
保育士から事務職への転職はできるの?未経験でもおすすめな3つの理由と必要なスキル
はじめに
保育士から事務職への転職を考える人は、増加傾向にあります。
体力的な負担や長時間労働を理由に、新しいキャリアを模索する方も多いでしょう。
しかし、未経験・無資格でも事務職に転職できるのか、どのような準備が必要なのか、不安を抱えている人も少なくありません。
本記事では、保育士から事務職へ転職する際の難易度やおすすめの理由、必要なスキル、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
事務職にもさまざまな種類があり、自分に合った職種を選ぶことが重要です。
転職を成功させるためのポイントを押さえ、新しいキャリアへと踏み出す一歩をサポートします。
【保育士から事務職への転職】未経験・無資格でも可能か
保育士として働いている方の中には、体力的な負担や勤務時間の厳しさを理由に、事務職への転職を考える人も少なくありません。
ここでは、保育士から事務職への転職は未経験・無資格でも可能なのかという疑問を解消しましょう。
未経験・無資格でも事務職への転職は可能
事務職の求人には、特別な資格を求めないものも多く、未経験者でも挑戦できるチャンスはあります。
特に一般事務や営業事務は、基本的なパソコン操作や電話対応ができればスタートしやすい仕事です。
さらに、企業側も研修制度を整えていることが多く、入社後に業務を覚えていくことが可能です。
競争率が高いため事前準備が重要
ただし、事務職は人気の職種であり、応募者が多くなる傾向があります。
そのため、選考を勝ち抜くためには、事前の準備が欠かせません。
具体的には、エクセルやワードの操作スキルを身につけたり、ビジネスマナーを学んだりすることが役立ちます。
また、簿記や秘書検定などの資格を取得すると、書類選考や面接でのアピール材料になります。
【保育士から事務職への転職】保育士と事務職はどちらが大変?
保育士から事務職への転職を考える際、多くの方が「どちらの仕事の方が大変なのか」を気にしています。
それぞれ異なる業務内容や求められるスキルがあるため、一概にどちらが楽とは言い切れません。
ここでは、両者の主な違いを整理し、転職を検討する上での参考にしていきます。
保育士の大変さ
保育士の仕事は、子どもたちと直接関わるため、体力的な負担が大きくなりがちです。
園児の安全を守りながら、遊びや学習のサポートをするほか、保護者対応や書類作成など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。
また、勤務時間が不規則になりやすく、行事の準備などで残業が発生することもあります。
その一方で、子どもの成長を間近で感じられるやりがいがあるのも大きな魅力です。
事務職の大変さ
事務職は、デスクワークが中心となるため、体力的な負担は比較的少ないと考えられます。
しかし、パソコンを使ったデータ入力や資料作成、社内外のやり取りなど、細かい業務を正確にこなすことが求められます。
また、企業によっては複数の業務を兼務することもあり、効率よく作業を進めるスキルが必要になります。
人と直接接する機会は保育士より少ないものの、社内の円滑な業務を支える重要な役割を担います。
どちらを選ぶべきか?
体力的な負担を軽減したい場合や、デスクワークを希望する場合は事務職が向いているでしょう。
一方で、人と接する仕事が好きで、子どもの成長に関わることにやりがいを感じるのであれば、保育士を続けるのも一つの選択肢です。
自分の適性や今後のキャリアプランを考えながら、どちらの働き方が合っているのかを見極めることが大切です。
【保育士から事務職への転職】おすすめな3つの理由
保育士としての経験を活かしつつ、新たな職種へ挑戦したいと考える人にとって、事務職は魅力的な選択肢です。
ここでは、保育士から事務職への転職がおすすめの理由を3つの観点から紹介します。
研修制度が充実している
事務職は未経験からでもスタートしやすい職種ですが、業務内容には一定の知識やスキルが求められます。
そのため、多くの企業が新人研修を用意し、業務に必要な基礎を学べる環境を整えています。
特にパソコンの操作や書類作成のノウハウ、社内システムの使用方法など、事務職として求められるスキルを学ぶ機会が多いでしょう。
また、企業によっては定期的にスキルアップ研修が実施されており、経験を積むごとに業務の幅を広げられる仕組みが整っています。
例えば、エクセルや会計ソフトの活用法を学ぶことで、より専門性の高い業務にも携われるようになります。
