面接で聞かれる転職の軸とは?転職軸の作り方と回答例文を紹介
転職活動中の方の多くは、面接などで「転職の軸」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
転職の軸は、自分が何を優先して転職先を決定するかの指標であり、面接でも転職の軸を質問されることがあります。
面接で具体的な回答ができるよう、転職先に何を求めているのかを整理し、明確に言語化できるようにしておく必要があります。
この記事では、転職の軸について網羅的に解説しつつ、面接で役に立つ転職軸の考え方や回答例についても紹介します。
面接にのぞむ前の対策の一環として、参考に活用してください。
【面接での転職の軸】面接で聞かれる転職軸とは何か?
転職の軸を簡単にお伝えすると、転職先の企業にのぞむ待遇や働き方を指します。
転職先選びにおいて何を優先したいのか、決定打を出すためのものです。
転職をする上で譲れない条件や、転職で絶対に叶えたい望みとなります。
主な例を挙げると、仕事の職種や業界、収入、休日の日数、勤務地などです。
これらの条件の中で優先順位が最も高い要素が転職の軸になるので、企業選びや志望動機作成においても一貫性を持たせられます。
仮に転職の軸を決めずに転職活動を進めた場合、明確な志望動機を作れないばかりか条件を満たす企業を見つけることができません。
転職が失敗してしまったという結果になるので、あらかじめ決めておくことの重要性はとても高いのです。
【面接での転職の軸】面接で転職軸が聞かれる理由
面接で転職の軸を質問される主な理由は、以下の2つです。
・ミスマッチを防ぐため
・長期的に勤務できるか見極めるため
面接の場は、いわゆる企業と人のお見合いの場でもあります。
お互いに働きやすく相性が良い相手を確認しているため、応募者に対して転職の軸という本質的な部分を引き出そうとしているのです。
ミスマッチを防ぐため
転職での面接において、転職の軸を重要視する面接官は多数います。
その理由は、採用後の人材ミスマッチは企業側としても防ぎたいためです。
企業が採用活動をするとき、求人広告費や人材紹介手数料などで莫大なコストを要します。
そのため、企業が採用活動で目指すのは、1回の採用活動で望み通りの人材を獲得することです。
面接官が転職の軸を知ろうとするのはこうした理由があってのことですから、質問をされたらきちんと明確に答えられるようにしましょう。
長期的に勤務できるか見極めるため
企業が中途採用活動を行う際、長期的に勤務できる人材であることも採用判断基準にしています。
ミスマッチが起こって早期離職されないよう、転職の軸を質問することで長期勤務可能な人材を見極めているのです。
この点は転職する側としても重要なポイントです。
自分が持つ転職の軸と合わない企業に入社したとしても、仕事上のストレスが余分に増えるだけで長続きしません。
むしろ、軸が合わない企業からは不採用通知をもらった方が、相性の良い企業に入社できる確率が高まるでしょう。
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【面接での転職の軸】面接官が転職軸を質問する際に見ていること
面接官が転職の軸を質問する際、主にこれから紹介するポイントに注目しながら回答を聞いています。
面接で転職の軸を聞かれることを想定して回答を用意するなら、面接官が着目することにも明確な意思を示すようにしましょう。
企業にマッチする人材かどうか、面接官が判断しやすくなるため、転職におけるミスマッチを未然に防ぐことにもつながるようになります。
入社意欲は高いか
自社にマッチして長期的な勤務ができるか見極めるために、面接で応募者の入社意欲の高さを測っています。
また、求職者にとっても面接は入社意欲や熱意を示す絶好のチャンスです。
転職の軸を明確にさせておくことで入社に対する強い思いを伝えられるので、面接官の心象を良くさせられます。
また、転職の軸が明確なら入社後のキャリアプランも明確になるので、ライバルである他の候補者に差をつけて選考活動を一歩リードできます。
企業選びに対してどれだけ真剣に取り組んでいるかを示すことも、入社意欲の高さを表す重要なポイントです。
入社してやりたいことがはっきりしていればいるほど、その企業で無ければならない理由にもつながりますから、その大本となる転職の軸はとても重要なポイントとなります。
価値観が合うか
転職の軸から見えてくることは、単純に求めている待遇や働き方だけではありません。
その人が仕事に対して感じている価値も見えてくるのです。
そのため面接官は、面接であらかじめ転職の軸を聞いておくことで、応募者と企業の価値観が合っているかを確認しようとします。
企業との価値観が合っていれば、仕事に対する考え方で衝突するようなことも未然に防ぐことができます。
