アウトバウンドセールスとは?手法から転職のポイントまで徹底解説
どの業界、どの事業規模の企業であっても、新規開拓をなくして、企業の継続的な利益の確保はできません。
新規開拓の営業手法には、インバウンドセールスとアウトバウンドセールスがあります。
最近ではインバウンドセールスに注目が集まっていますが、決してアウトバウンドセールスは廃れてしまったわけではありません。
効果的に取り入れることで、新規開拓の有効な手段となりうるのです。
「そもそもアウトバウンドセールスとは?」
「アウトバウンドセールスのメリットとは?」
「アウトバウンドセールスにはどのような人が向いているの?」
本記事では営業職に転職を検討している人の中でも、アウトバウンドセールスに興味がある人に向けて、手法やメリット・デメリット、成果を出すポイント、どんな人に向いているのかを詳しく解説していきます。
アウトバウンドセールスとは?
営業職への転職を考えていてさまざまな求人を見ている人の中には、「アウトバウンドセールス」の求人を目にしたことがある人もいるかもしれません。
営業職経験者の方はアウトバウンドという言葉をご存じかもしれませんが、営業未経験の方はアウトバウンドセールスとは一体何か気になっている人もいるでしょう。
アウトバウンドセールスとは企業から顧客に向けてアプローチを行い、成果につなげる営業手法のことです。
そもそもアウトバウンドとは「外向けの」という意味があり、<外>にいる顧客に向けて企業からアプローチする営業活動を指します。
もしかしたら名前だけで聞くと、難しい印象を持つ方も多いかもしれません。
しかし、「営業」で連想されるテレアポや飛び込み営業などは、アウトバウンドセールスに該当することがほとんどです。
まとめると、企業が今後取引できるであろう顧客を選び、商品やサービスを売るという手法が、アウトバウンドセールスです。
アウトバウンドセールスとインバウンドセールスの違い
アウトバウンドセールスとセットで覚えておきたいインバウンドセールス。
アウトバウンドセールス とインバウンドセールスでは、「営業手法」と「アプローチ対象」のそれぞれが異なります。
ここからは、それぞれの営業手法について解説していきます。
アウトバウンドセールスの営業手法と対象
前章で解説したように、アウトバウンドセールスは自社から顧客に対してアクションを起こしていく営業手法となります。
例えば、ターゲットとなる企業に対して、電話やメールなどを積極的に行い、商品やサービスの紹介をしていきます。
企業側からアクションを起こすので、アウトバウンドセールスは「プッシュ型」の営業手法と言われています。
また、アウトバウンドセールスのアプローチ対象は、自社がターゲットとしたい層に対して幅広くアプローチをかけていくのが特徴です。
商品やサービスの認知度が低い場合でも、積極的にアプローチをかけ、認知度を高めていき、最終的には成約に至ることを目指しています。
インバウンドセールスの営業手法と対象
「インバウンドセールス」は、顧客から資料請求や問い合わせがあった場合のみ、企業からアプローチを行っていきます。
インバウンドセールスは、顧客からのアクションを待ってスタートする営業手法なのが特徴です。
アウトバウンドセールスの「プッシュ型」に対して、インバウンドセールスは「プル型」の営業手法と言われています。
また、インバウンドセールスのアプローチ対象は、購買意欲の高い層というのが特徴です。
顧客からアクションがあった場合のみアプローチをかけるので、アプローチする対象がアウトバウンドセールスと比較すると狭いです。
インバウンドセールスでは、商品やサービスの売り込みを行うというよりも、有益な情報提供などを行いながら、顧客との信頼関係を構築して成約に至ることを目指していきます。
アウトバウンドセールスの手法
「アウトバウンドセールスって結局どうやって営業するの?」
転職を検討している人の中には、このような疑問を抱いている人もいるでしょう。
アウトバウンドセールスの手法として、主に以下の3つの手法が挙げられます。
- テレアポ
- 飛び込み営業
- レター営業
それぞれの営業手法について解説していきます。
テレアポ
テレアポは文字通り、アポイントを獲得するために、ターゲットとしている企業に対して電話をかける営業手法です。
ターゲットの企業をリスト化し、順番に電話をかけてアポイント獲得を目指していきます。