こうした研修制度は、経験がない人にとって特に心強いポイントです。
保育士として培ったスケジュール管理能力やコミュニケーション力も、事務職において大いに活かせます。
研修を通じて事務の基本を学びながら自身の強みを活かしていけば、スムーズに新しい環境へ適応できるでしょう。
ビジネススキルが身につく
事務職の仕事は、単に書類を作成するだけではなく、社内外の調整や情報管理など多岐にわたります。
そのため、働くうちに自然とビジネススキルが身につき、今後のキャリアに役立つ能力を養えるのです。
例えば、電話対応やメールのやり取りを通じて、相手に適切な言葉遣いで伝える力が鍛えられます。
保育士として培った保護者対応の経験も活かせますが、ビジネスの場ではより形式的なコミュニケーションが求められるため、新たなスキルとして磨かれるでしょう。
また、事務作業では書類の正確な管理が必要となるため、細部に気を配る力が養われます。
さらに、データ整理や報告書作成を通じて、ロジカルな思考力も鍛えられます。
業務の中で「どのように情報をまとめると伝わりやすいか」を考える機会が増えるため、論理的な文章力が向上するのも大きなメリットです。
こうしたスキルは、将来的にどの職種でも活かせるため、キャリアの選択肢を広げる要因になります。
ワークライフバランスを整えやすい
保育士の仕事は勤務時間が不規則になりがちで、持ち帰り業務やイベント準備による残業が発生することも珍しくありません。
その点、事務職は比較的安定した勤務時間が確保されているため、プライベートとのバランスを取りやすい職種といえます。
事務職の多くは、土日祝日が休みであるケースが多く、カレンダー通りの休日を確保できるのが特徴です。
また、残業が発生する場合でも、事前にスケジュールが組まれていることが多いため、予定を立てやすくなります。
育児や家事と両立したい人にとって、時間の管理がしやすい点は大きな魅力でしょう。
さらに、企業によってはフレックスタイム制やリモートワークが導入されており、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことも可能です。
これにより、心身の負担を軽減しながら安定した職業生活を送れるようになります。
【保育士から事務職への転職】事務職の種類7選
事務職にはさまざまな種類があり、業務内容や必要なスキルも異なります。
未経験から転職する際は、どの職種が自分に合っているのかを見極めることが大切です。
ここでは、代表的な以下の事務職を紹介し、それぞれの特徴や求められるスキルについて解説します。
- 一般事務
- 医療事務
- 営業事務
- 経理事務
- 人事事務
- 貿易事務
- 総務事務
一般事務
企業のバックオフィスを支える一般事務は、最も幅広い業務を担当する職種です。
主な業務として、以下が挙げられます。
- 書類作成
- データ入力
- ファイリング
- 来客対応
- 電話対応
特別な資格がなくても応募できる求人が多く、未経験者でも挑戦しやすい点が特徴です。
仕事の幅が広いためマルチタスク能力が求められる場面もありますが、習熟度が上がるにつれて業務の流れを把握しやすくなります。
また、エクセルやワードを活用する機会が多いため、基本的なパソコンスキルを身につけておくと業務がスムーズに進みます。
事務職の中でも特に求人数が多いため、安定した働き方を目指す方に適した職種といえるでしょう。
医療事務
医療機関で働く事務職であり、病院やクリニックなどで受付業務や診療報酬請求(レセプト業務)を担当します。
患者対応を行うことも多いため、事務作業だけでなく接客の要素も含まれています。
医療事務では、医療に関する基礎知識や診療報酬請求のルールを理解していることが求められるため、医療事務資格の取得が転職を有利に進めるポイントになるでしょう。
保育士として保護者と接してきた経験が活かせる場面も多く、円滑なコミュニケーションを取る力が役立ちます。
未経験からでも挑戦しやすく、専門知識を身につけることで長く働ける職種の一つです。
営業事務
営業担当者をサポートする役割を担い、資料作成やデータ管理、顧客対応などを担当します。
営業活動が円滑に進むよう、裏方として業務を支えるのが特徴です。
事務職でありながら、社内外の人とやり取りする機会が多いため、コミュニケーション能力が重要になります。
保育士として培った調整力や対人スキルを活かせる点が、大きなメリットです。
また、スケジュール管理や顧客情報の整理など細かい作業が求められるため、几帳面で管理能力のある方に向いています。
未経験からスタートできる職種ですが、営業職の知識や基本的なPCスキルがあるとよりスムーズに業務を進められます。
