
テレアポとは?仕事内容や向いている人の特徴から成約のコツを解説
テレアポに取り組んでいない企業はいないと思われるほど、多くの企業が営業活動の一環として取り入れています。
しかし、テレアポを実施してもなかなか成功には至らず疲弊してしまう従業員が多いのも事実です。
営業職に勤めている人の中にも、顧客と対面で対話をするのは良いがテレアポはツラいと感じている人もいます。
そこで本記事では、テレアポがツラいと言われる理由から、行うことのメリット、成功させるためのコツまでを詳しく解説していきます。
ぜひ、本記事を参考にテレアポへの取り組みを見直してみてください。
テレアポとは?
テレアポとは、「テレフォンアポインター」の略称で、文字通り電話を顧客にかけアポイントを取ることが目的の仕事です。
用意された見込み顧客のリストを確認しながら順番に電話をかけ、アポイントの獲得を目指します。
企業の事業や経営戦略によって、法人企業に対して行うテレアポもあれば、個人に対して行うテレアポもあります。
とくに新規顧客開拓のために、テレアポが用いられることは今でも多く、戦略の一つとしても利用されています。
また、テレアポを行う人に資格などの必要もないため、未経験であっても人員を配置しやすいのが、企業側のメリットです。
営業におけるテレアポの仕事内容
営業におけるテレアポの仕事内容は多岐に渡ります。
具体的には、以下の通りです。
- 架電をする
- トークスクリプトの準備
- アポイントの獲得
- ターゲットリストの作成
- 架電結果を共有する
- クレーム対応・情報共有
- 営業部門との連携
- 架電タイミングの調整
- 顧客ニーズのヒアリング
- トーク内容の改善・振り返り
架電をする
準備が整ったら実際に架電をしていきます。
ターゲットリストに沿って上から順番にかけていきます。
架電をする際の心構えとしては、断られるのが当たり前と思うことです。
テレアポの成功率は低いため、気負わずに進めていきましょう。
架電をした際には、きちんと挨拶を行い、自己紹介、なぜ架電をしたのかの要件を伝えていきます。
自分本位にならず、相手と会話をする意識で進めていきましょう。
また、架電をしていくと目的を忘れてしまうことがあります。
テレアポの目的はアポイントを獲得することです。
きちんとゴールを意識して、トークスクリプトに沿って進めていくことが大切です。
テレアポをかける際は数をこなしていきますが、数をこなすことが目的ではなくアポイントの獲得することが目的と意識を持って架電をしていきましょう。
トークスクリプトの準備
テレアポは個人で行う仕事ではありません。
チームを組んで行なっていくため、トークスクリプトを用意することで個人個人のスキルに左右されず、テレアポの品質が安定できます。
トークスクリプトが用意できないと、個人のスキルの差が明確になってしまい、個人によって話す内容に差が出てきてしまう、内容が変わってきてしまうなどのデメリットがあります。
トークスクリプトを作成する際は、ターゲットの属性に合わせて効果的なものにすることが大切です。
また、相手からの質問に答えられるように細かく作ることも大切です。
すべての質問に対しての答えを用意することは難しいですが、想定される質問や聞かれることが多い質問はあらかじめ回答を作っておきましょう。
さらにテレアポは断られることが多いのが特徴です。
断られたとしても、次につなげられるように切り返し集を用意しておくと良いでしょう。
アポイントの獲得
テレアポの目的は、あくまでもアポイントの獲得です。
会話が盛り上がっても、アポイントを得られなければ意味がありません。
相手の興味を引くトークだけでなく、クロージングの一言まで意識して話を進める必要があります。
相手の反応を見ながら「では一度、詳しいご説明のお時間をいただけますか?」など、自然に日程調整へつなげていく工夫が大切です。
またアポイントの提案は選択肢を与える形で行うと成功率が高まります。
「来週の火曜か水曜の午後はいかがでしょうか」といった聞き方で、相手が応じやすい流れを作りましょう。
加えて相手の懸念点や断り文句に対応できるように、事前に切り返しトークも準備しておくと安心です。
アポイント獲得には、柔軟な対応とゴールを見据えた会話設計が求められます。
ターゲットリストの作成
テレアポを行う準備として「ターゲットリスト」の作成が必要です。
ターゲットリストを作成することで、効率良く架電をすることが可能になります。
ターゲットリストを作成する際は、自社がどのような企業に対してアプローチをかけていくのか、優先順位をどのように付けていくのかなどを考えながら作成していきます。
とくにターゲットの選定を間違えてしまうと、見込みのないターゲットリストとなってしまい、契約には至らなくなってしまいます。
どのような企業を開拓したいのか、なぜその企業が属しているところを開拓したいのかを明確にし、リストを作成していきます。
リストの作成方法としては、専門の業者から条件に合ったターゲット企業を抽出して購入する、業者によってはリストを作成してもらえるケースもあるので確認してみると良いでしょう。
架電結果を共有する
