BtoB営業経験を活かす!企業の選定基準とキャリアアップを目指す方法

BtoB営業経験を活かす!企業の選定基準とキャリアアップを目指す方法

目次
  1. BtoB営業経験者が選ぶべき企業の選定基準 
  2. BtoB営業の基本とその魅力 
  3. BtoB営業の業界別特徴と戦術 
  4. BtoB営業で求められるスキル5つ
  5. BtoB営業の成功事例とポイント 
  6. BtoB営業の課題と克服方法 
  7. BtoB営業経験者が成長するためのキャリアパス 
  8. BtoB営業経験者におすすめのスキルアップ方法
  9. まとめ

BtoB営業経験者の方は転職市場において、果たして自分にはどのような価値があって、どのようなキャリアパスを描くことができるのか、気になるのではないでしょうか。

BtoB営業に興味を持っている人も、スキルアップや転職における業界の選択肢について知っておきたいところです。

この記事ではBtoB営業経験者に着目し、経験を生かすためのポイントやそれぞれの業界の特性、求められるスキルについて解説します。

成長するためのキャリアパスやスキルアップの方法も紹介するので、BtoB営業経験者の特性を理解できるようにしましょう。

BtoB営業経験者が選ぶべき企業の選定基準 

転職してBtoB営業をやりたいという場合には、法人相手のビジネスを主に手がけているBtoB企業に入社するのが、よくある選択肢です。

BtoB企業を選ぶポイントとして、特に重要視するべきは以下の3点となります。

どれもBtoB営業を長く続け、キャリアアップをして行くにあたって重要な要素になりますので、事前の確認を抜かさずにやるようにしましょう。

BtoB営業経験者が選ぶべき企業の選定基準 
・企業文化や福利厚生 
・成長市場に注力している企業 
・社員の成長を支援する環境 

企業文化や福利厚生 

BtoB企業を選ぶ際は、コーポレートサイトなどで企業の理念や文化も目にして判断基準にしましょう。その中で、企業が発信する企業文化に感銘を受けられるかどうかが、企業選びのポイントです。

企業文化がブランディングによって明確に見える企業は、組織の在り方にブレがなく、社員と会社で目指すビジョンの共有がされています。コーポレートサイトからそうした文化を感じ取れるような企業は、ポリシーを貫いて仕事を進めることができる企業です。

働き方に対する認識が社員と共有できている企業は、社員の働き方や待遇も重視しており、福利厚生も充実しています。特に手厚いとされているのが、育児や介護に対する支援です。これらの情報を集めて、比較検討するようにしましょう。

成長市場に注力している企業 

BtoB企業は継続されやすい企業間取引がおもな収益源です。安定性が高いことが特徴ですが、世の中の流れが1つ変わるだけで崩れる可能性も捨てきれません。新しい技術や産業が誕生すると、既存の市場はまたたく間に衰退してしまいます。

本当の意味での安定性が担保されている長期的な成長を望むなら、企業が更なる成長を目指して常に新しい市場に挑戦しているかどうかが重要です。会社そのものが、新しい事業へ挑戦しているかや、過去にどのような事業展開をおこなってきたかを事前に調べてみましょう。

新しい技術や産業に対して積極的な動きを見せている企業は、新しく生まれる市場において優位な立場を築き上げられます。企業のサイトや業界紙のニュースなどの活用がおすすめです。

社員の成長を支援する環境 

新しい挑戦に関しては、会社そのものだけでなく、社員個人のチャレンジに対しても積極的に後押ししてくれる環境が望ましいです。やりたいことをやらせてくれるかどうか。あるいはそれに近い仕事ができる部署への異動など、チャンスを与えてくれる気風があるかどうかがポイントとなります。

本当の意味で挑戦を後押ししているかどうかは、失敗したときの処遇がどうなっているかが重要です。日本ではいまだに、失敗者は出世できないなどの風潮があり、失敗を恐れる空気感が根強い傾向にあります。

そうした企業では、社員が積極的な挑戦を行うことはできません。それどころか、企業としても積極的な事業拡大が望めず、時代に取り残されてしまうことも考えられます。挑戦したことを称賛し、失敗を活かせる環境の企業を選ぶようにしましょう。

BtoB営業の基本とその魅力 

BtoB営業とはどのような仕事なのか、未経験者であれば通常の営業との違いを明確に説明できないです。

BtoB営業の基本や特色、似たような言葉であるBtoCとの違いについても正しく把握しておかないと、入社後に思い描いていた仕事とのギャップに悩まされてしまうことも考えられます。BtoB営業についての理解を正しく深めておきましょう。