経理事務
企業の財務管理を担う経理事務は、正確なデータ処理が求められる職種です。
主な業務として、以下があります。
- 請求書や領収書の管理
- 帳簿作成
- 決算処理の補助
企業の資金管理を支える重要な役割を果たすため、慎重さや正確性が求められます。
未経験からでも挑戦可能ですが、簿記の知識があると転職の際に有利になります。
日商簿記3級以上を取得すると会計処理の基礎を理解できるため、採用されやすくなるでしょう。
また、数字を扱う仕事が多いため、細かい作業が得意な方やルールに沿って作業を進めることが好きな方に向いている職種です。
人事事務
人材の採用や労務管理を担当するのが、人事事務です。
従業員の入退社手続きや給与計算、福利厚生の管理など、会社の人事に関わる業務が中心になります。
事務職の中でも特に社内の社員と関わる機会が多いため、円滑なコミュニケーション能力が重要になります。
保育士時代に培ったチームワークや調整力が役立つ場面も多く、未経験でも適応しやすい職種といえるでしょう。
また、労務関連の知識を身につけることで、専門性を高めてキャリアアップを目指すことも可能です。
貿易事務
輸出入に関する書類作成や手続きを行うのが、貿易事務の役割です。
主に、通関手続きや海外の取引先とのやり取り、貿易関連の書類管理を担当します。
英語を使用する機会が多いため、語学力があると有利です。
ただし、必ずしも英語が必須というわけではなく、貿易実務の知識を持っていれば転職しやすくなります。
貿易事務検定やTOEICなどの資格取得を目指すことで、よりスムーズに業務に適応できます。
海外との取引があるため、グローバルな環境で働きたい方に向いている職種といえるでしょう。
総務事務
企業全体の運営を支える総務事務は業務範囲が広く、さまざまな対応力が求められる職種です。
社内の備品管理や社内イベントの運営、規程管理など会社全体の円滑な運営を支える役割を担っています。
保育士として培った臨機応変な対応力や周囲をサポートする力が活かせるため、未経験でも適応しやすい仕事です。
また、社内のあらゆる部署と連携することが多いため、調整力やコミュニケーション能力が重要になります。
さまざまな業務を並行して進める必要があるため、幅広いスキルを習得しながら、事務職としてのキャリアを築いていけます。
【保育士から事務職への転職】6つのメリット
保育士から事務職へ転職を考える際、仕事内容の違いだけでなく、働きやすさや将来のキャリアについても気になるポイントでしょう。
事務職には保育士にはない魅力が多く、長く安定して働ける環境が整っています。
ここでは、転職することで得られる以下6つのメリットを紹介します。
- 残業が少ない
- 体力的負担が軽減される
- 収入が上がる可能性がある
- 自己成長ができる
- 新しい人脈を築ける
- キャリアアップのチャンスになる
残業が少ない
保育士の仕事は、子どもと接する時間だけではなく、行事の準備や保護者対応、書類作成などに多くの時間を割かなければなりません。
そのため、勤務時間外の作業が発生しやすく、残業が常態化することもあります。
一方で、事務職は比較的決まった業務をこなすことが多く、業務時間の管理がしやすい職種です。
企業の就業規則に基づき、定時で退社できることが一般的であり、仮に繁忙期に残業が発生しても計画的にスケジュールを立てられるケースが多くなります。
また、社内のルールとして残業削減を推進している企業も多く、ワークライフバランスを重視する人には向いているでしょう。
時間に余裕を持てることで、プライベートを充実させたり、スキルアップの時間を確保することも可能になります。
体力的負担が軽減される
保育士の仕事は、子どもと遊んだり抱っこをしたりと、常に動き回る場面が多く、身体への負担が大きい職種の一つです。
特に、長時間の立ち仕事や屋外活動は、体力的に厳しいと感じることもあるでしょう。
対して、事務職は基本的にデスクワークが中心となるため、身体的な負担が大幅に軽減されます。
長時間のパソコン作業が伴うため、目の疲れや肩こりなどの影響は考えられますが、体を動かす負担と比べると、継続的に働きやすい環境といえます。
また、オフィスワークでは適度な休憩を取りながら作業を進めることができるため、無理のないペースで働くことが可能です。
体力に自信がない方や、将来的に安定した働き方を求める方にとって、事務職への転職は大きなメリットとなるでしょう。
収入が上がる可能性がある
保育士の給与は、資格を持っていても比較的低めに設定されていることが多く、昇給のペースも遅い場合があります。
