
営業を辞めたいのは甘えではない!考えられる理由や対処法、転職成功のコツを紹介
はじめに
営業職を辞めたいと感じたとき「甘えなのでは?」と自分を責めてしまう人も少なくありません。しかし、営業の仕事は厳しいノルマや成果主義、対人ストレスなど精神的にも肉体的にも負担が大きい職種です。
そのため、辞めたいという気持ちは決して甘えではなく、自然な感情として捉えるべき場合もあります。
本記事では、営業職がつらいと感じる理由や「甘え」と思われる背景、辞めたいと感じる人の特徴、そして対処法や転職を成功させるコツについて詳しく解説します。営業を続けるべきか辞めるべきか悩んでいる人が、後悔のない判断を下せるようサポートする内容となっています。
【営業を辞めたいは甘え?】必ずしも「甘え」ではない
「営業を辞めたい」と思うのは決して甘えではありません。営業という仕事に対する向き不向きは誰にでもあるもので、合わない仕事を続けることはかえって心身の疲弊につながります。
むしろ、自分の心の声に正直になり、より自分に合った道を探すことは前向きな行動と言えるでしょう。とはいえ「甘え」と捉えられる理由もあるため、後述する内容を参考にしながらさまざまな視点で分析し、営業をやめるべきかじっくり考えましょう。
重要なのは、なぜ営業を辞めたいのかを明確にし、自分自身の適性や価値観を見つめ直すことです。
【営業を辞めたいは甘え?】営業職がきついと感じる要因
営業職は、厳しいノルマや顧客とのコミュニケーションなど、特有のストレスを抱えやすい仕事です。ここでは、なぜ営業職がきついと感じてしまうのか、主な要因を詳しく見ていきましょう。
1.厳しいノルマに追われる
営業職につきものなのが、厳しいノルマです。会社から与えられた売上目標や契約件数を達成するために、常に数字に追われる日々を送ることになります。目標を達成できれば評価されますが、未達成の場合は上司からのプレッシャーや社内での居心地の悪さを感じることもあります。
特に、目標達成へのプレッシャーが過度になると、精神的な負担が大きくなり、業務に対するモチベーションを維持することが難しくなるでしょう。常に「ノルマ」という言葉が頭から離れず、精神的に疲弊してしまう人も少なくありません。
2.成果主義であることが多い
営業の世界は、成果主義であることが一般的です。年齢や社歴に関係なくキャリアアップできる可能性もありますが、常に結果を求められるプレッシャーも大きくなります。
営業成績は社内で公表されることもあり、自分の能力が明確に評価されるため、結果を出せない場合は周囲から能力がないと見なされてしまうことがあります。
成果が出せないと、上司から叱責されることもあり、ストレスを感じやすい環境と言えるでしょう。結果がすべてという価値観に疲弊してしまう人も少なくありません。
3.人との関わりが多く疲れる
営業職は、社内外問わず多くの人と関わる仕事です。顧客との折衝はもちろん、社内でもチームメンバーや他部署との連携が不可欠です。さまざまな立場の人と関わる中で、人間関係に疲れてしまう人も少なくありません。
顧客との信頼関係を築くことは重要ですが、多くの人と関わる中で精神的なエネルギーを消耗してしまうこともあるでしょう。コミュニケーションが得意ではない人にとっては、特に負担を感じやすいかもしれません。
4.飛び込み営業やテレアポがきつい
多くの営業職が経験するであろう飛び込み営業やテレアポは、精神的な負担が大きい業務のひとつです。見ず知らずの人に自社の商品やサービスを売り込むことは、非常にストレスがかかります。
特に、顧客から冷たくあしらわれたり、厳しい言葉を浴びせられたりすると、精神的に疲弊してしまうでしょう。顧客の反応を直接受けながらの営業活動は、精神的なタフさが求められます。
5.自分の会社の商品に自信が持てない
自社の商品やサービスに魅力を感じていない場合、顧客に自信を持って勧められないという悩みを抱えることがあります。営業担当者が商品の価値を理解していないと、顧客に魅力を伝えることは難しいでしょう。
自分が興味のないものや価値を感じられないものを売ることに、罪悪感を覚えてしまう人もいるかもしれません。顧客に「買ってください」とお願いする立場であること自体に、ストレスを感じる場合もあるでしょう
6.根性論を言われる
