9月入社のメリットとは？知っておきたい転職スケジュールや9月入社を目指すときのポイントなどを詳しく解説

はじめに

転職活動をしていると、気になるポイントの一つが入社時期ではないでしょうか。

ボーナスを受け取ってから退職したい、区切りの良いタイミングで入社したいと考えると、中でも9月入社は多くのメリットがあります。

実際に企業側にとっても9月採用のニーズは高く、4月と同様に内定を得られるチャンスがあります。

ただし9月採用には一部でデメリットもあるので、メリット・デメリットを知った上で、転職を目指すようにしましょう。

今回は、9月入社のメリットについて詳しく解説していきます。

企業が9月採用を積極的に行っている理由や、9月に入社を成功させるポイントについても紹介しているので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

【9月入社のメリット】9月に入社するメリット

9月入社のメリットは、次の通りです。

前の企業からボーナスが受け取れる

9月入社のメリットの一つが、前の企業からボーナスが受け取れるという点です。

ボーナスを支給する企業に勤めている場合、夏のボーナスは6月中旬もしくは7月上旬ごろに支給されます。

9月入社を目指すのであれば、ちょうど今の企業からボーナスを受け取ったタイミングになるでしょう。

ただしボーナスについては、企業の規定によって支給額が取り決めされているのが一般的です。

そのためあまり早くに退職の意思を伝えてしまうと、企業を辞めることを理由にボーナスを減額されてしまう可能性があります。

満額に近い形でボーナスを受け取って退職するなら、7月のボーナスが支給される時期に上司へ意思を伝えるようにしましょう。

8月に引き継ぎや挨拶を終わらせることを考えれば、9月入社はタイミングとして非常にベストだと言えます。

選考の倍率が低い傾向にある

9月入社は、選考の倍率が低い傾向にあります。

一般的に企業の人事評価や事業計画などは6ヶ月区切りで実施されることがほとんどです。

つまり新卒入社のある4月から9月、秋採用をする10月から翌年3月に分類されます。

そのため秋ごろは10月に応募者が殺到するので、9月入社を目指せば比較的ライバルの少ない環境の中で選考に参加できるでしょう。

誰よりも早く転職のスタートダッシュを切りたいなら、9月入社を目指すのがおすすめです。

職場に馴染みやすい

9月に入社すれば、職場に馴染みやすいメリットがあります。

なぜなら9月や10月ごろは、4月と同様に人事異動や新体制での組織編成が行われる時期だからです。

新入社員を数名採用する企業であれば同期ができて、一緒に新人研修を受けることもできるでしょう。

9月入社であれば、中途入社という形であっても新卒社員のような待遇で仕事ができます。

職場に馴染めるか不安に感じている人は、9月入社を目指してみると良いでしょう。

【9月入社のメリット】9月に入社することで生じるデメリット

一方で9月に入社することで生じるデメリットは、次の通りです。

研修・教育を受けられない可能性がある

メリットで研修が受けられるとお話しましたが、企業によっては9月入社だと十分な研修・教育を受けられない可能性があります。

次期の予算調整の兼ね合いもあり、職場全体が人材教育に時間をかける時間がないことがあるのです。

忙しい職場に入社すると、30代の中途採用者と同じように、即戦力として現場に出されてしまうことがあるかもしれません。

面接の段階で研修の有無を確認しておかなければ、いざ入社したときに戸惑うことがあるので注意が必要です。

研修がないときは、わからないことを素直に先輩社員へ積極的に質問をするなど、意欲的な姿勢を見せなければなりません。

入社のハードルが高い

9月入社は、4月入社に比べると入社のハードルが高めです。

ポテンシャルの高さを期待している企業では、9月の募集で中途採用よりも新卒採用を優先する場合があります。

そのため中途採用で9月入社を目指すのであれば、社会人経験で得た能力を上手にアピールする必要があります。

9月入社はライバルが少ない点でメリットと言えますが、豊富なスキルや経験を持った人が集まるので、選考対策が必須です。

4月入社の新卒と差がついてしまう

これは社会人経験がない人にとってのデメリットですが、9月入社になると4月入社の新卒社員と差がついてしまいます。

具体的に言えば、大型の研修会に参加する機会を逃したり、人間関係の構築に時間がかかったりして差がついてしまうケースが考えられるでしょう。

