営業職の仕事内容とは?営業の全体像と一日の流れを徹底解説!
はじめに
営業職に興味があるものの、具体的な仕事内容やどのような一日の流れになるか分からない方は多いのではないでしょうか。
営業職は年齢や経歴に関係なく成果を出せば給与として結果が付いてくる若くして活躍できる職業です。
今回の記事では営業職の仕事内容を解説しています。
営業職にはさまざまな種類があるため、まずはどのような種類があるのか、それぞれの営業のポイントを解説しているため参考にしてみてください。
営業職で感じられるやりがいや、必要となる能力、資格も紹介しています。営業職の一日の流れも合わせて紹介しているためこちらも参考にしてみてください。
【営業の仕事内容】営業職とは
営業職とは、自社のサービスや商品を売り込んで、購入や契約につないで売上を発生させ、会社の利益を上げていく仕事です。
営業職の仕事は、顧客を訪問したり電話をしたりして、顧客が抱えている課題や要望を聞き出すところから始まります。
そして、それに応えられる自社のサービスや商品を提案し、売買契約を取り付けるのです。
顧客との売買契約を取り付けて初めて売上となるため、営業職がなければ企業は成立しません。
また、契約を取り付けてくるだけでなく、アフターサービスなども仕事のうちであり、企画や調査に携わることもあります。
さらに、顧客からの生の声を開発部門などの他部署に届け、橋渡しの役目を担うことも期待されているのが営業職の特徴です。
販売職との違い
商品・サービスを顧客に販売するという点は、営業職と販売職に共通しているため、同じような仕事のイメージを抱きがちです。
しかし、なぜ会社内で部署が分かれているのかを考えれば、実際には違いがあることが分かるでしょう。
両者の大きな違いは、顧客の購買意欲の有無です。
販売職は、もともと購買意欲を持っている顧客に対して、自社の製品やサービスを販売します。
店舗に足を運ぶ人は、すでに自社の製品やサービスに関してある程度の知識があり、購入しても良いと考えている顧客です。
一方、営業職が対応する顧客は、必ずしも購入意欲を持っているわけではありません。
その存在さえ知らないような相手にも、自社製品やサービスを売り込まなければならないのです。
コンサルティングとの違い
営業職とコンサルティングの違いが分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
クライアントの課題に向き合うという点では、確かに共通しています。
しかし、コンサルティングの目的がクライアントの課題解決なのに対し、営業は自社製品やサービスを販売することが最終目的です。
コンサルタントは、顧客企業が抱える課題をヒアリングした上で客観的に判断し、解決策を提示することで課題を解決し、成長させていくことを目的としています。
経営上の課題の解決以外に、顧客が抱える技術上の課題を指摘して解決するのも、コンサルタントの仕事の一例です。
そのため、自社製品やサービスを売り込むといった営業活動は、通常行いません。
似ているようでも、両者の仕事内容はまったく異なります。
【男性・女性別】営業職の年収
営業職の年収は統計から、男性の平均年収は575万9920円であり、女性の平均年収は431万20円です。
男女を合わせた平均年収は510万9460円となっています。
この統計は、通常の月給に加えて賞与や特別支給の分も対象です。
営業職の年収は実績や成果によって大きく変動する傾向があります。
営業職の特徴は、会社への貢献度が数値化されやすいことです。
営業成績が良ければ、より多くのインセンティブや報奨金を受け取れるでしょう。
特定の業界では、営業職の年収が高い傾向があります。
例えば、医療関係や金融関係の営業は、高収入を得られることが多いです。
また、海外に顧客を持つ企業も、営業職の年収が高い傾向があります。
対象とするサービスの専門性が高いほど、営業職の年収も高くなる傾向です。
しかし、高度な専門知識を必要とする場合も多く、営業以外の高度なスキルや知識が必要となるでしょう。
営業職の年収はさまざまな要因によって左右されます。個々の業績や成果、業界や専門性などが重要な要素です。
【営業の仕事内容】営業の種類
実は、営業にもさまざまな種類があり、とても一言では言い表せません。
例えば、営業相手・営業方法・営業場所などで、種類が複雑に枝分かれしています。
営業といえば商談のイメージがありますが、普段から付き合いのある顧客との商談だけでなく、新しい顧客も自分から見つけにいかなければなりません。
外回りの言葉もよく聞きますが、実は社内で営業活動を行う場合もあるのです。
ここからは、主な営業の種類を解説します。
有形営業と無形営業
有形営業と無形営業は、異なる商品やサービスを対象にした営業手法です。