特に、民間の保育施設では給与水準が厳しいケースもあり、年収アップを望む場合は転職を考える人も少なくありません。
事務職は企業の規模や業種によって異なるものの、経験を積むことで給与が上がる可能性が十分にあります。
特に、経理や人事、貿易事務などの専門的なスキルを身につけることで、市場価値の高い人材としてキャリアアップが見込めます。
さらに、資格を取得することで評価が上がり、昇給や転職の際に有利に働くこともあるでしょう。
将来的に収入を安定させたいと考えているなら、スキルを磨きながらキャリアを積める事務職への転職は一つの選択肢となります。
自己成長ができる
保育士として働いていると、教育に関する知識や子どもとの関わり方は深まりますが、それ以外のビジネススキルを磨く機会は限られています。
一方で、事務職はさまざまな業務を経験しながら、ビジネスの基礎知識を身につけられます。
例えば、パソコンを使った業務が増えるため、エクセルやワード、社内システムの操作など、デジタルスキルを習得する機会が自然に多くなるでしょう。
また、資料作成やデータ分析、顧客対応などを通じて、論理的思考や問題解決能力を養えます。
どの職種でも活かせるスキルであるため、将来的に他の職業へステップアップする際にも役立ちます。
新しい知識を身につけ、長期的なキャリアを築きたい人にとって、事務職は魅力的な選択肢となるでしょう。
新しい人脈を築ける
保育士として関わる人は、保護者や同僚、園児に集中しがちです。
しかし、事務職に転職するとさまざまな業界の人と関わる機会が増え、新たな人脈を築くことが可能です。
特に、営業事務や総務、人事などの職種では、社内外の多くの人とコミュニケーションを取る機会があり、仕事を通じて幅広い人脈が形成されます。
また、企業によっては異業種の人と交流できる研修やイベントが開催されることもあり、新たな知識を吸収する場が増えるでしょう。
キャリアアップのチャンスになる
保育士として働き続ける場合、昇進の機会は限られており、役職が増えることで業務負担が増えることもあります。
事務職では経験を積むことで、専門職や管理職へとステップアップする道が開けます。
例えば、経理や人事の分野の専門性を高めることで、より高度な業務に携りながら昇給やキャリアの幅を広げることが可能です。
また、スキルアップのために資格を取得すれば、より条件の良い職場へ転職するチャンスも増えます。
特に、働きながら学べる環境が整っている企業では、長期的な視点でキャリアを構築できるでしょう。
【保育士から事務職への転職】3つのデメリット
保育士から事務職への転職には多くのメリットがありますが、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。
新しい環境に適応する中で、思い描いていた働き方と現実のギャップを感じることもあります。
ここでは、事務職へ転職する際に考慮すべき以下3つのデメリットについてみていきましょう。
- やりがいを感じられない可能性がある
- イメージと異なる可能性がある
- AIにとって代わられる可能性がある
やりがいを感じられない可能性がある
保育士は、子どもたちの成長を間近で感じながら働けるため、日々の業務の中でやりがいを実感しやすい職業です。
一方、事務職は企業の運営を支える裏方の仕事が中心であり、業務の成果がすぐに目に見える形で現れにくい側面があります。
そのため、人と直接関わりながら感謝されることにやりがいを感じていた方にとっては、仕事の満足度が下がる懸念があるでしょう。
また、業務の多くがデータ入力や書類作成、管理業務といったルーチンワークになりがちで、日々の業務の中で変化を求めるタイプの人にとっては単調に感じることもあります。
ただし、業務を効率化したり、より高度なスキルを身につけたりすることで、新しい挑戦を見つけることも可能です。
転職を考える際には、どのような業務内容が自分に合っているかを慎重に見極めることが重要になります。
イメージと異なる可能性がある
事務職はデスクワーク中心の仕事というイメージが強いものの、実際には電話対応や顧客対応、他部署との連携業務など、幅広い役割を担うこともあります。
転職前に想像していた「落ち着いた環境での作業」とは異なり、業務のスピード感や求められる対応力の高さに驚く人も少なくありません。
また、事務職は比較的負担の少ない仕事という印象を持たれがちですが、企業の方針によっては業務量が多く、納期に追われることもあります。
特に、経理事務や営業事務などは、月末や繁忙期に業務が集中することがあり、想像以上にプレッシャーを感じる場面も多いでしょう。