古くから使われている営業手法のため、テレアポを行ったことがない企業はないと言っても過言ではありません。
テレアポの目的はアポイントを獲得して、商談化していくことですが、企業の目的によってはそのまま商品やサービスの宣伝、成約まで行いたいというケースもあります。
非対面での営業手法となるため、成果をあげるためには担当者の商品知識やトークスキルなどが必要になるのも大きな特徴です。
しかしトークスキルが整っていなければ、なかなか案件創出にはつながらず、ただ電話をかけるだけで終わってしまうケースもあります。
また、テレアポを行う際にはある程度の人員を確保しなければならないのもデメリットと言えます。
飛び込み営業
飛び込み営業とは、ターゲットとなる企業に直接訪問して、商品やサービスの紹介を行うという営業手法になります。
直接訪問をすることで、担当者と対面ができ、商品やサービスを確実に認知してもらえるというメリットがあります。
一方で訪問をしても担当者が不在のため会うことができない、門前払いをされてしまう、強引な営業に感じてしまい断られてしまうなどのデメリットがあります。
飛び込み営業は成功率が高くないため、件数を増やすことで成約まで至ることを目指していくことが多いです。
一度、対面して信頼関係が構築できれば、一気に商談化まで進むことも期待できます。
一方で昨今のコロナ禍によって、飛び込み営業自体を嫌悪する企業も増えてきています。
そのため現在では、飛び込み営業は減少し、チャットツールやWeb会議システムを活用した営業が増えてきています。
レター営業
レター営業とは、顧客に向けて自社の商品やサービスを紹介する手紙を送付してアプローチを行う営業手法です。
昨今では、インターネットが普及しているため、レター営業を行っている企業は少なくなってきましたが、一つの企業に対して手紙を書くということはめずらしく、読んでもらえれば好印象を抱く顧客も少なくありません。
一方で相手に読んでもらうためには、一定のセールスライティングスキルが必要です。
対面での説明ではなく、文面で商品の魅力やメリットなどを伝えるため、セールスライティングスキルがなければ、相手に魅力は伝わらないでしょう。
また、開封されずに捨てられてしまうのもデメリットと言えます。
また、レター営業は定期的に送付することで効果が高まるため、なんども繰り返し送付することも大切です。
ターゲット企業のすべてに送付を考えると非常に効率が悪いため、リスト化されているターゲット企業の中から、さらに企業を絞って送付していくと良いでしょう。
アウトバウンドセールスのメリット
昨今では、アウトバウンドセールスよりもインバウンドセールスが注目を浴びていますが、どんなにインバウンドセールスが伸びようと、アウトバウンドセールスの手法は消えることはないでしょう。
では、アウトバウンドセールスするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
アウトバウンドセールスのメリットは、以下の4点が挙げられます。
- 顧客を選べる
- 潜在顧客層からアプローチができる
- 営業スピードが速い
- やった分だけ成果につながりやすい
それぞれのメリットについて、詳しくチェックしていきましょう。
顧客を選べる
アウトバウンドセールスは企業側からアクションを起こす営業手法のため、自社でターゲットとしたい顧客を選べることが最大のメリットです。
インバウンドセールスの場合、顧客からのアクションを待って営業活動を行いますが、せっかく問い合わせがきたとしても、自社がターゲットとしたい企業の条件とズレている場合も少なくありません。
その点、アウトバウンドセールスはターゲットとしたい顧客を選定できるため、自社の商品やサービスにマッチした顧客にアプローチが行えます。
どのような企業をターゲットとしたいかを事前にリサーチし、ペルソナに沿って進めていくことができます。
そのため顧客の情報を多く揃え、分析できることも大切です。
加えてターゲットとはズレるが、今後お付き合いをしていきたいと考えている企業に対しても、アウトバウンドセールスによってアプローチをかけることが可能です。
潜在顧客層からアプローチできる
潜在顧客層とは、見込み顧客になる前の顧客のことで、自社がアプローチをかけていない顧客になります。
インバウンドセールスでは確度の高い見込み顧客に対してのみ、営業活動を行いますが、アウトバウンドセールスでは、コンタクトをとったことがない顧客に対しても積極的にアプローチをかけることが可能です。