繰り返しになりますが、テレアポはチームとして行なっていきます。
個人個人にタスクは与えられますが、結果を共有することは非常に大切です。
たとえばターゲットリストにある顧客への架電は1回とは限りません。
一度断られた顧客に対して、期間を空けて改めてかけていくこともあります。
その際に、以前の架電結果はどうだったのか、何を話したのか、どのように断られてしまったのかなどの結果を共有することで、次にかける時の情報として有効活用できます。
結果を共有する方法は、共有シートを用意して随時更新する、営業支援ツールなどを導入して共有するなどの方法があります。
営業支援ツールを導入すれば、アポイントを獲得した際に担当営業にすぐに共有ができるなどのメリットがあります。
目的を達成するためにも、架電結果は必ず共有する体制を整えることが大切です。
クレーム対応・情報共有
テレアポでは、想定外のクレームや問い合わせが発生することもあります。
重要なのは、落ち着いた対応と、速やかな情報共有です。
クレームの初期対応を間違えると、企業全体の信用を損ねる恐れがあるため、冷静かつ誠実に対応する姿勢が求められます。
相手が不快感を示した場合にはすぐに謝意を伝え、無理に話を続けず、必要に応じて担当部署へ引き継ぐ判断が大切です。
また、対応内容は必ず記録し、関係者に共有しておきましょう。
次回以降の接触で同じ対応を繰り返さないためにも、履歴管理やコメントの共有は欠かせません。
クレーム対応と情報共有は、チーム全体の信頼性と効率を保つ上で非常に重要な業務の一環と言えます。
営業部門との連携
テレアポ業務では、営業部門との連携が成果に直結する重要なポイントです。
アポイントを取得するだけでなく、営業担当が商談をスムーズに進められるよう、詳細な情報を引き継ぐことが求められます。
例えば顧客が興味を示したポイントや、懸念していた内容などを共有することで、提案の精度を高めることが可能です。
また営業担当からフィードバックを受け取り、トークスクリプトやアプローチ方法を改善する流れも重要となります。
双方の連携が取れていないと、せっかくのアポイントが失注につながるリスクもあるため、密なコミュニケーションと情報共有が欠かせません。
架電タイミングの調整
テレアポ業務では、架電のタイミングがアポイント獲得率を左右します。
どれだけ魅力的な内容でも、相手が忙しい時間帯にかけてしまうと話を聞いてもらえないケースが多くなります。
具体的に言えば、始業直後や昼休み、終業間際は避け、業務が落ち着くとされる午前10時〜11時や午後2時〜4時などを狙うと効果的です。
また業界や職種によっても適した時間帯は異なるため、過去の履歴や営業部門からの情報をもとにタイミングを調整しなければなりません。
無作為にかけるのではなく、相手の状況を想定した架電を行うことで、効率的なアポイント取得につながります。
顧客ニーズのヒアリング
テレアポでは、ただアポイントを取るだけでなく、顧客のニーズを把握することも重要な目的です。
話を進めながら「現在どのような課題を抱えているのか」「どのようなサービスを求めているのか」などを丁寧に聞き出す姿勢が求められます。
ヒアリングした内容は営業部門にとっても貴重な情報となり、商談の質を高める材料です。
また相手に寄り添った質問を心がけることで、信頼関係の構築にもつながっていくでしょう。
そのため事前に質問項目を整理し、会話の流れを見ながら自然にニーズを引き出す工夫が必要です。
アポイント取得と同時に、有益な情報を収集できるかが成果に直結します。
トーク内容の改善・振り返り
テレアポの成果を上げるには、日々のトーク内容を振り返り、改善を重ねていくことが不可欠です。
相手の反応が悪かった箇所や、切り返しに詰まった場面などを記録しておくことで、次回以降の対応力を高められます。
また録音やフィードバックの活用により、客観的に自分の話し方や伝え方を見直すことが可能です。
定期的なトーク内容の見直しは、スクリプトの精度向上にもなるでしょう。
トークの質を高める努力を重ねることで、アポイントの獲得率向上や顧客との信頼構築にも好影響をもたらします。
継続的な振り返りが、テレアポの成果を左右する重要なポイントです。
テレアポの流れ
一般的にテレアポ業務は、事前の準備からクロージング、情報共有まで、一定の流れに沿って進められます。
まずは自社の商品やサービスの内容を十分に理解し、相手に適切に説明できるようにしておくことが重要です。
あらかじめ用意されたトークスクリプトを活用しながら、スムーズな会話ができるよう練習を重ねなければなりません。
準備が整ったら、見込み顧客のリストをもとに電話をかけ、商品の紹介や課題のヒアリングを行いながらアポイントの取得を目指します。
会話の内容や反応は都度記録し、必要に応じて営業担当者へ情報を引き継ぐのが一般的です。
テレアポは成果を出すには継続的な努力が必要で、実績が評価されてインセンティブが支給される場合もあり、やりがいを感じやすい仕事です。
さらに経験を積むことで正社員登用やリーダー職へのキャリアアップのチャンスも広がっていくでしょう。
営業においてテレアポを行う意味とは?