営業の世界では「気合で乗り切る」といった根性論を押し付けられることがあります。精神論だけでは解決できない問題があるにもかかわらず、具体的な解決策を示してもらえない環境に不満を感じる人もいるでしょう。
また、競争意識が低い人にとっては、体育会系の雰囲気についていけない場合もあるかもしれません。根性論を強要される環境は、精神的なストレスを増大させる要因のひとつとなるでしょう。
【営業を辞めたいは甘え?】甘えと思われる理由
なぜ営業職を辞めたいことが「甘え」と思われるのか、理由を知っておくことは今後のキャリアを考えるうえで重要です。ここでは、営業職を辞めることが「甘え」と捉えられてしまう背景にある理由を具体的に見ていきましょう。
楽な仕事をしたい
「もっと楽な仕事がしたい」という理由で営業職を辞めたい場合、甘えと捉えられてしまう可能性があります。営業職は、ノルマ達成のためのプレッシャーや顧客との折衝、新規開拓など、精神的にも体力的にも負担が大きい仕事です。そのため「大変なことから逃げたいだけなのでは?」と周囲に思われてしまうことがあります。
しかし、すべての人が同じように大変な仕事を好むわけではありません。もし「楽をしたい」という気持ちの根底に「今の仕事は自分に合わない」という思いがあるのなら、甘えとは言い切れません。
本当に重要なのは、なぜ今の仕事がつらいのか、自分はどんな仕事なら楽しく取り組めるのかを、自己分析することです。ただ、安易に「楽な仕事」を求めて転職を繰り返すと、満足のいく仕事に巡り合うことは難しいでしょう。
成績が上がらない
「営業成績が上がらない」ことを理由に辞めたい場合、努力不足と捉えられ甘えだと思われることがあります。営業は、結果が数字として明確に表れるため、結果が出せないと自己肯定感が低くなりやすい仕事です。
しかし、営業を始めて間もないころは、誰もが成果を上げられない時期を経験します。重要なのは、以下の視点から結果が出ない原因を分析し、改善策を試みることです。
- 営業方法が顧客のニーズに合っていない
- 商品知識が不足している
- コミュニケーションがうまくいっていない
結果が出ない要因・課題に向き合わず、安易に「向いていない」と決めつけて辞めてしまうのは成長の機会を逃すことになりかねません。ただし、工夫を重ねても結果が出ない場合は適性の問題である可能性もあるため、自分自身と向き合う必要があるでしょう。
向いていない
「営業という仕事に向いていない気がする」という理由で辞めたい場合も「甘え」と捉えられてしまうことがあります。営業職には、コミュニケーション能力や計画性、積極性など、さまざまな能力が求められます。そのため「能力が不足しているから逃げ出したいだけ」と周囲から思われることがあるでしょう。
しかし「向いていない」と感じることは、自分の適性を見つめ直す良い機会でもあります。もし、営業職が合わないと感じるなら「自分には別の才能がある」というサインかもしれません。
重要なのは、自分の強みや興味関心を生かせる仕事を探すことです。また、営業職にもさまざまな種類があります。今の営業スタイルが合わないだけで、他の営業スタイルなら活躍できるかもしれません。
単に「営業」という仕事のイメージだけで判断せず、自己分析を深め、本当に「向いていない」のかを慎重に見極めることが大切です。
【営業を辞めたいは甘え?】営業職を辞めたいと感じる人の特徴16選
営業職には向き不向きがあり、特性によっては大きなストレスを感じてしまうこともあります。ここでは、営業職を辞めたいと感じやすい人の特徴を16個にまとめました。
1.人とコミュニケーションをとるのが苦手
営業職は、顧客との信頼関係を築く上で、高いコミュニケーション能力が求められます。人と接すること自体が苦手な場合、顧客との会話や交渉がストレスとなり、業務を遂行するのが困難に感じるかもしれません。
また、社内での情報共有や連携もスムーズに行えなくなる可能性があります。営業職は他の職種と比べて人と直接関わる機会が多いため、コミュニケーションが苦手な人には不向きな仕事と言えるでしょう。
2.計画通りに行動するのが苦手
営業職は、日々のスケジュール管理能力が重要です。顧客訪問や会議、事務作業など、複数の業務を同時進行する必要があるため、計画的に行動することが求められます。
スケジュール管理が苦手な場合は業務が滞ってしまい、成果を出すことが難しくなるでしょう。計画性のない行動は、顧客からの信頼を損なう可能性もあります。
3.自己肯定感が低い
