【例文あり】転職成功率を高めるコツは志望動機の「書き出し」が大事?採用を勝ち取るためのコツ
転職活動で採用を勝ち取るための第一ステージが履歴書や職務経歴書です。
多くの求職者が悩みがちなところがこの書類作成の段階で、とくに志望動機のまとめ方についてつまずく人が少なくありません。
効果的な志望動機を作成するためには、何を伝えるかという内容はもちろんですが、書き出しから締めくくりまできれいに構成されていることも大切です。
とくに書き出しについては、採用担当者が最初に目にする部分であるため非常に重要。
そこで今回のコラムでは、志望動機をまとめる際に重要な「書き出し」にフォーカスしてご紹介しています。
全体の文章構成の方法から、採用担当者に刺さるフレーズ集をご紹介しているので、これから書類作成に入る人はぜひチェックしてください。
【転職での志望動機の書き出し】全体の文章構成
まずは志望動機をまとめる上での文章構成についてお伝えします。
履歴書や職務経歴書には、志望動機や自己PRなど様々な項目があることをご存知でしょう。
これらの項目には必ず役割があり、相互関係で成り立っています。
志望動機は、簡単にいうと応募先企業へのラブレターです。
どれだけその企業に対して熱意があるか、入社意欲に対する本気度の高さをアピールする項目です。
一方、自己PRは自分の強みを存分にアピールする、キャッチコピー的な存在です。
自己PRで自分をアピールし、「だからこそ御社に入社したいのです」という熱意を志望動機で伝えるイメージです。
志望動機で書くこと
志望動機欄に書くべきことは、応募先企業への思いや入社の意思です。
ポイントは、程よい温度感で要点をわかりやすくまとめること。
熱意を込め過ぎてしまうと文章が煩雑になってしまいますし、抽象的すぎるとマニュアル通りの浅い内容に見えてしまいます。
また、履歴書や職務経歴書の志望動機欄は枠が小さいため、要点をまとめてわかりやすく伝える必要があります。
自分が一番伝えたいことと、採用担当者に響くかどうかに重点を置いてまとめましょう。
次でご説明する3つの内容は、志望動機で伝えると採用担当者に響きやすいです。
全てを詰め込む必要はないので、次の3つのどこに重点を置いて書けそうか想像してみてください。
その企業に応募したきっかけ
面接ではよく「応募したきっかけは何だったのでしょうか。」「なぜ数ある企業の中から選んでくれたのでしょうか。と質問をされますが、採用担当者はこの質問の回答次第で応募者の本気度を図っています。
そのため、履歴書や職務経歴書でも、応募先企業に入社したいと思ったきっかけとなったエピソードを伝えましょう。
求人サイトを網羅していて何となく応募したとしても、魅力に感じた部分はあるはずです。
「高待遇だったから」「同世代がたくさんいて働きやすそうだったから」など、一見すると浅い志望動機に見える内容でも、深掘りしていくとそれ以上に応募したいと思ったきっかけが見えてくるはずです。
その企業の何が魅力で、どんなところが自分に合っていそうか、深く考えればたくさん出てくるはずなので、分からない方は書き出してみましょう。
入社後にやりたいこと
入社後にやりたいことが、応募先企業で叶えられそうなものであれば、それも十分な志望動機になります。
また、入社後にやりたいことを具体的にまとめられている人はポテンシャルが高いですし、採用担当者から「長く働いてくれそう」というポジティブなイメージを持ってもらえます。
採用してもらえたとき、どんな仕事に携わりたいか想像してみてください。
そして、前職とのギャップを探り出してみてください。
そうすると、前職では難しかったことが転職後に叶えられるかもしれないということを言語化することができます。
それがわかれば「◯◯に挑戦してみたいため、御社に応募した」という志望動機が出来上がります。
キャリアプラン
明確なキャリアプランがある人は、ぜひこちらも書きましょう。
自分が思い描くキャリアの道すじに沿って進む中で、応募先企業へ入社することがどう結びついていくのかが見えてくるからです。
「将来◯◯になることを思い描いているため、御社の環境が適していると感じた」という具体的でわかりやすい志望動機ができるでしょう。
また、キャリアプランがある人は仕事熱心で優秀な印象を持ってもらえます。
明確にキャリアプランを持っている人は多くありませんので、他のライバルに勝つ材料にもなるでしょう。
【転職での志望動機の書き出し】結論から書くべし
志望動機で書くことや全体の文章構成が決まったら、今度は書きたいことを組み立てるフェーズです。
ぜひ意識していただきたいことが、「結論から書く」ということです。
