【フリーターからの就職を目指す高卒者へ】就活のコツ&おすすめ職種を徹底解説
はじめに
高卒で就職せずにフリーターをしていると、ふと将来が心配になる方もいるでしょう。
たしかに正社員として働ける方が収入や雇用なども安定し、なにかとメリットは多いものです。
どこかで区切りをつけて就活に励み、正社員への就職を目指した方が良いでしょう。
しかし中には、「高卒のフリーターで正社員に就職できるの?」「アピールできることなんて何もない」「そもそも就活ってどうしたらいいの?」など、就活に対する不安や疑問を抱く方も多くいます。
しかし、効果的な事前準備をしたりコツを抑えて行動することで、高卒フリーターでも正社員への就職は十分可能です。
この記事では、高卒フリーターが就活を成功させるためのステップや気を付けるべき注意点や就活のコツ、おすすめしたい業界・業種を解説します。
これから本格的に就活をする人は、バイブルとしてぜひ参考にしてください。
【フリーターからの就職】高卒フリーターの現状
はじめに、そもそもフリーターとはどのような方を指すのか、その中で高卒フリーターの実態はどのようなものなのかなど、フリーターにまつわる現状をおさらいします。
自身の現在地を正確に知ることも、就活を始めて、対策を立てるうえで非常に大切です。
フリーターの定義をおさらい
厚生労働省の定義にもよるように、フリーターは以下のように明確に定められています。
- 15〜34歳の男女
- 男女ともに卒業者であり、女性は未婚
- 雇用形態がパート・アルバイト
- 失業者であれば探している雇用形態がパート・アルバイト
- 非労働人口のうち、家事・通学をしておらず、就業内定先もなく、希望する雇用形態がパート・アルバイト
アルバイトやパートとして働いている人を指すので、いわゆる「ニート」と呼ばれる働く意思を持たない人はこの定義には当てはまりません。
なお、年齢が35歳以上の方も定義外になりますが、便宜上の呼び方として「中年フリーター」や「高齢フリーター」ということがあります。
高卒フリーターの割合は?
フリーターの定義が分かりましたが、現在日本にはどのくらいのフリーターがいて、高卒フリーターの実態とはどのようなものでしょうか。
総務省の統計によると、2024年度のパート・アルバイト人口は約150万人でした。
日本の総人口に対して1%がフリーターとして働いているという計算です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が、「高卒」「専門・短大・高専卒」「大卒・大学院卒」といった最終学歴別で、卒業直後の彼らの状態を調査しており、「正社員や公務員」「パート・アルバイト」「自営・家業」「無職・その他」など、いくつかの進路先ごとの割合を出しています。
高卒の方のデータを見ると、卒業後正社員に就職する方の割合は男性が53.4%、女性は46.3%であり、パート・アルバイトになる方の割合は、男性33.1%と女性38.1%です。
一方で大卒の方を見ると、正社員に就職する割合が男女ともに80%を超えています。
やはりデータだけ見ると、正社員へ就職するにあたっては大卒の方が有利といえるでしょう。
正社員との年収の差
国税庁の調査によると、国民の労働人口全体の平均年収は461万円でした。
一方、フリーターの平均年収は約198万円と、全体平均の半分にも満たない数字です。
このことから、フリーターでい続けることは将来的にも不安定であることが分かります。
もちろん、アルバイト先の業種や会社によっては時給が高く、フリーターの方が稼げるという場合もあります。
しかし、それはごく一部の話。
将来安定してキャリアを積みたいなら、一刻も早く正社員へ転職をした方が得策です。
【フリーターからの就職】高卒フリーターは就職に不利?