さらに、オフィスワークは体力的な負担が少ない分、長時間同じ姿勢で作業をすることが多く、肩こりや目の疲れといった健康面での課題も出てくる可能性があります。
保育士時代とは異なる働き方に順応するためには、事前に具体的な業務内容を理解し、自分の適性と照らし合わせながら転職を進めることが大切です。
AIにとって代わられる可能性がある
事務職はデジタル化の進展により、今後大きく変化する職種の一つとされています。
特に、データ入力や書類作成といった定型業務は自動化の波を受けやすく、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入が進んでいます。
企業の業務効率が向上する一方で従来の単純な事務作業が減少し、雇用の安定性に不安を感じる人も出てきているのです。
ただし、すべての事務職がAIに置き換えられるわけではなく、人間ならではの判断力や調整力が求められる業務は依然として残り続けると考えられます。
社内外とのコミュニケーションを伴う業務や複雑な判断が必要な業務は、今後も需要が続くでしょう。
そのため、事務職として長く働くためには単なるデータ処理のスキルだけでなく、問題解決能力やマルチタスクをこなす力を磨くことが重要です。
AI化が進む中で市場価値を高めるためには、パソコンスキルの向上や、経理や人事といった専門性のある分野へステップアップすることが求められます。
将来的に安定したキャリアを築くためにも単純作業に依存せず、自らのスキルを磨き続ける姿勢が大切です。
【保育士から事務職への転職】必須スキル3選
保育士から事務職へ転職する際、未経験であってもスムーズに業務をこなせるよう、基本的なスキルを身につけておくことが大切です。
特に、事務業務の中心となるパソコン関連のスキルは必須といえます。
ここでは、転職を成功させるために身につけておきたい3つのスキルについて解説します。
タッチタイピング
事務職の業務では、データ入力やメール対応など、キーボードを使う機会が非常に多くなります。
タッチタイピングとは、キーボードを見ずにスムーズに文字を入力する技術のことです。
作業スピードが向上し、ミスも軽減できるため、業務効率が大きく変わります。
保育士としての経験では、日常的にパソコンを使う機会が少なかった方もいるかもしれません。
しかし、事務職ではほぼすべての業務がパソコンを通じて行われるため、素早く正確にタイピングできることが求められます。
入力スピードが遅いと、業務に時間がかかり、他の作業との兼ね合いが難しくなることもあります。
タッチタイピングを習得するためには、練習用のオンラインツールやソフトを活用するのがおすすめです。
短期間で習得することも可能なため、転職を考えている段階で少しずつ練習を始めると良いでしょう。
ある程度の速度で入力できるようになると、実際の業務での負担が軽減され、スムーズに事務職へ適応できるようになります。
オフィスソフトのスキル
事務職ではMicrosoft Officeのソフトウェアを活用する場面が多く、特にエクセルやワードのスキルが求められます。
文書作成やデータ管理、プレゼン資料の作成など、さまざまな業務で使用されるため、基本的な操作方法を理解しておくことが重要です。
ワードは、ビジネス文書の作成に使用されることが多く、フォーマットの整え方や表の挿入、見出しの設定などをスムーズに行えると、業務の効率が上がります。
エクセルに関してはデータの整理や表計算が主な用途となり、関数やフィルター機能を活用することで、より高度なデータ処理が可能になります。
なお、オンラインの学習サイトやYouTubeの解説動画を活用することで、短期間で基本的な操作を独学で習得可能です。
また、資格を取得することで履歴書に記載でき、採用担当者にスキルをアピールできます。
オフィスソフトを使いこなせるようになれば、業務を円滑に進められるだけでなく、転職市場での評価も高まり、採用される可能性が広がります。
実際の業務でどのように活用するのかを理解しながら、少しずつ習得していくことが大切です。
Googleドキュメントやスプレッドシートのスキル
近年、多くの企業でクラウドベースの業務管理が導入されており、Googleドキュメントやスプレッドシートの利用が増えています。
Microsoft Officeのワードやエクセルと似た機能を持ちながら、オンラインでのリアルタイム編集が可能であり、チームでの業務遂行に適したツールです。
Googleドキュメントはワードと同様に文書作成が可能ですが、異なる点として複数人が同時に編集できる点が挙げられます。