有形営業は、形のある物を対象とした営業であり、具体的な製品や商品を対象とします。
例えば、車、飲食店向けのレジスター、事務用品としてのパソコンなどが有形商材の例です。
このような商品は、顧客が直接見て触れて評価できるため、営業活動は商品の魅力を伝えるプレゼンテーション能力が重要となります。
一方、無形営業は形がない物を対象とする営業であり、人材、コンサルティングサービス、広告、金融商品、保険商品などが対象です。
無形商材は形がないため、顧客にとって商品のメリットやデメリットが分かりづらく、営業活動は顧客の悩みを聞くヒアリング力とそれを解決するためのコンサルティング力が求められます。
また、無形商材は品質にばらつきが生じやすいことが特徴です。
有形商材の場合は、生産ルートが確立されれば同じ品質のものを大量生産できますが、無形商材はサービス提供者やコンサルタントのスキルや経験に左右されるため、品質にばらつきが生じることが多くなります。
しかし、無形商材は有形商材と比較して、材料コストが掛からないため、利益率が高い傾向です。
営業担当者は、顧客のニーズを理解し、解決策を提供しなければなりません。
無形営業では、商品そのものよりも顧客の課題や目標に焦点を当て、その解決策を提供することが成功の鍵となります。
相手の種類
営業をかける相手は、2種類あります。
ひとつは、法人営業といって企業などに営業をかけ、もう一方は個人や個人経営の店に対して、営業活動を行う個人営業です。
BtoBやBtoCの言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、BtoBは法人営業、BtoCは個人営業のことを指しています。
営業活動は、相手が異なれば進め方も変わり、同じやり方が通用するわけではありません。
ここでは、法人営業と個人営業の2つの仕事内容をご説明します。
法人営業(BtoB)
法人営業(BtoB)は、企業や団体に対して自社のサービスや商品を紹介して、顧客の課題を解決します。
規模が大きく契約金額も高額になりますが、商談の席で契約に至ることはほとんどありません。
なぜなら、経営者本人と会える個人営業とは異なり、直接の商談相手の企業や団体の担当者には、決裁権がないことがほとんどであるからです。
そのため、担当者に興味を持ってもらえても、そのあとに決裁権を持つ上司との商談もこなさなければなりません。
また扱う商材は、サービスや金融商品などの無形商材、OA機器や不動産など形のある有形商材の2つに分けられます。
さらに営業形態は、相手に電話をかけて訪問や商談を申し込むテレアポや、あえてアポイントを取らずに直接訪問する飛び込みなどがあります。
個人営業(BtoC)
個人営業(BtoC)は、個人や個人で経営している店の経営者を相手に営業活動を行い、自社のサービスや商品を紹介して購入につなげる仕事です。
相手が決裁権を持っているため、規模や契約金額は小規模ですが、その場で契約が取れることが多いという特徴があります。
また、顧客との関係がビジネスライクになりがちな法人営業(BtoB)とは異なり、個人と個人の付き合いになるため、顧客との距離が近くなるのも特徴です。
扱う商材は、保険などの無形商材や、ウォーターサーバーなどの有形商材に分かれます。
法人営業(BtoB)の成否は扱う商材に大きく左右されますが、個人営業(BtoC)は自分の営業職としての能力次第です。
営業形態は、法人営業(BtoB)とさほど変わりません。
営業方法の種類
営業の方法はさまざまですが、新規営業とルート営業の2つに大別できます。
それぞれに特徴があり、向いている方のタイプにも違いがあるため、自分はどちらに挑戦したいのか、そしてどちらに適性があるのか考えておかなければなりません。
また、達成感や高い給料、もしくは安定など、仕事に求めるものでも選び方が変わってくるでしょう。
そして、顧客とどのような関係を築きたいかも考えておく必要もあるのです。
ここでは、新規営業とルート営業の2つに関して、その内容をご説明します。
新規営業
新規営業とは、これまでに取引がなかった顧客や企業へ営業活動を行うことです。
顧客の新規開拓が中心となり、ルート営業とより高度な営業活動を行います。
初対面の相手にいきなり自社の製品やサービスを売り込むわけですから、一から信頼関係を構築しなければならないという難しさがある方法です。
飛び込み営業やテレアポがメインとなりますが、展示会などのイベントに参加して、営業活動を行う場合もあります。
営業担当が個人的に異業種交流会に参加し、そこで知り合った人たちと名刺交換を行って、そこから商談のアポイントを取るなども新規営業の方法です。
達成感や高い給与が期待できますが、うまくいかないことも多く、そのようなときに気持ちをうまく切り替えられる方に向いています。
ルート営業