たとえば前章で解説した、テレアポや飛び込み営業は代表例と言えます。
ゼロの状態からアクションを起こすので、顧客のニーズと自社の紹介したい商品やサービスがマッチすれば、一気に案件化まで至ります。
こうした潜在顧客層にも積極的にアプローチができるのは、インバウンドセールスにはない、大きなメリットと言えます。
営業スピードが速い
アウトバウンドセールスは自社からアクションを起こしていく営業手法のため、営業スピードが速いのが特徴です。
課題やニーズにマッチすれば、一気に案件化し、成約にまで至る可能性もゼロではありません。
一方でインバウンドセールスだと、顧客からのアクションを待つ状態になるため、営業スピードは比較的遅くなってしまいます。
またたとえ案件化につながらなくても、担当者の名前が聞けた、今課題に感じていることが知れたなどの情報が得られれば、次の営業活動に活かすことが可能です。
接点が得られれば、次のアクションにもつなげられるため、顧客のニーズが売り込みたい商品やサービスとは別の商品と合致した場合、すぐにアプローチができます。
こうした営業スピードが速いのは、アウトバウンドセールスの大きな特徴です。
やった分だけ成果につながりやすい
アウトバウンドセールスは、自分から動く営業手法になるため、やった分だけ成果につながりやすいのが特徴です。
インバウンドセールスでは、見込み顧客を獲得するために情報発信やオウンドメディアに掲載するコンテンツ作成などを行いますが、情報発信が有益ではない、コンテンツを作成しても見てもらえないなどがあると、成果にはつながりにくくなります。
その点、アウトバウンドセールスは行動量を自分で調整することができ、やった分だけ成果につながる可能性も高まります。
たとえば飛び込み営業の数もやればやるほど、成果につながる可能性は高まります。
数をこなすことで成果につながりやすいのは、アウトバウンドセールスのメリットと言えるでしょう。
アウトバウンドセールスのデメリット
ここまでアウトバウンドセールスのメリットをチェックしました。
やった分だけ成果が上がりやすかったり、スピード感があったりといったメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
転職する上では、いい部分も悪い部分も理解しておくことが重要です。
アウトバウンドセールスでは、以下の3点がデメリットとして挙げられます。
- 顧客が自社のサービスに興味を持つかは不透明
- インバウンドセールスが主流になってきている
- 人的コストや負担が大きい
それぞれのデメリットについて解説していきます。
顧客が自社のサービスに興味を持つかは不透明
アウトバウンドセールスは自社からアプローチをかけていく営業手法ですが、アプローチを行なった企業のすべてが自社のサービスに興味を持つことはないと言っても過言ではありません。
たとえばテレアポや飛び込み営業を行なった場合、100件の企業にアプローチを行い、1件のアポイントを獲得できた、1件の商談化につながったなど、なかなか成果につながらない場合が多くあります。
さらにアウトバウンドセールスは、担当営業のスキルに依存するケースも多く、スキルがない営業が飛び込み営業を行なってしまうと、商品やサービスの押し売りのように感じてしまい、断られるケースも多々あります。
こうした状態を避けるためには、アプローチを行う企業の選定を十分に行うとともに、営業担当者のスキルアップを組織的に行なっていくことが必要です。
インバウンドセールスが主流になってきている
昨今ではインバウンドセールスで成果を挙げている企業が増えてきており、これから営業活動を行なっていく企業もインバウンドセールスを取り入れることが多くなっています。
インバウンドセールスを取り入れる企業が増えてきている背景として、インターネットやスマートフォンの普及が挙げられます。
一人一台のスマートフォンを持つのが当たり前の時代に突入してきており、インターネットが普及したことで、顧客はいつでもどこでもインターネットにアクセスすることが可能になりました。
つまり、顧客側が自ら情報収集を行うように行動が変化してきたのです。
しかし、インバウンドセールスだけの営業活動だけでは成果につながらないことも確かです。
対策として、インバウンドセールスとアウトバウンドセールスの併用をすることがおすすめになります。
