fbpx
転職の軸の作り方を解説!面接での印象的な答え方【例文付き】

転職の軸の作り方を解説!面接での印象的な答え方【例文付き】

目次
  1. はじめに
  2. 面接で聞かれる「転職の軸」とは?
  3. なぜ「転職の軸」が聞かれるのか?
  4. 「転職の軸」がないことのリスク
  5. 転職の軸を決める3つのステップ
  6. 転職の軸の例文【ジャンル別】
  7. 面接で伝えるときのポイント
  8. 転職の軸が定まらない場合の対処法
  9. まとめ

はじめに

転職活動中の方の多くは、面接などで「転職の軸」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

転職の軸は、自分が何を優先して転職先を決定するかの指標であり、面接でも転職の軸を質問されることがあります。

面接で具体的な回答ができるよう、転職先に何を求めているのかを整理し、明確に言語化できるようにしておく必要があります

この記事では、転職の軸について網羅的に解説しつつ、面接で役に立つ転職軸の考え方や回答例についても紹介します。

面接にのぞむ前の対策の一環として、参考に活用してください。

面接で聞かれる「転職の軸」とは?

転職活動で面接官から必ずと言っていいほど聞かれるのが「転職の軸」です。

これは形式的な質問ではなく、あなたがどんな価値観を持ち、どんな基準で仕事を選んでいるかを知るための質問です。

転職の軸がしっかりしていれば、志望動機やキャリアプランにも一貫性が生まれ、説得力のある回答につながります

ここでは、「転職の軸」の意味と「転職理由」との違いをわかりやすく解説します。

転職の軸=仕事に対する価値観・考え方

「転職の軸」とは、あなたが仕事を選ぶ上で大切にしている価値観や考え方のことです。

言い換えると、「何を基準に次の職場を選ぶか」を示す指針です。

たとえば、「チームワークを重視する環境で働きたい」「成果がしっかり評価される会社で成長したい」「プライベートと両立できる働き方をしたい」などが代表的な例です。

この軸は、転職先を選ぶ際の“ものさし”のようなものです。

軸が明確であれば、たとえ複数の企業から内定をもらっても、「自分に本当に合う会社」を見極めやすくなります

また、面接官からの印象も良くなります。

なぜなら、「この人は自分の考えをしっかり持っている」「入社後もブレずに頑張ってくれそうだ」と思われるからです。

逆に、「どんな会社でもいい」「なんとなく転職したい」というような曖昧な姿勢では、説得力がなくなり採用担当者に不安を与えてしまいます。

転職の軸は難しい言葉で語る必要はありません。

自分の過去の経験や、働く中で感じた「こうありたい」という気持ちを整理して、自分らしい言葉で語ることが大切です

転職理由との違い

「転職の軸」と「転職理由」は混同されやすいですが、実はまったくの別物です。

転職理由は“過去の出来事”に焦点を当てたものであり、転職の軸は“未来の希望”を示すものです。

たとえば、「前職では残業が多く、ワークライフバランスが取れなかった」というのは転職理由です。

一方で、「今後は自分の時間を大切にできる環境で、長く働き続けたい」というのが転職の軸です

つまり、転職理由が「なぜ辞めたか」を説明するのに対し、転職の軸は「これからどんな働き方をしたいか」を示すものなのです。

この2つを混同すると、面接官には「ネガティブな印象」や「愚痴っぽさ」を与えてしまうことがあります。

面接で答えるときは、過去(転職理由)から未来(転職の軸)へと話をつなげることで、前向きで一貫した印象を与えることができます。

例えば下記のような流れが自然です。

前職ではチームのサポートにやりがいを感じた一方で、個人の裁量が限られていました。

今後は自分のアイデアを活かして、お客様により深く貢献できる環境で働きたいと考えています。

このように伝えると、「転職理由」と「転職の軸」の両方が明確に伝わり、説得力のある回答になります。

自分の転職理由を整理しながら、「これからどうなりたいか」をセットで考えることが、転職活動を成功に導く第一歩です。

なぜ「転職の軸」が聞かれるのか?