すでに取引のある顧客や企業に対して、営業活動を行うのがルート営業です。
飛び込み営業やテレアポなど、新規顧客開拓を行うことはありません。
自社の製品やサービスをすでに契約している顧客のところを回って、状況の確認を行って問題があれば対応し、新商品の紹介や提案を行うのが主な仕事です。
顧客が抱えている問題から潜在的なニーズを洗い出すのも、ルート営業の役目です。
このように、顧客との関係性の維持やアフターフォロー体制の構築がルート営業の要であり、常に顧客に寄り添う姿勢が求められます。
新規営業よりも初心者向きの方法ではありますが、顧客と誠実に向き合い、相手の懐に入りニーズを聞き出せる高いコミュニケーション能力が必要です。
営業場所の種類
営業職は、出社してから夕方まで外回りを続けているイメージがあるかもしれませんが、営業の場は客先だけとは限りません。
営業場所には、内勤営業(インサイドセールス)と外勤営業(アウトサイドセールス)の2つがあり、前者の場合は自社内で業務を行います。
どちらも企業の営業チームにとって必要不可欠な存在として融合しており、相反する営業戦略が取られているわけではありません。
以下で、2つの営業場所をご説明します。
内勤営業(インサイドセールス)
内勤営業(インサイドセールス)は、営業活動を社内で行い、社外に商品やサービスを売り込むことではありません。
テレアポやメールでアポイントを取ることがメインで、この業務はカウンターセールスとも呼ばれます。
さらに、内勤営業(インサイドセールス)の業務内容は、インバウンドとアウトバウンドの2つに分けることも可能です。
インバウンドは、来店したり電話やメールで問い合わせをしてきたり、すでに自社の製品やサービスにある程度興味を持っている顧客に対する営業活動です。
一方のアウトバウンドは、電話やメールなどの手段でこちらから顧客にアプローチするやり方で、新規顧客の獲得を目的としています。
いずれにせよ、社内で対面もしくは電話やメールなどで顧客に対応する業務がメインです。
外勤営業(アウトサイドセールス)
外勤営業(アウトサイドセールス)は、自社の製品やサービスを企業や顧客のもとに出向いて売り込む営業スタイルです。
外回りと呼ばれることもあり、営業場所は自社ではなく客先となり、フィールドセールスとも呼ばれます。
主に訪問営業や飛び込み営業がこれにあたり、一般的な営業職のイメージはここから来ているのではないでしょうか。
法人営業(BtoB)の場合は顧客のオフィスに出向きますが、個人営業(BtoC)だと顧客の自宅を訪問することもあります。
とにかく、顧客と対面して営業活動を行うのが基本であり、テレアポなどを行うことは基本的に少ないです。
見積書や請求書などの書類は、営業事務のスタッフに作成を依頼できることも多く、営業活動に専念できるという特徴もあります。
【営業の仕事内容】営業のやりがいとメリット
きついといわれる営業職ですが、活躍のチャンスがいくつもある仕事です。
また、成果主義なため、結果を出せば正当に評価されるのも、営業ならではの良さでしょう。
現在、営業職として活躍している方たちは、どのようなところに仕事の意義を見出しているのでしょうか。
ここでは、営業のやりがいとメリットを5点ご紹介します。
達成感がある
営業の仕事の魅力は、成果が数字ではっきり出るため、達成感を得られるところです。
目標をクリアしたときの達成感は大きく、ほかの何ものにも変えられない喜びを感じられることでしょう。
ほかの職種では、数字のようなはっきりとした指標がなく、成果を出せた実感もないため、やりがいを感じられないことがあるのです。
また、頑張り次第では高く評価されることも、営業職として働くモチベーションになります。
逆に、いくら頑張っても正当に評価されないような職場では、やりがいを感じられず、仕事が苦痛になってしまうかもしれません。
さらに、顧客との距離が近く、直接感謝の言葉をもらえるのも営業の醍醐味です。
顧客からの感謝の一言を原動力として働いている営業職も、多いのではないでしょうか。
高い収入を目指せる
営業職は、成果主義が導入され、インセンティブの割合が多い会社もあるのが特徴です。
自分の営業成績がそのまま給料に反映されるため、頑張り次第で若いうちから高収入を目指せる環境が整っています。
経験を積みスキルアップすれば、基本給とインセンティブの両方が上がっていくので、給料が頭打ちになることもないでしょう。
たとえつらい仕事であっても、高い収入が約束されているからこそ、頑張れるという人もいるはずです。
特に、不動産や自動車など販売価格の高い製品の営業は、インセンティブも高めに設定される傾向が高く、成果に見合った額を受け取れる可能性も高まります。
出した成果が直接収入に影響するのは営業職のメリットであり、多くの方が高収入を目指して頑張っています。