インバウンドセールスとアウトバウンドセールスは、どちらのデメリットをそれぞれのメリットが補うような形になっているためです。
たとえばアウトバウンドセールスで認知度を広げて、インバウンドセールスで購買意欲が高い見込み顧客を獲得するなどです。
インバウンドセールスの補助的な役割でアウトバウンドセールスを活用するのも良いでしょう。
人的コストや負担が大きい
コンタクトがない企業に対してアプローチを行うアウトバウンドセールスは、なかなか成果に至らない、断られてしまうなどのケースが多くなります。
訪問しているにも関わらず、心無い言葉を浴びせられる可能性もゼロではありません。
基本的には断られることを前提として活動を行いますが、断られ続けてしまうと、担当営業の精神的負担は大きくなってしまいます。
なかなか成果につながらないことを責めてしまい、追い込まれてしまう人も少なくありません。
こうした担当営業に対するケアも企業側は重要になります。
さらに飛び込み営業などで訪問を行なっている場合は、交通費などの移動費用も発生します。
件数が多ければ多いほど、コストはかかってしまうため、こうした人的コストが大きいこともアウトバウンドセールスのデメリットと言えます。
アウトバウンドセールスで成果を出すコツ
営業で転職を考えている人の多くは、転職後にしっかり成果を出して、インセンティブをもらいたいと思っている人も多いでしょう。
ここでアウトバウンドセールスで成果を出すコツを紹介します。
下記6つのポイントを意識してみて、営業活動をすると成果に繋がりやすいです。
ポン
- 営業件数を増やす
- 要点を押さえて端的にトークを行う
- KPIをきちんと設定する
- PDCAサイクルを回す
- トークスクリプトを用意する
- 顧客目線を大切にする
- 効率的にツールを活用する
それぞれのコツについて、詳しく解説していきます。
営業件数を増やす
メリットの章でも解説したように、アウトバウンドセールスは、やった分だけ成果につながる可能性が高くなります。
そのため営業件数を増やせば、成果につながる可能性は高くなります。
前述したようにアウトバウンドセールスは、なかなか成果につながりにくい営業手法です。
そのため件数を増やすことで、ターゲットとしている顧客にサービスを認知してもらい、もう一度アプローチをした際に案件化に至るなどの戦略を取ることも考えられます。
しかし成果につなげたいからといって押し売りのようになってしまってはいけません。
どのようにすれば成果につながるかを考えながら、無理のない範囲で件数を増やしていくことが重要です。
要点を押さえて端的にトークを行う
アウトバウンドセールスで成果を上げるためには、トークスキルを上げることも大切です。
コツとしては、要点を押さえて端的にトークを行うことです。
商品の魅力やサービスを伝えたいと思うあまりに、長々と話してしまう営業は多いです。
長々と話してしまうと、聞いている顧客は何が良いのかがぼんやりとしてしまい、結果的に案件化につながらないケースは少なくありません。
そのため要点を押さえ、コミュニケーションを意識しながら端的にトークを行うことが重要です。
要点を押さえる方法として、事前に紙に書き出して文章を作ってみるなどがおすすめです。
紙に書き出すことで要点と合わせて思考も整理されるので、端的なトークを行う準備が整います。
KPIをきちんと設定する
KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字をとった言葉で、日本語訳では重要業績評価指標となります。
つまり目標に対してどれくらいの成果を挙げたのかを数値化する指標のことです。
KPIを明確にすることで、営業担当者は目標が明確になり、自分自身の現在地を常に把握することが可能です。
なおKPIは細かく設定することが重要です。
成約数はもちろんのこと、アポイント獲得件数や訪問件数など、自社の業務体制に合わせて設定します。
目標に届かなければ、達成率に応じてなぜ達成できなかったのかを考えられるため、次の営業活動に活かすことが可能になります。
闇雲にアウトバウンドセールスを行うのではなく、目標に応じて活動を行うようにしましょう。
PDCAサイクルを回す
PDCAサイクルは、「Plan」「Do」「Check」「Action」の頭文字を取った言葉で、この4つを繰り返すことで、自身のスキルアップにつながっていくという手法です。