営業職は成果が数字で明確に評価されるため、自己肯定感が低いと結果が出ないときに自信を失いやすいでしょう。自己肯定感が低いと、顧客との交渉やプレゼンテーションで萎縮してしまい、本来の力を発揮できないことがあります。
また、一度失敗するとなかなか立ち直れず、負のループに陥りやすいでしょう。反対に、売れている営業パーソンは、自己肯定感が高い傾向にあります。
4.初めて会う人に緊張してしまう
営業職は新規顧客の開拓のために、初対面の人と接する機会が多い仕事です。初めて会う人に緊張しやすい場合、顧客との関係を築くうえで大きな障壁となるでしょう。
顧客との信頼関係を築くためには、リラックスして自然に会話をする必要があります。しかし、緊張してしまうとうまくコミュニケーションをとることが難しくなります。
5.落ち込みやすい
営業職は、顧客から断られたり、上司から叱責されたりすることが日常的にあります。そのため、些細なことで落ち込んでしまう性格の人は、営業職には向いていないかもしれません。
営業職は、常に前向きな気持ちで仕事に取り組むことが求められます。落ち込みやすい人は、ストレスを溜めやすく、心身の健康を害する恐れもあります。
6.連絡をこまめにとることが苦手
営業職において、顧客との信頼関係は非常に重要です。そのため、顧客からの問い合わせに素早く対応し、こまめに連絡を取ることが求められます。
連絡を疎かにしてしまうと顧客からの信頼を失い、ビジネスチャンスを逃す可能性があります。顧客からの信頼を得るためには、常に迅速かつ丁寧な対応を心がけなければなりません。
7.身だしなみに無頓着
営業職は顧客と直接会う仕事であるため、身だしなみが重要です。清潔感のない格好をしていると顧客からの印象が悪くなり、商談がうまくいかない可能性があります。
第一印象は、商談後の関係構築にも大きく影響します。顧客に安心感と信頼感を与えるためにも、身だしなみに気を配る必要があります。
8.感謝と謝罪ができない
営業職は顧客との関係を良好に保つため、感謝の気持ちを伝えたり、過失があれば素直に謝罪したりすることが大切です。
感謝や謝罪を怠ると顧客からの信頼を損ない、関係が悪化する可能性があります。顧客との長期的な関係を築くためには、誠実な対応が不可欠です。
9.プレッシャーに弱い
毎月のノルマや目標が設定されていることが多く、常にプレッシャーを感じながら仕事をしなければならないのも営業職の特徴です。
プレッシャーに弱いと結果を出すことが難しく、ストレスを溜め込んでしまうでしょう。プレッシャーを力に変えて、前向きに仕事に取り組める人が営業職には向いています。
10.数字を追う成果主義に抵抗がある
成果が数字で評価される成果主義の営業職において、数字を追うことに抵抗がある人は不向きと言えるでしょう。
常に目標達成を意識し、数字にコミットできる人でなければ、営業職で成果を出すのは困難です。
11.野心や向上心がない
営業職で成功するためには、常に上を目指す野心や向上心が不可欠です。営業成績を向上させるために、新しい知識やスキルを積極的に学ぶ必要があります。
現状維持で満足してしまう人は、営業職での成長が難しいでしょう。常に自己成長を意識し、高みを目指せる人が、営業職に向いています。
12.マニュアルに沿った仕事がしたい
営業職は、顧客の状況やニーズに合わせて、臨機応変に対応することが求められます。
マニュアル通りの対応しかできない場合、顧客からの信頼を得ることは難しいでしょう。状況に応じて、柔軟に対応できる力が必要です。
13.ルーティーンワークを好む
毎日同じことの繰り返しではなく、常に新しい変化に対応していく必要があるのも営業職の特徴です。
顧客の状況や市場の動向、新製品のリリースなど、常に変化する環境に対応することが求められます。ルーティーンワークを好む人は、営業職の仕事にストレスを感じてしまうかもしれません。
14.体力に自信がない
営業職は、顧客先への訪問や出張などで体力を使う場面が多い仕事です。特に、外回りの営業は、長時間移動や立ちっぱなしの業務が多く、体力が必要です。
体力に自信がない場合、日々の業務をこなすだけで疲弊してしまう可能性があります。
15.結果重視な環境が合わない
結果がすべてという、厳しい環境の職場もあるでしょう。プロセスが重視されない職場では、どんなに努力しても結果が出なければ評価されません。