人脈が広がる
営業職のメリットは、ほかの業種とは比べものにならないくらい人脈が広がることです。
営業職に就いていると、幅広い人と関わることになります。
営業職が関わるのは、同じ部署内と顧客をはじめとした社外の人だけではありません。
例えば、製品開発部や企画部、広報部など、自社内のさまざまな部署にいる人たちとも仕事を進めていくチャンスがあるはずです。
そのため人脈が広がり、さまざまな業界・仕事・人を見る機会があり、その人たちと関係を持てるようになります。
社外の人脈は、その業界の直近の情報を収集するのに役立ち、ときには営業先を紹介してもらえることもあるのです。
さらに、人脈が功を奏して、転職の際には声をかけてもらえることも多く、営業職にとって人脈は宝といっても過言ではありません。
マインドが鍛えられる
きついといわれる営業の仕事を続けられれば、マインドが鍛えられます。
営業で高い成果や数字を上げるためには、精神力・忍耐力・野心・向上心など、マインドの強さが必要です。
打たれ弱いことを自覚している人でも、長年営業を続けていれば、自然に精神的な強さを身に付けられます。
最初は、営業を断られるだけでも心が折れそうになるかもしれませんが、それでもめげずに訪問を繰り返すうちに、少しの挫折でもへこたれない強さを手に入れられるのです。
ここで鍛えられた精神力は、そのあと何をするにしても役立つスキルであり、どの業界や企業でも通用する自分の武器になります。
思ったような結果が出せなくても、次の業務に前向きに取り組む切り替えのうまさも、営業職を続けることで獲得できるスキルです。
キャリアアップに活かせる
営業職は、成果が数字で出ることから、評価基準が明確なのが特徴です。
そのため、営業職で出した成果は、キャリアアップに活かせるというメリットがあります。
営業で上げた成果があれば、転職の際の評価が高くなると考えられるからです。
同業他社へ転職するケースだけでなく、ほかの業界への転職でも、これまで営業で培ってきた経験が役立ちます。
また、思い切って営業職以外の職種に転職する際も、営業で身につけたスキルと経験が活きてくるでしょう。
年齢や経験に関係なく活躍できる
営業の魅力の1つは、年齢や経験に関係なく活躍できることです。
公務員のような職場では、年功序列が強く、先輩なだけで自分より仕事ができなくても高い年収を得ることがあるでしょう。
しかし、営業は成果主義が強く、学歴や職歴よりも成績が重視されます。
そのため、若手や経験の浅い者でも優れた成績を上げることで活躍が可能です。
営業は、毎日の努力と成果が直接結び付くため、やる気や実力次第でポジションを築けます。
また、営業の仕事は多様であり、人間関係やコミュニケーション能力が重要です。
これらのスキルは年齢や経験に関係なく磨けます。
さらに、営業は自己成長と自己実現の機会を提供します。
成果を出すことで報酬やキャリアの成長が期待できるため、自己啓発やスキルアップへの意欲が高まるでしょう。
経験を積んでキャリアアップを目指すだけでなく、新しい挑戦や成果を積み重ねることで自己実現を実感できます。
独立が目指せる
独立を目指せることも営業のやりがいやメリットの1つです。
営業職では、ビジネスパーソンとして欠かせない汎用的なスキルを身に付けられます。
プレゼンスキル、コミュニケーションスキル、ヒアリングスキルなど、さまざまな人間力が必要です。
また、ビジネスの根幹となる売り上げを立てる力も身に付きます。
営業は、どのような商品やサービスを、どのような顧客に売ることで会社に利益をもたらすかを直接的に実感できる仕事です。
この経験は、独立や起業を目指す際に非常に役立つでしょう。
自分が売りたいものや提供したいサービスを明確にし、それをどのような顧客に対して販売するかを戦略的に考える力が、営業の経験から得られます。
また、営業職では顧客との信頼関係を築くことも重要です。
信頼を得るためには誠実さや信念が求められますが、これは独立した起業家にも欠かせません。
営業経験があると、顧客との信頼関係を築く方法や、顧客のニーズに応える方法を学べます。
【営業の仕事内容】営業のデメリット
営業のデメリットとして次の内容が挙げられます。
- 自分の時間がコントロールできない
- 顧客と会社の板挟みになる
- 収入が安定しにくい
顧客の都合が優先されるため、自分の時間をコントロールしにくいです。
顧客が休みの日にしか予定が合わせられない場合は、自身の休日を犠牲にしてでも仕事をしなければなりません。
また、定時を過ぎてからの問い合わせ対応や仕事も多く、プライベートの時間を充実させたい人には向かない側面があります。
さらに、顧客と会社の間で板挟みになり、ストレスがたまることもあるでしょう。
会社都合での柔軟な対応が難しい場合は、顧客に対して頭を下げなければならないこともあります。