フリーターの定義、高卒フリーターの現状がおさらいできたところで、ここからは実際に就活にかかわる内容を解説していきましょう。
高卒フリーターの方は、四年制大学卒や専門学校卒といった他のフリーターと比較して、就活で不利な傾向があります。
フリーター全般にいえることから、高卒フリーター特有のものまで、不利といわれる理由はさまざまです。
ここでは以下に挙げる3点を解説します。
- 熱意を疑われやすい
- ブランク期間があるとより採用されにくい
- 応募資格を満たしていないことも多い
熱意を疑われやすい
高卒に限らず、フリーター全般に対して思われがちなことですが、就職そのものや入社後の勤務に関して、熱意を疑われやすいという傾向があります。
フリーター期間がどれくらいか、一つの勤務先にどれくらい長く勤めたかなどは人それぞれですが、たとえば短期間で何社も転々としているような場合には、特に企業側の懸念は大きくなるでしょう。
「責任感が薄い人なのかな」「採用してもすぐ辞められたら困るな」などと誤解されやすいため、事実として短期の勤務が続いていても、明確な理由をもって丁寧に説明できるようにしておくことが大切です。
ブランク期間があるとより採用されにくい
先述した内容にも関連しますが、これまでの勤務先が複数あって、一つの勤務先を退社後に一定のブランク期間があると採用されにくい傾向にあります。
また、高校卒業後から最初のアルバイト先までの期間が空いていたりすると、企業からの不安はより大きくなってしまいます。
企業からのイメージとしては「先のことをあまり考えていないのかな」「気分にムラがある方かな」といったように、決して良いとは言えません。
ブランク期間がある場合は、なぜブランク期間があったのか、その期間に何をしていたかなどをしっかり説明できるようにしておきましょう。
もし資格勉強をしていたなど、就職に向けた下準備であれば、企業がマイナスに捉えることはありません。
大切なのは、下手な嘘をつかず誠実に説明することです。
応募資格を満たしていないことも多い
残念なことに、高卒という学歴が応募条件を満たしていないことも多々あります。
求人欄で「大卒以上」と記載されていれば、当然応募すらできないため、こればかりは仕方ありません。
しかし場合によっては、関連資格を取得していると条件が緩和されて選考に進めることもあります。
高卒というだけで選べる選択肢が少ないのは事実ですが、努力次第で増やすことも可能です。
興味ある業界・企業が絞れてきたら、関連資格の取得を検討するとよいでしょう。
【フリーターからの就職】高卒フリーターを続けるリスク
前項でご説明したとおり、高卒フリーターは就職に不利なことは事実です。
しかし、就活が厳しいからと言って正社員への就職を諦め、フリーターを続けることには多くのリスクが伴います。
現在は危機感を感じていなくても、将来的には大きなデメリットを感じてしまうでしょう。
高卒フリーターを続けるリスクの代表例として、ここでは以下の5点を解説します。
- 収入が不安定
- 解雇の恐れが常にある
- スキルアップ・キャリアアップに限界がある
- 歳を重ねるほど求人が減る
- ライフプランを立てづらい
収入が不安定
収入の不安定さというのはフリーター特有の大きなデメリットといえます。
フリーターはアルバイトを掛け持ちしたり、空いている時間に単発の日雇いバイトを入れたりと、比較的好きなように働けるのがメリットです。
シフトに入れさえすればかなりの額が見込める可能性もあるでしょう。
しかし、自身の体調や他スタッフのシフト事情、勤務先の経営事情といったさまざまな要因で、思うようにシフトに入れなければ収入がガクッと下がってしまいます。
毎月一定額の基本給が保証されている正社員雇用と比べて、日々の生活が安定しにくいというのは非常に怖い部分です。
解雇の恐れが常にある
アルバイトという雇用形態である以上、会社の都合で解雇される恐れが常にあります。
正社員は無期限雇用であり、よほどのことがなければ解雇させられることはありません。