働く側も長く勤めることを苦に感じないでしょう。
長期的かつ効率良く仕事を進めることもできるため、企業としてはできるだけ価値観が合う人材を求めようとします。
面接官は応募者の転職の軸を知ることで、どういった価値観で企業選びをしているかを見ようとするので、転職の軸の返答では応募先企業の理念に沿うような考え方を示して、価値観の一致をアピールしましょう。
長く活躍してくれる人材か
転職の軸を聞くことでキャリアプランが見えてくるため、長期的に勤務してくれる人材かどうかも見ています。
企業が求めている人材は、不足している職種や力を入れている業種によってさまざまです。
しかし、どの企業でも共通して欲しているのは長く勤めてくれる人材です。
反対に、早期離職してしまいそうな人材を採用することは避けたいと考えています。
早期離職は転職の軸と条件のミスマッチによって起こることが多いので、これを防ぐためには面接の段階で転職の軸を確認しておくことが重要です。
そのために面接官は、長続きするかどうかを確かめようとします。
ポイントとしては、実現させたいことのために挫折を乗り越えられるかどうかです。
軸が明確であることは、困難な状況を乗り越えられる人材としての指標となりますから、入社後に実現させたいことを達成させるまでは諦めないという決意を見せましょう。
【面接での転職の軸】転職活動で転職軸を決めておくメリット
転職の軸を決めておくことがどのようにしてプラスに作用するかを、あらためて整理しておきましょう。
あらかじめ転職の軸を決めておくことのメリットを知っておけば、その重要性がより深く理解できるようになります。
望み通りの条件を提示する企業を見つけ、選考を通過することにもつながりますから、最高の結果で転職を終わらせるためにも覚えておきましょう。
会社選びの基準ができるので就活が楽になる
求人情報を閲覧すると、数多くの企業が中途採用での人材を求めています。
そういった企業の中から複数の候補に絞り込むために重要になるのが、転職の軸です。
転職の軸に沿って企業を選ぶようになると、応募すべき企業の絞り込みが簡単に進められるようになります。
転職の軸としては、職種や給与額、休日の設定や勤務地、転勤の有無などの就労条件も軸を定めるための要素です。
また、入社後に実現させたいことや進みたいキャリアプランなど、募集条件以外の情報で、合うかどうか判断することになるポイントも存在します。
そうした要件を組み合わせて検索し、全てに合致する企業を転職先の候補として定めることで、効率的な企業の絞り込みが可能です。
書類選考や面接の対策がしやすくなる
転職の軸は、そのまま応募先企業に示す転職理由や志望動機の土台として機能するので、きちんと言語化しておくことで、書類の作成が楽になります。
また、全体を通して強い一貫性を示すことにも寄与するので、転職の軸を中心とした自らの決意を強く訴えることが可能です。
転職活動においては、意外と転職理由や志望動機を明確にできない人も多く、その点を面接官に聞かれても答えることができていません。
そのような人は仕事への熱意が足りないと見なされることもある他、企業の方針や風土と合うかどうかの判断もしにくいです。
選考の通過が難しくなってしまうので、軸があやふやな状態での転職活動は避けるようにしましょう。
【実際に転職軸を決めてみよう】
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【面接での転職の軸】面接で役立つ転職軸の作り方
転職したい、明確で前向きな理由がある人ならば、転職の軸を言語化することは難しくありません。
しかしながら、前職への不満が現職理由の多くを占めるような人であれば、新たに転職活動で有効活用できる転職軸を作り出す必要があります。
転職の軸を定めるのは、実はそれほど難しくありません。
転職を志している人なら誰でも必要となる手順を踏むだけです。
転職理由を書いて整理する
転職の軸を定めるために、まずは転職したいと思った理由を書けるだけ書き出しましょう。
このときはネガティブな感情が多くを占めるような理由でも構いません。
転職したいと思うに至った感情や、その原因を全て書き出してみてください。
このときのポイントは、今の職場に対する不満や自分の問題点と、転職をして叶えたいことの両面から書き出すことです。
このような手順を踏むことで、転職によって解決させたい就労環境と自分の働き方の問題点を洗い出せます。
転職の理由はその問題点を解決することですから、なぜ転職したいのかという質問に対して、より明確に具体化して相手に伝えられるようになりました。
これが転職軸の核となるので、徹底的に実施することをおすすめします。
自己分析をする