とくに志望動機は書き出しが重要ですので、結論(要点)を一番初めに書くことで本質的な部分を伝えることができます。
PREP法でまとめる
PREP法とは、ビジネスシーンでもよく使われる話法で、結論から伝えて結論で締めるという内容です。
・Point(結論・要点)
・Reason(理由)
・Example(具体例)
・Point(結論・要点)
この構成でまとめることで、最も伝えたいことが先に伝わり→具体例や理由で納得し→最後にまた結論で締める、というシンプルでわかりやすい伝え方になります。
たとえば次のような伝え方がPREP法を上手に使った伝え方です。
「御社を志望した理由は◯◯だからです(結論)。
なぜなら◯◯だからです(理由)。
前職で私は◯◯をしており◯◯のスキルを磨きたいと思うようになりました(具体例)。
そのために最適な環境だと感じたのが御社だったのです(結論)。」
結論から書いた方が良い理由
結論から書いた方が良い理由は単純明快で、一番先に目に入るからです。
人は最初に目についたことを全体の要点として認識する傾向にあるため、結論から書かれていると、そのあとの理由や具体例の内容が理解しやすくなるのです。
逆に、前述したPREP法を無視して書いてしまうと、結局何が伝えたかったのか最後までわかりません。例えば
「前職で私は◯◯をしており◯◯のスキルを磨きたいと思うようになりました(具体例)。
その理由となったものは◯◯です(理由)。だから御社を志望しました(結論)。」
というまとめ方だと、一見雑ではないものの、本当に伝えたいことが何なのか最後まで理解してもらえません。
志望動機ではきっかけとなった出来事や理由などのエピソードでも採用担当者の心を掴む必要があるため、読み進める中で興味を沸かせるような構成にしなければならないのです。
【転職での志望動機の書き出し】書き出しで目を引くフレーズを業種別で紹介
志望動機は応募先企業へのラブレターであるとお伝えしましたが、どこで採用担当者の心を掴みやすいかは業種ごとに異なります。
なぜなら、採用したいと思う人物像は業種ごとに傾向が異なるからです。
そこでここからは、書き出しで採用担当者の目を引くフレーズを、業種別にご紹介します。
行きたい業界に合わせて参考にしてください。
営業職
営業職の募集をしている企業のほとんどは、ポテンシャルが高く精神的にタフで忍耐力のある人を求めています。
なぜなら、営業は常に数字を追い続ける仕事であり、タスク量が多い仕事だからです。
ノルマは常につきまとい、好調なときは気分が良く、不調なときは落ち込みやすいです。
また、顧客との折衝のなかでトラブルに見舞われてしまうことも少なくありません。
それだけではなく、仕事量も多く残業も当たり前です。
責任感が重く、他の職業よりも精神的な辛さを感じやすい職業なので、タフな人でないと務まりません。
そのため、志望動機では以下のようなフレーズが刺さるでしょう。
・個人の実力で正当に評価される環境に魅力を感じました。
(→責任感の強い人に感じられる)
・マルチタスクでスケジュール管理が必要なハードな現場だからこそ、自己成長できると感じました。
(→向上心がある人に感じられる)
事務職
事務職は会社や現場で働く人を支える縁の下の力持ち的な存在です。
採用を勝ち取るためにはもちろんパソコンスキルが必要ですが、採用担当者は技術面のレベルの高さよりも人柄の良さで判断しています。
「なんとなく楽そうだから」「ひと通りのパソコンができるから」という安易な理由で応募をする人も少なくありませんが、それに加えて明確な理由を持っていないと採用される確率は下がるでしょう。
事務職で採用されやすい人の特徴としては、気配りができる人で、人間関係を大切にできる人です。
基本的に、事務職は複数名のチームで仕事を進めているため、相手への思いやりやチームワーク力が大切なのです。
そのため、志望動機では以下のようなフレーズが刺さります。
・御社のチームワークを大切にする社風が、仲間と協力することで実力を発揮する私に合っていた(→協調性の高さが感じられる)
・好きな業界で誰かの役に立ちたいと感じた
介護職
介護職は常に人手不足の業界ですが、チームで仕事をする職業なので人柄次第では不採用になってしまいます。
採用担当者は、志望動機を聞くことでその人と現場スタッフの相性が良いかどうかも判断しています。
経営理念に合っているか、協調性がある人かどうか、相手に思いやりが持てる人かどうかが重要なポイントです。
また、これからの介護業界に対する意識が高い人や、介護業界で高めていきたいというポテンシャルが評価されます。
そのため、志望動機では以下のようなフレーズが刺さりやすいです。
