銀行営業初心者のための仕事研究!仕事内容やきついと言われる理由を解説!
みなさんが銀行業界に抱くイメージはなんでしょうか。
銀行といえば、非常に大きな存在で、企業としても大きいですし、存在としても大きいでしょう。
なんといってもお金を扱っているからです。
また、社風に抱くイメージとしては、福利厚生がしっかりしているであったり業界として安定しているといったイメージがあるのではないでしょうか。
そういった点に魅力を感じて志望する人も多いかと思われますが、現実は多くの行員が営業からキャリアをスタートさせるのです。
銀行と営業というのはあまりイメージできない部分なので、この部分にギャップを感じる人は多くいます。
そのため、実際の仕事内容をきちんと知って、志望動機を明確にさせる必要があるでしょう。
【銀行の営業職とは?】そもそも銀行とは?
まずは、そもそも銀行とは何なのかについて確認してみると良いでしょう。
銀行と一言で言ってもいろいろな業態があります。
就職先を考えるときは、さまざまな業態を知っておくことが重要になってきます。
これを知ることによって、自分に適性のある業界もわかるからです。
メガバンクといわれる都市銀行もありますし、私たちが日ごろからお世話になっている地方銀行もあります。
ほかにも、ネットメインのネットバンキングや信託銀行など、さまざまな種類がありますので、それぞれの特徴を把握しておくことが重要になってくるでしょう。
メガバンク(都市銀行)
メガバンク(都市銀行)とは、大都市に本店を構えて広域展開をしている銀行のことを指しています。
日本国内に存在するメガバンクはわずかしかなく、次の4つです。
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・りそな銀行
メガバンクは個人向けの窓口がメジャーなイメージがありますが、法人の取引先は大手上場企業が中心で、融資などが業務の中心です。
また、大都市の大企業相手にビジネスを展開する業態なので、地方に行けばいくほど支店が少なくなってきます。
基本的には、人口の多い都市ほどメガバンクが多くなってくるのです。
地方銀行
地方銀行は、各都道府県で展開している一般の銀行のことを指します。
メガバンク(都市銀行)が網羅していない地域の地元企業や個人に対してサービスを行うのが一般的です。
メガバンク(都市銀行)とは違い、地域密着型で地元企業との結び付きが強いことも特徴です。
地方銀行は地域に根付く企業にとっては欠かせない存在で、メガバンクでは行き届かない地方の企業や個人に対して手厚いサポートをしてくれます。
都市銀行と地方銀行があるからこそ、日本の銀行業務は成り立つと言えるでしょう。
また、手数料なども都市銀行に比べると、かなり控えめなことも特徴。
あくまでも一般の人たちが使うことを想定しているのです。
ネットバンク
ネットバンクは、近年になって急激に発達してきた銀行になります。
すべての取引をインターネット上で実施するからこそネットバンキングと呼ばれ、通常の銀行に比べると、経費が圧倒的に少ないです。
最低限の店舗しか持たないので、土地を借りる必要もありませんし、設備投資をするのも最小限で済んでしまいます。
ただし、最近では、ネットバンク専門の銀行だけではなく、地方銀行などもネット取引に対応してきているのです。
また、ソニー銀行や楽天銀行など事業の一環として金融業をやっている企業も多くなっています。
信託銀行
信託銀行は少し特殊な銀行です。
メガバンクや地方銀行が行っている、預金や貸付など通常の銀行業務のほかに「信託業務」を行います。
信託業務というのは、個人や法人が持っている財産を銀行に預けることによって、その銀行が資産運用をするというものになっています。
そのような意味では投資銀行のようなニュアンスを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
現金だけではなく、有価証券や不動産など価値のあるものならば、基本的に信託することができます。
【銀行の営業職とは?】銀行の営業ってこんな仕事
続いて銀行の営業について紹介します。
銀行の営業は、多くの行員が体験するものであって、キャリアのスタートとしても知られています。
一説には、総合職就職の約9割の行員が営業からスタートするというものもありますので、これから銀行業界で働こうと思っているのならば、銀行の営業職を軽視することはできないでしょう。
また、銀行とお客様の接点になる大切な仕事であります。
銀行の営業職ではどのような仕事をするのか、きちんと理解しておくことによって、銀行全体の理解も深まっていくはずです。
基本的には銀行営業の業務は、預かる業務の受信営業、貸す業務の与信営業の2種類に分けることができます。
リテール営業(個人営業)
銀行の営業には、大きく分けると2つのタイプがあって、そのうちの一つがリテール営業です。
リテール営業とは個人に対して実施する営業になっていて、もう一つは法人営業になっています。