面接官が「転職の軸」を質問するのは、あなたの価値観や考え方、そして入社後にどのように働くのかを知りたいからです。

単にスキルや経歴だけでなく、「どんな思いで働きたいのか」「会社との方向性が合うのか」を見極めるために、この質問をします

つまり、「転職の軸」は、あなたと企業の相性を判断するための重要な質問なのです。

仕事で大切にしている考え方・姿勢を知るため

面接官が「転職の軸」を尋ねるのは、応募者本人の仕事に対する考え方や姿勢を深く理解したいからです。

たとえば、「どんなときにやりがいを感じるのか」「仕事を通して何を大切にしているのか」などを知ることで、その人の価値観を見抜くことができます。

また、面接官はあなたの発言の一貫性もチェックしています。

志望動機や自己PR、これまでの経験を語る内容と「転職の軸」がバラバラだと、「この人は本当にうちの会社に合うのかな?」と不信感を持たれてしまいます。

反対に、回答に一貫性があると「自分の考えを持って行動できる人」という好印象につながります。

さらに、企業は「この人がどんな姿勢で働くか」を想像しています。

たとえば「お客様への貢献を大切にしている」と答えた人なら、顧客対応の丁寧さや誠実さが期待されるでしょう。

つまり、転職の軸=仕事に対する価値観を映す鏡なのです。

面接では難しく考えすぎず、「自分が大切にしたい考え方」を素直に伝えることが大切です

誠実に答えることで、あなたの人柄や本気度がしっかりと伝わります。

ミスマッチを防ぐため

企業が「転職の軸」を確認するもう一つの目的は、入社後のミスマッチを防ぐためです

企業は採用活動に多くのコストをかけています。

求人広告費、人材紹介手数料、研修費など、1人の採用にかかる費用は数十万~数百万円にも上ります。

そのため、企業としては「せっかく採用したのにすぐ辞めてしまった」という事態を避けたいのです。

面接官は、応募者が自社の環境や方針に合うかを慎重に見極めています。

たとえば「成果主義の会社」に「安定を求めている人」が入社しても、お互いに不満を抱える結果になりがちです。

だからこそ、「転職の軸」を通して価値観の一致度を確かめているのです。

逆に言えば、応募者側にとってもこの質問は大事なチャンスです。

自分の「軸」を伝えることで、会社が自分に合っているかどうかを見極めるきっかけになります

面接は企業に選ばれる場であると同時に、自分が会社を選ぶ場でもあります。

ミスマッチを防ぐために、「転職の軸」を明確にし、自分の希望を正直に伝えることが、結果的に長く働ける環境を見つける近道になるのです。

長期的に勤務できるか見極めるため

最後に、企業が「転職の軸」を質問する理由として大きいのが、長期的に働ける人材かどうかを見極めるためです。

中途採用の場合、企業は即戦力を求める一方で、「長く定着してほしい」という願いも持っています。

どんなに優秀な人でも、数か月で退職してしまっては意味がありません。

そのため、面接官は応募者がどんな目的で転職し、どんなキャリアを築きたいのかを確認しています。

たとえば「短期的にスキルアップしたいだけなのか」「長期的にこの会社で成長したいのか」では、採用判断が大きく変わります。

また、「転職の軸」に一貫性がある人は、仕事に対する信念を持ち、目標に向かって継続できるタイプと見なされます

たとえば「お客様の課題解決に貢献したい」という軸がある人は、困難な状況でも粘り強く努力する姿勢が期待されるでしょう。

企業にとって「長期的に活躍できるか」は非常に重要なポイントです。

だからこそ、「転職の軸」を通してあなたの将来像や安定性を見極めようとしているのです。

転職活動では、「この会社でどう成長したいのか」「どんな価値を提供できるのか」を具体的に伝えることで、企業から信頼される印象を与えられます。

「転職の軸」がないことのリスク

転職活動を成功させるうえで、「転職の軸」を持っているかどうかは非常に重要です。

軸がないまま転職を進めてしまうと、志望動機が弱くなったり、面接でうまく答えられなかったりするだけでなく、入社後に「思っていた仕事と違う」と感じる原因にもなります