結果を出すために、効率的な行動を求められます。プロセスよりも結果を重視する環境にストレスを感じる人は、営業職には向いていないかもしれません。
16.断られるとすぐに引き下がってしまう
営業職は、顧客から断られることが日常茶飯事です。断られたからといって、すぐに諦めてしまうようでは、営業職として成果を出すことは難しいでしょう。
粘り強く顧客にアプローチし続ける精神力が求められます。
【営業を辞めたいは甘え?】対処法10選
ここでは、営業職を辞めたいと感じたときに試せる10個の対処法を紹介します。今の状況を打破し、より良いキャリアを築いていくための参考情報としてお役立てください。
1.自分の良くない点を分析する
営業職を辞めたいと感じる大きな理由のひとつに「思うように成果が出せない」という悩みがあるでしょう。まずは、自分自身の営業スタイルを客観的に見つめ直し、改善点を見つけることから始めてください。
顧客の視点に立って考え「何がうまくいっていないのか」「どこを改善すべきか」分析することで、具体的な対策が見えてくるはずです。
2.自分の強みを見つめ直す
過去の経験から培ってきた自分の強みを改めて認識し、今の仕事にどう活かされているのかを考えましょう。強みを営業職でどう活かせるのかを検討することで、新たな視点が見えてくるかもしれません。
自分の強みを理解し、活かすことで仕事へのモチベーションを高めることにもつながります。
3.営業成績の良い人を参考にする
自分の営業方法を改善するために、営業成績の良い人を参考にするのは非常に有効な手段です。特に、年齢や社歴が近い先輩に話を聞いてみるのが良いでしょう。
先輩社員も、かつては同じような悩みを抱えていた可能性があります。具体的な営業方法や考え方を学ぶことで、自分の課題を克服するヒントが得られるはずです。
4.取り扱う商材の理解を深める
自分が取り扱っている商品やサービスに自信や価値を感じていないと、顧客に勧める際に説得力が欠けてしまうでしょう。商品やサービスの良い点だけでなく、デメリットや注意点も理解することで、自信を持って顧客に提案できるようになります。
自社サービスに関する知識をより深めることは、顧客からの信頼を得るうえでも重要です。
5.仕事仲間と営業トークの練習をする
一人で悩んでいても、なかなか解決策が見つからないこともあります。同僚や先輩などと営業トークの練習をすることで、自分の課題や改善点を客観的に見つけられるでしょう。
ロールプレイングを通して顧客とのコミュニケーションスキルを磨くことで、よりスムーズな営業活動ができるようになります。
6.顧客との信頼関係を築く努力をする
営業職で成果を出すためには、顧客との信頼関係が不可欠です。顧客の話を丁寧に聞き、ニーズを把握することから始めましょう。
そして、誠実な対応を心がけ、顧客の信頼を勝ち取ることが大切です。信頼関係が構築できれば、顧客は「あなたから買いたい」と思うようになるでしょう。
7.失敗して当たり前と考える
営業の仕事では、失敗はつきものです。小さなミスや契約が取れないことなどで落ち込んでしまうのではなく「失敗は成長の糧」と捉え、前向きに仕事に取り組むことが大切です。
失敗を恐れず、積極的に行動することで、成功への道が開けるかもしれません。
8.自分で小さい目標を立てる
大きな目標を達成するためには、小さな目標を立ててひとつずつクリアしていくことが重要です。たとえば「1日に〇件電話をかける」「〇〇の資料を完成させる」など、達成可能な目標を設定しましょう。
小さな目標を達成するたびに、達成感を得ながらモチベーションを維持できます。
9.営業職で仕事を行うメリットを明確にする
営業職を続けることで、自分の将来にどのようなメリットがあるのか具体的に考えてみましょう。営業で培ったコミュニケーション能力や交渉力は、他の職種でも必ず役に立ちます。
また、目標達成能力や精神的なタフさは、人生においても大きな強みとなるでしょう。
10.キャリアプランを立てる
今の仕事が、自分のキャリアプランにどのようにつながっているのかを考えてみましょう。長期的な視点でキャリアプランを立てることで、今の仕事に対するモチベーションを高く保ち続けられます。
将来の目標が明確になれば、目の前の仕事に対する取り組み方も変わるはずです。
【営業を辞めたいは甘え?】3つの判断基準
