はじめに
「営業」、それは会社の「顔」です。
会社の代表として、顧客と商談を行い、自社の商品やサービスを販売します。
企業の利益にも直結する職種ですので、憧れている人も多いのではないでしょうか?
しかし、営業職は業界や時代の流れに応じて、様々な形へと細分化できるようになりました。
そのため「営業職」と自分のイメージのままに転職してしまうと、思わぬミスマッチを起こす可能性があります。
今回は、営業職にどのような種類のものがあり、それぞれどのような仕事内容なのかを詳しく解説します。
さらに選考でよく聞かれる志望動機や自己PRについても詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【営業職の種類】4つの軸
営業職はモノやサービスを販売する職種ですが、「相手」「商材」「形態」「手法」の4つの軸ごとに細かく細分化することが可能です。
ものを売る相手が変われば、求められるビジネススキルも多少変化し、商材が変われば、セールス上のポイントも変わってきます。
これらは、求人票に記載されている営業職の業務内容を把握する際にとても役立ちます。
まずは4つの軸をベースにどのような営業の種類があるのか、把握していきましょう。
相手別
営業活動では、必ず取引先となる相手がいます。
販売対象によっても営業職は下記のように分類できます。
- 法人営業(BtoB営業)
- 個人営業(BtoC営業)
それぞれの内容を細かくみていきましょう。
法人営業(BtoB営業)
法人営業(BtoB営業)は、「Buisiness to Buisiness」、つまり企業や官公庁、団体などの法人に対する営業活動することを指します。
法人営業では、新規顧客の開拓や、見込み顧客へのアプローチ、既存顧客へのアフターフォローなどを行います。
基本的に企業の担当者と商談を行うことが多いですが、初回の商談相手が決裁の権限を持っていることはごく稀です。
企業規模が大きくなるほど、決裁に時間がかかり、商談に要する期間が長くなる傾向にあります。
そのため、粘り強い努力が求められるでしょう。
個人営業(BtoC営業)
個人営業(BtoB営業)は、「Buisiness to C」、つまり個人や家庭を対象に営業活動することを指します。
扱う商品・サービスは、車や電化製品、水、保険など、一般家庭で多岐にわたり利用されているものです。
そのため、コンビニやスーパー、百貨店、ホテル、旅行などもBtoC事業に該当します。
営業相手は商品・サービス購入の決裁者であることが多いため、法人営業に比べると比較的商談の期間が短いとされています。
個人営業では、短い時間の中で好感度をあげる、コミュニケーション能力の高さが求められるでしょう。
商材別
営業は取り扱うサービスによっても下記のように分類できます。
- 有形商材営業
- 無形商材営業
それぞれの内容を細かくみていきましょう。
有形商材営業
有形商材営業では、視覚的に物体として認識できる商材の契約を取るために、営業活動を行います。
たとえば、食品や衣類、家電、不動産、車などは視覚的に認識できるものであるため、有形商材に該当します。
日常的に使用され消費スピードの早いものから、車や不動産といった単価が高いものなど、取り扱う商材はかなり幅広いです。
有形商材は、消費者がどのようなニーズで求めていて、購入後はどんな風に使用するのかイメージしやすいというのが特徴といえるでしょう。
無形商材営業
無形商材営業では、有形商材営業とは対照的に、視覚的に物体として認識できない商材の契約を取るために、営業活動を行います。
情報やサービスが無形商材に該当し、たとえば、コンサルティング業界では、顧客の「経営課題を解決する」という事象を提供しているため形がありません。
「課題解決」「成功」といった各省のない事象を取引先と信頼関係を築いて、契約をとっていきます。
無形商材は、実態が無いからこそ、顧客のニーズに合わせてカスタマイズがしやすいというのが特徴として挙げられます。
営業形態別
営業は営業形態によっても下記のように分類できます。
- メーカー営業
- 商社営業
- 代理店営業
それぞれの内容を細かくみていきましょう。
メーカー営業
メーカー営業は、自社の製品やサービスを個人や企業に販売します。
一般的に、個人営業よりも法人企業を対象とする、BtoB営業が多いとされています。