自己分析とは、自分を客観的に分析することで価値や強み、弱みを明確にすることです。
転職をして何を実現させたいのか、深く掘り下げるために必要な作業です。
転職の軸は自分のキャリアプランも考えながら言語化していく必要がありますから、自己分析も大切なプロセスです。
ただし、自分の願望をスタート地点にして分析を進めることはおすすめできません。
有効な自己分析とするためには、自分の経験を元に始めることが大切です。
学生時代やアルバイトでの経験、現在の職場で積み上げてきたことの全てを書き出してみましょう。
その経験に対してどのような感情を抱いたかや、どのようなスキルを手に入れ、役に立てたかを加えて整理するとスムーズに自己分析できます。
思わぬ得意分野や不得意な仕事の発見へとつながることもあるでしょう。
また、やりたい仕事ややりたくない仕事についても明確になるので、企業選びの基準としても役に立てることが可能です。
なお、自己分析の方法として手軽なのは、大手転職サイトで無料公開している自己分析サービスです。
オンライン上で回答するだけなので、手間をかけずに自己分析することができます。
企業や業界の研究をする
転職においては、自分だけでなく応募先の企業や業界に対する理解が必要です。
そのため、念入りな企業研究や業界の勉強も欠かせません。
応募する先の方向性がある程度固まってからでも構いませんので、行きたい業界についてとことん調べて面接に備えておきましょう。
企業研究は表面的なものではなく、実際に働くことを想像して進めることがおすすめです。
一度社会人を経験したからこそ、企業研究ではどのようなポイントに着目すれば良いかイメージできるでしょう。
企業の公式サイトに記載されている企業理念や社風はもちろんのこと、転職サイトなどに寄せられている口コミ、業界紙といった外部からの情報にも目を通しておきましょう。
本当に自分の転職理由や自己分析の結果に合致する企業なのか、確かめる指標として有効です。
将来のビジョンを作る
転職に対するイメージをより明確にする方法として、将来へのビジョンを具体的に描くことが有効です。
どのようなキャリアプランを歩みたくて転職をするのか、このタイミングで深く掘り下げてみましょう。
なお、将来のビジョンを作成するポイントは、「〇年後に◯◯の仕事に携わる」といったように期限と目標を設けることです。
このように設定すれば、その期限までの目標としたことを達成させるための、最適解といえる行動が取れるようになります。
また、応募先として候補に挙げた企業でそれが可能なのか、確かめるための指標としても有効です。
目標としたいことは、転職理由や志望動機に書き出したことを元に設定してみましょう。
このように設定すると、これまで考えてきたことの全てが1つの線でつながるようになります。
希望条件を書く
明確になった将来へのビジョンを達成させるためには、どのような条件の求人に応募すれば良いのか、考えられる限りの条件を書き出してみてください。
ここで重要なのが、一切の妥協をしない転職を実施するために、細かく具体的に条件を定めていくことです。
休日であれば年間〇日以上とか、収入であれば年収○○〇万円以上といった形です。
具体性に欠けていると、応募先企業として定める企業の絞り込みができません。
結果として入社後に妥協を強いられることとなり、かえってストレスになります。
勤務する時間や休日の設定、月収といった条件はもちろんのこと、あまり目立たないような条件も把握できるよう、隅々までチェックしてください。
優先順位を付ける
転職に当たって、叶えたいことや譲れない条件がいくつか出てきたら、それら全てを並べた上で優先順位を決めましょう。
可能であれば全てを順位付けすることが有効ですが、最低限、マストとする条件(MUST条件)と、できれば合致して欲しい条件(WANT条件)といった具合で分けても問題ありません。
ここで決めたMUST条件が、転職軸の中心となる要素です。
MUST条件を元にして、転職軸を具体的に言語化してみましょう。
言語化する際に付け足したい要素は、優先順位を低く設定したWANT条件から拾い出してみましょう。
もしここで転職の軸を書いてみて腑に落ちなかったら、優先順位が間違っている可能性があります。
そのような場合では、再度優先順位を検討してみましょう。
【面接での転職の軸】面接で役立つ転職軸の回答例
転職の軸が明確になっても、それをどのようにして面接での受け答えに転用すれば良いのかイメージできないと、実際に転職で役立てることはできません。
転職軸の種類別に、面接での回答例を紹介するので、自分の転職軸やそれに付随する情報をうまく織り交ぜて、活用してください。
最終的には自分だけの転職軸にできるようにしましょう。
スキルアップしたい