人事評価についても、4月入社の社員に比べると初年度評価で不利になってしまう可能性があります。

とは言え、たとえ9月入社でも業務で成果を上げて実績を積み上げていけば、仕事ぶりが評価されて昇進・昇給もできるようになります。

入社時期が遅いからと言ってネガティブにならず、前向きな気持ちで仕事に取り組む姿勢が何より大切です。

必ず9月に入社できるとは限らない

9月入社で募集があっても、必ず9月に入社できるとは限らない点は注意しましょう。

新入社員を迎えるタイミングは企業の事情によってさまざまで、選考が長引いたり研修準備に期間を要したりすれば、10月入社になってしまうケースもあります。

9月入社を目指すのであれば、詳細な入社日を求人票などで確認し、不明点があれば面接の段階で相談するようにしましょう。

【9月入社のメリット】企業が9月に人材を必要とする理由

9月は人材ニーズが高まる時期で、転職希望者にとっては大きなチャンスがあります。

企業が9月に人材を必要とする理由は、次の通りです。

優秀な人材を確保したいから

一番の理由は、優秀な人材を確保したいという点です。

9月入社を目指す人の中には、公務員の勉強をしていた学生、もしくは大学院の試験を受けていた学生などがいます。

いずれの場合も真面目で優秀な人が多いので、春に人材を十分に確保できなかった企業からの需要が非常に高いと言えるでしょう。

また9月入社と言えば、一度社会人を経験したことのある第二新卒が応募してくることもあります。

基本的なビジネスマナーを持った第二新卒も、優秀な人材として9月に採用したいという考えを持つ企業も数多くあるでしょう。

そのほか、9月は多様なキャリアを持つ人材が確保しやすいといった企業側のメリットもあります。

9月は多様性や組織改革に注力する企業からの人材ニーズが高い時期だとも言えるでしょう。

海外留学の学生を確保したいから

次に海外留学の学生を確保したい目的で、9月に採用をします。

海外に留学している学生は、9月に卒業するのが一般的です。

9月採用を実施することで、グローバルな知見を持った語学力の高い学生を確保できます。

国際競争力を高めたい商社や外資系企業などは9月に人材募集を開始して、多くの留学生を確保したいと考えているのです。

海外で学んだ学生は文化の多様性にも理解があり、高いコミュニケーション能力が面接などでも評価されます。

辞退で減った人材を補填したいから

ほかにも、辞退で減った人材を9月に補填したいという理由もあります。

4月に内定を出した学生が、必ずしも入社をしてくれるとは限らず、場合によっては辞退されてしまうこともあるでしょう。

想定していた社員数を確保できなかった場合は、どこかしらのタイミングで補填しなければなりません。

組織の入れ替えなどが行われる9月ごろが、企業としてベストな採用タイミングだと言えるでしょう。

このように転職希望者だけでなく、企業側にとっても9月に人材を確保するメリットが数多くあります。

【9月入社のメリット】9月入社を目指すときの転職スケジュール

9月入社を目指すときの転職スケジュールは、次のように大きく分けて3つに分類できます。

時期ごとにやっておくことについて、順番に見ていきましょう。

6月：転職活動の準備

遅くても6月に入ったタイミングで転職活動の準備をしっかりとしておきましょう。

何よりも大切なのが自己分析です。

学生・社会人の自分を思い返して、メモ帳などに思いつくままピックアップすることで、自身の強みや弱み、仕事に対する価値観などが分析できます。

自己分析では、モチベーショングラフなどを作成するのがおすすめです。

モチベーショングラフとは、過去の経験から自分がどのようなことでモチベーションが高くなったり低くなったりしているのかを可視化するグラフです。

浮き沈みを見ることで、自分が得意としていることや好きなことが見えるようになり、自己アピールの材料となります。

学生時代にやったことがあるからといって怠らず、必ず再度自己分析をしましょう。

また興味のある業界・企業も研究をして、業界の立ち位置や求める人材についても調べておきましょう。

求人へ応募する前にきっちりと転職準備をしておけば、スムーズにエントリーシートを書けたり、面接に臨めたりできます。

6月下旬〜7月初旬：求人応募・選考

6月下旬から7月初旬にかけて、求人に応募して選考に参加していきましょう。

履歴書・エントリーシートに記載する自己PRは、ある程度使い回しができますが、志望動機については企業ごとに書かなければなりません。

