転職面接で交通費は支払われる?失礼無く確認する方法も解説
はじめに
転職活動を行っている中で意外と負担が大きいのが、面接を受ける際の交通費です。
居住地や現在の勤務先に近いところであればそこまで金額は大きくありませんが、地方都市から東京や大阪といった大都市へ出向くとなると、それなりに長距離を移動しなければならず、費用もかさんでしまいます。
転職先が決まるまでの負担を減らすためにも、できれば交通費は先方に負担してほしいと思うものですが、実態としてはどうなのでしょうか。
当記事では、転職面接での交通費について、支払われる場合の条件や準備するべきことなどについて解説します。
【転職面接で交通費は出る?】面接で交通費は支払われる?
そもそも、転職面接に際してかかる交通費を、企業は負担してくれるのでしょうか。
面接交通費の支給については、法律やガイドラインで定められていないため、原則として各企業の裁量に任せられています。
そのため、面接で交通費がかかったからといって、確実に費用を出してもらえるとは限りません。
また、交通費が用意できず会場へ行けない場合も、企業側が責任を負うことはありません。
したがって、転職活動を行う際は、あらかじめ移動にかかる金額を見込んでおいたほうが良いでしょう。
ケースバイケースだが自己負担のところが多い
ほしい人材を募集しているわけですから、面接を受ける側としては、交通費くらい出してほしいと思う気持ちもわからなくはありません。
しかしながら前述のとおり、交通費の負担に関して法律上の決まりは存在しないため、支給をするもしないも、企業側の自由となっています。
交通費の支給をしてくれる企業も中にはありますが、多くの場合は一切支払わず自己負担としていますので、そういう前提で準備しておく必要があるでしょう。
とくに、遠方から会場まで移動する場合には、特急列車や航空機などを使うこともあるため、より多くの費用が発生する可能性があります。
自分の住んでいる場所から企業が多く集まる首都圏・大都市圏までどれだけお金がかかるのか、前もって試算しておきましょう。
求人に書いてあることも
交通費を支給すると決めている企業の場合、求人広告に採用情報とあわせて記載していることがあります。
交通費を支払うかどうかだけでなく、支給する対象や具体的な条件、金額などの情報が詳しく書かれている場合もあります。
遠方からの参加者のみに支払うとしている場合もあるため、自分が対象になっているかどうかの確認は重要です。
また、支払いにあたっては必要となる書類や印鑑などの指定もありますから、企業のせっかくのご厚意をふいにしないよう、書いてあることをしっかりとチェックしておきましょう。
逆に、とくにこれといった記載がない場合は交通費を自己負担としている可能性が高いので、会場までどれくらいの費用が必要になるのか、前もって確認しておいたほうが良いでしょう。
【転職面接で交通費は出る?】遠方から来る場合は?
会場からの距離が遠く、新幹線や飛行機といった費用のかかる交通手段を使わなければならない方にとって、交通費の支給はありがたいサポートといえます。
しかしながら、すべての会社が毎回費用を負担してくれるとは限りません。
たとえ飛行機でないと受けに来られない方でも、企業側が交通費を支払ってくれるかどうかは、相手の一存で決まります。
相手が必ず出してくれるという期待を前提にして、行動してはいけません。
また、初回の面接では自己負担にしていて、社長や取締役を交えた最終面接のときにのみ費用を負担するといったように、面接の段階によって、交通費支給の有無を決める企業もあります。
遠くから会場に行かなければならない場合も、転職活動の費用は自己負担を前提に見積もっておきましょう。
【転職面接で交通費は出る?】ベンチャーの場合は?