スキルアップを転職軸とするケースでは、職種や業界を変えずに転職することが多いです。
近しい業界への転職を想定しながら、なぜスキルアップをしたいと考えるようになったかを詳しく説明できるようにしましょう。
また、現段階ではどの程度のスキルを保有しているかを示すことも必要です。
どういったスキルがあるかを提示しておくと、企業とのミスマッチも起きにくくなります。
エンジニア職を例とした例文は以下のようになります。
私が転職で軸としているのは、スキルアップをするための転職にするということです。
現在の職場では、社内指定のプログラミング言語による開発であるため、他の言語を使用したシステム開発の経験を得たいという望みを叶えるには、残念ながら合わない環境といえます。
貴社ではクライアント指定の言語を用いた開発を実施しているとのことで、多種多様な言語に触れながらスキルアップを望めると考えました。
あらゆるプロジェクトに積極的に関わり、より磨かれたプログラミングスキルを身に付けて貴社の利益に貢献するエンジニアとなりたいと考えております。
キャリアチェンジしたい
キャリアチェンジをすることを転職の軸とするならば、まずはどうしてその業界・職種に挑戦したいと考えたのかを明確に示しましょう。
その上で、現在保有しているスキルや経験をどのように生かすことができるのかも付け加えるようにしてください。
現段階でどの程度役に立てるのかを示すことは、転職において重要なポイントです。
業界に対する熱意もアピールできるので、うまくいえるとプラスに大きく作用します。
接客業へのキャリアチェンジを例とした例文は以下のようになります。
私が転職で軸としているのは、接客業へのキャリアチェンジを果たすことです。
私はこれまで宅配ドライバーとして働いて参りましたが、たくさんの人と話をしてふれあっている内に、実際にお客さん相手に接客をしてみたいと考えるようになりました。
貴社に入社し、現場で働くことになった際には、ドライバー職で培った体力や、不特定多数のお客さんとの会話をして得たコミュニケーション能力を生かしたいと考えています。
ワークライフバランスが整った働き方をしたい
「ワークライフバランスを整えたい」といえば聞こえは良いですが、実際は労働時間や休日日数の改善を目的とした転職をする場合に、このように言い換えることが多いです。
それを詳しく説明しようとすると前職への不満ばかりになってしまうので、表現には注意が必要です。
ポジティブな印象に仕上げるには、人生という壮大なテーマをもとにライフプランを作成するのもおすすめです。
50歳や60歳までに成し遂げたい夢などを想像し、その夢を叶えるためにどういう働き方をのぞむのかを言語化してみましょう。
ワークライフバランスの改善によって得た時間をどう有効活用したいのかを織り交ぜて説明すると、より前向きな理由として説明できます。
仕事に対するアピールへとつなげられるチャンスでもあるので、うまく言い換えるようにしましょう。
例文は以下のようになります。
私が転職で軸としていることは、ワークライフバランスです。
効率良く業務に取り組める働き方で、捻出した時間を有意義に過ごしたいと考えています。
前職では月間の残業時間は80時間を超えており、休日出勤を余儀なくされることもありました。
家族との時間を作れないばかりか、資格取得やスキルアップに向けた勉強の時間を取ることも難しかったため転職を決意し、適切なワークライフバランスの調整に力を入れている御社を志望致しました。
入社した際には、作りだした時間を利用して資格を取得し、御社の利益に貢献したいです。
年収を上げたい
収入を上げたい旨も転職における重要な理由です。
しかしながら、そのままストレートに伝えるのでは、給料のことにしか関心がないと思われてしまいます。
そうならないためには、お金を必要としている理由や、年収が上がることを前向きにいい換えた理由付けが必要です。
年収を上げたいという理由での例文はこちらです。
私が転職で軸にしていることは、成果に応じた評価が給与に反映される企業に入社することです。
前職では目標達成や売上額に応じたインセンティブといった評価制度が存在せず、全て年功序列による評価となっていました。
将来、子育てに必要な金銭や両親の介護のことも考えると、仕事の成果がより適性に評価される企業への転職はどうしても必要なことでした。
貴社では営業成績に応じたインセンティブが充実している他、ボーナス査定へも積極的に反映されていると伺いました。
そのように社員を大切にされている貴社の利益に、ぜひ貢献したいと思っております。
最新技術の習得など新しいことに挑戦し続けたい
職種に関係なく、その業界の最前線にいられることは1人の社会人として魅力ある環境です。
しかしながら、学びだけを軸としてしまうと、仕事が受け身になってしまうという懸念を採用担当者に与えかねません。