営業活動においてテレアポは「新規顧客開拓」のために有効な手段です。
とくに見込み顧客や見込み顧客一歩手前の潜在層へのアプローチ手段としては、担当者と直接会話できる可能性もあり、見込み顧客を育成し、購買意欲を高めることに繋がります。
営業活動においてのテレアポで大事なことは、目的を明確化することです。
たとえば文字通り、アポイントの獲得が目的の場合もあれば、顧客の担当者の名前を聞き資料やカタログを送付することが奥的のケースもあります。
反対にテレアポで契約まで至るケースはほとんどありません。
契約まで欲張ってしまうと、押し売りのような印象を与えてしまい、顧客からの心象を悪くしてしまいます。
そのため営業として新規顧客開拓の目的のために、見込み顧客と接点を持つ手段としてテレアポが用いられています。
テレアポの種類
テレアポの種類には、個人消費者に向けた営業(To C)と企業や法人に向けた営業(To B)があります。
テレアポ会社への転職を視野に入れるなら、それぞれの特徴についても理解を深めておきましょう。
To C向けテレアポ
To C向けテレアポとは、個人消費者(一般家庭や個人)に対して電話をかけ、商品やサービスを案内する営業活動です。
例えば通信回線、保険、不動産投資、エステなどの商材が代表的なものとして挙げられるでしょう。
消費者は企業との接点がない場合が多いため、話を聞いてもらえるかどうかが最初のハードルになります。
そのため短時間で信頼感を与える話し方や、相手の関心を引き出すトーク力が必須です。
また高齢者や営業電話に慣れていない人に対しては、特に丁寧な対応をしなければなりません。
断られる場面も多くなりますが、感情に左右されず、根気強く対応することが成果につながります。
商品を売り込むのではなく、相手のニーズを見極めながら提案できる力が重要です。
To B向けテレアポ
To B向けテレアポは、企業や法人の担当者に向けて電話をかけ、商談やアポイントを獲得する営業活動です。
商材はITサービス、広告、コンサルティング、人材サービスなどが多く、顧客の業界や企業規模に応じてアプローチ方法を変える必要があります。
BtoCと異なり、相手が業務として対応するため、ある程度は話を聞いてもらいやすい傾向がありますが、その分「導入メリット」や「費用対効果」など、論理的に説明する力が問われます。
また担当部署や決裁権者が誰かを見極める力も重要です。
単なる商品紹介ではなく、課題解決につながる提案を意識しながら、企業の信頼を得てアポイントへとつなげていくことがTo B向けテレアポのミッションだと言えるでしょう。
テレアポとインサイドセールスの違い
テレアポとインサイドセールスは、どちらも非対面での営業活動を指しますが、その目的や役割には明確な違いがあります。
テレアポは主に「アポイントの獲得」に特化しており、顧客に電話をかけて商談の機会を設定することがゴールです。
一方インサイドセールスは、電話やメール、Web会議ツールなどを活用して「商談の一歩手前まで育成する役割」を担います。
つまり顧客の興味関心や課題を深掘りし、購買意欲を高めながら見込み客として育てるのがインサイドセールスの特徴です。
テレアポはどちらかといえば初期接点の獲得、インサイドセールスは中長期的な関係構築が目的であり、営業戦略の中でそれぞれ異なるポジションを担っています。
目的やゴールの違いを理解して使い分けることが大切です。
テレアポとテレマーケティングの違い
テレアポとテレマーケティングは、いずれも電話を活用した営業活動ですが、その目的と内容に違いがあります。
テレアポは「アポイントの獲得」が主な目的であり、見込み客に対して電話をかけ、商談の機会を設定することに特化しています。
一方、テレマーケティングはより幅広い目的を持ちます。
例えば商品やサービスの案内、アンケート調査、資料送付の案内、既存顧客へのフォローコールなど、多様なマーケティング活動が含まれます。
わかりやすく言えば、テレアポが営業の入口を作る「点」の活動なのに対し、テレマーケティングは情報収集や顧客関係構築などを含む「面」の活動と言えるでしょう。
どちらも電話という手段を用いるものの、業務の幅と目的には明確な違いがあります。
テレアポによって得られるスキル