例えば、チームで議事録を作成する際にそれぞれがリアルタイムで書き込みを行い、修正やコメントを加えられるため、業務の効率化につながります。
スプレッドシートはエクセルと似た機能を持っていますが、クラウド上で動作するため、アクセス制限をかけながらチームでデータを管理できます。
数式や関数の使用方法もエクセルと共通する部分が多いため、エクセルの基本操作を習得しておけばスプレッドシートの活用もスムーズに行えるでしょう。
Googleドキュメントやスプレッドシートを使いこなせるようになると、業務の進行がスピーディーになり、リモートワークや外出先からの業務対応も容易になります。
企業によっては、Microsoft OfficeよりもGoogleのツールを主に使用している場合もあるため、転職前に基本的な操作方法を学んでおくと即戦力として評価される可能性が高まるでしょう。
【保育士から事務職への転職】役立つスキル4選
ここでは、事務職としての活躍を後押しする4つのスキルについて解説します。
保育士から事務職への転職を目指す際、未経験でも活かせるスキルを身につけておくことで、スムーズなキャリアチェンジが可能になります。
特に、企業の業務に直結するスキルを学んでおくと、転職活動を有利に進められるでしょう。
会計スキル
企業の財務を管理するうえで、会計に関する知識は欠かせません。
特に経理事務や総務の仕事では、日々の取引を記録したり、請求書を作成したりする業務が発生するため、会計スキルを身につけておくと業務に対応しやすくなります。
基本的な簿記の知識を持っていれば、仕訳作業や決算業務の流れを理解でき、業務の習得がスムーズになります。
特に、日商簿記3級以上を取得すると、財務管理の基礎を会得しつつ、履歴書にも記載できるため、転職活動でのアピール材料になるでしょう。
また、クラウド会計ソフトの操作に慣れておくと実務での適応力が高まり、より幅広い業務に対応可能です。
フィグマのスキル
近年、企業の業務ではデザインツールの活用が増えています。
フィグマ(Figma)は、Webデザインや資料作成などに使われるツールで、直感的な操作が可能なため、デザイン未経験者でも学びやすい点が特徴です。
事務職でも、社内資料の作成やプレゼンテーション資料のデザインを担当することがあり、フィグマのスキルが役立つ場面は多いでしょう。
特にマーケティングや広報の分野では、フィグマを活用してチラシやバナーを作成することもあります。
企業のブランドイメージを統一しながら視覚的にわかりやすい資料を作るスキルは、どの職種でも求められる要素の一つです。
また、オンラインでの共同編集が可能なためチームでの作業にも適しており、業務の効率化にも貢献します。
未経験からでも、オンラインのチュートリアルや無料の学習コンテンツを活用することで、基礎的な使い方を覚えられます。
事務職としての業務範囲を広げたい方や、デザインスキルを身につけてキャリアの可能性を広げたい方には、フィグマのスキル習得がおすすめです。
Canvaのスキル
Canvaは、手軽にデザインを作成できるオンラインツールで、事務職の仕事でも活用の幅が広がっています。
特に、資料作成やポスター、SNS用の画像制作などデザインを求められる場面で役立ちます。
事務職では、社内向けの掲示物やプレゼン資料を作成する機会も多く、Canvaを活用できれば、視覚的に魅力的なコンテンツを作成することが可能です。
また、テンプレートが豊富に用意されているため、デザインの専門知識がなくても短時間で完成度の高い資料を作成できます。
マーケティング部門や広報部門と連携する場合にも、Canvaを活用できると業務がスムーズに進むでしょう。
特に、企業のブランディングを考慮したデザインの作成が求められる場合には、Canvaを使いこなせるスキルが重宝されます。
未経験からでも直感的に操作できるため、事務職の転職を検討している方は、基本的な使い方を学んでおくとよいでしょう。
Canvaのスキルを身につけることで、単なる事務作業にとどまらず、クリエイティブな業務にも携われる可能性が広がります。
英語力
事務職の中には海外と関わる機会のある業務も多く、英語力があると選択肢が広がります。
特に、貿易事務や外資系企業の事務職では、英文メールのやり取りや海外の取引先とのコミュニケーションが必要になるでしょう。
基本的なビジネス英語を習得しておくことで、業務の幅が広がり、より高いスキルが求められる職種にも挑戦しやすくなります。
英語が必須ではない職種でも、簡単なリーディングやライティングスキルがあるだけで業務の効率化につながります。