一方でパート・アルバイトは契約期間を定めた雇用であり、契約が更新されるかはアルバイト本人の勤怠状況や会社の経営事情など、さまざまな要因で変わってきます。
経営が苦しく人件費を削減しなければならない場合、真っ先に切られるのが正社員以外の非正規労働者です。
雇用そのものが不安定であることも、フリーターを続けるうえでは大きな不安要素でしょう。
スキルアップ・キャリアアップに限界がある
フリーターでいると、本来その企業で叶う昇給や昇格、身につく専門スキルなど、スキルアップやキャリアアップにも限界があります。
正社員であれば、企業も長く勤めてくれるのを前提にしているため、業務にあたって必要なことは順を追って全て教えてくれるものです。
しかし、フリーターという非正規労働者に関しては、そもそも教える業務の幅を制限することが多々あります。
同じ企業に勤めていても、正社員雇用であれば身につくスキルが、フリーターという立場であるだけでは身につきません。
また、できる仕事の幅が制限されるということは、その分昇格や昇給といったキャリアアップにも限界があります。
「時給○円」というアルバイトの枠内での昇格・昇給はありますが、正社員雇用の月々の給与水準には多くの場合届きません。
年を重ねるほど求人が減る
企業の多くは若くてのびしろのある人材を期待して採用します。
そのため、フリーターは年齢が高くなるにつれて採用されるのか困難になります。
20代前半は若さが武器になり、熱意やポテンシャルをアピールすれば未経験でも採用のハードルはそこまで高くありません。
しかし20代後半から30代にもなると、大多数の社会人は即戦力として求められる年齢層です。
企業は応募者に対して、自社に貢献できるであろう経歴やスキル、所有資格を明確に求めるようになります。
正社員未経験の30代前後の年齢だと、採用される可能性は低いといえるでしょう。
さらに高卒フリーターの場合は学歴フィルターにかけられるので、尚更厳しい状況です。
これまでのアルバイト経験や保有している資格などを活かせる業界・企業でないと、20代後半以後での就活は簡単ではありません。
選べる求人の選択肢が限られてくるため、長くフリーターを続けることなく、なるべく早いうちに正社員に就職するのが理想です。
ライフプランを立てづらい
フリーターを続けていると、結婚や出産、車や家の購入といった、人生の中で想定される大きな変化に対応するのが困難です。
たとえば、車や住宅などの大きな買い物をする場合、大多数の人はローンを組むことになるでしょう。
しかし、定職についていないことでローン審査は非常に通りにくくなります。
また、現代ではさまざまな価値観があるため人それぞれではありますが、結婚を考えるとした場合、パートナーがフリーターではなく正社員の方が安心でしょう。
長い人生を逆算してライフプランを考えたときに、フリーターという雇用も収入も不安定な立場であると、プランを立てづらいというのはフリーターの大きなデメリットです。
【フリーターからの就職】正社員になることのメリット
フリーターを続けるリスクは数多くあるため、やはり早いうちから正社員に就職するのがおすすめです。
フリーターのリスクで見た内容の真逆と考えれば分かりやすいですが、ここでは正社員になった場合にどんなメリットがあるのか、以下の5つを解説していきます。
- 収入がアップする
- 雇用が安定する
- 福利厚生が充実する
- スキルアップ・キャリアアップが見込める
- ライフプランを立てやすくなる
収入がアップする
正社員に就職すれば、フリーターの頃よりも安定的に収入がアップします。
フリーターは働いた分だけ給与をもらえるため、掛け持ちや単発の日雇いなども含めて、シフトに入れさえすればかなり稼げるというのは強みでした。
しかし、先述したとおり自身の体調や企業の経営状態、他スタッフのシフト都合など、さまざまな要因次第で確実に稼ぐことは難しいものです。
収入は常に不安定で、結局大して稼げないということが日常茶飯事です。
その点正社員は毎月の給与が安定しているうえ、企業によっては年に1〜2回のボーナスや、目標達成の賞与など、基本的な水準が上がるだけでなく臨時収入も期待できます。
雇用が安定する