企業のビジョンや社風を理解した上で、書類を作成する必要があるので、まずはどの企業へ応募するのかをあらかじめ決めておきましょう。

また選考は新卒のころの就職活動と異なり、「社会人経験で得たことは何ですか？」「現場でどのように活躍できますか？」など面接で聞かれる質問がより具体的になります。

事前にどのような質問がされるのかについても想定して、きっちりと対策しておきましょう。

7月下旬：内定獲得・退職の申し出

7月下旬を目標に、内定を獲得できるようにしましょう。

企業によって異なりますが、最終面接後、内定が出るまでの期間は3日から5日程度です。

内定が出るタイミングについては、最終面接時に確認することで教えてもらえることがあるので、不安な人は確認しておきましょう。

そして内定を承諾したタイミングで、今働いている企業へ退職する旨を伝えることが大切です。

法律上、退職する旨を伝えてから2週間で退職できることになっていますが、企業の就業規則によって細かく規定されていることがあるので、必ず確認しましょう。

内定が出る前に伝えてしまうと、退職後に空白期間が生まれてしまい、その後の転職活動が難航する可能性があります。

なお退職は、社内・社外への挨拶や業務の引き継ぎ等で想定よりも時間がかかることもあります。

9月の入社日から逆算して、しっかりとスケジュールを組んでおくようにしましょう。

【9月入社のメリット】9月採用をする企業の特徴

9月に採用する企業には次のような特徴があります。

こちらも参考にして、9月入社を目指すときの参考にしてみてください。

ベンチャー企業・中小企業

ベンチャー企業や中小企業は、大手企業との競合を避ける目的で、9月採用を積極的に行っています。

いずれも新入社員の時点で責任ある仕事を任されやすく、裁量権を与えられることが多いので、仕事で成し遂げたいことを実現しやすいのが魅力です。

また社員数が大企業に比べて小規模なので、経営者層との距離が近く、働きながら経営者目線の仕事やノウハウが学べます。

ベンチャー企業・中小企業は自分のやりがいや成長をダイレクトに感じながら仕事をしたい人には、おすすめの業態だと言えます。

地域密着型の企業

地域密着型の企業は、9月入社の求人を出すことがよくあるので、チェックして応募の幅を広げてみても良いでしょう。

都心のオフィス街にあるような企業に比べると雇用の融通が効くため、地域特性やニーズの変化に合わせて9月に人材を確保することが多くあります。

また地域密着型企業は、顧客との関係が厚く個々のニーズに応えられるような環境が整っています。

長期的な関係が築けるので、働き続けることで地元地域の人々に愛されることがやりがいに繋がっていくでしょう。

地域のことに関して土地勘のある人や地元の文化に詳しい人は、入社後も職場にすぐ馴染むことが可能です。

通年募集する企業

近年は通年募集する企業も増えてきました。

通年採用とは、時期にとらわれず年間を通じて募集をかける採用形態で、UNIQLO、日産自動車といった大手企業で取り入れられています。

大型プロジェクトを前に専門的知識を持った人材が欲しい、即戦力となる人材が欲しいというタイミングで募集をかけることがあります。

また昨今ダイバーシティの考え方が普及する中、多様な人材を確保する目的で、大量募集をかけることもあるでしょう。

9月入社を狙っている人は、通年募集する企業にも目を向けてみるのがおすすめです。

【9月入社のメリット】9月に入社するためのポイント

9月に入社するためのポイントは、次の8つです。

転職サイトを利用する

9月入社を狙うなら、登録無料の転職サイトを利用してみましょう。

転職サイトには多種多様な求人が掲載されており、利用すれば9月に求人を出している企業と出会えます。

また給与や勤務地、福利厚生といった条件からも検索ができるので、よりスムーズに転職活動が進められるでしょう。

多くは写真で職場の様子が掲載されており、事前に雰囲気を掴むことができる点がメリットです。

なお転職サイトには業界・職種を問わない総合型と、特定の分野に精通した特化型の2種類があります。

自分が興味ある分野に合わせて、転職サイトを選んで利用してみましょう。

転職エージェントに相談する

9月採用の企業を探すなら、転職サイトのほか、転職エージェントに相談する方法もあります。

転職エージェントとは、業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍する転職支援サービスの一つです。