テレアポによって得られるスキルは、大きく分けて次の通りです。
- 電話対応スキル
- 営業スキル
- パソコンスキル
電話対応スキル
テレアポを通じて、正確で丁寧な電話応対のスキルが身につきます。
なぜなら顔の見えない相手と限られた時間の中で信頼関係を築く必要があるためです。
初対面の相手に対しても明るい声のトーンや適切な敬語を使いながら、相手の話を遮らずに傾聴する姿勢が求められます。
また相手の反応に合わせて柔軟に話し方を変える力も養われます。
電話対応の経験を重ねることで、対面での接客にも応用できる丁寧なコミュニケーション力が培われていくでしょう。
営業スキル
テレアポは、営業スキルを高める絶好の機会だと言えるでしょう。
顧客のニーズを引き出し、関心を喚起するための会話力が求められる仕事であり、高い営業スキルが身につきます。
テレアポ営業は、限られた時間の中で「何に困っているか」「どうすれば関心を持ってもらえるか」を意識しながら話を進めなければなりません。
クロージングに向けて相手の温度感を把握し、最適な提案を組み立てる経験を通して、提案力や傾聴力が自然と磨かれていきます。
結果として、営業に必要なコミュニケーション力と課題解決能力が身についていくでしょう。
パソコンスキル
テレアポ業務では、実践的なパソコンスキルも習得できます。
業務では顧客情報の入力や対応履歴の管理、リストの編集などを日常的に行うため、PC操作が欠かせません。
例えばExcelでのデータ整理やフィルタ機能の活用、クラウドツールへの入力作業などを通じて、基本的なPCスキルだけでなく業務効率化の感覚も身につくはずです。
実務を通じて自然とスキルアップできる点は、事務や営業サポートなど幅広い職種に活かせる強みだと言えます。
営業におけるテレアポのメリット
実際にテレアポを経験することで得られるメリットは、以下の6点が挙げられます。
- ビジネスマナーが身につきやすい
- 労働環境が比較的自由
- 高収入が望める
- 多くの見込み客にアプローチできる
- 見込み客からの声を拾いやすい
- 短期間で効果が出やすい
それぞれのメリットについて解説していきます。
ビジネスマナーが身につきやすい
テレアポを通してビジネスマナーが身につきやすいことがメリットです。
なぜならテレアポで顧客と会話をする時には、対面で話す時以上に言葉遣いや敬語に注意する必要があるからです。
実際に対面をした際は、相手に表情を交えながら伝えることができますが、電話では声色と言葉遣いだけで相手に好印象を与えなければいけません。
相手に悪い印象を与えてしまうと、企業のイメージが悪くなってしまう、クレームにつながってしまうなどの危険性があります。
そのため十分に気をつけながら丁寧にテレアポを行う必要があります。
また、テレアポを実施している企業は、いきなり現場に配属することはありません。
事前にビジネスマナー研修やロールプレイングを行いながら、言葉遣いなどを身につけていきます。
そのため未経験であっても、一定のビジネスマナーを身につけて業務に就くことになります。
加えてテレアポは経験を積めば積むほど、敬語や会話のスキルが整っていきますので、ビジネスマナーが身につきやすい業務と言えます。
労働環境が比較的自由
テレアポの労働環境は比較的自由に設定されることが多いです。
たとえば服装や髪型の自由です。
アポは顧客と対面で話をすることはないため、服装や髪型についての規則が緩いことがほとんどです。
カジュアルな服装やネイル、髪を染めるなどもある程度のTPOをわきまえていれば、問題になることはありません。
ある程度の清潔感を持った雰囲気を心がけることが大切です。
他にも勤務時間が自由な職場もあります。
コールセンターの規模によっては、かなりの人数のスタッフが所属しているため、柔軟にシフトを組めます。
短時間の勤務や週3日で働きたいなどの要望にも応えられることが多いです。
多くの人の働き方に合わせられるのは、テレアポの大きなメリットと言えます。
高収入が望める
テレアポに従事することで、高収入が望めます。
なぜならテレアポは基本給に加えて、インセンティブが設定されることが多いからです。
たとえばノルマの〇〇%達成できればインセンティブが発生するなどです。