正社員は解雇されるリスクがほとんどありません。
フリーターと異なり、期間を定めない無期限雇用のため、懲戒になるようなよほどの有責事案でなければ、企業の都合で解雇されることがなく安心です。
上記の収入アップと並んで、雇用の安定というものは、長い人生において正社員として勤めることの最大のメリットといえるでしょう。
福利厚生が充実する
収入アップ・雇用の安定と似たものではありますが、各種福利厚生がさらに充実します。
企業の提携先施設の優待サービスや、社内設備の利用、社員旅行といった懇親イベントなど内容はさまざまです。
アルバイトの立場で利用できるものも多々ありますが、たとえば有給の取得日数や育児休暇・出産休暇といった臨時休暇の規定、施設利用時の制限など、細かい部分で正社員の方が優遇されていることが多いでしょう。
これらの保証・サービスが手厚いほど従業員満足は高まり、より高いモチベーションで仕事に向かうことが可能になるため、社員と企業双方にメリットがあります。
この点も、フリーターでいるより正社員に就職するのがおすすめな理由です。
スキルアップ・キャリアアップが見込める
正社員に就職することで、フリーターでいる時には身につかなかったスキルを教えてもらえるうえ、できることが増える分さらなる昇給や昇格も期待できるでしょう。
フリーターのままでは教えられる業務に限りがあることも多く、時給やポジションにも上限があります。
正社員はより長く企業に貢献することが想定されている分、その時々で必要なことはしっかり教えてもらえるため、日々スキルアップが見込めるでしょう。
そして勤続年数が経ち、できることが増えることで、上のポストを任されるようにもなっていきます。
正社員として就職すれば、自身の頑張り次第で次々とスキルアップ・キャリアアップが可能です。
もちろん上のポジションが詰まっていたり、経営事情が苦しかったりすればトントン拍子にはいきませんが、フリーターでいるよりも出世の可能性が明確に見えるため、モチベーションを高く保つことにもつながります。
ライフプランを立てやすくなる
ここまで述べたように、収入アップ・雇用の安定や、福利厚生の充実と将来的なキャリアアップが見込める正社員であれば、フリーターの時には考えにくかったライフプランが立てやすくなります。
いわゆる社会的信頼というものが付いてくるため、車や家といった大きな買い物の際の審査も問題なく通るでしょう。
単純な収入アップと、将来的にも上がる見込みがあることを踏まえて、パートナーとの結婚や出産・育児、場合によっては転居といった、大きな転機でありお金もかかるさまざまな場面の計算もしやすくなります。
家族が増えれば住居も大きくなり、その分家賃も増えるため、正社員でいる方が間違いなく安心です。
【フリーターからの就職】高卒フリーターから正社員になる方法
ここからは、高卒フリーターが正社員に就職するためにどんな方法があるのか、具体的な例を挙げて解説していきます。
採用のハードルを少しでも下げるため、活用できるものは全て使い、自分に合った方法で就職を目指しましょう。
- アルバイト先で正社員登用を目指す
- 就職・転職サイトを利用する
- ハローワークに相談する
- 就職・転職エージェントを利用する
アルバイト先で正社員登用を目指す
就職活動は、日々新しい企業の選考を受けに行って新しい人たちと関わっていくため、体力だけでなく精神的にも疲れるものです。
そんな精神的不安が最小限で済むおすすめの方法として、自身のアルバイト先での正社員登用を目指すという方法が挙げられます。
勤め先であれば、入社後の業務や現在の企業に関する内部事情まで、すでに事前情報として知っているほか、最初の面接は自店舗の店長やマネージャーであることも多く、初めましての企業や面接官よりも気持ちのうえでかなり安心です。
もちろん通常の就活同様、面接対策や試験勉強は必要になりますが、すでに持っている知識や経験を活かせる場面が多く、面接も程よくリラックスして挑めるでしょう。
もしあなたが、正社員としての就職先でアルバイト先も視野に入れているならば、正社員登用の制度があることを確認したうえで、ぜひ活用してみるのをおすすめします。