自動車メーカーでは、個人への販売は自動車ディーラーの代理店が行い、法人企業や官公庁に対する営業はメーカー営業が担当します。
私たちが生活するメーカー商品は代理店から購入することが多く、メーカー営業は消費者の生活からは見えない場所で活動しています。
商社営業
商社営業は、原材料や製品の売買における仲介役を行います。
たとえばメーカーで素材の調達や販路の確保が難しい時に、商社が入り仲介役を担います。
商社の中にも、業界に縛られず幅広い商材を扱う「総合商社」と専門分野に特化した「専門商社」に分類ができます。
総合商社は取り扱う商材の幅広い分、関わる人たちも多岐にわたり、広範な人脈やネットワークを築けるのが強みです。
一方、専門商社ではメーカーとの距離が近く、良好な関係を築くためのコニュニケーション能力が養われるのが特徴です。
代理店営業
代理店営業は、自社商品やサービスを販売する代理店の開拓やフォローを行います。
一般的な営業職と異なるのは、エンドユーザーではなく、エンドユーザーに商品を売る代理店が営業の対象であるということです。
代理店が自社の商品・サービスを正しく理解して販売できるように、サポートを行います。
また、代理店営業は新規代理店の開拓も重要な業務です。
時には、エンドユーザーとなる顧客のもとへ、代理店の担当者と同行し、営業支援も実施します。
営業手法別
営業は営業活動の際にとる手法によっても、下記のように分類できます。
- 新規開拓営業
- ルート営業
- 飛び込み営業
- テレアポ営業
- ソリューション営業
- 反響営業
それぞれの内容を細かくみていきましょう。
新規開拓営業
新規開拓営業は、その名のごとく、新規の顧客を獲得することがミッションです。
新規開拓の場合、一般的にイメージされるのが飛び込み営業でしょう。
しかし、営業力に加え、マーケティングに関する知識が求められることも。
自社商品やサービスの業界におけるポジション、競合製品との差別化ポイントを把握し、顧客に対してどのようなニーズに応えるのかを的確におさえることで、商談の成功率が一気にあがります。
新規開拓営業は、自社の商品やサービスを知らない人に対して商品やサービスを売らなければなりません。
短い商談時間の中で、自分自身や商品を信頼してもらうためにも、商品が解決する課題を明確し、的確にアピールしていくというテクニックを要します。
ルート営業
ルート営業は、すでに契約をもつ顧客を訪問し、商品やサービスについての相談に対応したり、新商品やサービスを売り込んだりする営業手法です。
営業活動で想像される飛び込みやテレアポ業務はなく、契約実績のある取引先に対してルートに沿って順番にアポ・訪問を実施します。
ルート営業では取引先の担当者と良好な関係を築いておくと、その顧客から新しい顧客を紹介してもらえることも少なくありません。
ルート営業は既存の顧客が対象ですので、営業未経験の方も比較的挑戦しやすい職種と言われています。
飛び込み営業
飛び込み営業は、お客様への事前のアポイントはとらず、いきなりお客様を訪問する営業手法です。
「営業職」というキーワードで連想される新規開拓営業の一種ではないでしょうか。
突然の営業になるため、対象となる顧客は心の準備ができておらず、警戒心が高い状態で商談が始まるケースも少なくありません。
また、営業する側も顧客の情報がない状態で営業活動を行うため、商品を提案したとしてもニーズと合わなかったり、話をしてもニーズを聞き出せずに終わったりすることもしばしばあるでしょう。
飛び込み営業は、門前払いされてしまうケースも多いので、強い精神力が求められる職種です。
テレアポ営業
テレアポ営業は、顧客に電話をかけて直接会って商談を行う営業手法です。
テレアポ営業は、実際に客先へ足を運んでアポイントメントを取ることと比べると、移動時間が不要のため、より多くの顧客に効率的にアプローチができます。
しかし、相手の関心を引き付けるのは難しい側面も兼ね備えています。
アポイントメントを取るためには、話術やコミュニケーション能力、精神力が必要です。
ソリューション営業
ソリューション営業は、商談を通じて顧客の潜在的なニーズを発見し、新しい提案を行い、顧客が抱える課題を解決する営業手法です。