つまり、転職の軸がないことは、採用側にも自分自身にもマイナスに働くリスクがあるのです。

ここでは、その具体的なリスクを3つの観点から解説します。

転職理由があいまいに見える

転職の軸がないと、なぜ転職したいのかがあいまいに見えてしまいます。

たとえば「もっと成長できる環境で働きたい」と言っても、何をもって“成長”とするのかがはっきりしていないと、面接官には「具体性がない」と判断されてしまうのです。

企業の採用担当者は、応募者の言葉の裏にある“本音”を見ています。

「なぜ転職したいのか」「どんな仕事にやりがいを感じるのか」といった点があいまいだと、採用後にミスマッチを起こすリスクが高いと考えられ、選考通過率も下がってしまいます

また、転職理由が整理できていないと、自己PRや志望動機も一貫性のない内容になりやすいです。

結果的に「何を大切にしているのか」が伝わらず、印象が薄くなってしまいます。

転職の軸を明確にすることで、あなたの価値観や強み、そして“なぜこの会社なのか”を自然に伝えられるようになります。

面接で説得力を持たせるためにも、まずは自分の転職理由を整理して、そこから一貫した軸を作ることが大切です。

「どんな会社でもいいの?」と思われる

転職の軸がないまま応募をすると、企業側から「この人はうちじゃなくてもいいのでは?」と思われてしまいます。

採用担当者は、応募者が自社を選んだ“理由”を知りたいと考えています。

軸がある人は、その理由を具体的に話せますが、軸がない人はどうしても表面的な言葉になりがちです。

たとえば、「御社の雰囲気が良さそうだから」「福利厚生が充実しているから」といった志望動機だけでは、「どの会社にも言えそう」と判断されてしまう可能性が高いです。

一方で、転職の軸がしっかりしていれば、「自分が大切にしている働き方」や「成長の方向性」と企業の特性を結びつけて話せるようになります

そうすることで、採用担当者に「この人はうちで長く活躍してくれそうだ」と思ってもらいやすくなるのです。

転職活動は“数”より“質”が重要です。

軸があることで応募先を的確に絞り込めるため、結果的に効率よく、納得のいく転職につながります。

自分自身もミスマッチを感じる

転職の軸がないと、採用されても「本当にこの会社で良かったのかな」「思っていた仕事と違う」と感じてしまうことがあります。

これは、転職時に“自分が何を大事にしたいか”を明確にしていなかったことが原因です。

たとえば、「年収を上げたい」と思って転職したものの、実際には仕事のプレッシャーが大きくてストレスを感じてしまうケースがあります。

逆に、「ワークライフバランスを重視したい」と思っていたのに、残業の多い職場を選んでしまった場合も、同じように後悔することになるでしょう。

転職の軸とは、いわば自分の“コンパス”のようなものです。

軸があることで、求人情報や企業選びの際に「これは自分に合っているか」を冷静に判断できます

結果として、長く働ける職場と出会える可能性も高まります。

つまり、転職の軸を持つことは、面接官のためだけでなく、自分自身の納得感を得るためにも必要不可欠なのです。

焦らず、自分がどんな働き方をしたいのか、何を大切にしたいのかをしっかり言葉にしてみましょう。

転職の軸を決める3つのステップ

転職の軸が定まっていないと、企業選びの基準があいまいになり、せっかく内定をもらっても「思っていた仕事と違った…」と後悔してしまうこともあります。

ここでは、転職の軸を作るための3つのステップを紹介します。

価値観の整理から条件の絞り込み、そして経験との結びつけまで順を追って考えていきましょう

① 自分の価値観を整理する

転職の軸を決めるうえで最初にやるべきことは、「自分の価値観を整理すること」です

これは「どんなときにやりがいを感じるのか」「どんな環境だと力を発揮できるのか」を明確にするための作業です。

たとえば、「誰かの役に立てたときにやりがいを感じる」「チームで協力して成果を出すのが好き」「一人で集中して作業するのが得意」など、日々の仕事の中で自分が気持ちよく働けた瞬間を思い出してみましょう。