BtoB営業とは何か 

BtoB営業とは法人対法人の取引における営業のことで、Business to Businessの略からBtoBと呼ばれています。

やりとりされるのは完成した商品の他、商品の原材料や部品、サービスやコンサルティングなどの無形商材です。

一度に大量の点数を取引するので、単価が低い商品でも大きなお金が動く取引になりやすくなっています。この他に挙げられるBtoB営業の特徴が、担当者と決裁者が異なること、契約までに時間を要することです。

営業活動についても、1つの取引相手と深く長く付き合うことが大切なBtoB営業では、ルート営業がメインとなることが一般的となっています。新規開拓を狙う場合は飛び込み営業を実施することもありますが、かなり少ない例であることもポイントです。

BtoBとBtoCの違い

BtoBと対になってよくいわれるのがBtoCです。こちらは法人対一般消費者の営業で、Business to Customerを略してBtoCと呼ばれています。

消費者による一般的な消費機会においては、ほとんどがこのBtoCに該当しており、身近になっているビジネスモデルとなっています。

BtoBとの違いはいくつかあり、取引相手と決裁者が同一であること、契約(購入)までに時間がかからないこと、取引によって動くお金は少額であることが特徴です。

BtoBと同様に、リピーターになってもらえやすいケースもありますが、商材によっては同じ相手と継続して取引するのが難しいケースもあります。その場合は、新規開拓を積極的に実施しなければならず、飛び込み営業を置く場面も必要です。

BtoB営業の業界別特徴と戦術 

BtoB営業は、職種や商材によって活発な業界とそうではない業界に分かれています。そしてそれぞれの業界によって見られる特徴や営業戦術も異なっており、課題についても同じではありません。

BtoB営業が特に活発な業界5つを選択し、それぞれの業界における特徴を紹介します。BtoB営業を目指すなら就職先として選択肢に入る業界ですから、事前に理解を深めておきましょう。

BtoB営業の業界別特徴と戦術 
・IT業界
・人材業界
・不動産業界
・インフラ業界
・メーカー業界

IT業界のBtoB営業 

IT業界で主に取り扱われる商材は、無形商材です。企業が社内で用いるシステムやツールの開発や、ウェブサイトの開設・運営などが販売されています。

取引先が商品に求める機能などは企業によってそれぞれ異なるので、IT業界における法人向け商材は、ほぼ全てが顧客の要望でカスタマイズされるものです。営業担当者は顧客が抱える課題を明確にし、それを解決するための提案をして契約へとつなげていきます。

この手法はソリューション営業と呼ばれるもので、提案型の営業ともいわれる営業手法です。そのためIT業界でのBtoB営業職では、取引相手がどのようなサービスを望んでいるのかを的確にヒヤリングするための能力、そしてヒヤリングした顧客の要望をエンジニアに伝える能力が必要となります。

営業職ながらある程度の専門知識も求められるスキルです。商品の特性上、IT業界のBtob商材は売りきりの商品とはなりません。システムやツール、ウェブサイトの導入後は、それらが円滑に運営されるためのアフターフォローが必要です。何らかのトラブルが発生した際には、自社の窓口となって顧客と連絡を取り、トラブル解決に努める必要もあります。

システムやツールが運営できないと、顧客のビジネスも止まってしまうので、対応は迅速に行わなければなりません。臨機応変にできる対応力を持ち合わせておくと、顧客からは好印象を持たれます。

人材業界のBtoB営業 

人材業界では、顧客が求めている人材をあらゆる手法を用いて紹介し、その仲介料を得るという流れのビジネスを行います。求人広告を出してもらってその掲載料を得るという手法もありますが、転職エージェントやキャリアアドバイザーと求職者をつないで、顧客企業への入社を進めるという流れも広まっている手法です。

求職者の入社によって報酬を得るというビジネスモデルですから、他のBtoBのように一度に多額のお金が動くという取引にはなりません。お金の動きに関しては、BtoCのような動き方をするのが特徴となります。

人材の紹介が商材となる無形商材ですが、そのやり方はさまざまです。求人広告や転職エージェントの他に、人材派遣や新卒採用の支援、第二新卒も含めた中途採用支援など、顧客が求める人材を見つけ出す方法は多数あります。これらを用いつつ、顧客が抱える人材の課題を解決する手伝いをするのが担当営業の仕事です。