コンサルティングサービスやITサービスなどで活躍する営業職で、商品知識もさることながら、お客様の事情を的確に把握する能力が求められます。
そして、ソリューション営業ではサービスなどの無形商材を扱うことが多く、商品の価値を
理解して、お客様のニーズにあった提案をしていかなければなりません。
お客様も気づいていないニーズを言い当てられれば、「この人は私のことを分かってくれている」と思ってもらえ、営業として信頼も大幅に上がるでしょう。
反響営業
反響営業では、広告に反応して問い合わせてくる顧客に対して営業活動を行います。
経由する媒体はインターネットや新聞、テレビ、チラシなど様々な広告を通して、商品に興味を持ってくれた方が対象です。
そもそも広告を出すためには高額な費用がかかりますので、取り扱う商材もそれに応じた高額なものもしくは継続的利用で利益見込みが高いものになります。
効果的な広告を企画するためには、ターゲット層のメディア利用傾向を調査する必要があり、マーケティングと施策と並行して、営業活動を行うケースも少なくありません。
反響営業は、少なからず商品に興味をもってくれた人に対して行う営業ですので、制約に至るまでの難易度も飛び込み営業よりは低いといえるでしょう。
【営業職の種類】特殊な営業
営業職は未経験の方でも比較的挑戦しやすい職種と言われています。
しかし、中には必要なスキルがないと活躍できない職種やそもそも転職する上でも難易度が高い職種もあります。
- 海外営業
- 医薬営業(MR)
ここからは、営業職の中でも特殊な営業と分類できる2つの営業について詳しくみていきましょう。
海外営業
海外営業は、日系企業が国境を超えた営業活動を行う職種です。
現地で市場開拓する海外駐在パターンと、国内から現地の担当者と連携して営業活動を行う国内駐在パターンの2種類があります。
取り扱う商材は自動車、機械、半導体、化学、化粧品、インフラなどを扱い、これらの販売促進や販路拡大という役割をになっています。
海外営業は、高い語学力に加え、担当の国・地域に合った文化やビジネス習慣の知識が求められる傾向にあります。
国内を超えたより大きな規模の事業に携われるというのが、海外営業の醍醐味です。
医薬営業(MR)
医薬営業はMR(Medical Representativesの略)とも呼ばれ、製薬会社に勤める営業担当者を指します。
医薬営業では、医療関係者に対して自社の医療用医薬品の効能や副作用などの医薬情報の提供を行い、医療現場で採用してもらうことが主なミッションです。
また、医薬営業とは似た医療機器の営業を行う医療機器営業とは、別種類の営業職として考えられます。
人命に関わる医薬品を扱うことから、医薬営業にはMR認定制度という資格制度が設けられていて、病院によってはMR認定証の提示がないと入館できないケースも。
日々アップデートされる医薬品情報や医療現場の情報を収集し、勉強を続けていかなければならない職種です。
【営業職の種類】注目の営業
ここからは営業職の中でも、今注目されている営業職を紹介します。
今、伸びている注目の営業職は下記2つです。
- インサイドセールス
- カスタマーサクセス
それぞれの営業について、詳しくみていきましょう。
インサイドセールス
インサイドセールスは、内勤で営業活動する営業手法です。
電話やメール、Web会議システムを利用して、ターゲットとする企業や個人に向けて営業活動を行います。
インサイドセールスには、対になる外勤の営業(フィールドセールス、アウトサイドセールス)があります。
内勤ということで、移動時間や交通費がかからず、効率的に営業が行うことが可能です。
営業活動の範囲としては、成約まで非対面で商談を実施するケースやアポイントのみ獲得するケースなどがあります。
企業によって業務の範疇が異なるので、求人票の職務内容をよく読んでおきましょう。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスを直訳すると「顧客の成功」となりますが、この職業の目的は単に顧客の成功をサポートすることや要望を満たすことに留まりません。
カスタマーサクセスの役割は、顧客の満足度を向上させ、結果として企業の収益を増加させることにあります。
とくに、購入後の顧客体験を改善し、継続的な関係を築くことが重要なミッションです。