また、前職で不満だったことを逆に考えるのもおすすめです。

たとえば「残業が多くてつらかった」なら「ワークライフバランスを大切にしたい」、「上司との関係がストレスだった」なら「風通しの良い職場で働きたい」といったように、ネガティブな経験から理想の働き方を見つけることもできます。

価値観を整理することで、自分が本当に大事にしているものが見えてきます。

これが、転職の軸をつくる最初の土台になります。

② 譲れない条件を3つに絞る

価値観を整理したら、次に「これだけは譲れない条件」を3つに絞りましょう。

あれもこれもと条件を増やしてしまうと、求人選びで迷ってしまい、結果的に決断できなくなることが多いです

たとえば以下のような視点で考えると、整理しやすくなります。

  • 働き方に関する条件(リモート勤務・残業時間・休日など)
  • 人間関係や社風に関する条件(チームワーク重視・裁量の大きさなど)
  • 成長環境に関する条件(教育制度・キャリアアップ支援など)

このように、生活リズムや性格、将来像に合った条件を3つに絞ることで、応募すべき企業が自然と明確になります。

大事なのは、「理想の企業」ではなく「自分が長く働ける企業」を選ぶことです。

無理のない範囲で働ける環境を基準にすることで、転職後のミスマッチを防ぎやすくなります。

③ 過去の経験と結びつける

転職の軸を決めたら、最後に自分の過去の経験と結びつけることが大切です。

これは面接で話す際に説得力を持たせるためにも重要なポイントです。

たとえば、「チームで成果を出すことを大切にしたい」という軸がある場合、「前職ではプロジェクトチームで協力して課題を解決した経験があり、そのときにやりがいを感じた」というように、具体的なエピソードで軸を裏付けると伝わりやすくなります

また、「成長できる環境で働きたい」という軸を持つなら、「前職では新しい業務を任される機会が少なく、もっと挑戦できる環境で力を伸ばしたい」といった形で、過去の経験から導いた理由を話しましょう。