人材業界におけるBtoB営業の特徴として、新規開拓がメインであることが挙げられます。飛び込み営業やテレアポを取らなければなりませんが、どちらも断られる可能性が非常に高く、他の業界のBtoB営業と比較すると打たれ強さが求められるスキルです。

また、顧客が契約している人材紹介企業は複数であることが多いため、他社の営業担当と比較されることもあります。そのため競争や営業力の面では、高い能力が重宝される業界です。

不動産業界のBtoB営業 

個人向けの不動産営業は、生活する住宅の売買がほとんどです。不動産業界のBtoB営業では、3つの仕事で顧客とやりとりを交わして収益を得ています。

1つめは自社物件の販売や貸し出しです。自社が管理するビルや店舗・倉庫などが主な商材となっていて、企業のニーズに応じて適切な物件を紹介します。

近年ではオフィスのデザインも含めてブランディングするための環境整備に力を入れている企業も多いため、リフォームも含めた提案ができるスキルが求められています。

2つめが法人向け不動産売買の仲介です。取引の対象は、顧客企業が保有する店舗や商業施設、オフィスなどが挙げられます。賃貸についても同様で、不動産を貸したい企業と借りたい企業をマッチングさせ、仲介手数料を得て収益とするものです。

特に大規模なオフィスの入居ともなれば、取引によって発生する金額も巨額になり、受け取れる報酬の額も増額します。

3つめが投資や節税を目的とした不動産売買のサポートです。どちらも企業の経営企画に携わるという側面を有しており、顧客に寄り添った計画の提案が求められます。特に売るタイミングが重要で、顧客のためになるのであれば、売る以外の提案をするといった柔軟な対応が必要です。

インフラ業界のBtoB営業 

インフラ業界で主に挙げられるのが、電気・ガス・水道などのライフラインです。

これらを売り込む相手は、企業の他に病院や学校などが挙げられます。また交通機関についても同様で、社員の通勤や利用者の送迎バスの運行を提案し、売り込む営業もインフラ業界のBtoB営業です。

他の業界と比較すると、生活に大きく寄り添った業界という特徴を持っています。そのため必要性が分かりやすく、営業もしやすいです。競合相手も少ないため、顧客が前向きであれば契約にも至りやすくなります。

このような特徴があるため、企業そのものも安定した業績を出しやすく、福利厚生も充実し、社員にノルマを課したり残業をさせるといった事例も少ないです。熱意を持って仕事に取り組みたいという人からすれば、やや物足りない印象を持つ可能性があることは留意しておきましょう。

インフラ業界を目指すのであれば、事業の公共性を理解して志望動機を突き詰めて考えることが大切です。

メーカー業界のBtoB営業 

消費者や企業に販売する商品の製造を行っているのがメーカーであり、そのメーカーに所属し、企業に自社製品を購入してもらうのがメーカー業界のBtoB営業職の仕事です。

例えば一般消費者に対して販売する食品や家電製品であれば、スーパーや家電量販店の担当者に営業をかけ、自社製品を店頭に置いてもらうように交渉します。またはものづくりを行っている別のメーカーに、自社製品の機械を導入してもらうといった内容も、該当する営業です。

この他にも、社用車として車を使ってもらったり、オフィス機材を導入してもらったりというケースもあります。有形商材ですから、商品の魅力やメリットが伝わりやすいのも特徴です。一度契約に至ると長期的な取引へとつながるので、比率としてはルート営業が主流となります。

営業職には顧客に対して自社製品を説明できるトーク力と商品に対する深い知識が求められます。顧客からの質問に対して的確に返答できるかどうか、そこで商品の魅力について説明ができるかどうかがポイントです。

特に競合他社の製品と何がどう違うのかが分かりやすく説明できないと、顧客に自社製品を買ってもらうまでには至りません。

BtoB営業で求められるスキル5つ

BtoB営業に必要なスキルは、個人相手に行うBtoC営業とは異なります。法人を相手にする営業ならではのスキルも存在しており、それらを事前に把握して磨いておくことが重要です。

元から持っているようなスキルもあれば、入社後に磨いていくことになるスキルの両方があります。それぞれのスキルの特徴を理解して、高めていけるようにしましょう。

BtoB営業で求められるスキル5つ
1.コミュニケーション力 
2.リサーチ能力 
3.論理的思考力 
4.提案力 
5.デジタルスキル 

1.コミュニケーション力 

BtoB営業においては、取引相手となる顧客との信頼関係を築き上げられるかどうかが重要です。単に商品の説明や売り込みをするだけに留まらない、総合的なコミュニケーション能力が求められます。