たとえば、月額制のサービスでは次の月も契約を更新してもらい、一度購入した商品やサービスでも再び選んでもらうことが求められます。
リピーターとなる顧客を増やすことで、企業の利益が向上し、経営の安定にも繋がります。
そのためには、自社の商品やサービスに精通するだけでなく、顧客層や競合他社のサービスについても深い知識を持つことが必要です。
【営業職の選考対策】求められるスキル
ここからは営業職への転職を検討している人に向けて、営業職の選考対策について紹介していきます。
まず営業職の選考では、どのようなスキルが求められるのかを知りましょう。
営業職で求められるスキルは下記の通りです。
- コミュニケーション能力
- 相手の立場になって考える姿勢
- ヒアリング力
それぞれの項目について、詳しくみていきましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は営業の仕事をしていくうえで、必須の能力だと言えます。
それは言うまでもなく、必ず対人での仕事になってくるためです。
そして営業の仕事では話すよりも、聞く力が重要だと言えます。
顧客のニーズに合わせた話をすることが成功の秘訣であるためです。
たとえば、相手の悩みや要望をうまく引き出す力が求められるでしょう。
そのためには聞く力が不可欠であり、このようなコミュニケーション能力に長けている人は貴重な人材です。
こういった能力に長けた人は話すことが好きで、よく友人の相談相手になる人だと言えます。
自分が当てはまるようであれば、ぜひ売り込んでいきましょう。
相手の立場になって考える姿勢
実績のいい営業は、必ず相手の立場で何事も考えられます。
商談の仕方一つでも、商品を売りたいがためにアピールポイントを並べて説明するだけでは、なかなか相手には商品の魅力が伝わりません。
今目の前にいる人は何が困っていて、どういう解決を望んでいるのか。
そしてこの商品で解決できることを、どうすれば理解してもらえるのか。
独りよがりの視点で物事を考えず、相手の立場で欲しい提案・話し方を考えられます。
商品や自分の魅力を伝える前に、相手を考えられるかどうかが営業にとって必要なスキルといえるでしょう。
ヒアリング力
営業といえば、トーク力を真っ先に考える人もいるかもしれませんが、それ以前に聞く力というのが営業では欠かすことができません。
先ほどの相手の立場になって考えるということにも繋がりますが、相手のニーズがわからないとどんなにトーク力があっても制約には繋がりにくいです。
何気ない会話から相手のニーズを聞き出すまでのヒアリング力がないと、営業活動ははじまりません。
そのため、トーク力も大事ですが、ヒアリング力も同じくらいに重要視されます。
向上心や粘り強さ
営業職では顧客の関心が低くても、諦めずに営業活動を行い、ノルマ達成のために粘り強く努力することが求められます。
そのためには自分自身のアクションを振り返り、より良くしようとする向上心も欠けてはなりません。
営業は、自分の目標と成果が数値化されやすいからこそ、目標に対する執念深さが重要です。
数字にこだわり、それを達成するための努力を惜しまない人や負けず嫌いない人は、営業に向いていると言えるでしょう。
【営業職の選考対策】企業が未経験者に求めること
営業職は未経験の方でも挑戦しやすい職種ではありますが、実際に応募する立場からしたら、未経験でも本当に営業職になれるのか不安ですよね。
結論、営業職の求人の多くは、未経験OKであることが多いです。
では、未経験で営業職に挑戦する人たちに対して、企業はどのような最低ラインのスキルを求めているのでしょうか。
企業が未経験者に求めることは下記の2つです。
- ビジネスマナーやパソコンスキルなどの知識があるか
- 社会人として最低限のマナーが守れるか
それぞれの項目について詳しくみていきましょう。
パソコンスキルなどの知識があるか
商品やサービスを売るために、パソコンを駆使して営業活動を行うケースがほとんどです。
そのため、最低限のパソコンスキルは求められます。
たとえばWordやExcel、PowerPointといったマイクロソフトOfficeのアプリ、Googleドライブ関連、チャットツールなどのある程度のパソコンスキルは入社段階であった方が好ましいです。
入社後に研修を行う場合もありますが、基本的な部分は研修内容から除外されているケースもあるでしょう。