テレアポにはトークスクリプトが用意され、品質の安定が求められますが、テレアポを行うスタッフには一定のスキルは求められます。
毎日の業務でスキルを積み上げていき、与えられたノルマを達成していけば、インセンティブによって高収入が望めます。
多くの見込み客にアプローチできる
テレアポの大きなメリットは、短時間で多くの見込み客に接触できる点です。
営業活動では、効率的に接点を持つことが成果につながります。
特に訪問営業に比べて移動の必要がなく、電話一本で全国の顧客にアプローチできるため、時間やコストを大幅に削減させることが可能です。
1日に数十件の企業へ電話をかけてアポイントを獲得すれば、翌週の営業予定が一気に埋まる可能性もあります。
見込み客の反応をリアルタイムで把握できるのも強みで、商品やサービスへの関心度を会話の中で探れます。
テレアポは、スピーディーかつ広範囲なアプローチを実現できる営業手法として、多くの企業に活用されています。
見込み客からの声を拾いやすい
テレアポは見込み客のリアルな声を直接拾える点が大きな強みです。
電話でのやり取りでは、相手の反応や質問からニーズや課題をその場で把握できます。
会話の中で「実はこういうことで困っていて…」と本音が出ることも多く、現場の声を営業戦略に活かす材料が得られます。
たとえば、自社サービスに対する具体的な疑問や、他社と比較した感想など、貴重なフィードバックを得られるケースも少なくありません。
メールや資料送付では得られない“生の意見”に触れられるため、商品改善や営業資料のブラッシュアップにも役立ちます。
このように、テレアポはただアポイントを取る手段ではなく、顧客理解を深める情報収集の場としても機能します。
短期間で効果が出やすい
テレアポは、比較的短期間で営業成果を実感しやすい手法です。
電話を通じてダイレクトに顧客と接点を持てるため、即日でアポイントを獲得できることも少なくありません。
営業活動の初動としてスピード感があり、行動と結果の因果関係がつかみやすい点が特徴です。
例えば午前中に架電を行い、その日のうちに商談日程が決まるというケースもあり、実務での達成感を得やすい傾向があります。
また改善点もすぐに検証できるため、試行錯誤を繰り返しながら自らの成長を実感できる点もメリットです。
テレアポは成果が見えやすく、早期にモチベーションを高めやすい業務だと言えます。
営業初心者でも手応えをつかみやすい環境が整っています。
営業におけるテレアポのデメリット
実際にテレアポを行い、ツラいと言われる主な理由としては、以下の4つが挙げられます。
- ノルマが厳しい
- 断られることによる精神的苦痛
- 単純作業になってしまう
- 成果にばらつきがある
それぞれの理由について解説していきます。
ノルマが厳しい
テレアポを行う際は必ずノルマが設定されます。
企業によっては設定されるノルマが厳しすぎるため、ツラいと言われてしまうことがあります。
テレアポで設定されるノルマは、1日にかける件数やアポイントを何件獲得したかなどです。
人によってはこのノルマを厳しく感じてしまい、ノルマを達成できずに落ち込むこともあります。
しかしノルマに未達であってもペナルティを設けている企業はほとんどありません。
中間の目標が達成できないなくても、最終的な目標を達成できれば良いという気持ちでやっていくと良いでしょう。
断られることによる精神的苦痛
テレアポの成功率は高くはありません。
案件によっては、100件かけて1件のアポイントを獲得できれば御の字というものもあります。
つまりほとんどのケースで断られるということです。
しかし断られることが当たり前という考えを持っていても、実際に断られ続けるとなかなか成果につながっている実感がないため、精神的な負担になってしまいます。
とくに断られる際にも、理不尽なことを言われてしまう、怒鳴られて否定されてしまうなど、相手の顔が見えないからこそ強く言われてしまうケースもあります。
それでもテレアポは個人で行うものではありません。
チームとして行なっていくため、周りとフォローしながら進めることで、業務に慣れていき順応していけます。
単純作業になってしまう