そのため、営業担当者は精神的な負担を感じることも少なくありません。
収入の面では、インセンティブが入らない月は基本給だけで生活しなければならず、インセンティブが大きい会社は基本給が低く設定されていることもあるため注意が必要です。
収入の安定性が低く、経済的な不安定感を抱くこともあります。
これらのデメリットを踏まえると、営業職は人によっては向かない職種です。
自分の時間を大切にしたい人や、プライベートな時間を充実させたい人にとってはストレスを感じやすい職種となることもあるでしょう。
【営業の仕事内容】営業に必要なスキル7選
営業にはさまざまなスキルが必要となります。
営業に必要なスキルとして次の7つのスキルが挙げられるでしょう。
- コミュニケーション能力
- ヒアリング力
- 情報収集能力・分析力
- 柔軟な対応力
- 課題発見能力
- 交渉力
- 論理的思考力(ロジカルシンキング)
それぞれのスキルがなぜ営業職に必要なのかを解説します。
コミュニケーション能力
営業ではコミュニケーション力は不可欠なスキルです。
営業職は顧客と直接関わることが多く、顧客との円滑なコミュニケーションが営業成績を左右します。
コミュニケーションは相手に対して誠実なことが重要です。
嘘をつかずに事実に基づいた説明を行うことで、信頼関係を築けるでしょう。
特に、自社の扱う商品が複雑な場合、相手が理解しやすいように分かりやすく具体的に説明する能力が求められます。
また、相手の立場や感情に寄り添ったコミュニケーションも重要です。
相手が嫌な気分にならないように、適切なタイミングで課題を指摘し、解決策を提案しなければなりません。
顧客のニーズや要望に真摯に向き合い、適切な対応を行うことで、信頼関係を構築し、取引の機会を広げられます。
さらに、顧客との良好な関係を築くためには、日常的な会話やコミュニケーションを大切にすることもポイントです。
顧客との会話を通じて、相手の興味や関心事を把握し、それに合った提案やサービスを提供することが重要となります。
長期的な関係を築くためには、定期的なコミュニケーションを維持し、顧客との信頼を深めていくことが不可欠です。
ヒアリング力
営業では、ヒアリング力も重要なスキルです。
顧客とのコミュニケーションで、相手のニーズや要望を正確に把握し、それに適した提案を行わなければなりません。
受注できるかどうかは、その顧客の要求や課題を理解するヒアリング力が重要な要素となります。
ヒアリング力は、単に相手の話を聞くだけではなく、適切な質問を投げかけたり、相手が伝えたい本当の意図を引き出すことも必要です。
顧客が話すニーズの表面だけでなく、その奥にある潜在的なニーズを発見し、引き出せる能力が重要となるでしょう。
高度なヒアリング力を活用することで、顧客との信頼関係を築きながら、商談を有利に進められます。
相手の言葉の裏に隠された本当の意図や要望を見抜き、それに応える提案を行うことで、顧客の信頼を勝ち取り、取引を成立させることが可能です。
したがって、営業では、ヒアリング力が欠かせないスキルとなります。
顧客とのコミュニケーションを通じて、彼らの真のニーズを把握し、それに適したソリューションを提供することで、受注率の向上や顧客満足度の向上につながるでしょう。
情報収集能力・分析力
顧客が求めるものや、市場のトレンド、競合他社の動向などの情報を把握することは、営業活動の基盤となります。
顧客のニーズや要望を理解し、それに適した提案を行うためには、情報収集が欠かせません。
情報収集は単にデータや情報を収集するだけでなく、その情報を分析し、洞察を得ることも必要です。
得られた情報を整理し、有益な情報を見極める能力が求められます。
この分析力によって、顧客のニーズや市場の動向を的確に把握し、適切な提案を行うことが可能になるでしょう。
情報収集と分析の結果、顧客に最適な提案を行うための道筋が見えてきます。
顧客が求めているものや問題点を的確に把握し、それに対するソリューションを提供することで、信頼関係を築き、受注へとつながるでしょう。
情報収集の方法や分析手法は、扱う商材や顧客の状況によって異なります。
状況に応じて柔軟に対応し、適切な情報収集と分析を行わなければなりません。
新しい情報収集手法や分析ツールにも積極的に対応し、常に最新の情報を得るための努力が必要です。
柔軟な対応力
営業では柔軟な対応力も重要な要素です。
営業活動では、顧客との契約や取引の過程で予期せぬトラブルが発生することが少なくありません。
トラブルに冷静かつ柔軟に対応することは、相手との信頼関係を築く上で不可欠です。
トラブルが起きた際に柔軟に対応できれば、顧客との関係を深めるチャンスにもなりえます。
適切な対応を行うことで、顧客は信頼し、将来の取引にも前向きに臨めるでしょう。