就職・転職サイトを利用する
就職・転職といえば、マイナビやリクナビといったような各種支援サイトを思い描く方も多いでしょう。
高卒フリーターの就職活動においても、ぜひ登録して利用するのをおすすめします。
気になる業界や企業をチェックしておくことで、関連ニュースや各企業の説明会や選考情報、その業界でくくった合同説明会など、就活を進めていくにあたって必要な情報がタイムリーに手に入るため非常に便利です。
サイト内では、お役立ち情報をまとめたコラム記事や適職診断などもあるため、就活における悩みや不安も解消するでしょう。
ハローワークに相談する
就職関連の相談といえばハローワークです。
厚生労働省が管轄する公共施設で、正式名称を「公共職業安定所」といいます。
全国各地に500ヶ所以上設置されており、就職・転職を目指す方が誰でも無料で利用可能です。
求人情報の紹介や自己分析のサポート、応募書類の添削や面接対策など、就職に関連するあらゆる支援をしてくれます。
求人情報はその地方に特化したものが多いため、あなたが住んでいるエリア内で職場を探す際には、ぜひ一度相談に行ってみるのがおすすめです。
また「わかものハローワーク」や「ジョブカフェ」など、若者の雇用安定をはかった若年層向けの窓口も設置している所があるため、この記事をお読みの高卒フリーターの方は、ぜひ近隣のハローワークを調べてみてください。
就職・転職エージェントを利用する
就職・転職のプロとして、担当者が1対1でサポートに付いてくれるエージェントの利用も非常に効果的です。
丁寧なヒアリングであなた自身の希望業界や職種を汲み取ってくれ、その他合いそうな職種も含めて紹介してくれます。
担当者の方が企業とあなたを直接つなぐ橋渡しになってくれるため、一人で1から説明会や選考の日程を決めるよりも効率的かつ気持ちのうえでも安心です。
求人はそのエージェント独自のものも扱っていることがあるため、好条件の掘り出し物が見つかる可能性があるのも、エージェントを利用する大きなメリットといえます。
そして何より、担当者のサポートは心の支えにもなるでしょう。
面接対策や応募書類の添削など、実践的な訓練ももちろんしてくれるため、タッグを組んで就活に挑んでいるようで心強いです。
【フリーターからの就職】高卒フリーターの就活成功のコツ
高卒フリーターが正社員への就職を目指すための具体的な方法が分かりましたが、さらに一歩踏み込んで、成功させるために意識すべきポイントを以下にまとめました。
求人の探し方や、選考時に役に立つ内容を5つの項目で解説します。
- 「未経験OK」「学歴不問」を探す
- 若さを武器にする
- アルバイト経験を活かせる業種を選ぶ
- 自己分析と企業・業界研究を徹底する
- 関連資格を取得する
「未経験OK」「学歴不問」を探す
まずは求人選びのポイントとして、「未経験OK」や「学歴不問」と記載のあるものをチェックしましょう。
すでに述べたように高卒のフリーターは、たとえば「大卒以上」や「高卒不可」というものがあるように、求人情報の条件面でそもそも弾かれてしまうことがあります。
しかし「未経験OK」や「学歴不問」の記載があれば、高卒フリーターでも応募にあたってのハードルが低く、採用されるチャンスは大いにあるでしょう。
間口が広い分ライバルも多いですが、大前提としての条件面はクリアできるため、これらの求人はまず優先的にチェックするのをおすすめします。
若さを武器にする
高卒フリーターであれば、もちろん期間は人それぞれですが、卒業後数年フリーターであってもまだ20代前半という方が多いでしょう。
20代前半であるだけで、「若さ」というものは就活において大きな武器です。
企業からすれば、応募者が即戦力に越したことはありませんが、それよりは入社への熱意や将来的なビジョンを踏まえて、今後長く貢献してくれると見越せる人材を採用したいと思っています。
いわゆるポテンシャル採用というもので、新卒採用もこれにあたるでしょう。
そして、ポテンシャル採用においては年齢が若いほど有利です。