そのため最低限のパソコンスキルは身につけておいて損はありません。
パソコンスキルがあるといっても、どのくらいのレベル感で作業ができるかを、言語化できるようにしておくと良いでしょう。
社会人として最低限のマナーが守れるか
営業職は、企業の顔になる職種です。
そのため、マナーは非常にみられます。
最低限のマナーとして、挨拶、身だしなみ、言葉遣いはきちんとおさえておくと良いでしょう。
この3つはどのビジネスマナーでもベースになります。
むしろ選考の中で、この3つのうちのマナーのどれか1つでも欠けてしまえば、悪い印象を与えかねないということです。
営業という企業の代表となる職種を担う分、選考においてもその職種にふさわしい姿勢で臨むようにしましょう。
【営業職の選考対策】選考の流れ
ここでは営業職へ転職する場合、どのような流れで転職が進んでいくのかについて説明します。
基本的には下記のような流れで選考は進んでいくでしょう。
- 書類選考
- SPI・スキルテスト
- 面接
それぞれの項目について説明します。
書類選考
営業職の選考において、基本的に書類選考からスタートします。
書類選考では、履歴書と職務経歴書の提出が求められます。
書式によって異なりますが、履歴書には志望動機を記入する欄、職務経歴書ではあなたの詳しい経歴やスキルをはじめ、自己PRなどを記載する箇所があります。
書類を提出することが目的ではなく、選考を受けるという意識で書類を仕上げるように心がけましょう。
SPI・スキルテスト
企業によってはSPIによる適性検査やスキルテストが実施されることもあります。
スキルテストや適正テストは、一次面接が終わった段階で受けることも少なくありません。
テスト内容が異なるので、決まった対策などはありませんが、提出期限を守ったり、課題を的確にこなすなど、真摯に課題と向き合うようにしましょう。
面接
どの会社の選考でも、面接はほとんど必ず行われます。
面接の回数は2回程度で内定が決まる場合もあれば、内定に至るまで何度も面接を実施する場合もあります。
面接では、ダイレクトにあなたの人柄がチェックされます。
企業の価値観にマッチしているかや勤務後はどのように活躍してくれるのか、様々な角度からあなたをみられます。
「あぁすればよかった」と後悔することがないよう、面接対策はしっかりと行って臨むようにしましょう。
【営業職の選考対策】回答する時のポイント
先ほどは、営業職の選考はどのように進んでいくのか確認してきました。
書類選考や面接などでは、企業からあなたに質問が出されます。
どんな内容を回答するにせよ、下記を回答の基本として意識するようにしましょう。
- 結論から伝える
- 根拠を述べる
- まとめで今後の展望を添える
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
結論から伝える
どんな質問に対しても、まずは結論を伝えるようにしましょう。
志望動機を聞かれた場合は「〜〜〜だから、御社を志望しました」、自己PRを聞かれた場合は「私の強みは〜〜です」とまず最も伝えたいことを文頭に持ってくることで、相手もこれから話す内容を理解しやすくなります。
最初に結論を伝えておけば、もしも話が脱線してしまったときも、軌道修正するためのみちしるべにもなるでしょう。
冒頭の結論部分は長々と話す必要はなく、端的に伝えたいことだけを述べるのが良いです。
根拠を述べる
結論を述べたら、その結論の根拠を伝えましょう。
志望動機であればあなたが志望した経緯、自己PRであればアピールポイントだと感じた理由やエピソードなどを入れ込みます。
根拠が必要となるのは、結論の説得力を高めるためです。
とくに具体的なエピソードが交ってくると、一気に結論の説得力が高まります。
自己PRで説得力を持たせる場合、目標に対する達成率など数値を用いると、アピールしたいポイントが際立ちます。
根拠の部分は具体的であることが大事ですが、話にボリュームが出てくると、結論と根拠の軸がぶれてしまいやすいので注意しましょう。
まとめで今後の展望を添える
結論から根拠と話して、最後のまとめとして、改めて結論を述べます。
最初に語った結論と同じ結論で、何も問題はありません。
可能であれば、結論プラスアルファで今後の展望を添えましょう。