そのため、柔軟な対応力は顧客との長期的な信頼関係を築く上で不可欠です。
また、顧客と会社との板挟みになることがある営業環境では、ストレスを抱えることも少なくありません。
柔軟な考え方や対応力を持つことで、ストレスを軽減し、冷静に業務に取り組めます。
このようなメンタルの柔軟性も、営業活動を成功させるために重要な要素です。
このように、柔軟な対応力は営業では欠かせません。
トラブルが発生した際に冷静かつ柔軟に対応することで、顧客との信頼関係を深め、長期的なビジネスパートナーシップを築けるでしょう。
課題発見能力
営業で課題発見能力は、顧客のニーズや問題を的確に把握し、解決策を提案する上で重要な能力です。
顧客が現在何に悩んでいるのか、そして顧客自身が気付いていない潜在的な課題に気付けるかどうかが、営業成功の鍵となるでしょう。
顧客は、法人の場合もあれば個人の場合もあり、さまざまなケースが存在します。
そのため、顧客が抱える課題も多岐にわたる内容です。
観察力や洞察力を駆使して、顧客の状況やニーズを的確に把握することが求められます。
積極的な対話やコミュニケーションを通じて、顧客との信頼関係を築ければ、より深い話ができるようになります。
そこから得られる情報を元に、顧客が抱える潜在的な課題を見つけ出せるでしょう。
また、顧客からの情報だけでなく、市場調査やトレンド分析を行うことでも、顧客の課題を把握する手助けになります。
課題発見能力を養うためには、ビジネスパーソンとしての総合的な力が必要です。
コミュニケーション能力や洞察力、マーケティング知識など、幅広いスキルを持つことが必要となります。
また、経験を積み重ねることで、顧客との関わりを通じて課題発見力を磨くことも重要です。
交渉力
営業で交渉力は、顧客との関係を構築し、ビジネスを成功に導く上で重要なスキルです。
営業担当者は、顧客と自社との間でさまざまな条件や契約に関して交渉する場面に頻繁に遭遇することになるでしょう。
顧客と自社との板挟みとなった状況では、双方の利益を考慮しながら交渉しなければなりません。
顧客の要望を聞き入れることで顧客満足度を高めつつ、同時に自社の利益を確保する着地点を見つけることが求められます。
この際、双方のバランスを保つことが重要です。
また、営業担当者が一方的に説明や主張をするだけでは、相手側に威圧感や拒否感を与えてしまうことがあります。
そのため、相手の話を注意深く聞きながら、徐々に自社のポイントや提案を伝えることが重要です。
双方が対等な立場で情報を交換し、共通の理解や合意を築くことで、より建設的な交渉が可能となります。
論理的思考力(ロジカルシンキング)
論理的思考力は、特にBtoBの営業で不可欠なスキルです。
BtoBの営業では、企業間の取引や契約が行われるため、論理的な根拠や利益への配慮が求められます。
BtoCの営業では、個人の感情や嗜好に合わせたプレゼンテーションが重要です。
一方で、BtoBの場合、決定権は会社にあり、複数の関係者や担当者を納得させなければなりません。
そのため、論理的な根拠や利益の最大化につながる説明が不可欠です。
論理的思考力を持つことで、営業担当者は単なる製品の説明だけでなく、なぜその製品やサービスが会社の利益につながるのかを説明できます。
また、論理的思考力を用いることで、提案内容を俯瞰的に捉え、会社全体の利益や戦略との関連性を示せるでしょう。
さらに、論理的思考力は、交渉や提案の際にも重要な役割を果たします。
複雑な商談や契約交渉では、相手方の立場を理解し、論理的な議論の展開が必要です。
そのため、論理的思考力を駆使して提案内容を的確に伝え、説得力を持たせることがポイントとなります。
【営業の仕事内容】営業を優位にさせる資格
営業は多岐にわたる形態や業種が存在し、それぞれの営業に求められるスキルや知識も異なるでしょう。
そのような中で、営業全般で役立つ資格としては、MOSと営業士が挙げられます。
MOSはマイクロソフトオフィススペシャリストの略称であり、Word、Excel、PowerPointなどのオフィスソフトウエアに関する知識を深める資格です。
営業活動ではプレゼンテーションやデータ分析が頻繁に行われるため、MOSの取得は営業にとって有益となります。
この資格を持つことで、オフィスソフトウエアの効果的な活用が可能となり、仕事の効率化や品質向上につながるでしょう。
営業士は日本の文部科学省が認定した公的な資格であり、初級と上級に分かれています。
営業士は、マーケティングや営業活動の基礎、コミュニケーション、プレゼンテーションスキル、リーダーシップなど、幅広い営業に関する知識が対象です。
さらに、営業が扱う商品やサービスによっては、それに関連する特定の資格を持つことが有益となります。