たとえば新卒は22歳で社会に出ますが、高卒フリーターが卒業後すぐに働いていた場合、22歳時点ですでに4年の社会経験を積んでいることになります。
実務経験というものは何よりの財産であり、若いうちから社会人として働いているというのは高卒フリーターのメリットといえるでしょう。
当たり前のことですが、始める年齢が若いほど経験を積める期間も長くなるため、若さというのは強力な武器です。
アルバイト経験を活かせる業種を選ぶ
高卒フリーターという経歴は、そもそも選べない求人もあるなど、四年制大学卒の方と比べて就職で不利なことは確かです。
それでも彼らと対等以上に渡り合うためには、過去のアルバイト経験を活かせる業種・職業を選ぶのをおすすめします。
たとえば全くの未経験者の新卒と、数年間の実務経験がある高卒フリーターであれば、業務における戦力として考えた時には後者の方が圧倒的に頼りになるでしょう。
アルバイト経験の中で関連資格を取得していた場合には、その業界への就活においてより有利になります。
四年制大学卒の方とスタートラインで後れを取らないために、むしろ一歩リードするために、せっかくのアルバイト経験はぜひ活用しましょう。
自己分析と企業・業界研究を徹底する
高卒フリーターに限った話ではありませんが、就活における事前準備として、自己分析と企業・業界研究は非常に大切です。
自己分析で丁寧に自分自身について振り返ることで、自分の強みや指向性が分かります。
どんな仕事が向いているのか、どんな強みを仕事で活かせるのかが分かるため、求人探しも楽になるでしょう。
なお、自己分析が主観的になってしまう不安がある人は、他己分析もおすすめです。
他己分析は他者に自分を分析してもらうもので、客観的に自分をとらえることができます。
信頼できる友人やアルバイト先の同僚、あるいは上司に協力してもらうと良いでしょう。
第三者の視点で客観的に見てくれるため、自分では気が付かなかった自身の性格や長所・短所、忘れていたエピソードなどを教えてもらえるかもしれません。
そして自己分析を終えたらやっておきたいことが、企業・業界研究です。
企業・業界研究を徹底することでその企業や業界の魅力が言語化できるので、志望企業に入社の熱意が伝わりやすくなります。
企業研究が丁寧であるほど、数多くの競合他社からなぜ応募企業を選んだのか、差別化要素を明確にできるため、「ここじゃなきゃダメなんです」という言葉に説得力が出ます。
自己分析で得られた自身の強みを、企業での業務にどう活かせるか示し、将来的にこうなりたいというビジョンを合わせてアピールすることで、採用担当者も実際にあなたが働く姿をイメージしやすくなるため採用の可能性が上がるでしょう。
関連資格を取得する
高卒フリーターが何か一つでも武器を増やすために、志望業界で活かせる関連資格を取得するというのは非常に効果があります。
若さという武器はすでにありますが、同世代のライバルがいた場合に、面接時の人柄などを除いて分かりやすくアピールになるのはスキルや経歴、所有資格です。
ポテンシャル採用という言葉がありつつも、企業が未経験者よりは経験者、無資格よりは有資格者を採用したいのは当然でしょう。
就活を始めるにあたって、すでに志望業界がある程度絞れている場合には、関連資格の勉強に励むことが非常におすすめです。
もし絞れていない場合でも、たとえば英語力のアピールになるTOEICのスコアや、社会人のマナー全般を身に付けている証明になる秘書検定など、幅広い業種でアピールできる汎用性の高い資格を勉強することは決して無駄になりません。
【フリーターからの就職】高卒フリーターの就活での注意点
高卒フリーターの就活におけるポイントとして、最後に注意点を挙げていきます。
就活に成功し、就業先で長く働けるように、以下の4つのポイントを意識しましょう。
- 嘘はNG
- 主体的に動く
- 行動は早めに
- ブラック企業には要注意
高卒フリーターになった背景を説明できるようにする
もしもあなたが、高卒フリーターということに負い目を感じていたとしても、選考の過程で嘘をつくことは絶対にやめましょう。
これは立派な職歴詐称になります。