Planは計画、Doは実行、Checkは確認、Actionは改善になります。
実際に立てた計画に沿って実行し、成果はどうだったかを確認し、なぜその成果だったのかを分析し、悪いところを改善して次に活かしていきます。
アウトバウンドセールスでは、何件も飛び込み営業やテレアポを行なっていきます。
数をこなすことだけを考えていては成果につながらないため、一件一件や一日一日中の振り返りとして行い、次回に活かしていくのが良いでしょう。
課題を解決していけば、必然的に営業としてスキルアップにつながり、成果につながりやすくなります。
トークスクリプトを用意する
テレアポのアウトバウンドセールスに限りますが、トークスクリプトを用意することは重要です。
トークスクリプトとは、どのように挨拶を行うか、顧客の回答によってどのように返答するかを示した台本のようなものです。
トークスクリプトを用意することで、営業の質が担保され、コミュニケーションがスムーズになる、端的に物事を伝えられるなどのメリットがあります。
なお、トークスクリプトは万能なものではなく、時には台本から外れた質問を受けるなどの場合もあります。
そうした場合には、営業担当のスキルが必要になってくるため、事前の研修などで対処する準備を整えておくことが重要です。
顧客目線を大切にする
アウトバウンドセールスは自社からアクションを起こし、プレゼンのような形で商品やサービスの魅力やメリットを伝えるため、時に自分よがりな話し方になりがちです。
自分よがりな話し方だと、顧客に響くことはないため、顧客目線を考えながら活動することが求められます。
顧客目線を持つことで、相手が何を考えているか、相手のニーズは何かを考えられるようになるため、適切なアプローチを行いやすくなります。
どのようにすれば興味を持つか、顧客が感じている課題を解決するために、どのような話し方をすれば良いかなどです。
常に顧客目線を大切にしながらアウトバウンドセールスを行なっていきましょう。
効率的にツールを活用する
アウトバウンドセールスはやった分だけ成果が出るからこそ、効率的に数をこなすことが重要です。
そのため、ツールを上手に活用することで、業務の効率化を図りやすくなります。
活用したいツールとしては、以下の2つが挙げられます。
- SFA(営業支援ツール)
- CRM(顧客管理ツール)
ここからは、それぞれがどのようなツールかをチェックしていきましょう。
SFA(営業支援ツール)
SFとは営業支援を目的としたツールで、顧客の管理や案件管理、営業活動の行動管理などが行えます。
アウトバウンドセールスでは、各営業がどのように営業活動を行なっているかわからない、内容を一元化して管理しにくいという課題がよく挙げられます。
SFAを活用することで、日々の営業活動の報告もかねて、訪問した企業の情報を打ち込むことができるので、営業活動のログを残していくことができます。
さらに、SFAは権限さえあれば誰でもログを見ることが可能です。
そのため、営業活動がうまくいかないときは、成果を挙げているメンバーの活動内容を確認し、次回の自分の活動に活かすといった活用の仕方もできます。
CRM(顧客管理ツール)
CRMは顧客情報を管理するツールのことです。
CRMでは、「顧客がどのようなアクションを起こしたのか」を管理し、その情報を元に「顧客と関係性を維持するためのアクション」をサポートする機能があります。
顧客のニーズを把握できるのに便利なツールのため、営業活動する上で使いこなしていきたいツールです。
さらに、見込み顧客を育成していくリードナーチャリングを行う際に、顧客がどのような位置にいるかもCRMで確認できるようにしておけば、適切なアプローチをかけられます。
アウトバウンドセールスで大切なスキル
ここからはアウトバウンドセールスでは、どのようなスキルが求められるのかについて見ていきましょう。
求められるスキルは、転職の際の自己PRにもつながる部分です。
アウトバウンドセールスへの転職を考えている人は、下記3つのスキルを習得できるよう目指していきましょう。
- ユーザーのニーズを把握する力
- プレゼンテーション能力
- 臨機応変な対応力
それぞれのスキルについて、詳しくチェックしていきます。
ユーザーのニーズを把握する力
できる営業は、ユーザーのニーズを把握することが上手です。
どんなにトークスキルが巧みであっても、相手のニーズにあっていなければ、なかなか成約に至ることはできません。