例えば、海外のWebサイトから情報を収集したり、英語のマニュアルを理解したりする場面では、英語の基礎力が役立つでしょう。
また、英語を活用できる職場では給与水準が高めに設定されることも多いため、キャリアアップのチャンスも広がります。
英語力を伸ばすためには、オンラインの英語学習ツールやビジネス英語の教材を活用すると効果的です。
日常的に英語に触れる機会を増やしながら、実務で使えるスキルを磨いていくことで、事務職としての価値を高められるでしょう。
【保育士から事務職への転職】取得しておくべき資格8選
ここでは、事務職で活かせる以下8つの資格を紹介します。
- 簿記
- 秘書検定
- ビジネス文書検定
- MOS
- 文書情報管理士
- ファイナンシャルプランニング
- 衛生管理者
- ITパスポート
事務職へ転職する際、未経験でもスムーズに業務をこなせるように資格を取得しておくと、採用される確率が高まります。
資格を持っていることで、即戦力としてのアピールができるだけでなく、実際の業務でも役立ちます。
簿記
企業の経理業務に欠かせない知識を学べる資格で、事務職への転職を目指す際に役立ちます。
特に、日商簿記は知名度が高く、履歴書に記載することで財務や会計の基礎知識があることを証明できます。
3級は個人レベルの家計管理にも活用できる知識ですが、企業の経理業務に携わるなら2級以上の取得がおすすめです。
基本的な会計処理や決算書の読み方を理解していると、経理や財務の分野で即戦力として活躍できる可能性が高まります。
保育士からの転職を考える際にも、数字を扱う仕事への適応力をアピールできるため、有利な資格の一つです。
秘書検定
ビジネスマナーや円滑なコミュニケーションを学べる資格で、事務職全般に役立ちます。
特に、秘書業務を担当する場合や、来客対応、電話応対のスキルを磨きたい場合に有効です。
秘書検定では敬語の使い方やビジネス文書の書き方、スケジュール管理の方法などが学べるため、一般事務や営業事務など幅広い職種で役立ちます。
試験は3級から1級まであり、初めて取得する場合は3級からの挑戦がおすすめです。
る礼儀や基本動作を学ぶことで、未経験者でもスムーズに職場へ適応しやすくなります。
ビジネス文書検定
事務職では、メールの作成や報告書の作成など、文書作成スキルが求められることも多いでしょう。
ビジネス文書検定を取得することでビジネス文書のルールや適切な表現を会得でき、実務での対応力が向上します。
試験では、敬語の正しい使い方や文書の構成、効果的な伝え方などが問われます。
企業の中で適切な情報共有を行うためには、明確で分かりやすい文章を作成できることが重要です。
そのため、ビジネス文書検定を通じたスキルの証明は、事務職未経験者にとって大きな武器となるでしょう。
MOS(Microsoft Office Specialist)
事務職ではパソコンを使った業務が多く、特にMicrosoft Office(ワードやエクセル)を使用する機会が頻繁にあります。
MOS資格を取得することで、実務レベルのパソコンスキルを証明でき、採用担当者へのアピールにもつながります。
試験は、ワード、エクセル、パワーポイントなどのソフトごとに分かれているので、自分が目指す職種に応じて必要な資格を取得するのが望ましいでしょう。
基本的な操作だけでなく業務効率を向上させるためのテクニックも習得できるため、事務職への転職を考えている方には特におすすめです。
文書情報管理士
企業では多くの書類を扱うため、適切な文書管理の知識が求められます。
文書情報管理士を取得すると、文書の分類や整理方法、電子化の手順などを学びながら、事務職の業務をスムーズに進めるためのスキルを身につけられるでしょう。
特に、契約書や社内報告書などを適切に管理する業務に携わる場合、文書情報管理士があると評価が高くなります。
デジタル化が進む中で、電子文書の取り扱いに関する知識も重要になっており、今後ますます需要が高まる資格の一つです。
ファイナンシャルプランニング
事務職の中でも、経理や総務、人事関連の仕事では、財務管理や社会保険に関する知識が求められることがあります。
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得することで、個人や企業の資産管理に関する知識を身につけられます。
特に、給与計算や福利厚生の管理業務を担当する際に役立つ資格です。
企業の経営に関わる業務に携われるため、専門性を高めてキャリアアップを目指す方にとって有利な資格といえるでしょう。
衛生管理者
事務職の中には、従業員の健康管理や職場環境の改善を担当する業務もあります。