営業職を辞めたいと感じているとき「このまま辞めるのは甘えなのだろうか?」「続けるべきなのだろうか?」を考えるでしょう。ここでは、営業職を辞めるか続けるべきか、3つの判断基準について解説します。
自身の価値観にマッチした仕事か
仕事を選ぶうえで、自分の価値観と仕事内容が合っているかは非常に重要です。もし、「仕事に求めるものは何か」「人生で大切にしていることは何か」が明確になっていない場合はまず自問自答し、書き出してみましょう。
営業の仕事は「売りたい何かがあり、買ってもらいたい」という考えが根底にあります。もし「そもそもモノを売り込む行為自体が好きではない」と感じるなら、個人の価値観の問題であり決して甘えではありません。
自分の価値観に合わない仕事を続けているとストレスが溜まりやすく、最終的にはメンタル不調に陥る可能性もあります。自身の価値観と照らし合わせて、今の仕事が本当に自分に合っているのかを改めて考えてみましょう。
努力が成果につながっているか
営業職を続けるかどうかの重要な判断基準として、仕事で成果を出せていることも重視してみましょう。
営業職では、売上や契約件数などの具体的な成果が求められます。もし努力が成果につながっている場合は営業職に合っている可能性が高く、今の職場で特別な問題がない限りは、営業職を続けても良いでしょう。
しかし、どれだけ努力しても成果が出ない場合、営業職が向いていない可能性も考えられます。まずは自分が何にストレスを感じているのかを明確にすることが重要です。
そして、ストレスの原因が営業という仕事自体にあるのか、それとも他の要因によるものなのか見極める必要があるでしょう。
仕事にやりがいを感じられているか
営業職を続けるうえで、ワーク・エンゲージメント(仕事にやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ている状態)が高いかどうかも重要な判断基準となります。ワーク・エンゲージメントが高い状態であれば仕事に対してポジティブな感情を持ちやすく、ストレスを感じにくいでしょう。
しかし、ワーク・エンゲージメントが低いと仕事がストレスの原因となり、営業職を続けることが辛く感じるかもしれません。もし今の仕事にやりがいやモチベーションを感じられないのであれば、他の職種への転職も視野に入れてみましょう。
【営業を辞めたいは甘え?】環境を変えるのもおすすめ
ここでは、営業職を辞めたくなったときに参考となる、環境を変えるための3つの選択肢を提示します。
別ジャンルの営業職に就く
「営業の仕事は嫌いではないが、今の業界や商材に魅力を感じない」という場合は、別ジャンルの営業職への転職を検討するのも良いでしょう。営業職と一言で言っても、業界や商材、営業スタイルによって仕事内容や求められるスキルは大きく異なります。
テレアポや飛び込み営業がつらいと感じているなら、ルート営業やインサイドセールスなど、顧客との関係性を重視する営業スタイルを選ぶと良いでしょう。また、メーカーの営業から不動産の営業、保険の営業から商社の営業など、業界を変えるだけでも新たな発見があるかもしれません。
まずは、今の仕事で何がストレスになっているのかを明確にし、自分に合った営業スタイルを見つけてみましょう。
違う業界に転職する
「どうしても営業という仕事自体が合わない」と感じるなら、思い切って違う業界に転職するのも選択肢です。営業職で培ったコミュニケーション能力や課題解決能力は、他の職種でも十分に活かせます。
たとえばWeb業界の仕事は、営業とは異なる働き方が実現できるだけでなく、未経験からでも比較的短期間で活躍できる可能性があります。また、Webライターやブロガーなど在宅でできる仕事も多く、副業から始められるのも魅力です。
営業の経験を活かしつつ新たな分野に挑戦することで、自分の可能性を広げていきましょう。ただし、未経験の職種に転職する場合は年収が下がる可能性もあるため、事前にしっかりと情報収集を行いましょう。
部署異動を会社に相談する
もし、今の会社で営業職以外の仕事に就きたい場合は、部署異動を会社に相談することも検討してみましょう。
たとえば、営業アシスタントは営業職のサポートをする仕事で、コミュニケーション範囲が社内に限定されるため、ストレスを軽減できる可能性があります。また、事務系の職種は残業が少ない傾向にあるため、ワークライフバランスを重視する方にもおすすめです。
