公務員と民間企業の違いとは?失敗しない面接対策について徹底解説
国家公務員・地方公務員を問わず、目標を持ち、難関を突破して公務員になったものの、理想と現実の違いに戸惑ってしまったとの声を耳にすることは往々にしてあります。
公務員という道を選んだ時、民間と公務員の違いについて認識できていたのでしょうか。
もしもその違いに気づかずに公務員の道を選んだとしたら、現実に打ちのめされてしまうこともあるでしょう。
ただ、望んだ働き方と違ったとしても、諦める必要はありません。
公務員から民間企業へ転職することで、キャリアの軌道修正は可能です。
しかし、実際のところ、公務員から民間企業への転職は難しいと感じている人もいるでしょう。
結論から伝えると、公務員から民間企業への転職はできないわけではありません。
ただし、少しハードルが高いのが現状です。
組織としての性質の違いや難しいとされている理由を把握し、成功させるために対策を講じてみましょう。
今回は公務員から民間企業へ転職する際の面接をはじめとする選考対策について説明していきます。
民間と公務員の違いとは?
「民間と公務員の違いはなんですか?」
この問いに対して、具体的に回答できる人は多くいないでしょう。
ただ、この違いについて正しく理解できれば、きっと後悔しない選択につながるはずです。
また、転職活動の際に、その違いを理解した上で新しいキャリアに挑んでいることは好印象につながります。
面接や書類選考でもアピールポイントにも紐づいてきますので、まずは民間と公務員の違いについて、的確に把握していきましょう。
民間と公務員の違いでは下記2つの違いがあるといえます。
- 活動目的が異なる
- 採用方法が異なる
それぞれの項目について解説していきます。
活動目的が異なる
民間と公務員の違いとして、活動目的が挙げられます。
民間は営利を目的として活動することに対し、公務員は国や地方自治体のために活動します。
民間企業においても社会貢献を目指し活動している企業もありますが、最終的には自社の売上につながるものがほとんどです。
活動資源が自社の利益や資金調達によって発生する点で、自社利益を求めていかなければなりません。
一方で公務員は民間とは異なり、営利を目的としていません。
地域や国民のためのサービスを提供します。
活動資源も利益ではなく税金が資源となるので、公平性をもったサービスの提供と活動が求められます。
採用方法が異なる
内定が出るまでのフローも民間と公務員では違います。
民間の場合は試験内容も企業によって異なり、多くは書類選考、面接といった流れがベースとなります。
その中でWebテストやスキルテストなどが行われる場合も。
応募する職種や業種によって試験方法や回数が変わります。
一方で公務員の場合はある程度のフローが統一されています。
まず公務員に採用されるには、公務員試験を合格し、採用候補者名簿に名前が載らなければいけません。
また、多くの公務員試験は1次試験は筆記、2次試験は人物試験というのが慣例的な流れです。
一部の職種では、体力テストなどを設けられる場合もあります。
採用過程においても、民間と公務員は違うことが見受けられます。
【民間と公務員の違い】公務員から民間企業への転職が厳しい理由
公務員から民間企業への転職を成功させる上で、民間と公務員の違いを理解して対策を練ることが重要です。
そもそも公務員から民間企業への転職が厳しいとされる理由は、下記の内容が挙げられます。
- 民間企業との業務や評価基準の違い
- スキルセットの不一致
ここからはそれぞれの項目について詳しくみていきましょう。
民間企業との業務や評価基準の違い
公務員には、独特の業務体系や評価基準があります。公務員は公共事業の推進が主な目的なのに対し、民間企業は自社の利益を上げることが目的です。
目的が異なるゆえに、評価基準が異なります。公務員は、与えられた業務を黙々と遂行する姿勢が高く評価されることが一般的です。一方、民間企業では、モチベーションを高く持ち、意欲的かつアクティブに仕事に臨む姿勢が高く評価されます。
そのため、新卒時から公務員として働いてきた場合、民間企業との相違点に戸惑ってしまうのも無理はありません。公務員出身者は、成果や利益を追求する姿勢が乏しいとの評価を受ける可能性があります。評価基準が根本的に異なる点が、転職が厳しいとされる理由です。
スキルセットの不一致