このように、“考えた軸”に“経験という根拠”を添えることで、一貫性のあるストーリーになります。

面接官にも「この人は自分の考えをしっかり持っている」と好印象を与えられるでしょう。

転職の軸は、「自分を理解すること」から始まります。

価値観を整理し、条件を絞り、経験と結びつけることで、あなたの言葉にリアルな説得力が生まれるのです。

転職の軸の例文【ジャンル別】

「転職の軸」は、人によって重視するポイントが異なります。

たとえば「働きやすい環境を求める人」もいれば、「スキルアップや成長を重視する人」もいます。

ここでは、代表的な4つのジャンルに分けて、回答のポイント・例文・解説を紹介します。

自分の考え方や価値観に近いパターンを参考にしながら、「自分らしい軸」を明確にしていきましょう。

働き方・環境重視型

「働き方・環境重視型」は職場の人間関係やチームの雰囲気、意見が言いやすい環境などを重視するタイプです。

単に「人間関係が良いところがいい」と言うのではなく、自分がどう働きたいか、どういう環境で力を発揮できるかを明確に伝えることが大切です

例文:自分の意見を発信しながらチームで成果を出せる環境を大切にしています。

この例文は、「チームワーク」と「主体性」を両立している印象を与えます。

単に「雰囲気の良い職場がいい」と言うよりも、自分がどう貢献するかが伝わる点がポイントです。

面接官は「この人は協調性があり、チームに良い影響を与えそう」と感じやすく、印象が良くなります。

さらに、「意見を発信できる環境=風通しの良い職場を希望している」と伝わるため、企業の社風との相性確認にもつながります。

成長・スキルアップ重視型

このタイプは、「今よりもスキルを磨きたい」「新しい知識を身につけたい」という意欲を軸にしています。

ポイントは、学ぶ姿勢を具体的に示すことと、「なぜ成長したいのか」を明確にすることです。

例文:新しい業務に挑戦できる環境で、自分の専門性を高めたいと考えています。

この例文からは、チャレンジ精神と向上心が伝わります。

「挑戦できる環境」という表現で、変化を恐れない前向きな姿勢をアピールできます。

また、「専門性を高めたい」と添えることで、長期的なキャリアビジョンがある印象を与えます。

採用担当者は「この人は成長意欲が高く、入社後も伸びそうだ」と判断しやすくなります。

未経験職種へのキャリアチェンジを考えている人にもおすすめの軸です。

ワークライフバランス重視型

仕事だけでなく、プライベートの時間も大切にしたいというタイプです。

ただし、「楽をしたい」と受け取られないよう、バランスを取ることでより良い成果を出せるという前向きな理由を添えることが大切です。

例文:仕事とプライベートを両立できる働き方を通じて、長く貢献したいです。

この例文では「両立」という言葉を使うことで、仕事をおろそかにしていない印象を与えます。

また、「長く貢献したい」と締めることで、安定的に働き続ける意欲も伝わります。

採用担当者は「この人は計画的に仕事を進められそう」「長期的に活躍してくれそう」と感じるため、安心感を与えられる表現です。

特に20代後半〜30代で、結婚やライフイベントを意識して転職を考える人に適しています。

社会貢献・やりがい重視型

「誰かの役に立ちたい」「社会に貢献できる仕事がしたい」と感じるタイプです。

ここでは、“何を通して”人や社会に貢献したいのかを具体的に伝えることが重要です。

抽象的だと伝わりにくいため、過去の経験やエピソードを交えるとより説得力が増します。

例文:自分の仕事が誰かの役に立つ実感を得られることを大切にしています。

この例文は、仕事に対して誠実で真面目な姿勢を印象づけることができます。

「実感を得られる」という表現によって、やりがいを自ら感じ取りながら働くタイプだと伝わります。

企業側にとっても、「モチベーションを維持しながら長く働いてくれそう」と好印象を与えます

特に、人材・教育・福祉・サービス業など、人との関わりが多い業界に向いている軸です。

面接で伝えるときのポイント

転職の軸を面接で伝える時は、より強い意思と信憑性をもたせることが大切です

同じ内容でも、伝え方次第では”通り一遍の回答”と捉えられてしまうかもしれません。

ここからは、面接でインパクトを残すための、転職の軸の効果的な伝え方について解説します。

短く・シンプルに伝える

聞かれた質問に対してだらだらと長い回答をするのはNGです。

伝えたいことはたった1つの「転職の軸」でも、長い回答をされてしまうと何が伝えたいのかがわからなくなってしまうためです。

「転職の軸は何ですか?」「転職するにあたって譲れない価値観はなんですか?」という質問の答えは一つですから、「はい、私が今回転職するにあたっての軸は〇〇です。」が正解といえます