転職希望者からのヒアリング結果を元に、個々の適正に応じた求人を紹介してくれるサービスで、公には出されていない非公開求人を保有していることもあります。

また履歴書・職務経歴書といった応募書類の添削から企業ごとの面接対策を実施してくれるのも強みです。

面接日の調整や企業との条件交渉も代行してくれるので、一人で転職活動をするのが不安な人は、ぜひ活用してみましょう。

できる限り多くの企業にエントリーをする

できる限り多くの企業にエントリーして、内定のチャンスを高めていきましょう。

9月採用は4月に比べると、募集が少ないので、選り好みをせずにエントリーを増やすことが重要です。

エントリーが多い分、企業同士を比較・検討できるようになり、より自分に合った企業を見つけられます。

また応募数を増やすことで、選考に落とされてしまったときも「次がある」というマインドが持てるようになり、前向きな気持ちで転職活動に取り組めるようにもなるでしょう。

9月採用の説明会に参加する

9月採用の説明会には積極的に参加しましょう。

説明会では、採用担当者と話を交わす機会があり、よりリアルな現場の雰囲気を感じ取ることができます。

あまり興味がなかった企業でも、話を聞くうちに求人票では知り得なかった仕事のやりがいや魅力に気づき、質の高い志望動機が作れるようになるでしょう。

説明会に参加しても選考で大きく有利になることはありませんが、企業の求める人物像や仕事に対する価値観などを深く理解できるようになります。

9月入社を目指すなら、志望度の低い企業であっても機会を逃さず、説明会へ参加してみましょう。

企業に問い合わせをしてみる

応募したい企業があれば、問い合わせをしてみましょう。

9月に求人募集されているかの確認ができ、求人が出されていない場合も、人材を必要としている場合は面接してもらえることがあります。

ただし企業へ直接電話する際は、営業中の相手に迷惑をかけてしまうこともあるので、配慮や気遣いといったマナーを忘れないようにしましょう。

9月に入社を考えた理由を伝える

面接の中で9月に入社を考えた理由を伝えましょう。

相手が納得できる転職理由であれば、内定のチャンスも高まります。

例えば留年などネガティブな理由で9月入社を目指すのであれば「留年した失敗を生かして、事前にしっかりと計画を立てて仕事を進めていきたい」と前向きな言葉で伝えることが可能です。

海外留学の場合は、経験で得た知見や気づきなどを志望動機に絡めて話せば、相手に良い印象が与えられます。

「なぜ9月に入社したいのですか？」は必ず聞かれる質問なので、スムーズに答えられるよう回答を準備しておきましょう。

必要に応じて試験対策をする

内定をより確実なものとするため、必要に応じて試験対策をしていきましょう。

企業によっては、秋採用でも試験対策を実施しているところがあります。

筆記試験は市販のSPI3問題集や一般常識・時々問題集を解くことで、対策が可能です。

企業によっては小論文を課されることもあるので、日頃からニュースや新聞を読んで業界のトレンドや動向をチェックしておきましょう。

どのような出題がなされるのかについては、求人情報のページを確認したり転職エージェントに確認することで調べられます。

面接マナーを守る

9月入社の面接では、しっかりとマナーを守りましょう。

身だしなみを整えて、ハキハキとした声で話をして、相手に好印象を残すことが大前提となります。

そのほか、次のような面接マナーを守るようにしましょう。

面接マナーは新卒の就職活動よりも重要視される傾向があるので、油断せずに意識しておきたいポイントです。

面接しているときの様子は自分自身では確認しづらいので、そのため友人や知人に面接の練習をお願いしてみても良いでしょう。

もしくは録画しながら面接練習を繰り返すことで、自分のクセや気をつけるべきポイントに気づくこともあります。

自分がやりやすい方法で、面接の練習をしてマナーについてもしっかりチェックしておきましょう。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は9月入社のメリットについてお話をさせていただきました。

9月ごろの入社を目指せば、前の会社からボーナスを受け取ることができ、4月に比べるとライバルも少ないので、転職希望者にとって大きなチャンスがあります。

また9月は下半期のタイミングでもあるので、組織編成の中で同期社員と一緒にできる可能性があり、職場に馴染みやすいといったメリットもあるでしょう。

ただし中途採用の形態で募集が出されている場合、企業側は即戦力を期待している可能性があります。

そのため9月に入社すると満足のいく研修が受けられないことがあることも事実です。

優秀な人材を確保したい目的で9月採用をする企業においては、能力・スキルが重視されることもあるので、転職のハードルが高くなることもあります。

9月入社を目指すなら、転職活動のスケジュールを組みながら、自己分析や企業研究を欠かさないようにしましょう。

きっちりと対策をしていけば、9月入社を成功させることも十分に可能です。

もし一人で転職活動をすることに不安を感じている人は、今回ご紹介した転職エージェントに相談してみても良いでしょう。

今回の記事が、これから転職活動を考えている方の参考になれば幸いです。