BtoB営業で特に必要となるのが、聞き出す能力です。顧客が問題としていることやニーズを的確に引き出して、顧客にとって最適な提案をすることがBtoB営業職には求められています。

まずは相手の話を聞くところから始まりますが、それも信頼関係が構築されてこそです。初対面の人でも腹の内を見せ合って話ができるようなスキルこそ、BtoB営業が求めているコミュニケーション能力となります。

2.リサーチ能力 

商談の際には、徹底した事前準備が成功へのカギとなります。的確な事前準備をするためには、顧客の情報はその周辺の情勢を知っておけるリサーチ力が必要です。

顧客が属する業界に関連したニュースや、これから売り込もうとしている商品を取り巻く環境の変化などを交えてプレゼンテーションに用いると、成約率につなげられます。また、事前のリサーチが必要なのは時事的な問題だけに留まりません。商品や顧客、それらを取り巻く環境に対する専門知識も要します。

商品のメリットやデメリット、他社製品と差別化されているポイントなどを具体的に説明できるようにしておくことも、事前リサーチが必要な理由です。有り余るぐらいの情報量で商談に臨めるスキルが役に立ちます。

3.論理的思考力 

BtoB営業での商談は、商品の説明やメリット、顧客の課題をどのように解決するかを順序立てて説明できることが求められます。そのために必要なスキルが、論理的思考力です。

論理的思考力が備わっていると、物事を順序立てて理解する能力が高く、それを自分以外の第三者にも理解できるように伝えることができます。

複雑な要素が絡み合う法人相手の営業では、顧客にいいたいことがきちんと伝わることが重要です。事実や数値だけをだらだらといい流すだけでは何も伝えられません。

顧客にも商品を購入する理由を納得してもらえず、最終的な決定の場で弾かれるおそれすらあります。商談をスムーズに成功へと導くためにも、論理的思考力を磨いておきましょう。

4.提案力 

商談の場で求められるスキルの1つが提案力です。BtoB営業は顧客の課題やニーズを的確にくみ取り、それを解決するための商品を提案する流れで進みます。

このとき、どのように説明すれば顧客の心が揺れ動き、商品購入までに至るのかを深く考えなければなりません。ただ説明をするだけであれば、事前に資料を作成して読んでもらうだけで済んでしまいます。

営業担当者が実際に提案をするのですから、その場で次の段階へと進むための行動を取ってもらわなければ意味がありません。意識を変化させ、次の行動を起こさせることが提案力に求められていることです。

そのためには、話し方や資料の作り方、提案の段取りまで細かく練り上げる必要があります。

5.デジタルスキル 

オンラインでの商談も広まりつつある中では、BtoB営業にもデジタルツールを使いこなすスキルが大きく求められるようになりました。オンライン会議のツールを使いこなせると、対面する際と遜色なくプレゼンテーションが行えます。

画面を介しての会話では伝わりにくい双方の意思を、デジタルツールの活用で補うことが可能です。また、顧客の情報管理や資料作りにおいてもデジタルツールは重要となります。

特に資料作りは、説明したいことを視覚的に補う働きがあるので、デジタルツールを使いこなして分かりやすい資料作りに活用したいところです。既存のツールだけでなく、次々に登場するツールへの適応能力も磨いておきましょう。

BtoB営業の成功事例とポイント 

BtoB営業を成功させるためには、どういったポイントに注意して進めていく必要があるのかを知っておく必要があります。その具体的な流れや、実践の場で意識するべきことをあらかじめ把握しておきましょう。

顧客との信頼関係構築 

第一に必要なのは、顧客との信頼関係の構築です。事業に関わり、大きなお金が動くBtoB営業では、担当者や顧客企業の重役からどれだけ信頼して貰えるかが重要なポイントとなります。信頼関係を深めるために意識するべきことは、相手のことを第一に考える行動です。

例えば営業活動においては、顧客の事情をくんだ形で望む必要があります。時期単位の話でいえば、繁忙期に重要な検討を要する商談を避けるとか、1日単位では相手に併せた時間でのアポ取りを徹底するなどして、顧客が商談しやすいような環境を整えることが重要です。

提案の際にも、顧客企業が意思決定しやすいような提案をすると、稟議や会議にとおりやすくなります。相手第一の姿勢が自分に返ってくるという意識を持ちましょう。

個別戦略の策定と実行 

個別戦略とは企業の基本戦略を細分化させた物で、その内容は企業によって微妙に異なるものです。BtoB営業においても、大枠の戦略を細分化させて、それぞれの段階で戦略を策定して実行していく手法が注目されています。