公務員と民間企業では、業務体系・目的・評価基準が異なるため、業務遂行上必要とされるスキルが異なります。利益を追求する必要がある民間企業では、常にスキルアップを目指し、成長し続ける姿勢が重要です。
加えて、ビジネス業界での基本的なマナーも身に付けておかなければなりません。公務員から民間企業へ転職する場合、同年代のビジネスパーソンが身に付けているスキルやマナーを
持ち合わせていないことに気付くケースがあります。
一例として、コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルなどです。企業側もその点が懸念材料のため、意欲的に働く姿勢を普段以上にアピールする必要があります。
【民間と公務員の違い】民間転職のメリットとデメリット
公務員から民間企業へ転職する際に、メリットやデメリットはきちんと把握しておくようにしましょう。
働く環境が変わる分、民間と公務員の違いは顕著に現れます。
とくに入社後のギャップをなくすためにも、民間転職した際のメリットやデメリットは理解した上で転職活動に臨みましょう。
民間転職では下記のメリットやデメリットを考えることができます。
- メリット:仕事の幅が広がり、収入が増える可能性
- デメリット:福利厚生の変化や雇用の不安定さ
それぞれの項目について詳しくみていきましょう。
メリット:仕事の幅が広がり、収入が増える可能性
公務員とは異なり、民間企業では、社員のキャリアやスキルに応じて配属先を決める方法が一般的です。
面接時に、企業が求める人材やスキルに見合っているかどうかが見られます。
自分の経験やスキルに応じた業務内容を行える場合が多く、やりたい仕事を行える可能性が高まることが大きなメリットです。
仕事の幅が広がり、スキルアップやキャリアアップにもつながります。
また、公共性が高い業務内容の公務員は、利益や損失を考える必要はほぼありません。
一方民間企業では、できるだけ経費を削減し、利益や業務拡大を目指すことが業務の主な目的です。
そのような風潮のため、社員の実力を評価する企業も多く、成果を上げるにつれ裁量が大きい業務を任されます。
結果として、収入が増える可能性が高い傾向です。
デメリット:福利厚生の変化や雇用の不安定さ
主なデメリットは、福利厚生面や雇用面の不安定さです。一般的に、公務員は勤務エリアが限られており、遠方へ転勤する心配をせずにすみます。また、社会情勢や景気の動向に左右される心配もさほどありません。生活環境や給与面で安定感があります。
一方、民間企業では、業種により転勤の可能性が高い場合があるため、事前の確認が必要です。国内だけでなく、海外転勤の可能性がある民間企業を選ぶ場合、生活環境の変化に対応できるかを考慮しましょう。
社会情勢や景気の動向などにより、企業に損失が生じる場合、福利厚生面や雇用面でのカットが決断される場合もあります。一度入社したら安定する、との考えは通用しないことを念頭に置きましょう。
【民間と公務員の違い】年代別!民間への転職の成功ポイント
ここまで民間と公務員の違いやメリットデメリットについて、理解を深めてきました。
では、ここからは実際に民間転職を行う前提で、考えていきましょう。
民間転職を成功させるためには、自分のセールスポイントを的確に把握して、面接などの選考でアピールしていかなければなりません。
公務員経験者の世代別のアピールポイントを下記にまとめました。
- 20代:熱意をアピール
- 30代:調整能力を強調
- 40代:マネジメント経験をアピール
それぞれの項目について詳しく解説していきますので、転職面接のアピールポイントの参考にしてみてください。
20代:熱意をアピール
面接官が、20代に求めるのは熱意ややる気のある姿勢です。多くの場合、ビジネスパーソンの経験やスキルへの期待よりも、将来性を見込んで採用されます。いわゆるポテンシャル採用です。
なぜ自社を選んだのか、どのように今後活躍を目指してスキルアップしていくつもりか、きちんとしてビジョンを抱いているかが重視されます。そのため、公務員と民間企業の相違点、つまりビジネススキルやビジネスマナーなどにさほど注目されません。
転職面接の際は、応募先企業が求める人物像を事前に調査しておきましょう。その上で、入社後にどのように貢献できるか熱意を込めて語る姿勢が重要です。可能であれば、具体的に数字を示すのも、説得力が増します。