・御社の理念である◯◯は、私が考えるこれからの介護現場に必要であると共感しました。
(→理念への賛同)
・前職よりも少人数のチームで密接な職場環境なため、強固なチームワークで働けることに魅力を感じました。
(→協調性を大事にしたい人だと思ってもらえる)
ITエンジニア
ITエンジニアが採用を勝ち取るためには、高度な技術を存分にアピールすることが大切です。
IT業界自体は人手不足ですが、昨今新しい技術が台頭しているため、エンジニアにも高い技術力が求められます。
得意なスキルや出来ることは自己PRで具体的に伝えれば良いですが、志望動機にも盛り込んでおくと好印象です。
志望動機では以下のようなフレーズを入れると、自己PRにもつながります。
・◯◯の技術を基礎として新しい分野でレベルアップさせるためには最適な環境であると感じました。
・◯◯のネットワークを中心としてエンジニアに従事しておりましたが、御社のような幅広いフィールドで働くことで技術者としての視野が広がると感じました。
販売職
販売職は、未経験からでも採用されやすい職業の一つです。
学歴を問わないことが多く、入社に必要なスキルがない分、人柄が採用基準になります。
販売職に求められる人柄は、コミュニケーション能力が高く、数字を追うことにアグレッシブになれる人です。
また、立ち仕事であることが多いため、多少フィジカルが強いことも求められます。
そのため、志望動機では以下のフレーズが刺さりやすいでしょう。
・前職で身につけたコミュニケーション能力を、御社の大きな環境で活かすことでキャリアアップできると感じました。
・好きなブランドであるため、より多くの人に知ってもらうお手伝いがしたいと感じ、志望しました。
【転職での志望動機の書き出し】志望動機の書き出しでNGなパターン
全体の文章構成がわかると、スラスラと志望動機が書けるようになります。
しかし、実際に書き終えてみると不安になることもあるでしょう。
ここからご紹介するのは志望動機の書き出しでNGなパターンです。
一度志望動機をまとめてみて、今からお伝えするNGパターンの例と比較してみてください。
作成した志望動機の添削をする意味で、ぜひ参考にしてください。
起承転結が曖昧
先述したとおり、志望動機は「結論、理由、具体例、結論」の順で書くことが好ましいです。
しかし、実際に書いてみると、文章が煩雑になって何が伝えたいのか分からなくなってしまうこともあります。
とくに熱意を込めて志望動機を書いていると、書きたいことがありすぎて要点がまとまりにくくなります。
次のポイントをチェックしてみましょう。
□結論から先に書けているか
□要点がまとまっているか
□志望するきっかけとなったエピソードは具体的か
結論がわからない
長々とした文章を書いていると、結論や要点がどこにあるのかが分かりにくくなってしまいます。
例えば、以下のようなNG例文だと結論がどこにあるのかお分かりでしょうか。
「私は前職で人材派遣会社の営業として従事していました。
約2年間働いておりましたが、2回ほど全社表彰の対象となり、営業としての自信をつけることができました。
私はこの実績に誇りを持っており、別業界に転職することでさらに営業テクニックを磨きたいと感じております。
そのため、御社の研修プログラムと社員様の営業姿勢に共感し、興味を持ちました。」
以上の志望動機のなかで、本当の志望動機は「御社の研修プログラムと社員様の営業姿勢に共感し、興味を持ちました。」という一文ですが、結論が最後に来てしまっているため分かりにくいです。
先述したとおり、結論を先に伝えた上で理由や具体例をまとめ、結論で締めることを意識しましょう。
抽象的な内容
これは「志望動機があまりない」という人によくみられることですが、抽象的な内容になってしまうと何が伝えたいのか分からない志望動機になってしまいます。
信憑性の薄い志望動機にも見えてしまいますし、本気度も伝わりません。
抽象的な内容になっていないか、以下のポイントをチェックしてまとめてみましょう。
□具体的なエピソードが添えられているか
□量で伝える場合は数字が入っているか
□時間軸で伝えるときはいつ・どんな時にが分かりやすいか
【転職での志望動機の書き出し】採用担当者が見ているポイント
採用を勝ち取るために、採用担当者が履歴書の志望動機を見るとき何をもって判断しているかを抑えておきましょう。
ここからご紹介するのは、採用担当者が応募者に対してみているポイントです。
これらの基準をクリアした人が採用を勝ち取れるので、ぜひチェックしておいてください。
入社意欲の本気度
もちろんですが、採用担当者は応募者がどのくらいの本気度を持って入社したいと思っているのかを判断します。
