かなりストレスフルな環境に身を置くことになります。
そのために、とにかく体調やメンタルヘルスを崩す人が多く、休職する社員がとても多いのは否定できません。
また、そのような環境に耐えられないと、同期の社員が続々と、転職のために辞めていくのもつらいところです。
メンタルケアに重きを置いており、発症だけでなく予防のために、産業医のカウンセリングを設けるなど、対策を設けている企業も多く見受けられます。
しかし、それでも離職率は大幅には改善しません。
ソルジャー採用を行っている企業に採用されたのならば、体力だけでなく精神面でも酷使されると思って良いでしょう。
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ソルジャー要員にならないための就活・転職のコツ
これから長い人生においてキャリアアップできる計画を立てることは、人生を豊かにする重要な道標になります。
努力に努力を重ねて実績を残し、出世して収入を増やし続けることも大切です。
そのため、精度の高いキャリアプランを叶えるためには博打とも言えるソルジャー採用はできるだけ避けた方が良いでしょう。
ここからは、ソルジャー要員にならないための就活・転職活動のコツについて3つご紹介します。
大手企業にこだわらない
前述した通り、ソルジャー採用を行う企業の多くは大手企業です。
そのため、大手企業にばかり固執して転職先を狙っていては、ソルジャー採用される確率が高まります。
もちろん自信のある学歴と職歴を持っていれば、キャリア採用枠を狙って転職活動をするべきでしょう。
しかしそうでなければ大手企業への就活・転職は避けるべきです。
未経験からのスタートなら、なおさらソルジャー採用されることが目に見えています。
急いで大手企業を狙わなくても、まずは中小企業やベンチャー企業で実力をつけてみてはいかがでしょうか。
中小・ベンチャー企業の中途採用は実力主義であることが多いため、一定の実績が残せれば優秀社員として会社から高待遇が受けられるでしょう。
さらにその実績を武器に、次のステップとして大手企業のキャリア採用枠を狙うことも可能です。
大手企業を志望している人はいきなり高い壁を登るのではなく、段階的にステップアップしてゴールを目指してみてはいかがでしょうか。
キャリアパス制度の整った会社を選ぶ
キャリアパス制度が整った会社は、社員一人一人の長期キャリア形成における支援をしてくれます。
キャリアパス制度が整った会社は平社員から出世コースを歩むまでのステップや、身につけておくべきスキルをわかりやすく提示してくれています。
仮に未経験からその職についても、会社にロールモデルが存在するために、自分が歩むべき道をわかりやすくとらえることができるでしょう。
また、キャリアパス制度を用意している会社は社員の教育に積極的なので、短期間で多くのビジネススキルを身につけることもできます。
実力がついてきたことを実感するたびに、モチベーションも上がって仕事がより楽しくなるでしょう。
ソルジャー採用されて万年平社員になることを避けたいなら、転職サイトなどで求人を探す際に「キャリアパス」のキーワードに着目して検索してみましょう。
ソルジャー採用で経験を積んでから転職する
ソルジャー採用をあえて利用するという手もあります。
まずはソルジャー要員として現場で実践を積みながら、一定の実績が残せた段階で転職し、次の会社ではキャリア採用を狙うのもキャリアプランの戦略の一つです。
ソルジャー採用は就活・転職のハードルが低いため、よほどの社会人歴不足でなければどんな人でも採用してもらえるでしょう。
入社後はソルジャー要員として非常に忙しい毎日を送ることは覚悟の上ですが、数年我慢して実績が残せれば後が楽です。
まさに石の上にも三年ととらえて、ソルジャー要員になることを踏み台にしてステップアップするのも検討しましょう。
ソルジャー採用が行われやすい業界
ソルジャー採用をとり入れている企業は大手企業が中心ですが、業界によって大きく異なります。
営業職のマンパワーが必要不可欠な業界は、とくにソルジャー要員が多く存在します。
では、実際にどのような業界でソルジャー採用が行われているのか気になることでしょう。
大きく分けて2つの業界が代表的なので、次よりご紹介します。
メガバンク
メガバンクを中心とした金融機関は、ソルジャー要員となる営業職を大量に採用する傾向にあります。
とくに新卒採用においては、採用した行員のほとんどがソルジャー要員です。
とにかくたくさんの営業人材が必要であるため、ソルジャー採用されるほとんどの行員は営業や窓口業務の担当として配属されます。
反対に、エリート採用と呼ばれる出世コースを歩む行員たちは、地方の支店ではなく官公庁に出向したり本部の企画系部署に配属されたりします。
ソルジャー採用された支店の行員は、頑張って出世すれば支店長を目指すことはできますが、それもほんの一握り。