これに対してよりインパクトを持たせるために、具体的な背景を簡単に添えましょう。

時間としては30秒〜1分でまとめるのがベターです。

それ以上長いと相手は飽きてしまい、「話が長い人=転職の軸がそもそもまとまっていないのでは」と捉えられかねません。

企業理念や仕事内容とリンクさせる

面接は自分をアピールする場なので、応募先企業に合う人材かをアピールできる内容を入れることも重要です。

まずはその会社のことをよく調べましょう。

その上で、企業がどんな人を求めているのかを引き出し、自分の強みとどうマッチするのかをチェックします。

すると、応募先企業に対して何をアピールすれば良いのかが見えてくるでしょう。

例えば企業側が「個人の主体性を大切にしている」という社風だった場合、あなたがアピールすべきポイントはまさに”主体性”です。

これを転職の軸としてアピールする際、例えば「私は常に当事者意識で主体性を持って仕事をすることがモットーですので、今回の転職でもまさに御社のような”個人を尊重する、チーム全体のレベルが高い環境”を探しています。」が良いでしょう。

このように、自分の性格的な特徴やキャリアに関する考え方が、いかに応募先企業の理念とマッチするかを具体的に伝えるのがポイントです。

軸が複数ある場合は優先順位を伝える

転職の軸が複数ある人も少なくありませんが、この時に悩むのは「何から順番に伝えるべきか」ということではないでしょうか。

基本的に転職の軸は一つのブレない軸を決めた方が伝えやすいですが、どうしても譲れない条件がある場合は、複数伝えても構いません。

この時に注意したいのが、伝えるべき順番です。

複数ある転職の軸の中から、優先順位を決めて伝えましょう。

複数あると迷いがちですが、「MUST(必須事項)」と「WANT(希望)」に分けて考えてみてください。

その上で、実現可能かどうかも深く考えます。

例えば「年収を上げる」ことが転職の軸の一つだとしたら、それがすぐに実現可能かどうか考えましょう。

もし少しでもギャップがあるようなら、「WANT(希望)」に引き下げ、他の軸を「MUST(必須事項)」として優先します。

転職の軸が複数ある場合、一つ一つの軸に対して「なぜそれが軸なのか」「実現可能か」「本当に譲れないのか」を深掘りして考えることで、正しく優先順位を決めましょう。

NG例にも注意

転職の軸は、あなたが今回の転職で絶対に譲れない”条件”のようなものです。

そのため、気持ちを優先して高望みしたり、少しわがままな軸が生まれてしまうこともあります。

特に注意したいのが、給与や福利厚生に関することを転職の軸と決めた時です。

「今よりも給与の高い環境が良い」ということを軸とした場合、現実の自分のレベルがその対価に見合っていなければ、ただの”高望み”として捉えられてしまいます。

また、「楽しそうな環境で働く」や「学べる環境が良い」などもNGです。

一見すると何の問題もないかもしれませんが、採用担当者から見ると「学生気分が抜けない」「抽象的すぎる」と悪い印象です。

繰り返しにはなりますが、転職の軸はあなたの求める”条件”と企業側の求めることが合致しているか、整合性を確認するための質問です。

そのため、自分の理想や気持ちだけを優先するのではなく、「企業側にもメリットがあるか」を考えながら回答しましょう

転職の軸が定まらない場合の対処法

どうしても転職の軸が定まらないということは、転職活動中でも起こりえることです。

転職活動でさまざまな求人情報を目の当たりにしていると、どこかで妥協したくなるポイントが生まれ、軸がぶれてしまいます。

そのような場合の対処法も存在しているので、あらかじめ覚えておきましょう。

いつでも転職の軸を元に戻せるようになります。

強みやアピールポイントを整理する

自分が転職で叶えたいことと向き合うには、自分が強みとしていることとアピールポイントを思い返すのが有効です。

自分が持っているスキルや専門性、経験してきたことを一度洗い出してみてください。

これらが明らかになると、転職における方向性も明らかにしやすいので、自分の軸に合っている求人の条件が目に入りやすくなります

自分が強みとして誇れることは、働きながら転職活動をしているとつい忘れてしまいがちです。