さらに、無形商材で継続利用で収益をあげるような場合、一度は契約に至っても、その後の継続率が悪いケースもあるでしょう。
アウトバウンドセールスでは、自社からアプローチをかける営業手法ですので、ファーストコンタクトの段階で、顧客のニーズを見極めて、アプローチを行っていく必要があります。
ニーズがあえば、受注まで比較的スムーズに進んでいくでしょう。
たとえ想定していたニーズと異なっていても、ヒアリングを通してニーズを把握できれば、次の営業活動につなげることができます。
アウトバウンドセールスでは、相手のニーズをキャッチする力が求められます。
プレゼンテーション能力
限られた時間の中で、自社の商品やサービスを良いと思ってもらえないと、成約には至りません。
そのため、アウトバウンドセールスだけではありませんが、営業にはプレゼンテーション能力が常に求められます。
プレゼンテーション能力と一言で言いますが、この中には下記のスキルが細分化されます。
- わかりやすい資料を作れるデザイン力
- 相手の様子を見ながら話せる観察力
- 説得力を持たせられる話し方
- 聞きやすくわかりやすい説明
これらのスキルが組み合わさってプレゼンテーション能力となり、一朝一夕で身につけられるものではありません。
できる営業マンは商談の場だけでなく、他のビジネスシーンやプライベートでも、これが実践できています。
説明することが苦手という人は、普段のコミュニケーションで上記のスキルを意識してみると良いでしょう。
臨機応変な対応力
アウトバウンドセールスに限らず、営業活動は自分の理想通りに進むことはほとんどないでしょう。
そのため、想定通りにいかなくなった際に、臨機応変に対応することを求められます。
対策としては、いくつものパターンを想定しておくことや、ベースとなる基本的なことをきちんと身につけておくことが大切です。
アウトバウンドセールスは、飛び込み営業やテレアポなど顧客から不意に想定外の言葉が飛んでくることも往々にしてあります。
その場合に、適切な切り返しや対応ができることも、アウトバウンドセールスとして求められます。
アウトバウンドセールスに向いている人
ここからは、アウトバウンドセールスにはどのような人が向いているのかについて紹介していきます。
下記に該当する方は、アウトバウンドセールスに向いている可能性があります。
- 販売・接客経験がある人
- 営業職に興味がある人
- 気持ちの切り替えが早い人
- ノルマ達成や昇給にやりがいや喜びを感じられる人
- インバウンド営業の経験がある人
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
販売・接客経験がある人
アウトバウンドセールスでは、初めてコンタクトをとる顧客に対して、自社の商品やサービスをアピールしていきます。
販売や接客業もアウトバウンドセールスと同様に、商品やサービスの内容や特性を深く理解した上で、お客さまにわかりやすく説明を行わなければなりません。
そのため、販売や接客業経験がある人は比較的入ってきやすく、接客業で培った経験を活かしやすいでしょう。
気持ちの切り替えが早い人
アウトバウンドセールスは、自社から顧客に対して積極的にアプローチを行うので、顧客は営業を受け入れられる体勢でないことも往々にしてあります。
時には顧客から拒絶され、強い言葉をかけられてしまうこともあるでしょう。
アウトバウンドセールスでは、その1回1回に気落ちしてしまうと、なかなかメンタルも持ちません。
ですので、厳しい意見をいただいたとしても、すぐに気持ちを切り替えられる人は向いていると言えます。
気持ちを切り替えられる人は行動量も必然と増えやすく、成長スピードも早いといえるでしょう。
ノルマ達成や昇給にやりがいや喜びを感じられる人
アウトバウンドセールスでは、「どれだけ多くの顧客と接触したか」や「どれだけ多くの契約を獲得できたか」といった具体的な成果が評価の基準となります。
このため、目標達成に向けて粘り強く取り組む姿勢が求められます。
さらに、成果を上げれば上げるほど会社からの評価も高まり、昇進や昇給のチャンスが広がるでしょう。
結果達成することやノルマ達成して昇給できることに、モチベーションを感じられる人は、アウトバウンドセールスは適しています。
インバウンド営業の経験がある人
インバウンドセールスで培った信頼関係の構築力は、アウトバウンドセールスにおいても非常に有利です。