30代:調整能力を強調
30代での転職面接では、業界や業種は異なっても、これまでの業務で培った経験やスキルがどのように自社で活用できるかに注目されます。公務員から民間企業へ転職する場合は、さまざまな人を相手に業務を遂行してきた経験を上手にアピールしましょう。
例えば、多種多様な人材や部署間での調整能力です。調整能力に優れている人は、利害関係を主張しあう人々の間で意見や主張をうまく調整して収める術を心得ています。
30代まで公務員を続けてきたのであれば、行政に不満を抱えて窓口に来た人や高齢の人などに対して、相手の立場や意見を尊重しつつも上手に納得してもらえるように対応した経験はないでしょうか。
そのような簡単なエピソードを織り込みながら、自分の持つ調整能力をアピールできます。
40代:マネジメント経験をアピール
40代で公務員から民間企業への転職を決意する際は、ある程度の覚悟が必要です。公務員のやり方がしっかり身に付いてしまっているのではないかとの懸念を抱かれるため、ハードルが高くなります。
公務員と民間企業双方で役立ちそうな強みがないか、これまで培った経験やスキルを自己分析してみましょう。
例えば、部下のモチベーションを上げる点で成功した経験や複数の業務を限られた期間で遂行した経験など、具体的な例を挙げてマネジメント能力をアピールできます。
マネジメント能力に優れていることが認められれば、即戦力として採用される可能性が高いのが40代です。専門性の高い分野で、企業への貢献度をアピールしましょう。
【民間と公務員の違い】民間転職の書類選考対策
民間企業へ転職する際、履歴書や職務経歴書を提出し、書類選考通過が最初の関所となります。
書類だけで自分の強みや能力をアピールするのは難しいと感じている人は少なくありません。
しかし、書類選考を乗り越えなければ、対面して話せる面接の機会にも恵まれません。
どのような書き方が好印象を与え、一緒に働きたい人材とみなされるのでしょうか。
書類選考対策として、一般的に重要とされているポイントは下記の通りです。
- 具体的な数字を記載する
- 採用ポジションや役割を意識した記述
民間と公務員の違いへの理解を前提に置き、それぞれのポイントについて説明していきます。
具体的な数字を記載する
採用担当者は、まず書類だけで、応募者がどのような人材かをイメージする必要があります。そのため、具体的な数字を記載した自分の強みや経験に関するアピールは効果的です。
例えば、公務員時代にいた担当部署に来客した月間人数、作成した書類のページ数や合計数などを記載できます。また、立てた目標に向けたトレーニング回数や仕事量に対する対応人数などを振り返ってみましょう。
長々と記載する必要はないものの、業務内容を直接知らない人でもイメージしやすいよう、具体的な数字とともに分かりやすい説明を心掛けます。
書類に記載した後は、誤字脱字やフォントのチェックなどを忘れずに、きちんとした人との印象を与えるよう努めましょう。
採用ポジションや役割を意識した記述
志望動機や自分の強みを書類に記載する際は、漠然とした書き方よりも、採用ポジションや役割を意識した記述のほうが好印象を与えます。
事前に調査した企業情報に基づき、配属される可能性が高いポジションの業務内容や求められる人物像などを意識した記載方法です。
一例として、営業職であれば企業が掲げる目標に即した自分の数値目標を記載して、自分も貢献したいとの意欲をアピールできます。事務職であれば、1時間または1日で処理できる業務量は評価される大切なポイントです。
採用担当者が、応募者をどの部署で配属したらよいか、具体的にイメージしやすい記載内容を心掛けましょう。
【民間と公務員の違い】民間転職の面接ポイント
書類選考を無事に通過すれば、次は面接対策へと移りましょう。
面接でも同様に民間と公務員の違いを前提において、自分の強みをしっかりとアピールすることが重要です。
なかには面接官が公務員に対して、マイナスイメージを持っていることもあるかもしれません。
先行した印象をぬぐいさり、自社で活躍できる人材とみてもらえるよう、面接では下記のポイントを意識してみてください。
- 転職理由をポジティブに伝える
- PDCAサイクルを回せる能力を強調
それぞれの項目について詳しく説明します。
転職理由をポジティブに伝える