エリート採用された行員は本部の人事部や財務部に直接進むことができますし、出世すれば役員クラスのポジションにつくことも叶います。
大手不動産会社
大手不動産会社では、新卒採用だけでなく中途採用でもソルジャー採用をとり入れている企業が多くあります。
なぜなら、不動産会社は離職率が非常に高いためです。
近年では働き方改革により残業時間や休日出勤が減りつつありますが、それでも他の業界に比べればハードワークであることには変わりありません。
営業社員の給与水準は高いものの、労働環境と高い目標設定についていけず辞めてしまう人が多くいるのです。
そのため、会社側は常に退職者に備えて大量に求人を出す必要があります。
それも「辞めるかもしれない」ということを見越した採用です。
不動産会社の営業職は優秀な社員だけが残っていき、後はどんどん辞めてしまうことが多いため、優秀人材だけをふるいにかけるようにソルジャー採用を行っているのです。
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ソルジャー採用をしている企業の見分け方
入社するのなら、ソルジャーとしてずっと同じ現場で働くのではなく、キャリアアップしていきたいと考えるのは誰もが同じでしょう。
せっかくエントリーシートや数回の面接を経て入社したのに、「使い捨て」として現場で酷使され続けるのは、とてもつらいものがあります。
それではソルジャー採用をしている企業は、どのように見分ければ良いのでしょうか。
注意すべき3つの点をあげましたので、エントリー時はぜひチェックしてください。
離職率が高い
ソルジャー採用をしている企業は、なんといっても離職率が非常に高いのが特徴です。
金融業界や不動産業界の一部では、3~5年以内に同期がほとんど辞めていくという話があるほどです。
ソルジャー採用枠は、リテール営業や現場担当や販売などの、ストレスフルで激務な現場に配属されるケースが多く見受けられます。
過酷な現場で戦い続けることを強いられるため、ほかの企業に転職するなどして、戦線を離脱する社員が多いのです。
それだけでなく、先述したように業務のストレスからメンタルのバランスを崩して、離職を余儀なくされるという社員も少なくはありません。
離職率の高さは、労働環境の過酷さと比例する、ソルジャー採用をしている可能性が高いと考えて良いでしょう。
採用人数が異常に多い
採用人数が非常に多い会社も、要注意と判断して良いでしょう。
大量に雇うということは、大量に人が辞めてしまう可能性も高いからです。
もちろん大企業ならば、毎年全国規模で採用活動をするために採用人数は多くなります。
また中小企業でも支店を増やす、事業拡大を拡大する、などのポジティブな理由で採用人数を増やしているケースもあります。
そのために大量採用していることが、ソルジャー採用とイコールになるとは言い切れません。
しかし会社の売り上げに対して、あからさまに採用人数が多い場合は、ソルジャー採用をしている可能性があります。
大量採用をしている会社は、業務内容だけでなくIR情報も見て、不自然な点がないかを確認すると良いでしょう。
ライバルの会社が多い
離職率や採用人数と同様に、ライバルや競合の企業の有無も見た方が良いでしょう。
同じ業界で同じ規模の会社では、必然とライバル企業となります。
ライバル企業への敵対心が強い会社だと、負けないようにとにかく売り上げを伸ばそうと、訪問営業や電話営業などのつらい現場できびしいノルマを課す傾向があります。
そのために、営業職にソルジャー採用を用いる企業があるのです。
つまり、「長く働いて会社に貢献してほしい」という視点で採用しているのではなく、ライバルを上回る売り上げのために、酷使する道具として雇われる可能性があります。
戦場での戦死前提の採用というわけです。
このように、ライバル企業との関係もチェックするようにしましょう。
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まとめ
ソルジャー採用枠で入社すると、仮に「大手企業に勤務している」という肩書きを得ても、入社後はとてもつらい道が待っていると思って良いでしょう。
基本的に、企業もキャリアアップを見据えて採用していないために、よほど優秀でない限りは生涯現場で働きます。
また現場の環境も、ノルマや目標がきびしいことも多く、激務を強いられるケースがほとんどです。
そんな状況でがむしゃらに働いていても、自分より年次の若い社員に先を越されることもあるでしょう。
現場の仕事が好きで、生涯営業や販売を続けたいと考える人にとってソルジャー採用はメリットになります。
しかしそうでない人にとっては、ずっと平社員で同じ仕事というのは味気なく感じるでしょう。
社名や肩書きに惑わされず、企業が求める人材と自分のビジョンがマッチするかを見極めて、就職活動をするようにしましょう。
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