志望動機の場合は、「入社後は積極的に新しいことに挑戦し、1日でも早く即戦力となれるよう努力します」。
自己PRの場合は、「〜〜という強みを活かして、入社後は御社の利益向上に貢献したいです」。
先述のような言葉を添えられると、入社後はどのように働きたいのか採用担当者もイメージしやすいです。
実際に面接では、「入社後のキャリアプラン」や「採用したらどんなメリットがあるか」といった質問をされることも。
入社後のビジョンも描けているというのは、企業側としても目に留まる存在になるはずです。
【営業職の選考対策】志望動機のポイント
ここでは営業職での選考において、志望動機の作り方を伝えます。
志望動機では、書類選考でも面接でも質問されます。
採用の合否を判断する上で、重要なポイントとなるので、できるだけ内容を固めておくことをおすすめします。
志望動機を作る場合、下記のポイントに気をつけましょう。
- なぜ営業職を志望したのかを伝える
- なぜその企業を選んだのかを伝える
- 自分を採用するメリットを伝える
それぞれの項目について説明します。
なぜ営業職を志望したのかを伝える
そもそもなぜ営業職で働きたいのか理由を伝えるようにしましょう。
たとえば「やりがいを感じられる仕事をしたい」というだけだと、そのやりがいを感じられるのは営業職だけではないのではと受け取られる可能性があります。
常にノルマがあり、プライベートの時間を十分に確保できない可能性がある営業職において、どんな覚悟を持ち営業職を望んでいるのか伝えるようにしましょう。
もしも具体的な理由が見つからない場合は、ほかの職種とは違う差別化ポイントを見つけて、営業職の魅力として伝えるのもおすすめです。
なぜその企業を選んだのかを伝える
志望動機においては、その企業を選んだ理由も添えるようにしましょう。
少し意地悪な解釈かもしれませんが、営業職はどの企業でも求人があるからこそ、営業をやりたいだけならどの企業でもできると受け取られかねません。
応募した企業の営業職として働きたいという明確な理由を持つことは、その企業に対するロイヤリティを高めます。
「応募職種」と「応募企業」の2つのポイントを、志望動機では必ずおさえましょう。
自分を採用するメリットを伝える
可能であれば結論と合わせて、あなたを採用するメリットを伝えるようにしましょう。
たとえば営業経験者であれば、その経験を活かして働くということ自体、あなたを採用するメリットともなるでしょう。
未経験者であっても、自分にはどのようなスキルや経験があり、応募先の企業に貢献できるという内容を志望動機でも伝えられると良いです。
【営業職の選考対策】志望動機の例文
営業職を検討している方に向けて、志望動機の例文を紹介します。
例文①
お客様と伴走できる営業を御社なら実現できると感じ、志望いたしました。
前職でも営業職を経験していますが、そこでは細かくセクションが分かれていて、顧客様の情報を断片的にしか知ることができませんでした。
もちろん効率化としていいのですが、受注後にサービスを継続されていなかったりすると、自分が関与していない分、課題点もなかなか見えてきませんでした。
前回の面談で、貴社のサービス体制の詳細を伺い、営業として最後までお客様と向き合える環境に心を惹かれました。
入社した暁には、これまでに培った営業経験を活かし、お客様にとって満足度の高い営業となれるよう尽力します。
例文②
私が貴社を志望した理由は、営業職に憧れを持っていたことと、その時は自分が自信を持って好きだと思えるものを営業として売りたいと考えていました。
元々御社の〇〇というサービスは前職で使用させていただき、その使いやすさに感銘を受けていました。
さらに、御社は業界の中でもシェア率が伸びているという中で、御社の採用媒体やSNSなどを拝見したところ、営業未経験者が8割だということに驚きました。
それもどのセクションの方も、自社で開発するプロダクトに愛情を持って接しているからこその結果というのは、すぐに感じることができました。
自分たちのプロダクトを愛せるメンバーとともに、営業としてのキャリアをスタートさせてみたいと強く感じました。
営業未経験ではありますが、企画力やプレゼンには自信があります。
1日でも早く戦力となれるよう尽力しますので、何卒よろしくお願いいたします。