最近では転職先としてベンチャー企業を選ぶ方も多いですが、面接に際して交通費の支給はあるのでしょうか。
ベンチャーの場合、人材の採用にかけられる経費が限られており、面接参加者全員に対して交通費を支払うほどの余裕がないところが少なくありません。
そのため、基本的に交通費は支給されません。
ただし、Web関係やソフトウェアなどIT分野で事業を展開しているベンチャーは、オンライン面接を採用して、対面での面接を減らしている場合が多くあります。
最終面接のみ、直接出向いて面接を受けるといったように、交通費のかかる面接を最低限に絞っているため、結果的に多額の費用を負担しなくて済む可能性があるという点は良いといえるでしょう。
【転職面接で交通費は出る?】交通費支給のパターンは?
企業から交通費が支給される場合、どの程度の金額を負担してくれるのかという点は重要です。
費用の全額を支給してくれる場合のほか、一律に同額を支給する場合や、条件を設けて超過分の自己負担を求めたりする場合があります。
面接会場までの距離や所要時間にもよりますが、企業によって支給額の設定はまちまちのため、採用広告に記載してあれば、忘れずチェックしておいほう方が良いでしょう。
それぞれの場合について詳しく見ていきましょう。
全額支給
自宅から面接会場までかかった費用の全額を支給してくれる場合、企業に移動した経路と利用した交通機関を報告し、その金額に応じた支給を受けることになります。
優秀な人材をしっかりと確保したい企業では、面接参加者の努力や熱意を労い、費用を受け持ってくれることがあります。
こうした企業に対しては、相手の厚意に答えるという意味でも、遠慮なく支給を受けるべきでしょう。
費用計算は基本的に申請した内容を前提とする場合が多いですが、新幹線や航空機については、最短ルートで最安の座席を利用した前提で見積もる場合もあるため、注意が必要です。
一律支給
面接参加者の条件や事情にかかわらず、一律の金額を交通費として支給する場合、遠方からの参加では自己負担分が生じることがあります。
一律支給の場合、1人あたり1,000円といったように、少額が出される場合が普通です。
都内や近隣地域のように、交通費の負担がそれほど重くない場所からの参加であれば十分ですが、遠くから参加する場合には限定的な効果しかないため、過信は禁物です。
なお、交通費が支給額を下回った場合も一律額支給されるので、費用負担に対して黒字となる場合があります。
条件付き支給
あらかじめ上限金額や支給対象についての条件が決まっており、その範囲内で企業が交通費を負担するという場合があります。
たとえば、1,000円まで支給し、残りを自己負担としている場合は、1,000円以下であればかかった費用分を、こえた場合は上限額の1,000円までを支給してくれます。
また、企業によっては県外や一定距離以上離れた地域から来た参加者にのみ支給する場合もあるため、条件が提示されている場合はチェックしておきましょう。
【転職面接で交通費は出る?】交通費支給に必要な持ち物は?
交通費の支給に際しては、企業から申請に必要な書類を求められる場合があります。
また、支給関係の書類を作成するにあたって、印鑑の捺印を求められることも少なくありません。
これらを当日忘れてしまうと、交通費が支給されなくなってしまうため、面接へ行く前にしっかりと確認しておきましょう。
バスや近距離の電車運賃については領収書を求められない場合があるなど、交通手段によって事情が変わってくるため、とくに気をつけてください。
印鑑
面接の交通費については、当日に支給されることが多く、その場で請求書に捺印を求められることがあります。
企業からの面接についての連絡で、印鑑の持ち込みを求められる場合、請求書を面接会場で作成して申請する場合がありますので、忘れず持っていくようにしましょう。
なお、使用する印鑑については、一般的な認印が適当です。
インクを中に入れたプッシュ式のタイプなど、配達物の受け取り印などとして普段使いしているような印鑑は請求書において使えない場合があります。
朱肉やスタンプ台は会場に用意されていることが多いので、そちらを使って捺印するタイプの印鑑を前もって用意しておき、転職活動で使うようにしたほうが良いでしょう。
領収書
交通費支給の書面を作るにあたっては、実際に交通費が発生していることを証明するために、利用した交通機関の領収書を求められるのが普通です。