例えば、英語に関する商品ならばTOEIC、金融商品ならばファイナンシャルプランナー、Wウェブマーケティング商品ならばウェブ解析士などです。
これらの資格を持つことで、営業活動の信頼性や専門性が高まり、顧客からの信頼を得やすくなるでしょう。
【営業職の仕事内容】営業の全体像をつかもう
営業の全体像をつかむには、営業の仕事内容を6つのステップにわけて捉えると、理解しやすいです。
営業は、ひたすら人に営業しまくるイメージがありますが、実際には準備や手続き、フォローなどの仕事もあります。
どのような仕事があるのか、仕事内容と流れを理解しましょう。
業態ごとに違いもあるため、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
営業戦略の策定
営業職は、個々が裁量をもって、ひたすら個人プレーをしているイメージがありますが、実際には1つの営業所内を数名ずつのチームにわけて、成果を競っているのが一般的です。
ノルマや目標額もチームごとに割り振られるので、チームリーダーが中心となって営業戦略を策定します。
誰が何をどれだけ売るべきなのか、メンバーの能力や成長度合いなどを勘案しながら検討します。
例えば、チームで月に15件のノルマが課せられた場合、チームメンバーが3名だから5件ずつなどの単純な割り当てはしません。
新人は2件以上、5年目の先輩は5件以上、3年目でも成績トップクラスの先輩は8件以上などの形です。
新人でもコンスタントに毎月3件はクリアできるなど成果が上がってくれば、目標件数も増やされて、さらに高みが伸ばせるよう成長戦略も組んでもらえます。
アプローチ先の検討・決定
新規開拓なら、どのエリアやどのような業種、規模の企業にアプローチしていくかを検討したり、すでに得ている見込み客のリストなどを基に、どの顧客から営業をかけていくかを検討したりするステップです。
エリアや業種などで開拓を行う際には、新人にはより開拓しやすいエリアや業種が割り当てられ、実績が豊富な人やチャレンジさせたい人には、難しいエリアなどが割り当てられます。
見込み客は営業職一人一人がもっとも熟知しているわけですが、このような状況であると情報を共有することで、リーダーや先輩からアプローチ法のアドバイスなどが受けられます。
商談・見積もり
3つ目のステップの商談・見積もりは、営業のイメージとして、多くの人が抱いている場面です。
そのためには準備も必要ですし、まずは営業に出向いて商談のアポを取り、日をあらためて商談をするなど、自分が計画するとおりにスムーズに進むものでもありません。
一回の商談では決めてもらえず、何度も商談を重ね、その結果、断られることもあります。
一方、先輩やリーダーが同行して、契約に至るあと一押しのクロージングをサポートしてくれることもあります。
もちろん、同行しても、成果は本人のものとなるのが基本です。
チームでフォローし合いながら、チーム全体の成績の底上げを図る構造です。
受注・手配
契約内容のプレゼンなどを行い、見積もりを出しながら交渉を行い、顧客の検討を経て納得が得られると契約の締結を行います。
契約締結の段階は、もっとも緊張する場面です。
デジタル化の動きがあるとはいえ、日本はまだまだ書類社会で印鑑文化です。
不備なく必要箇所を記入してもらい、実印や代表者印を押してもらい、印鑑証明書などが必要となるケースも少なくありません。
契約の確認や審査を経て手続きが完了すれば、商品を発注するなどの手配も行います。
納品・請求
発注した商品が届いたら、納品を行います。
業者に配達してもらうケース、納品されたものを持参するケース、設置工事などが伴うケースも少なくありません。
商品の特性に応じた納品を行い、初期不良がないか、動作に問題がないか確認してもらいます。
前払いのケースもありますが、一般的には、納品後に支払いの請求を行います。
口座振り込みなどが多いですが、月末にまとめて決済するケースも少なくありません。
万が一、期日に支払いがない場合は、請求の電話などを行う必要があります。
営業で実はもっとも重要なところで、契約が取れても、支払いが得られなければ意味がありません。
商談だけでなく、請求や支払いが重要となる点も理解しておきましょう。
アフターフォロー
アフターフォローは、商品に不具合があったときや、壊れたときのフォローのイメージがあるかもしれません。
ですが、営業でのアフターフォローは、納品先からの問い合わせやお困りごとに応えるだけでなく、同商品のリピート販売をはじめ、取り扱う関連商品のさらなる販売などのアプローチも含まれます。
一回契約をもらったから、それで終わりではなく、継続訪問をしたり、定期的に電話やメールなどでコンタクトをとったりすることが大切です。
サブスク型の業態も増えており、アフターフォローの重要性は増しています。
【営業職の仕事内容】営業職の一日の流れ