よくある嘘としてあげられるのが、フリーターになった理由や就業までのブランク期間、アルバイト先の退職理由などが挙げられます。
よりきれいな経歴を見せたい気持ちは分かりますが、嘘は多くの場合バレるものです。
選考中にバレてしまえば信頼が一気になくなるため、採用は絶望的と言えます。
運良くバレずに入社できたとしても、できるはずの業務ができないなど、就業中ふとした時にバレてしまうことも想定されるでしょう。
そのせいで気まずくなって早期退職となれば企業と応募者の双方にデメリットがあります。
経歴は事実だけを正直に伝え、そのうえでできること、今後こうなりたいという希望を意欲的に伝えることで、熱意は企業側に十分伝わります。
主体的に動く
高卒フリーターに限らず、就活は主体的に動かなければ成功しません。
高卒フリーターであれば、親からのプレッシャーや周りの目といった、外的要因によって就活を始めるというケースがよくあります。
だからといって、受け身の姿勢では自己分析や企業研究は上手くいきません。
実際の選考でも、主体性のなさや責任感のなさが伝わってしまい採用は難しいでしょう。
企業に入社の熱意を伝えるのは、当たり前ですがあなた自身の意思によるものです。
就活のきっかけは実際に外的要因だったとしても、進めていくうちに自分ごととしてしっかり受け止め、主体的に動くことを心がけましょう。
行動は早めに
若さが武器になるということをすでに述べたように、就活においては何でも早く行動しましょう。
応募時点の年齢が若いほど、企業にとってはポテンシャル採用のメリットが高くなります。
若くから勤めてもらえることで、20代半ばや30代という脂の乗った時期には、バリバリ働ける強力な戦力となっているためです。
応募者本人にとっても、ポテンシャル採用をしてもらえる可能性が高くなるうえ、新卒入社のタイミングの方と、同年齢でありながらすでにかなりの就業経験の差がついているというのは非常に大きなメリットでしょう。
その他、単純な話ですが、人気の求人を逃さないためにも早めの行動というのは大切です。
「分かっていても行動に移せない」という方は多くいますが、ぜひこの記事を読んだら何かしらのアクションを取るようにしてください。
ブラック企業には要注意
実際に判明するのは入社後になりますが、ブラック企業に入社しないように注意しましょう。
長時間労働や休みが取れないなど、心身ともに疲弊してしまう前に再転職を検討しなくてはなりませんが、そもそもブラック企業は退職するのも困難です。
入社前に判断できる一つの目安として、以下の点に注意して求人を探しましょう。
- 募集期間が長い
- 同業他社と比べて明らかに高給
- 口コミ評価が低い
募集期間が長いということは、それだけ人が集まっていないということです。
同業他社よりも不自然に高給である場合も、人手不足だから好条件で釣ろうということですが、それでも人がなかなか集まらないため、募集期間も長くなります。
また口コミ評価が低いのは、元従業員が勤務の実態をある種告発していることが理由です。
これら3つは応募前のリサーチで気が付く内容なため、求人情報と口コミサイトを一度よく参照してから決めるようにしましょう。
【フリーターからの就職】高卒フリーターの就職におすすめの業種
ここまでで、就活を進めるにあたって意識したいポイント、成功させるコツや注意点などが分かりました。
最後の項目として、高卒フリーターの就職先としておすすめできる具体的な業種を紹介します。
未経験者歓迎や、人手不足による需要過多の業界などが狙い目です。
以下の5つをぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
- 接客販売業
- 営業職
- 事務職
- 公務員
- IT業界
接客販売業
未経験者でもすぐに働ける筆頭として、店舗での接客販売業が挙げられます。
もちろんアパレル業であれば服の知識、書店であれば作家や本の知識など、販売する商品に関する知識はあった方がいいですが、これらは働くうちに自然に身につくものです。
お客様との接客も不安材料としてよくいわれますが、こちらも何より実践経験で身についていくものであり、そのうち慣れていきます。