【営業職の選考対策】自己PRを作るときのポイント
営業職での選考における自己PRの作り方を紹介します。
志望動機と同様に、自己PRは選考の中で質問の言葉を変えて何度も聞かれるでしょう。
企業があなたを採用するメリットをダイレクトに感じられる質問ですので、自分の強みやスキル、打ち出しポイントをしっかりまとめておくようにしましょう。
営業職を志望する場合、下記のポイントを意識して作成してみてください。
- 適応性や積極性があることをアピールする
- 将来のビジョンを伝える
- 周りとの差別化を意識する
それぞれの項目について説明します。
適応性や積極性があることをアピールする
アピールポイントで迷った場合は、適応性や積極性があることを伝えてみましょう。
営業職は企業の顔としてフロントに立ったり、顧客に応じた対応が求められます。
そのため、適応性があることや積極性があることを意識して伝えると良いでしょう。
ただ、適応性や積極性があることだけではなく、その根拠となるエピソードも添えることを忘れないようにしてくださいね。
将来のビジョンを伝える
自分の強みを活かして、将来どのようになりたいのかも合わせて伝えると良いでしょう。
持ち前のコミュニケーション能力を活かして、ゆくゆくはチームマネジメントに関わっていきたいのかなど、具体的なビジョンを伝えられると、採用担当者も入社後のあなたの姿をイメージしやすいです。
周りとの差別化を意識する
選考を受ける人はあなただけではありません。
企業が応募する枠というのは限られていて、その決められた枠をかけて、他の応募者と競うことになります。
他の応募者ももちろん選考対策は行ってくるはずです。
そのため、営業職でいうよくある自己PRは強いエピソードがない限り、同じように聞こえてしまう可能性があります。
そこで、周りとの差別化を意識してアピールポイントを探したり、伝え方を工夫したりするように心がけましょう。
【営業職の選考対策】自己PRの例文
営業職を検討している方に向けて、自己PRの例文を紹介します。
例文①
私の強みは、相手のニーズを読み取り気持ちの良い対応ができることです。
現在、アパレルの販売職に従事していて、そこにはさまざまなお客様がいらっしゃいます。
購入を決意されている方、購入自体を迷われている方、そもそも店員からの接客を受けることが苦手な方などさまざまです。
入店の挨拶をした際の反応や声かけをした際の反応をみて、来店されたお客様にとって気持ちの良い接客は何かを考え、対応するよう心がけてきました。
そのおかげで店舗内で最もリピーターの顧客様をもち、売上もエリア内でトップ3に入っていました。
アパレルで培った、お客様のニーズを読み取り、最適なアクションを起こす力は営業職でも生きてくると思います。
貴社に入社できた際は、この能力を活かして、多くの顧客から信頼を得て、仕事の成績につなげていきければと考えます。
例文②
私の強みは、目標に対して粘り強く対応できることです。
新卒で営業職に配属され、はじめの頃は全く契約が取れず、社内の営業成績は最下位でした。
営業は向いていないかもと不安を覚えていましたが、同期のメンバーが初受注を獲得するのをみていく中で、悔しさを感じ、自分自身の商談の改善ポイントを徹底的に洗い出しました。
可能な場合は商談の様子を録画し、自分でチェックしたり、先輩社員からフィードバックをもらったり、客観的に自分の営業活動を見つめ直しました。
課題を見つけ、そのポイントを徹底的に押さえていくことで、初受注してからは、徐々に受注件数が増え、2年目の営業成績は部内で年間1位を獲得することができました。
持ち前の目標に対する貪欲さや粘り強さを活かし、貴社の営業として1日でも早く貢献できるよう尽力します。
まとめ
今回は、営業職の種類を細分化し、それぞれどのような仕事内容なのかを詳しく解説してきました。
自分自身が理想とする営業職の姿やその実務について、より明確になったのではないでしょうか。
営業職への転職を検討している人は、本記事にも記載している志望動機や自己PRも参考にしながら悔いのない転職活動を行ってください。
もしも一人で転職活動するのが不安な場合は、転職エージェントの活用もお勧めですので、ぜひ検討してみてください。
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