ある営業職の方の一日の流れをご紹介します。
ハウスメーカー業界の、個人営業の営業職の一日の流れを、ひとつの例として見ていきましょう。
あくまでも一例であり、企業や営業所によって異なります。
9:00 出社
定時に余裕をもって出社します。
9:20 朝礼
営業所単位で朝礼を実施します。
連絡事項をはじめ、前日の成果報告や表彰などが行われることも少なくありません。
9:30 タスク整理
一日にやるべきことの優先順位を付ける作業です。
10:00 案件精査
相手先が急な会議や出張でアポイントがキャンセルされた日や、アポイントがとれなかった日には、同時に抱えている案件の契約を進められないか、急いで検討します。
12:00 休憩
昼休みも、顧客とのアポイントによっては前後し、移動時間に充てられることも少なくありません。
13:00 客先訪問・商談
新規見込み客との商談を行います。
15:30 客先訪問・アフターフォロー
既存客のアフターフォローも欠かせません。
17:00 資料作成
当日の報告書の作成や、契約書類の確認、商談に基づいた提案書の作成などを行います。
18:00 チームミーティング
一日のふり返りと、明日以降の戦略を話し合います。
19:00 翌日の準備
翌日の提案に向けた資料作りや、プレゼンのリハーサルなどを行い、書類などを忘れないよう準備が必要です。
以上で紹介した中での業務の簡単な説明と、営業の仕事内容としてご紹介した6ステップのうち、どのステップにあたるのかご案内していきます。
・朝礼
営業戦略の策定や、それに伴う伝達事項を連絡するなどです。
チームの成果報告や個人表彰などを行い、モチベーションを高めるための時間でもあります。
・タスク整理
営業戦略の策定にあたり、一日にやるべきことの優先順位をつける作業です。
・案件精査
アプローチ先の検討・決定のステップです。
当日のアポイントも予定通りになるとは限らないため、急な予定変更に備えて案件精査が行われることもあります。
・客先訪問・商談
商談・見積もりや受注・手配の段階です。
・客先訪問・アフターフォロー
納品・請求やアフターフォローのステップです。
・資料作成
商談・見積もりのステップにあたり、受注書類の確認や契約手続きに必要な書類や報告書の作成を行い、契約事務を行うスタッフに提出します。
・チームミーティング
営業戦略の策定のステップです。
営業は個人プレーに思われがちですが、一人一人がライバルになって火花を散らす構造より、チーム単位で競わせることで、チーム内でお互いにフォローし合いながら成果が出せ、営業所全体の底上げにもつながります。
・翌日の準備
アプローチ先の検討・決定や、営業戦略の策定などのステップにあたります。
翌日のアポイントが決まっている場合は、策定された営業戦略を基に、当日のプレゼン法などを検討します。
アポイントがない場合は新規開拓などに向け、策定された営業戦略を基にアプローチ先の検討・決定を行います。
【営業職の仕事内容】職種理解は選考でも大切!
営業職に興味がある方も敬遠してきた方も、この記事を読んでも違う職種がいいと考えている方も、各職種をきちんと理解することが大切です。
営業に限らず、志望する職種や興味をもつ職種をきちんと理解し、職種のイメージを具体的に描けることは、選考でも重要なカギを握ります。
もちろん、同じ職種でも業界や企業によって態様が異なるため、「その考えは甘い」とか、「わが社はそんな古いやり方はしていない」などと指摘を受けるかもしれません。
ですが、まったくイメージのない人よりはミスマッチが防げ、意欲も伝わるので、内定獲得への期待がもてます。
具体的な選考対策では以下の記事をご覧ください。
まとめ
今回の記事では営業職の仕事内容を解説しました。
営業職とは、自社のサービスや商品を売り込んで、購入や契約につないで売上を発生させ、会社の利益を上げていく仕事です。
有形営業や無形営業、個人向け、法人向け、新規営業、ルート営業などさまざまな営業方法があります。
それぞれ扱う商品も異なり、顧客によってプレゼンやコミュニケーションの取り方など抑えるべきポイントが異なるため注意が必要です。
きついといわれる営業職ですが、若手や経験の浅い者でも優れた成績を上げることで活躍が可能です。
公務員のような職場では、年功序列が強く、自分より仕事ができなくても経歴が長いだけで高い年収を得るケースがあります。
しかし、営業は成果主義が強く、学歴や職歴よりも成績が重視されることがやりがいとなるでしょう。
本記事内では、営業に必要な能力、優位になる資格を紹介しています。
また、営業職の一日の流れも紹介しているため、営業職への就職を考えている方は参考にしてみてください。
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