「人と話すことが好き」「笑顔がよく褒められる」「販売商品が単純に好き」など、ちょっとした適性や興味で気軽に始められるといえるため、高卒フリーターの方も安心して応募できる業種です。
営業職
営業職も接客・販売業と同じく、未経験者歓迎の職種です。
業務においては、顧客へのヒアリングや適切な内容の提案といった、高いコミュニケーション能力が求められます。
とはいえ、誰でも始めからできるわけではありません。
選考時には、人柄の良さや明るい性格が伝わるエピソード、笑顔をアピールしていくことで営業職への適性を示せるでしょう。
また、不動産営業における宅建士資格や、語学力を活かせる営業であればTOEICのスコアなど、関連資格を持っている方は大いにアピール可能です。
事務職
事務職も未経験者歓迎で、採用ハードルがそこまで高くはない職種といえます。
事務作業において、パソコンでの数値入力や資料作成などが発生するため、MOSなどパソコンに関連する資格を持っている方は有利です。
また、一つのことを丁寧にコツコツとできる方や、細かいことに気が付ける気配りの上手な方などは事務職に向いているといえます。
自己分析において、業務に活かせそうな強みやエピソードが見つかった方は、ぜひ選考時にアピールしましょう。
公務員
高卒フリーターという不安定な雇用形態から来る反動もあるかもしれませんが、公務員は非常に魅力的であり人気の職種です。
そもそもフリーターから公務員になることが可能なのか、疑問に持つ方もいるかもしれませんが、一般枠であれば経歴や学歴は不問であり、年齢条件を満たして試験に合格さえすれば公務員にはなれます。
高卒フリーターでも合格を目指しやすい「高卒程度試験」というものが用意されているため、基本的にはこちらがおすすめです。
とはいえ就職後のキャリアに差が出てしまうため、学力や知識量次第では「大卒程度試験」で合格を目指すのもいいでしょう。
難易度と自身の実力を冷静に見極めて選択することが大切です。
IT業界
IT業界は昨今大人気の業界で、一口にITといってもプログラマーやエンジニア、WebデザイナーやITコンサルタントなど職種は非常に幅広いため、慢性的に人手不足の業界です。
プログラミング言語を始めとして、パソコンに関する専門的知識やスキルが必須なようにも思いますが、意外にも「未経験者歓迎」の求人は多くあります。
それだけ人手不足なことも想像できますが、全員が横一線で戦えるため、高卒フリーターでも十分採用を狙えるのがポイントです。
パソコン業務のイメージが強いですが、チームメンバーとのコミュニケーションや、クライアントへのヒアリングなど、対人スキルも高く求められる職種であるため、未経験とはいえアピールできる強みは人それぞれ必ずあります。
介護職
介護職は昨今の少子高齢化に伴って、人材不足が著しい業界です。
そのため、無資格・未経験でも採用している企業が多くあります。
また、資格取得支援制度を設けている企業も増えているので、入社後に介護初任者研修などの資格を取得することも可能です。
日本の高齢化は著しく、今後も介護業界は需要が増え続ける可能性が高いので、手に職をつけて着実にキャリアアップできる業界でもあります。
まとめ
この記事では、高卒フリーターが正社員に就職するために、就職方法や就活のポイント、成功させるコツや注意点などを解説しました。
高卒でフリーターを続けることは長い目で見てリスクしかありません。
どこかで一念発起し、正社員を目指すのがおすすめです。
正社員であれば収入と雇用が安定し、ライフプランの設計もしやすくなります。
正社員を目指す方法はアルバイト先の正社員登用を使うほか、ハローワークや就職サイト、エージェントの利用が効果的です。
若さは武器になるため早めの行動を心がけ、また自身のアルバイト経験を活かせる業種を志望することで、採用される可能性はさらに高くなるでしょう。
ぜひこの記事を参考にして、正社員への就職を勝ち取ってください。
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