福利厚生や雇用面で安定している公務員から民間企業へ転職する人の多くは、公務員の業務内容や職場環境が自分に合わないなどのネガティブな退職理由が多い傾向です。
面接では、正直に何でも話すほうが良いとは限りません。ネガティブな理由をそのまま述べるのではなく、ポジティブな言い方に置き換えられないか考えてみましょう。
前職で人間関係に不満を抱いていた場合には「貴社の社員を大切にする社風が気に入った」など、応募先企業を選んだ理由を強調するような話し方ができます。
スキルアップやキャリアアップができない環境に不満がある場合にも「幅広い分野で自分の持つスキルを伸ばしていきたい」など、ポジティブな表現を意識しましょう。
PDCAサイクルを回せる能力を強調
利益の追求が業務の目的とされている民間企業では、PDCAサイクルを回せる能力が高く評価されます。PDCAサイクルとは、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)を指し、マネジメントの品質を高めることが主な目的です。
売り上げの向上に至る計画や業務効率化、顧客やクライアントのニーズや課題への対応や調整などは、利益追求や業務拡大に必要とされています。そのため、PDCAサイクルを回せる人は、多くの企業にとって重宝する人材です。
公務員の場合、利益追求は考える必要はないケースが多いものの、担当部署によっては業務効率化や市民のニーズに答える対応力などが培われてきた人も多くいます。具体的なエピソードを簡潔に述べられるよう準備しておきましょう。
【民間と公務員の違い】面接で打ち出したい人柄
公務員から民間転職する面接でアピールしたいポイントとして、人柄があります。
公務員経験者のほとんどは、一般企業において未経験扱いになるでしょう。
そこで、狙いたいのが人柄を重視したポテンシャル枠。
人柄といっても民間と公務員によっても求める人物像は違います。
民間企業が欲しいと思うような人物像は下記の通りです。
- 企画やアイデアを世に発信したい
- 成果を出してモチベーション高く働きたい
自分の人物像に近いものを選び、面接でアピールしていきましょう。
企画やアイデアを世に発信したい
企画やアイデアを世に発信するというのは、民間企業だから実現できることかもしれません。
公務員の活動目的は公平なサービスの提供であり、利益の追求ではありません。
企画やアイデアを求められることがあっても、数々の上長の確認を経て実現できないという可能性も往々にしてあるでしょう。
その点、民間企業は利益という最終目標につながるのであれば、実行できる可能性は高くなります。
アイデアを出すことが好きな人や企画発案が好きな人は、民間企業の場合、のびのびと働けるでしょう。
成果を出してモチベーション高く働きたい
公務員とは異なり、民間ではどの職種においても企業貢献となる成果を求められます。
たとえば営業職ではノルマとして営業目標が掲げられていることも非常に多いです。
そして、多くの企業はそのノルマを達成した際にインセンティブなど給与に反映されます。
努力して結果を出せば、自分に見返りがある。
この循環がモチベーションとなり、働く上でのやりがいになる人もなかにはいるでしょう。
このような環境を求めている人は、民間企業向きだといえます。
人によってはプレッシャーを感じやすい環境が苦手という人もいるはずです。
その場合は、応募する職種は慎重に選びましょう。
【民間と公務員の違い】おすすめの民間転職先
公務員から民間企業への転職が比較的難しいとされていますが、転職先の選び方によっては転職をスムーズに行えることも。
民間と公務員では活動目的などが違ってきますが、民間であっても公務員と類似した業務をメインとする職場もあるのです。
そのような転職先を選んだ場合、経験者として選考が進んだり、企業側の採用ハードルが低くなったりすることもあります。
民間企業のおすすめ転職先は下記の通りです。
- 団体職員や特殊会社
- 資格が活かせる専門職
- 前職を活かした業界
おすすめする理由について、詳しくみていきましょう。
団体職員や特殊会社
公務員とさほどギャップが大きくない業種を選びたい場合は、団体職員や特殊会社を検討しましょう。団体職員とは、独立行政法人・国立および公立大学法人・NPO法人などを指します。
大抵の法人では、公務員同様利益追求が業務の主な目的ではないため、働く姿勢や考え方に馴染みがあり入社後も溶け込みやすいことがメリットです。