インバウンドセールスでは、顧客のニーズを深く理解しながら、より良い関係を構築し、成約へと結びつける力が磨かれていきます。
興味がない人を惹きつけるための営業力が求められるアウトバウンドセールでは、インバウンドセールスで培ったコミュニケーション能力やニーズを把握する力が存分に発揮でき、向いているといえます。
アウトバウンドセールスになるためには
ここからは、いざアウトバウンドセールスの営業に応募する場合、どのような手順で転職活動を進めていけば良いかについて説明します。
営業職に問わずですが、転職活動を行う場合は下記3つのポイントを押さえておくようにしましょう。
- 自己分析
- 企業研究
- 選考対策
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
自己分析をしっかり行おう
転職活動をはじめる上で、必ず自己分析を最初にやりましょう。
自己分析を志望動機の作成や自己PRなど選考段階で行う人もいますが、企業選びの軸を作る上でも重要です。
「なぜ転職するのか」「どんな会社で働きたいか」「どんな働き方」をしたいかという、自分の価値観を知った上で、どの企業に応募するのかを決定していきましょう。
企業研究は抜かりなく
応募したい企業が決まったら、その企業について徹底的に調べましょう。
待遇面だけで応募をしてしまうと、入社後にギャップを感じてしまう可能性が高いです。
そして、求人票に記載されている部分だけでは、わからないこともたくさんあります。
最近では給与や休日などの環境面だけでなく、価値観を重視する求職者も多いです。
「どんな人たちと」「どんな風に」「どんな環境で」働けるのかを、企業HPや採用サイト、SNSを駆使してチェックしましょう。
その上で自分にマッチした企業か見極め、そしてその企業で求める人材を理解した上で選考へ進むことをおすすめします。
選考対策は徹底的に
どんなにあなたが素晴らしいスキルをもった人材だとしても、選考のなかでそれが伝わらないと非常にもったいないです。
選考はやり直しがきかない1回勝負だからこそ、後悔のないよう選考対策して臨むように心がけてください。
書類選考は履歴書や職務経歴書の中身に間違いがないのはもちろん、応募する企業に即した内容になっているのか、内容をしっかりと磨き上げましょう。
企業によってはスキルテストやSPIなどの適性検査を受ける場合があります。
期日までの提出を厳守し、より良い結果を出せるよう、できるだけのテスト対策を行ってください。
そして面接では、アウトバウンドセールスだからこそ、伝え方には気をつけましょう。
ここで働きたいという思いが強いあまりに、話が長くなったり、まとまらなくなると、営業としての素質を疑われてしまいます。
事前に回答を準備したり、模擬面接を行ったり、面接であなたの魅力を十分に伝えられるよう対策してください。
エージェントを活用するのもおすすめ
「自己分析」「企業研究」「選考対策」は一人でもできることです。
しかし、中には自分一人で転職準備するのが不安という方もいるでしょう。
そんな時は、エージェントをぜひ活用してみてください。
転職エージェントは、あなたの要望をヒアリングし、おすすめの企業を紹介したり、転職活動全般をサポートしてくれます。
提出書類のチェックや模擬面接などの選考のサポートも、適宜行ってくれます。
さまざまな求職者の転職活動をサポートしてきた経験を活かして、アドバイスしてくれるので、転職活動において強い味方になってくれるでしょう。
もしも一人で転職活動することが不安な方は、エージェントへの相談も検討してみてください。
まとめ
ここまで、アウトバウンドセールスの営業手法の基本からメリット・デメリット、転職までの流れを説明してきました。
昨今の営業手法はアウトバウンドセールスからインバウンドセールスへと変わってきていますが、インバウンドセールスだけではカバーしきれない部分をアウトバウンドセールスは補ってくれます。
そのため、アウトバウンドセールスは廃れることなく、必要な営業手法として残り続けていくでしょう。
相手の興味関心が低い段階から成約に至るまでのプロセスは、インバウンドセールスよりも険しい分やりがいも感じられると思います。
アウトバウンドセールスに挑戦したいという方は、ぜひ本記事を参考にして、転職活動を頑張ってください。
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