今の職場では当たり前になっている自分の強みも、転職活動の場では十分に機能しますから、定期的にそのことを思い返すことが大切になります。

転職したい理由をもう一度考える

なぜ転職したいと思ったのか、転職をして何を達成させたいのかを今一度思い返してみてください。

それが分かるようになると、求人情報において自分が絶対に譲れないポイントが浮き彫りになります

それは現状、自分が脱したい環境そのものであり、慣れてしまうと忘れやすい要素です。

環境を変えるという強い決意がないと、ふとしたときに変わらない方が楽だという思いに飲み込まれてしまいます。

その瞬間、決めたはずの転職の軸が大きくずれてしまうので、修正が必要です。

なぜ転職したいのかは、常に忘れない工夫を施し続けるようにしましょう。

WILL・CAN・MUSTのフレームワークを使う

転職の軸は机上で考えてもそう簡単に思い浮かぶものではありません。

そこで使っていただきたいのが、「WILL・CAN・MUST」のフレームワークです。

このフレームワークを使えば、自分に適している仕事やキャリアプランとは何かを視覚的に見つけ出すことができます。

やり方ですが、以下のことをそれぞれ書き出すだけです。

フレームワーク

Will…やりたいこと/なりたいもの

Can… できること

Must…するべきこと

この内容に従って書き出したら、これら3つに共通している部分をピックアップすればフレームワークは終了です。

そうして導き出した共通部分が自分に最も適した仕事であるというのが、Will Can Mustの法則です。

転職のプロに相談してみる

転職の軸は、自分が転職先に求める”条件”のようなものですから、どうしても主観的になってしまいがちです。

また、一人で転職活動をしていると視野が狭くなり、正しいルートから外れてしまう可能性もあります。

そこでぜひ活用していただきたいのが、転職のプロである「転職エージェント」の存在です。

転職エージェントは、単純に応募先企業を紹介してくれるだけでなく、転職活動におけるあらゆるプロセスをサポートしてくれます

担当のキャリアアドバイザーとは、個別面談でしっかりと転職の軸について話し合います。

自分が求めている条件が曖昧だとしても、「本質的な転職の軸が何なのか」をプロならではのヒアリングで引き出してくれます

また、転職エージェントでは、履歴書や職務経歴書などの書類添削や、面接対策などのアドバイスも行ってくれます。

迷ったり落ち込んだりすることが多い転職活動において、非常に心強い存在になってくれるでしょう。

転職の軸についてお悩みの方は、ぜひアゲルキャリアにご相談ください。

アゲルキャリアが重視しているのは、個別面談の精度です。

しっかりと時間をかけてマンツーマンで面談をすることで、求職者本来の強みや方向性、転職の軸をしっかりと分析してくれます

そして、その人に相性の良い会社を紹介してくれるので、ミスマッチのない”質の良い転職活動”ができるようになります。

まとめ

転職の軸を決めることは、転職活動をスムーズに進めるためには必要なプロセスです。

企業選びから選考活動、内定獲得に至るまで、あらゆる場面で活躍するのが転職の軸ですから、できることならば転職活動の前に定めておくようにしましょう

その過程で、選考の書類や面接対策に必要な、志望動機や転職理由についても明確になります。

もし転職の軸を決めないままでいると、志望動機や転職理由に一貫性を持たせることができず、選考を通過できません。

仮に内定を獲得して入社できたとしても、認識の齟齬が起きてしまって早期離職につながります。

転職の軸を明確に定め、長く勤められて自分の望みを叶えられるような企業への入社を成功させましょう。

戸嵜滉大監修者

キャリアアドバイザーとして、これまでに累計1,000人以上のキャリア支援を経験。
人事や採用代行、採用コンサル、法人対応など幅広く携わってきました。

その後はマーケティングの世界に転身し、メディア運営やコンテンツ制作に取り組んでいます。
個人の転職支援から企業の採用まで両方の現場を見てきた経験をもとに、読者にとって役立つリアルな情報をお届けしています。

転職でお困りの方はぜひご相談ください。

SHARE この記事を友達におしえる!

RELATED ARTICLES 同じテーマの記事

もっと見る