特殊会社とは、国営企業が民営化後民間企業になった企業を指します。よく知られている特殊会社は、NTT・JR・日本政策金融公庫などです。利益を追求する必要はあるものの、業務体系や働く姿勢が公務員にほど近い特徴があります。
採用担当者側も公務員に対するイメージが良い場合が多いため、ハードルが低い傾向です。
資格が活かせる専門職
専門的な資格を保有している場合は、資格を生かせる専門職への転職を検討できます。法務局での業務にあたっていた場合は、司法書士や行政書士が転職しやすい分野です。税務署の場合は、税理士や公認会計士などが向いている可能性があります。
教師として働いていたのであれば予備校講師や保育園などに、警察官であれば警備会社への転職を検討可能です。
資格を保有していなくても専門的業務に携わった経験があれば、転職前に資格取得を目指すことも考慮に入れられます。
自分の性格や経験に関して時間を取って整理し、的を絞った専門職を選んでみましょう。公務員からの転職もしやすく、幅広い分野での活躍や収入アップを期待できます。
前職を活かした業界
現在所属している職場環境を変えたいとの気持ちで公務員からの転職を検討しているのであれば、前職を生かした業界での転職を探してみましょう。
国家公務員だったのであれば、地方公務員へ応募するなどの転職方法です。他にも、別の地方自治体に応募したり、今とは異なる職種の公務員に応募したりできます。
大抵の場合、民間経験者採用枠または大卒程度一般採用枠への応募が必要です。応募する際は、年齢制限が設けられていないかに注意しましょう。
職種や職場環境が変わるとしても、同じ公務員のため、これまでの働き方や目標設定などがさほど変わらないことがメリットです。一般的に難しいとされている民間企業への転職リスクを避けられます。
【民間と公務員の違い】民間転職先別の業界や職種
公務員から民間企業への転職を成功させるには、自分にあった職種や業界を選ぶことも重要です。
面接でも自分の強みやスキルをアピールしていかなければなりませんが、職種や業界によってアピールすべきポイントは異なってきます。
公務員から民間転職する際におすすめの業界や職種は下記の通りです。
- 営業職
- 事務職
- コンサルティングファーム
- ベンチャー企業
ここからは、公務員からの転職におすすめの具体的な業界や職種を解説します。
自分の希望条件と照らし合わせながら検討してみましょう。
営業職
公務員としてさまざまな人との関わりを持った経験があれば、営業職がおすすめです。人との関わりが多ければ多いほど、相手の要望やニーズを聞いて理解する能力が培われていると考えられます。
営業職には持続力や体力も必要です。警察官や自衛官、海上保安官など体力メインで動いてきた方は営業職でも活躍できると考えられます。
加えて、ストレス耐性が高いことも大切です。営業職は、顧客からクレームを言われる機会が多かったり、営業件数が多くてもうまく契約できなかったりする機会が多くあります。
数々の問題に直面しつつも乗り越えてきた業務経験が多ければ、ストレス耐性が培われているケースが少なくありません。持ち前の体力や能力を営業職に生かしてみましょう。
事務職
公文書や会議資料を作成してきた経験があれば、事務職がおすすめです。マイクロソフトのWord・Excel・PowerPointや、Googleのドキュメント・スプレッドシートなどのパソコンスキルをアピールできます。
数字が得意で、ミスなく書類を作成できる人は、どの業界・業種でも重宝される人材です。会社の規模によっては、電話や窓口での対応も事務職の業務内容に含まれます。
公務員に対するイメージがプラスに働き、きちんとした書類作成や保管を期待されるケースも少なくありません。公務員から転職する際のハードルが低い傾向です。
ただし、事務職は女性や派遣社員が多い職種でもあります。職場環境が自分に合うかどうかを事前に企業調査しておきましょう。
コンサルティングファーム
企業が抱えている経営課題をさまざまな側面で解決および支援する職種のコンサルティングファームは、公務員で培った経験やスキルを発揮できる職種です。担当する企業の経営課題を見極め、リスト化し、解決に向けた支援を行います。
コンサルティングファームに必要なスキルは、情報収集・資料作成・記憶力・洞察力などです。与えられた業務を黙々とこなせる人や学習能力が高い人が向いています。