学びだけの姿勢ではなく、学んだことをどう仕事に取り入れていくのかや、学んだ先にどのようなビジョンを掲げているのかを明確にさせておきましょう。
例文はこちらです。
私が転職で軸にしていることは、常に最新技術に触れられる環境で働くことです。
開発担当として働いていると、常に最新の技術はどのようなことが可能なのかが気になるところでした。
前職では最新技術に触れられる機会が少なく、できることも限られておりましたが、貴社では最新技術の最先端に触れながら新たな商品開発が可能であると伺っております。
入社できましたら、これまでの開発職で得た経験やひらめきのスキルを生かし、貴社の利益に寄与する商品開発を進めて参りたいと思っています。
残業時間を減らしたい
残業時間を減らすことを転職の軸にする場合、ノー残業の日にどのようなライフスタイルを送りたいか伝えると良いでしょう。
例えば、習い事や副業など自分の社会性を向上させるような取り組みを伝えると好印象です。
そのほかにも、家族との時間を作ることなどを伝えても、人柄の良さが伝わるでしょう。
以下、例文を紹介します。
私が転職の軸としていることは、残業時間を減らすことです。
私は昨年子どもが生まれたばかりで、子育てと家事に専念したいと思い、転職を決意しました。
御社は週に2回ノー残業デーを設けられており、全社員様の平均残業時間が圧倒的に少ないことに魅力を感じました。
私は、質の良い仕事をすることと長時間働くことはイコールにならないと考えております。
強固なチームワークで効率の良い業務の進め方を遂行すれば、時間内に業務を完了させることは可能だと考えます。
御社は新卒社員の教育段階から生産性の高い仕事の進め方を提示しており、働きやすい環境を整えていることに優しさを感じました。
マネジメント経験を積みたい
転職の軸が「マネジメント経験を積みたい」などキャリアアップに関することである場合、キャリアプランを組み込んだ伝え方をすると良いでしょう。
その場合、数年先に何がしたいか、どういうビジネスパーソンに成長していたいか、具体的な展望を伝えると好印象です。
例えば、以下のような例文です。
私が転職の軸としていることは、自身がキャリアアップできるかどうかです。
とくに直近で目標としていることがマネジメント経験を積むことです。
私は前職のレストラン店長職で、1名の社員と20名のアルバイトスタッフの指導をした経験を持っています。
しかし、マネジメントをしていたというよりも、シフト管理やスタッフ教育がメインの環境であるため、目標としているキャリアプランとは違ったものでした。
御社は営業成績次第でスピード出世ができる環境であり、私が目標とする2年後にマネージャー職になるためには適していると感じております。
自分にあった社風で働きたい
職場環境などの社風を転職の軸として伝える場合、理想の環境や共感した経営理念を伝えると良いでしょう。
理想の社風を言語化するのは難しく感じるかもしれませんが、面接官が想像できるように具体的なワードチョイスを心がけましょう。
例えば、以下の例文のような伝え方がおすすめです。
私が転職の軸としていることは、自分に適した社風の会社に転職をすることです。
私は年功序列の組織より、フラットで自由度の高い組織を好んでいます。
もちろん、他者を敬いながら働くことは前提ですが、ある程度実力主義で男女平等な環境の方がアイデアを出しやすいと感じます。
御社は新卒も中途も、男性も女性も差別なく評価していただける環境であると伺っております。
まさに私が理想としていた社風に合致しており、御社に入りたいと考えました。
【面接での転職の軸】面接以外でも役立つ転職軸の活用例
転職の軸を決めておくと、面接で想定外の質問をされたときでもスマートな返答をすることができます。
しかし、転職の軸を持っておくことは面接以外の2つのシーンでも役に立ちます。
一つがエントリー時の企業選びの段階で、もう一つが内定が決まった時です。
これらのシーンにおいて、なぜ転職の軸が役に立つのかを解説します。
エントリー時の企業選び
転職の軸は、応募先企業に求める絶対条件ともいい換えられます。
企業選びの際は、まずこれを満たしている企業にだけ応募・エントリーするようにしてください。
数多とある求人情報ですが、転職の軸というフィルターを通すことでかなり絞って探すことができます。
条件次第では、応募できる求人の数はかなり減ってしまうことも想定されることです。
そのような場合は、優先順位が高い条件だけをクリアしている企業は、一部は条件を満たしていなくても応募するなどの、柔軟な対応も必要となります。
仮に求人情報だけでは確認できないようなことがあっても、面接の段階で質問できますから、厳密に応募先を絞り過ぎることもありません。
内定をいただいたとき