社内異動は、今の会社で働きながら環境を変えられるため、転職に不安を感じる人にとっても有効な手段と言えるでしょう。ただし、社内異動が必ず受理されるとは限らないため、事前に上司とよく相談することが大切です。
【営業を辞めたいは甘え?】営業経験者におすすめの職種5選
営業職を辞めたいと感じている人の中には、「せっかくこれまで営業をやってきたのに、辞めるのはもったいないのではないか」と考える方もいるかもしれません。ここでは、営業経験を活かせる5つの職種を紹介します。
1.コンサルタント
コンサルタントは、顧客の課題を解決するための解決策を提案する仕事です。一般的な営業が自社の商品やサービスを売るのに対し、コンサルタントは多様な提案で顧客の課題解決を目指すため、自社サービスに固執する必要がない点が特徴です。
営業で培ったヒアリング能力や課題解決能力を活かしながら、より専門的な知識やスキルを身につけたい人に適しています。また、担当する顧客数が少ないため、一社と深く向き合いたい人にも向いているでしょう。
2.販売職
販売職は、顧客に対して商品を販売する仕事です。営業職と似ていますが、営業が商品の売り込みを通じて顧客の購買意欲を高めるのに対し、販売は既存顧客に対して商品やサービスを提供するという違いがあります。
営業職の経験をそのまま活かしやすく、顧客とのコミュニケーションを通して顧客満足度を高めることに重点を置きたい人におすすめです。また、販売職は商品販売後の顧客サポートまで行うため、顧客との長期的な関係性を築きたいと考える人にも適しています。
3.事務職
事務職は、主に書類作成やデータ入力などの事務作業を行う仕事です。営業職で培ったコミュニケーションスキルを活かしやすく、営業事務のように営業職をサポートする事務職もあります。
また、事務職は数字を扱うことが多いため、数字に強い人にも向いています。コツコツと業務に取り組むことが得意な人や正確性や効率性を重視する人にとって、事務職は安定したキャリアを築ける選択肢となるでしょう。
4.ITエンジニア
ITエンジニアは専門的なスキルを必要とするため、手に職をつけたい方におすすめの職種です。知識やスキルを身につけることで、確実にキャリアを積み重ねられます。
プログラマーやシステムエンジニアだけでなく、セールスエンジニアのように顧客対応を中心に行う職種もあるため、営業職としてのスキルも活かせます。技術に興味があり、論理的な思考が得意な人にとって、ITエンジニアは将来性のあるキャリアパスとなるでしょう。
5.マーケティング・企画職
マーケティング・企画職は、市場調査やデータ分析を行い、企業の売上向上を目指す仕事です。営業職で培った顧客理解や、市場分析のスキルを活かせます。
数字に基づいた分析や戦略立案に興味がある、自ら企画を立案し実行したいと考える人におすすめです。論理的な思考力や情報収集能力を活かし、企業の成長に貢献したいと考える人にとっても、マーケティング・企画職はやりがいのある仕事となるでしょう。
【営業を辞めたいは甘え?】転職を成功させる4つのコツ
営業職からの転職を成功させるためには、事前の準備と正しい知識が不可欠です。ここでは、転職活動を成功に導くためのコツを4つ紹介します。
1.転職エージェントを活用する
転職活動を効率的に進めるためには、転職エージェントの活用が非常に有効です。転職エージェントは非公開の求人を紹介してくれるだけでなく、応募書類の添削や面接対策など、転職活動全般にわたるサポートを提供してくれます。
また、キャリアアドバイザーが希望やスキルに合った企業を紹介してくれるため、自分一人で転職活動を行うよりもより多くの選択肢を発見できます。さらに、面接日程の調整や給与交渉などの事務的な手続きを代行してくれるため、現職で忙しい方でもスムーズに転職活動を進めることが可能です。
さらに、複数の転職エージェントに登録し、それぞれの強みや特徴を比較検討することで、より自分に合ったサポートを受けられるでしょう。
2.志望動機と転職理由を考える
転職活動では、必ずと言っていいほど志望動機と転職理由について質問されます。そのため、明確かつポジティブな回答を用意しておくことが重要です。
「営業の仕事がつらかったから」といったネガティブな理由をそのまま伝えてしまうと、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
- なぜ転職したいのか?
- なぜその会社で働きたいのか?