The Model  (ザ・モデル)と呼ばれる手法で、営業の流れを4つの部門に分けてそれぞれ別の人物が担当、連携を取りながら成約。アフターサポートへとつなげていくものです。個人で全て行う手法とは違い、見込み客や提案の状況などの属人化を防げます。

会社全体で営業活動の進捗共有ができることもメリットです。この手法を用いることで、リード獲得数を4倍にまで伸ばして商談に至る機会も増やした事例もあります。

デジタル時代の営業手法 

デジタル時代の手法は、新しいツールや手法を積極的に取り入れることで可能となります。例えばリードを獲得する段階では、ウェブマーケティングの活用も利用可能な手法です。マーケティングと営業を連携させることで、成約率の向上にもつながります。

商談に望む段階では、顧客の属性やセグメントをデータを活用して抽出すると、それぞれに合う提案方法や商品の選定が可能です。成約の可能性が高い商材を売り込むことで、無駄な商談の回数も減らせます。

また、顧客の情報や接触履歴を一目で管理するCRMなどのツールを活用することも、デジタル時代の営業手法となります。

BtoB営業の課題と克服方法 

BtoB営業では、一般消費者向けのBtoC営業にはない特有の課題があります。その重要性は業界によって細かく異なりますが、あらかじめ把握しておくことが重要なのはどの業界も変わりません。入社してから、イメージとの違いに困らないよう備えておくようにしましょう。

購買決定までの時間の長さ 

BtoB営業でやりとりされる取引は、総じて成約までに時間がかかります。これは顧客企業の中でも意思決定までに段階を踏まなければならないことが理由です。

営業担当が商談を行う相手は、顧客企業の担当者であって意思決定の権限を持つ決裁者とは限りません。商材や金額の規模によっては直属の上司だけにとどまらず、そのさらに上に当たる社長クラスが決裁者となるケースも十分考えられます。

商談を行う際は目の前の担当者だけでなく、その向こうにいる人物を納得させるような提案が必要です。また、契約までにかかる時間も考慮しながらスケジュール管理を実施する必要もあります。

ノルマや目標達成の難しさ 

業界にもよりますが、BtoB営業はノルマを課せられていることが多いです。そのため上司からは、早めに契約に至るようにとプレッシャーを掛けられる可能性も捨てきれません。

しかしながら、BtoB営業での契約は商談から契約までに時間がかかることが多く、決裁者に位置決定を催促するわけにもいかないです。自分でスケジュールを前倒しにするのが難しい分、月の目標やノルマを先取りしながら営業をしていかなければなりません。

入社する前にノルマがあるかどうかが分かる場合は、選考を受けるかどうかの検討材料にできます。ノルマがあっても構わないかどうかをじっくりと検討してみましょう。

一件あたりの責任の大きさ 

BtoB営業では一度の契約で扱う金額や商品の規模が大きいです。そのため一件で会社の業績を変えるような仕事に携われるという特徴がありますが、逆にこのことをプレッシャーに感じる人もいるでしょう。

仮に商談に失敗してしまった場合、会社が得られるはずだった利益をなくしてしまったことへの責任を感じてしまいます。これまで継続して取引していた顧客企業との関係が悪化しても同様で、下手をすると会社の経営を傾かせかねないです。

BtoB営業とはそのような仕事であることをあらかじめ把握しておきましょう。

BtoB営業経験者が成長するためのキャリアパス 

BtoB営業経験者が進むことになるキャリアパスにはいくつかのパターンが存在します。営業職を続けていくだけではなく、その先の道筋をあらかじめ決めておかないと、BtoB営業職でどのようなキャリアを積み上げていくかがはっきりしません。

代表的な3つのキャリアパスを紹介するので、自分のキャリアをどう積み上げるかの参考にしてください。

経営企画職への転職 

まず紹介するのは、BtoB営業の経験を生かした転職です。会社の経営にも関わる規模の大きい取引が多いBtoB営業の経験者であれば、経営企画への転職も選択肢となります。