選考活動が終わり、企業から内定を獲得した後も転職の軸は活用できます。
それはその内定を辞退するかどうかを考えるときです。
内定が出たとしても、軸に沿っていない条件であれば辞退する方が望ましいですが、その基準として転職軸が使えます。
転職活動では、せっかく内定を獲得したのだから、せっかくなら入社してしまおうと考えがちです。
しかしながら、軸としている条件を満たしていない企業に入社したとしても長く勤めることはできません。
思っていたのと違うという思いが蓄積し、早期離職という結末になりやすいです。
転職の軸を決める際に、譲れない条件として定めたMUST条件を満たしてない場合は内定を辞退し、転職活動を続行しましょう。
【面接での転職の軸】転職軸が定まらない場合の対処法
どうしても転職の軸が定まらないということは、転職活動中でも起こりえることです。
転職活動でさまざまな求人情報を目の当たりにしていると、どこかで妥協したくなるポイントが生まれ、軸がぶれてしまいます。
そのような場合の対処法も存在しているので、あらかじめ覚えておきましょう。
いつでも転職の軸を元に戻せるようになります。
強みやアピールポイントを整理する
自分が転職で叶えたいことと向き合うには、自分が強みとしていることとアピールポイントを思い返すのが有効です。
自分が持っているスキルや専門性、経験してきたことを一度洗い出してみてください。
これらが明らかになると、転職軸を決めるときに定めた方向性の一部が示されるので、自分の軸に合っている求人の条件が目に入りやすくなります。
自分が強みとして誇れることは、働きながら転職活動をしているとつい忘れてしまいがちです。
今の職場では当たり前になっている自分の強みも、転職活動の場では十分に機能しますから、定期的にそのことを思い返すことが大切になります。
転職したい理由をもう一度考える
なぜ転職したいと思ったのか、転職をして何を達成させたいのかを今一度思い返してみてください。
それが分かるようになると、求人情報において自分が絶対に譲れないポイントが浮き彫りになります。
それは現状、自分が脱したい環境そのものであり、慣れてしまうと忘れやすい要素です。
環境を変えるという強い決意がないと、ふとしたときに変わらない方が楽だという思いに飲み込まれてしまいます。
その瞬間、決めたはずの転職の軸が大きくずれてしまうので、修正が必要です。
なぜ転職したいのかは、常に忘れない工夫を施し続けるようにしましょう。
WILL・CAN・MUSTのフレームワークを使う
転職の軸は机上で考えてもそう簡単に思い浮かぶものではありません。
そこで使っていただきたいのが、「WILL・CAN・MUST」のフレームワークです。
このフレームワークを使えば、自分に適している仕事やキャリアプランとは何かを視覚的に見つけ出すことができます。
やり方ですが、以下のことをそれぞれ書き出すだけです。
Will…やりたいこと/なりたいもの
Can… できること
Must…するべきこと
この内容に従って書き出したら、これら3つに共通している部分をピックアップすればフレームワークは終了です。
そうして導き出した共通部分が自分に最も適した仕事であるというのが、Will Can Mustの法則です。
転職のプロに相談してみる
転職活動は一人で進めても戸惑いが生じるものです。
そこでおすすめなのが、転職のプロに相談することです。
転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談をすれば、求人紹介だけでなく転職活動に関するあらゆるサポートをしてくれます。
個別の面談では転職の軸が何なのか、プロならではのヒアリングで引き出してくれるでしょう。
また、履歴書や職務経歴書などの書類添削や、面接対策などのアドバイスも行ってくれます。
迷ったり落ち込んだりすることが多い転職活動において、非常に心強い存在になってくれるでしょう。
まとめ
転職の軸を決めることは、転職活動をスムーズに進めるためには必要なプロセスです。
企業選びから選考活動、内定獲得に至るまで、あらゆる場面で活躍するのが転職の軸ですから、できることならば転職活動の前に定めておくようにしましょう。
その過程で、選考の書類や面接対策に必要な、志望動機や転職理由についても明確になります。
もし転職の軸を決めないままでいると、志望動機や転職理由に一貫性を持たせることができず、選考を通過できません。
仮に内定を獲得して入社できたとしても、認識の齟齬が起きてしまって早期離職につながります。
転職の軸を明確に定め、長く勤められて自分の望みを叶えられるような企業への入社を成功させましょう。
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