具体的なサービスとしては、預金や投資信託、保険や住宅ローンなどを案内する仕事だとも言えるでしょう。
また、銀行の営業は、これらをすべて扱うということはなく、すべてを扱うとあまりにも膨大な作業量になってしまいますので、それぞれ細分化されているというのもポイントになってきます。
個人に対する受信営業
個人に対する受信営業は、個人の預金者から信用を受けて、お金を預かることを指しています。
預金はもちろん、為替だったり、金融商品のサービスを提案したりもします。
資産運用のサポートも必要になってきますので、自身も資産運用の幅広い知識が必要になってくるのです。
顧客にしっかりとアドバイスをするためには、かなりの経験が必要になってくるのです。
個人に対する与信営業
個人に対する与信営業は、住宅ローンや教育ローンなど個人に対する貸付業務が中心です。
基本的に外回りをすることはなく、支店の窓口に来店したお客様から相談を受けて初めて貸付の提案をします。
なお、銀行ローンには以下のような種類があります。
・住宅ローン
・教育ローン
・マイカーローン
・カードローン
法人営業
法人営業とは企業向けの営業のことです。
リテール営業よりも扱う規模が大きく、銀行の営業マンというと法人営業のイメージが強く、某ドラマで描かれたこともあるので、注目が集まっています。
対象が個人から法人になったという部分だけが違っています。
法人に対する受信営業
預金、為替など、基本的にはリテールと同じだと言えるでしょう。
法人に対する与信営業
融資業務、ビジネスマッチング業務、M&Aサポートなどがあります。
業務の大半を占めているのが融資業務ですが、低金利により減収しているため、そのほかの部分で利益を確保しなければなりません。
そのために、M&Aのサポートをすることによる仲介手数料収入や、ビジネスマッチングしている商材の売上による手数料収入で成績を上げることも必要です。
融資
基本的に担当している企業に融資を提案する仕事です。
事業を立ち上げたときに融資の依頼をされた場合、融資できる基準に到達しているかどうかを判断します。
難しいようなら基準に達するように事業計画書作成をサポートすることもあります。
また、既に取引のある企業に追加融資の提案をすることもあります。
新規事業の立ち上げに備えた融資提案や、財務状況をヒアリングした上で追加融資をした方が良いことを提案することもあります。
ビジネスマッチング
銀行のほとんどは、一般企業とビジネスマッチングをしています。
ビジネスマッチングとは、一般企業と提携を結ぶことで、その企業の商材やサービスを融資先に提案できるような状態にすることです。
代表例を挙げると、不動産投資の提案をするために不動産会社と提携したり、コスト削減のために電力会社と提携していたりします。
様々な業界の一般企業と提携しているので、ニッチな業界の商材の知識も必要になります。
そのため、提携先の企業が定期的に勉強会を開催していることもあります。
M&Aサポート
M&Aサポートも銀行営業の重要な役割です。
とくに地方銀行の融資先は高齢の経営者が多く、事業承継に悩んでいることもあります。
地元を盛り上げるためには、地元に根付く企業を後世に伝えていく必要がありますので、M&Aという形で継承していくことが推奨されます。
銀行にはM&Aの仲介を専門的に行っているアドバイザーが在籍していることがあるので、実際の提案はアドバイザーが行いますが、M&Aの提案をするのは基本的に営業の仕事です。
有資格者ではなくとも、ある程度のM&Aの知識を身につけておく必要があります。
銀行営業のやりがい
これから銀行営業の仕事をスタートする人は、銀行を新しいフィールドに選んだ理由として「安定性」「高収入」などがあげられるでしょう。
しかし、銀行営業の本質的なやりがいは、社会へ貢献できる力が強いことです。
個人に対しては安定した生活を保てるようにローンや信託などが提供できますし、法人に対しては健康的な経営ができるように融資という形で経営のサポートができます。
働く環境が良いだけではなく、銀行営業の仕事には、胸が熱くなるようなやりがいがたくさんあるのです。
経済を支えることができる
銀行員が人々に与えるポジティブな影響を考えてみると、それは経済を支えることができるというものではないでしょうか。
お金を通じて経済を回すことによって、人々に安定した暮らしがやってきます。
また、お金がなければ夢を叶えることができない場合も多いので、そういった意味では人々の夢を後押しする素敵な仕事という考え方もできます。
銀行員にやりがいを聞いてみると、経済を支えることができると答える人が多いことから、これに対して幸せを感じることができるような人であれば、銀行員にはかなり向いていると言えるでしょう。
【銀行の営業職とは?】銀行営業のメリット・デメリット
銀行の営業職のメリットとデメリットを比較していきます。