難易度としてはかなり難しい部類といわれていますが、営業経験を積んで好成績を残した実績があるならば、選考を通過する確率は高いです。

BtoB営業経験者のスキルと、経営企画に向いている人の特徴や求められるスキルはある程度共通しています。転職先でも大きく活躍できる選択肢です。

セールスマネージャーや営業部長への昇進 

社内での出世も立派なキャリアパスの代表例です。BtoB営業経験者が目指すキャリアパスとしてはスタンダードな選択肢ですが、ライバルが多く、競争は激しい道筋となります。そのような環境での出世競争にやりがいを感じるのであれば、出世をモチベーションにして成績アップを目指すことも可能です。

誰にも負けない成績を残し続ければ、法人営業部門を統括する管理職へと昇進できます。このとき注意が必要なのが、管理職に求められるマネジメントスキルと自身の営業力は、必ずしも一致するとは限らないことです。

チーム単位でプロジェクトを進めるスキルをあらかじめ磨いておけるよう、部下の使い方などを意識するようにしましょう。

自分に合った業界や企業を見つける 

BtoB営業ではさまざまな業界の事業に関わることができます。その経験を生かし、自分に合った業界や企業が見つかれば、そちらに移ることも選択肢です。その際は、顧客企業の担当者と築き上げた関係が大きく役に立ちます。

あらかじめ業界の内部事情に僅かでも触れておけることは、転職先を探す判断基準を明確にできて、転職が失敗しにくいです。注意が必要なのは、ある程度営業で成果を出してから転職することです。

まったくの異業種に転職するとなれば、実績がないままの転職は単に今の仕事が嫌になったからだと解釈されやすく、選考の面では不利になってしまいます。

BtoB営業経験者におすすめのスキルアップ方法

BtoB営業にはさまざまなスキルが求められますが、それは入社する前だけでなく、入社後も積極的に磨き上げることができます。BtoB営業のスキルアップにはどのような方法があるのかを紹介します。

営業スキル研修やセミナー 

営業のスキルを上げるための研修やセミナーが開催されているのであれば、積極的に酸化しましょう。規模が大きい企業では社内で開催されているケースがありますが、そうではない場合は、外部で開催されているセミナーや外部研修への参加が有効です。

これらは全国各地で定期的に開催されています。そうした機会に参加することで、自分1人の独学や社内での業務では培えないスキルを磨くことが可能です。セミナーや研修の講師の話だけでなく、各地から集結した営業担当者と交流を交わすことも有効なスキルアップの方法であることを覚えておきましょう。

悩みや実践しているテクニック、マインドセットなどの共有ができれば、自分に近しい立場の人がどのようなことを意識しているかを知れます。

デジタルスキルを身に付ける 

BtoB営業で積極的に活用されているデジタルツールを使いこなすためにも、デジタルスキルを磨くことが必要です。業務においては、パソコンのスキルをアップさせておきましょう。

表計算ソフトをはじめとした各種ツールの使い方や、作成した資料をアウトプットする方法、トラブルに見舞われたときの対処法などを覚えておくと、業務を円滑に進められます。顧客とのやりとりや、外出先での資料確認などは、スマートフォンやタブレット端末の使い方をマスターしておくと便利です。

情報共有のやり方などは特に重要で、顧客や同じチームのメンバー同士で共有する方法は最低限知っておくようにしましょう。スマートフォンやタブレットの使い方は、日常生活の中で試せる範囲で試しておくことがおすすめです。

ネットワーキングの活用

同じ業界で働く人や異業種に勤める人との情報交換も、スキルアップに有効な手段です。そのための機会として活用したいのが、ネットワーキングとなります。ネットワーキングはセミナーや研修会の後に機械が設けられることが多く、一部のセミナーなどでは懇親会の名目で開催されるものです。

営業スキルを上げたい人同士が集まるので、活発な意見交換も可能となり、新しいアイデアが思いついたり、人脈が拡大したりという恩恵を受けられます。話の着地点次第では新しい取引先の獲得にもつながる可能性もあるので、積極的に参加してみましょう。

この手のイベントに参加するにあたって意識するべきは、目的を持つことです。目的を持たないと具体的な行動に出にくく、ただ話を聞き流すだけになってしまいます。

まとめ

BtoB営業は法人相手の営業によって取引を実施し、企業の事業に大きく関わることになる業種です。一般消費者を相手にする営業とは手法や意識するべきポイントなどが大きく異なるので、求められるスキルや磨くことができるスキルも異なります。

どの程度の成績を上げたかによって進めるキャリアパスも異なるので、BtoB営業職を目指すなら、自分に合った業界のBtoB企業を目指すのがおすすめです。スキルアップの機会を活用しながら、長く働ける企業への入社を目指しましょう。

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