上記を明確に伝えられるように自己分析をしっかりと行い、ポジティブな言葉で表現するように心がけましょう。また、営業で培ったコミュニケーション能力や課題解決能力を、転職先でどのように活かせるかを具体的に伝えることも重要です。
3.自分に合う職種をしっかりと考える
転職活動を始める前に、自分に合った職種をしっかりと考えることも重要です。営業職を辞めたいからといって「営業以外の仕事なら何でも良い」と考えてしまうと、転職活動が長期化してしまったり、転職後にミスマッチを感じてしまう可能性があります。
自分の強みや興味関心、キャリアプランを考慮し、どのような職種であればやりがいを持って働けるか慎重に検討しましょう。
4.営業をなぜ辞めたいか明確にする
転職を成功させるためには、なぜ営業を辞めたいのか?を明確にすることが不可欠です。「ただつらいから辞めたい」という曖昧な理由のまま転職活動を始めてしまうと、転職先でも同じような不満を抱えてしまう可能性があります。
できるだけ具体的な理由を洗い出すことで、自分に合った職種や働き方を見つけやすくなるでしょう。
【営業を辞めたいは甘え?】後悔しないための心構えと行動
ここでは、後悔のない決断をするために、「なぜ辞めたいのか?」を深掘りし、具体的な行動に移すための心構えを紹介します。
なぜ辞めたいか書き起こす
まず、なぜ営業職を辞めたいのか、理由を具体的に書き出すことから始めましょう。漠然とした不満を抱えたままでは、転職しても同じような悩みを繰り返してしまう可能性があります。
- ノルマのプレッシャーがきつい
- テレアポや飛び込み営業が苦痛
- 成果主義の評価にストレスを感じる
- 顧客からの厳しい言葉に耐えられない
- 業務量と報酬が見合わない
- 人間関係に疲れてしまった
- そもそも営業という仕事自体が好きではない
具体的な理由を書き出すことで、自分が本当に求めているものが見えてきます。何がストレスになっているのかを明確にすれば同じ失敗を繰り返すことなく、希望に合った転職がしやすくなります。
具体的なイメージができるよう計画する
「辞めたい」理由が明確になったら、次のステップとして具体的な計画を立てましょう。ただ「辞めたい」と考えるだけでなく「辞めたらどうしたいのか?」「どんな働き方をしたいのか?」を具体的にイメージすることが重要です。
転職を希望する場合 | フリーランスとして独立を希望する場合 |
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イメージを明確にすることで転職活動の軸が定まり、ミスマッチを防止できます。また、目標が明確になれば、モチベーションを高く保ちながら行動できるでしょう。
行動することも忘れない
計画を立てたら、実際に行動に移すことも重要です。転職エージェントに登録して、専門家のアドバイスを受けながら求人を探したり、興味のある分野のスクールでスキルアップを目指したりするのも良いでしょう。
転職エージェントを活用するメリットは、以下のとおりです。
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 応募書類の添削や面接対策をしてもらえる
- 企業との交渉を代行してもらえる
- 転職活動のスケジュール管理をサポートしてもらえる
また、営業職の経験は、他の職種でも活かせるスキルが多くあります。
- コミュニケーション能力
- 課題解決能力
- 交渉力
- 顧客理解
上記は営業職だけでなく、さまざまな職種で役立つでしょう。自己分析ツールや適職診断も活用し、自分に合ったキャリアを見つけてください。
新しい仕事をしっかり楽しむ
転職や独立が成功したら、新しい環境での仕事を心から楽しみましょう。「営業を辞めてよかった」と思えるためには新しい仕事にやりがいを感じ、充実した日々を送ることが大切です。加えて、以下もしっかり意識してください。
- 新しい知識やスキルを積極的に学ぶ
- 新しい人間関係を築く
- 自分のペースで仕事を進める
- 困難に立ち向かうことを恐れない
新しい仕事を楽しむことは、自己成長のチャンスにもつながります。過去の経験を活かしながら、新しい自分を発見していきましょう。そして、どんな仕事も「楽」なものはないということを理解し、現状でできる限りの努力を続けることが重要です。
まとめ
本記事では、営業職を辞めたくなる理由や背景を整理し、対処法や転職を成功させるためのポイントをお伝えしました。
営業職を辞めたいという気持ちは、必ずしも甘えではありません。
辞めるかどうか迷った際には自分自身の価値観や適性を冷静に見つめ直し、必要に応じて環境を変える選択肢を検討することが大切です。
また、転職を決断する際は具体的な目標や計画を立て、行動に移すことが成功への近道となります。営業職での経験は新たなキャリアでも必ず活きる財産です。後悔のない選択をするために、自分らしい働き方を見つけ、次の一歩を踏み出してみましょう。
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