万が一、領収書が用意できない場合は、交通費の支給を断られる可能性もあります。
駅や空港の窓口でチケットを購入する際には、必ず領収書を発行してもらうようにしましょう。
また、最近はインターネットからチケットを予約したり、交通系のICカードを利用したりすることが一般的になりましたが、こうした場合であっても、交通費を請求するために提示できる書類や書面を用意しておく必要があります。
提示可能な領収書に関して、企業から具体的な指定がある場合には、原則それにしたがったものを発行してもらうよう気をつけましょう。
近距離のバス・電車移動では要らない場合が多い
遠方から面接会場を訪れる場合は基本的に領収書が必要ですが、バスや電車などを利用し近距離を移動した場合はとくに求められないことが多くあります。
路線バスやワンマン方式の鉄道では、乗車時に整理券を発行し、精算を車内に設置された運賃箱で行う方式をとっている場合があります。
こういったシステムを使っている交通機関の場合、その場で領収書を発行してもらえない可能性があるため、企業に証明できる書類を提示することが難しいのです。
申請する面接参加者の善意によるところはありますが、所要のルートから大体かかった費用が推測できることが多いため、どの駅や停留所を利用したかを明記すれば交通費の支給を認めてくれます。
実際にどう判断しているのかは企業によって異なるため、事前確認をしておきましょう。
【転職面接で交通費は出る?】交通費支給の有無を直接聞くのはアリ?
遠方からわざわざ訪ねていく方にとって、交通費が企業から支給してもらえるかどうかは、とても大切な話です。
新幹線やバス、航空機といった交通手段は1回の往復でも相当な負担になりますから、転職活動に取り組む中ではできる限り出費を減らしたい費用です。
しかしながら、直接企業に交通費支給の有無を尋ねるというのは少なからず抵抗感がありますし、企業としても好感は持てないでしょう。
失礼のないように聞くためには、一体どうすれば良いのでしょうか。
直接聞くのはマイナスイメージにつながるおそれも
ここまで何度も述べてきたように、交通費を出すかどうかは企業側が決めることであって、面接に参加する側が要求できることではありません。
また、もし交通費を支給する方針であれば、どういった対象にいくら支払うかという情報は、前もって求人広告などに記載してある場合が多く、後から負担を引き受けることはまずないでしょう。
企業の担当者に直接連絡を取って聞くというのは、そうした企業側の判断や応募者向けの提示を理解していないということになります。
また、2000円〜3000円程度の交通費を気にするような応募者だとわかると、その程度の志望度しか持っていないと認識される可能性もあります。
面接前からマイナスイメージを与えてしまう恐れがあるので、まずは交通費に関することがどこかに書かれていないか、自分で確認しましょう。
交通費支給の有無を失礼がないように聞くには
では、交通費支給があるかどうかを相手に失礼がない形で聞くには、どういった質問が良いのでしょうか。
一般にどの企業でも、交通費を支給するにあたっては書類への捺印や関係書類の提示が必要となります。
そのため、交通費が出る場合は、それらの持ち物を参加者に求めてきます。
当日の確認という形で「当日必要になるものはありますか」と聞いて、印鑑が必要と答えられた場合には、交通費支給を行ってくれる可能性がありますので、準備をしておきましょう。
もちろん、それ以外の書類を作成するにあたって、印鑑の持ち込みが必要となっている場合もあります。
持ってくるよう言われたからといって、交通費が支払われることを前提にしないよう気をつけましょう。
まとめ
企業が面接の交通費を支給してくれる場合は少なく、基本的には自己負担となります。
支給する場合、条件や金額など詳しい内容を求人広告に記載していることが多いので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
また、企業の担当者に交通費支給があるかどうか尋ねる場合には、直接聞くと志望度の低さや提示された情報の把握能力を疑われ、マイナスな印象を持たれてしまう可能性があります。
当日必要なものを聞くなどの形で、交通費を支給するための手続きがあるかどうかを確認するほうが良いでしょう。
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