銀行の営業には、そのほかの営業にはないメリットやデメリットがありますので、ほかの業種と比べてみるのもおもしろいですし、銀行のそのほかの仕事と比べてみるのも良いです。
メリットとデメリットを踏まえたうえで自分にもできそうか考えてみると良いでしょう。
銀行営業のメリット
ここでは銀行営業のメリットを紹介します。
経済を支えることができることや金融の知識を幅広く身につけられるといった、銀行業務特有のメリットもあるので覚えておくと良いでしょう。
金融の知識をつけることができる
金融の知識をつけることができるというメリットもあります。
営業において必要な金融に関する知識は、幅広い分野で役に立ってくるでしょう。
そもそも、ビジネスにおいてお金というのは絶対的な存在なので、お金に強ければ、そのほかのさまざまなことに応用できるのは当たり前だと言えます。
転職するうえでも私生活においても、金融や経営に関する知識が活かせる場面は多くあります。
お金の知識は思わぬところで役立ってくるので、積極的に身につけたいものです。
高い給与と福利厚生が得られる
銀行営業は業務によってはノルマが厳しいこともありますが、その分高給が得られる仕事になっています。
さらに、福利厚生も充実しており、特に大手では社員寮や休日制度も整っている傾向にあります。
このように、待遇面で考えれば、かなり魅力的な仕事になっていますので、とにかく安定した職場で働きたいというのならば、おすすめの業種と言えるでしょう。
銀行営業のデメリット
ここでは銀行営業のデメリットを紹介します。
銀行ならではのデメリットがありますので、メリットと同時に把握しておきたいところです。
業務時間外でも勉強しなければならない
銀行営業は勉強に費やす時間が多いことも、人によってはデメリットととらえられるでしょう。
とくに法人に融資を提案している営業は勉強に費やす時間が多い傾向にあります。
空き時間を使って各業界のトレンドや経済の知識を網羅的に学んでおく必要がありますし、ビジネスマッチングをしている銀行なら提携企業から定期的に開催される勉強会に参加する必要もあります。
とても労力がいりそうですが、お客様に適切な提案をするために必要な行動です。
ポジティブに考えれば、自分の成長の手助けをしてくれるという見方もできるでしょう。
とらえ方次第だと言えます。
業界としての先行きが不透明
銀行業界は、絶対に安泰というわけではありません。
過去にも記録的な破綻劇があったことからもわかる通り、いきなり潰れる可能性もあるのです。
また、現在は低金利での融資や、日銀の金利政策によって、従来のビジネスモデルでは収益の確保が難しくなってきているのです。
メガバンクといえども、かつてのような利益を出せない時代になってきていますので、地方銀行などは余計に厳しいでしょう。
業界として有価証券の提案や新規開拓で収益の安定化を狙っていることもあります。
また、今後は、営業のノルマが増える可能性もあります。
長期的な視野で考えれば、決して安定しているとは言えない業界です。
銀行営業のキャリアプラン
銀行営業として長くキャリアを積みたい人は、長きにわたって銀行で働き続けるためにキャリアプランについても考えておきましょう。
代表的なものは主に2つです。
支店長へ出世
銀行営業として活躍している人の多くは、主任や課長、次長、副支店長を経て支店長へと上り詰めます。
ただし、在籍年数が長ければ出世しやすいというわけではなく、銀行内の評価の高さと成績に応じて決まります。
営業としては目標売上を達成し続けることが大切ですし、それだけではなく銀行内の上長から評価される人であることも大切です。
よく「気に入られている人は出世が早い」と言われますが、銀行はまさにその通り。
取引先からの評判が良いだけではなく、上司から好かれていないといけません。
専門性の高い職種へ転属
銀行内にはM&Aアドバイザーなどの専門的な職種が存在しています。
支店長への出世コースではなく、専門的な仕事に携わりたい人は、資格をとって部署異動することもあります。
なお、M&Aアドバイザーは、後継者問題に悩むことが多い国内企業から需要が高く、若手の銀行営業からも着目されている職業です。
基本的には大企業を中心としたM&Aを提案しており、無事にプロジェクトが完了したときの報酬はかなり高額です。
そのため、提案したアドバイザーは銀行内からかなり評価されるでしょう。
給与はボーナスに反映される金額も大きい傾向にあることもメリットです。
まとめ
安定している、高給というだけでなく、経済を支える役割を担えるのが銀行業界です。
銀行業界の構造や、それぞれの仕事内容をきちんと理解したうえで、銀行業界を志望するようにしましょう。
また、銀行業務も、かつてのように安定した業界とは言えなくなってきているので、今後どのようになっていくかを見定めたうえで、就職先を選んでいくことも重要になってくるのではないでしょうか。
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