担当企業の経営をサポートする上で行政関係の知識が必要な場合は、国家公務員としての知識や経験を生かすチャンスです。双方の信頼関係を築き、満足いくサービス提供につながります。
ベンチャー企業
近年、独自の技術やサービスを生み出し、提供しているベンチャー企業が増加しています。中小規模の企業が多く、職種はIT系・テクノロジー系・不動産系などさまざまです。
大抵の企業では、経験よりも、熱意や柔軟性などのヒューマンスキルを持った人材を必要としています。未経験の分野にも進取の気性で取り組み、仕事にやりがいや達成感を求めている人に向いている業界です。
過去の仕事が公務員であれ、他の業界であれ、さほど重視されません。企業の利益や業務拡大に活躍してくれる人材とみなしてもらうことが重要です。
国の政策や制度に詳しい人や情報収集が苦にならない人も重宝されます。スキルアップやキャリアアップを目指している人は、ベンチャー企業への転職を検討してみましょう。
【民間と公務員の違い】転職を成功のための注意点
公務員から民間企業へ転職する際には、覚えておきたい注意点があります。
選考中は民間と公務員の違いを把握した上で、自分の強みをアピールしていくことがとても大事です。
しかし書類選考や面接選考を受ける前に、注意しておきたいポイントがあるのです。
その注意点としては、下記の通りです。
- 再就職規制に抵触しないか確認する
- 「できる」仕事を優先させる
- キャリアカウンセリングを活用する
自分の置かれている状況と照らし合わせてみましょう。
再就職規制に抵触しないか確認する
民間企業とは異なり、公務員は在職中に求職活動をする際にいくつかの規制があります。例えば国家公務員法には、再就職に関する規制や再就職情報の届出制度など、細かく規定されているため事前に確認しましょう。
中でも注意が必要なのは、現在就いている役職です。本性課長補佐級以上であれば、求職活動規制が適用されるため、利害関係がある民間企業への転職は禁止されています。そのため、転職先企業に関する徹底的な調査が必要です。
係長級以下であれば規制が少ないものの、全ての国家公務員は、在職中に内定を得た場合は規定日までに届出を行わなければなりません。違反した場合は、過料対象となるケースがあります。十分注意しましょう。
「できる」仕事を優先させる
公務員と民間企業の大きな違いは、利益の追求および業務拡大に対する姿勢です。大抵の企業では、自社の利益を向上させるために即戦力となる人材を募集しています。公務員に対するハードルが低く、熱意や意欲を重視して採用してくれる企業はなおさらです。
そのため、いくら経験やスキルを重視しないといっても、即戦力として活躍できない人材は採用を見送るケースが少なくありません。
自分がこの先やってみたい業務であっても、予備知識や基本的なビジネススキルがない場合は難しい可能性が高いことを覚えておきましょう。転職を成功させるためには、現時点のスキルや能力に見合った業界や業種を選ぶほうが無難です。
キャリアカウンセリングを活用する
自分なりに転職情報を収集したり、自己分析したりしてもなかなか不安が消えない場合があります。不安や心配が募る場合は、キャリアカウンセリングを活用しましょう。
これまでの公務員として働いてきた自分を正直に見つめ、持っている経験やスキルを的確に評価するためには、第三者の視点が役立つ場合も多くあります。
キャリアカウンセリングをしてくれるキャリアアドバイザーは、転職分野のプロフェッショナルです。数多くの企業情報を把握しており、さまざまな状況の転職希望者にアドバイスしてきた経験が豊富な人の意見は参考になります。気軽に相談してみましょう。
まとめ
どの業種業界においても、現在の職場環境や業務内容に満足できず、転職を考える人は後を立ちません。
それは、難関といわれる公務員試験に合格した場合でも同様です。
公務員から民間企業への転職を成功させるためには、民間と公務員の違いを踏まえた事前の準備が肝要です。
企業側が公務員出身者に対して抱く不安や心配など、難しい状況をある程度想定し、現時点での能力やスキルに合った転職先を探していきましょう。
興味がある業界や職種を見つけた際には、書類や面接といった選考対策をきちんと行った上で、選考にチャレンジしてくださいね。
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