転職活動というものは、基本的に複数者に応募して行うものです。
採用担当者もそれを理解しているので、「果たして自社は第一志望なのか、滑り止めなのか」ということが気になるのです。
志望動機には「御社のこういうところが魅力で、応募しようと思った」というきっかけとなるエピソードが盛り込まれています。
そのため、志望動機を見ると、その人がどれだけ自社に対して理解をしているかが分かるのです。
エピソードがなかったり抽象的であれば「自社のことをあまり調べずに応募したんだな」と判断されてしまいますし、本気度は伝わりません。
社風との相性
中途採用者は前職との社風のギャップを感じやすいことがあります。
社風が合わないとすぐに退職してしまうということもあり、採用担当者としてはそれを避けたく思っています。
志望動機が書かれた文章を見ると、採用担当者はその人の熱量や思考をある程度読み取ることができます。
そこから自社の社風や、配属予定の部署のメンバーとの相性を判断するのです。
もちろん、その先の面接で人柄を判断するものではありますが、社風に合っていそうか?会いたくなる人かどうか?ということが書類上で判断されないと不採用です。
退職した理由がネガティブなものでないか
転職する人の中には、退職理由にネガティブなものが含まれている人も少なくないでしょう。
よくある退職理由として、「人間関係に不満があった」「上司と相性が悪かった」「賃金が安い」「仕事内容が合わない」などがあげられます。
仕事は縁なので、これらのネガティブな退職理由を持ってしまうことは仕方ありません。
しかし、ネガティブ理由を正直に書きすぎるとマイナスイメージを持たれてしまいます。
上記であげた理由の場合「同じ理由でまたすぐ辞めてしまわないか」という懸念を持たれてしまいます。
出来るだけ印象を良くする表現に変えるなどをして、工夫した文章構成を意識しましょう。
補足|ネガティブ理由はポジティブに変換しよう
ネガティブ理由はポジティブに言い換えることができます。
もし転職理由がネガティブなものの場合、次のように言い換えてみてください。
言い換え前:人間関係が嫌だった
言い換え後:個々を大事にする職場環境で働きやすかったが、コミュニケーションが活発なチームの方が働きやすいと思った
言い換え前:賃金が安い
言い換え後:実力に見合った正当な評価をしてくれる環境に魅力を感じた
言い換え前:仕事内容が合わない
言い換え後:好きな分野が他に見つかった
応募先企業への貢献度合い
応募先企業に対しての貢献度合いも、採用担当者はよくみています。
とくに中途採用者の場合、即戦力となる人材を採用することが多いです。
入社後にどのくらいの利益を上げてくれる人物なのかを知りたがります。
営業職の場合はとくに見られており、キャリアプランの中に定量的な内容が入っていると貢献度合いを伝えることができます。
【転職での志望動機の書き出し】志望動機は転職エージェントに添削してもらう手もあり
転職活動における志望動機の作成は非常に難しい項目の一つですが、迷ったときには一人で抱え込まず、他者へ相談してみてはいかがでしょうか。
最もおすすめなのが、転職エージェントに相談することです。
転職エージェントはあなたに合った企業を紹介してくれるだけでなく、採用を勝ち取るまでにあらゆる面でサポートしてくれます。
面接対策や給与交渉、書類の添削など、総合的なサポートを受けることで採用までの距離が一気に縮まることでしょう。
とくに、書類の添削がしてもらえる点は、文章作成が苦手な方におすすめです。
今回ご紹介した志望動機の書き出しから、何を書いたら良いかなど、あなたの魅力をアピールできる具体的な書き方をアドバイスしてくれます。
登録費用は一切発生しませんので、活用して損することはないでしょう。
まとめ
今回のコラムでは、志望動機の書き出しから悩む人に向けて、効果的な志望動機の作成方法をご紹介しました。
おさらいすると、今回抑えていただきたいのは以下のポイントです。
・志望動機の中で「きっかけ」「入社後にやりたいこと」「キャリアプラン」を書くと採用担当者の心を掴みやすい
・全体の文章構成は「結論→理由→具体例→結論」の流れでまとめる
・業種ごとに採用担当者の目を引きやすいフレーズがある
・採用担当者は志望動機を見ることで入社への本気度を測っている
今回ご紹介したポイントを抑えれば、今までの悩みが解決できる可能性が高まるでしょう。
もし自力で作成するのがどうしても難しいようであれば、先ほどご紹介したとおり転職エージェントに相談することもおすすめです。
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