労働安全衛生法に基づいた知識を得られる衛生管理者の資格を取得すると、職場環境の維持・向上に貢献できるでしょう。
特に、一定の規模以上の企業では衛生管理者の配置が義務付けられているため、資格を持っていると採用されやすくなります。
職場の安全対策に関する知識を活かしながら組織の運営を支える役割を担えるため、キャリアの幅を広げることも可能です。
ITパスポート
近年、多くの企業でIT化が進んでおり、デジタルスキルを持つ人材の需要が高まっています。
ITパスポートは、基本的なIT知識やシステム管理の基礎を会得できる国家資格で、事務職でも役立つスキルを証明できます。
企業内のシステムやクラウドサービスを活用する場面が増えているため、ITに関する知識があると業務の効率化に貢献できるでしょう。
また、Excelの高度な機能を活用する際にも、ITリテラシーが求められるため、基本的な知識を身につけておくことで事務職としての強みを発揮しやすくなります。
【保育士から事務職への転職】面接でよく聞かれる質問
保育士から事務職への転職を成功させるには、面接での受け答えが重要です。
特に事務職未経験の場合、どのようにアピールするかが採用につながる要素となるでしょう。
ここでは、面接でよく聞かれる4つの質問について、質問の意図と回答のポイントを解説します。
自己PR
自己PRは、応募者が事務職に適した能力を持っているかを確認するための質問です。
保育士の経験をどのように活かせるかを伝えることが重要です。
事務職未経験であっても、保育士の仕事を通じて培ったスキルは多くの場面で活かせます。
例えば、保育園ではスケジュール管理や事務作業も発生するため、計画性や業務整理能力を強みとしてアピールできます。
また、保護者対応を通じて培ったコミュニケーション力も事務職において求められるスキルの一つです。
自身の経験を振り返り、事務職に通じる要素を具体的に伝えることが、好印象につながります。
転職した理由
採用担当者は、なぜ保育士を辞めて事務職を目指すのか、継続的に働く意思があるのかを知りたがっています。
ネガティブな理由だけを伝えると、長く続かないと思われる可能性があるため、慎重に答えることが大切です。
- 保育士の仕事はやりがいがあったが、より長期的に働ける環境を求めている
- 事務職で活かせるスキルを伸ばしたい
上記のように、前向きな転職理由を伝えることが重要です。
また、単に環境を変えたいだけではなく、事務職でどのように成長したいのか具体的に説明すると、採用担当者に納得してもらいやすくなります。
転職理由を明確にし、応募先の業務に対する意欲を示すことがポイントです。
志望動機
企業側は、応募者が事務職を選んだ理由や、会社にどれだけ興味を持っているかを確認したいと考えています。
どの会社にも当てはまるような回答では、熱意が伝わりにくいため、以下のように具体性を持たせることが求められます。
- 未経験でも挑戦できる環境が整っている点に魅力を感じた
- これまで培ったコミュニケーション力を活かせる職種だと考えた
自分自身の強みと結びつけた志望動機を伝えることが大切です。
また、企業の特徴や業務内容を事前にリサーチし、それに関連した志望理由を述べることで、採用担当者に対する説得力が増します。
特に、企業の求めるスキルと自分の経験を結びつけて説明できると、より良い印象を与えられるでしょう。
前職
前職に関する質問は「どのような経験が事務職に活かせるか」という意図でされます。
仕事に対する姿勢や責任感を評価するポイントにもなるでしょう。
以下のような具体的なエピソードを交えながら、事務職に活かせる経験を伝えることが大切です。
- 保育士としてスケジュール管理や書類作成、保護者対応など幅広い業務を担当していた
- チームで協力しながら業務を進めることを大切にしていた
また、前職で学んだことを今後どのように活かしていきたいのか話すことで、より明確なキャリアプランを示せるでしょう。
まとめ
保育士から事務職への転職は、未経験でも挑戦できる可能性があります。
競争率が高いため、基本的なパソコンスキルや資格取得を目指すと有利です。
事務職は体力的な負担が少なく、残業が少ない職場も多いため、働きやすさを求める人に向いています。
一方で、やりがいや仕事内容のギャップを感じることもあるため、事前に情報を収集し、適性を見極めることが大切です。
転職活動では自己PRや志望動機をしっかり準備し、面接に臨みましょう。
自分に合った職種を選び、新しいキャリアでの成功を目指してください。
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