テレアポの業務はターゲットリストを確認して、トークスクリプトに沿いながら架電を続けていき、結果を共有していくという流れです。
話している内容に大きな差も出ないため、同じ作業を繰り返すことになります。
そのため、最初は緊張感を持って行なっていた業務も、慣れていくと単純作業を繰り返しているように感じ、ツラいと感じてしまうこともあります。
刺激を受けることも少なく、断られ続けると精神的な苦痛にもつながってしまうでしょう。
ノルマだけに捉われず、自分なりの目標や目的を持ちながら進めていくことが大切です。
成果にばらつきがある
テレアポは個人のスキルや対応力によって成果に差が出やすいという課題があります。
話し方や間の取り方、切り返しの巧さなどが結果に直結するため、同じ件数をこなしても、アポイント数に大きな違いが生まれることがあるでしょう。
スクリプト通りに進めてもうまく成果が出ない一方で、臨機応変に会話を進めた人が好反応を得ることもあるなど、属人的な要素が強く出やすいのが特徴です。
また業務量だけで評価されにくいため、数字へのプレッシャーを感じやすい側面もあります。
このように、努力が必ずしも成果に直結しない可能性がある点は、テレアポの難しさの一つです。
継続的な振り返りと改善を積み重ねることが求められます。
テレアポの年収・時給
テレアポの仕事は、時給やインセンティブ制度によって比較的高収入を目指しやすい傾向があります。
特に成果報酬型を取り入れている企業では、基本給に加えてアポイント数や契約数に応じた報酬が支給されるため、モチベーションの向上にもつながります。
時給は地域や業界によって異なりますが、未経験者でも1,200円以上の求人が多く、スキルや実績によって1,500円を超えることもあります。
さらにフルタイム勤務や正社員の場合であれば、年収300万円〜400万円台を目指すことも可能です。
努力と成果が反映されやすい点が、テレアポの収入面での魅力といえるでしょう。
安定的に高収入を得たい方にとっても選択肢となる職種です。
テレアポに向いている人の特徴
実際にテレアポを行う際に、向いている人の特徴は以下の5点が挙げられます。
- 人との会話が得意
- 気持ちの切り替えが上手い人
- ストレス耐性が強い人
- 成果志向が強い人
- お金を稼ぎたい人
それぞれがなぜ向いているのかを解説していきます。
人との会話が得意
テレアポは電話を通して顧客と会話をしていくため、人との会話が得意と感じている人に向いています。
話すことが苦ではなく、楽しいと感じている人は、前向きに取り組むことができるでしょう。
また、会話が得意な人は無意識のうちに相手の話を聞いていることも多いです。
コミュニケーションがスムーズに取れるため、相手も好印象を持ちやすいでしょう。
さらに前向きな気持ちで取り組めれば、自分自身はもちろんのこと企業に対しても好印象を持ってもらえます。
そのためアポイントの獲得もしやすくなるでしょう。
テレアポは件数を多くかけるため、いろいろな人とコミュニケーションを取ることになります。
いろいろな人と話すことが好き、会話を続けられる人は成果にもつながっていくでしょう。
気持ちの切り替えが上手い人
テレアポは断られることが基本と考えても差し支えありません。
そのため断られることにいちいち落ち込んでしまっては業務が進んでいきません。
アポイントを断られる、電話を途中で切られてしまう、高圧的な態度で理不尽なことを言われてしまうなどマイナスの要素は多い業務と言えます。
また、ノルマがなかなか達成できないと自分自身を責めてしまうこともあります。
しかし、テレアポで起こることの多くは当たり前のことなので、気持ちの切り替えが大切です。
高圧的な態度を取られたら、機嫌が悪かったのかなと考えられるくらいの気の持ちようが求められます。
気持ちの切り替えが上手く、次へ次へと向かうことができる人はテレアポの業務に向いています。
ストレス耐性が強い人
テレアポは精神的な負荷がかかりやすい業務であるため、ストレスに強い人は非常に適性が高いと言えます。
顧客に電話をかけ続ける中で、理不尽な対応を受けることも珍しくありません。
相手の反応によっては、落ち込んだり不安になったりする場面もあるでしょう。
しかし、感情を引きずらずに「業務の一環」として冷静に捉えられる人は、安定したパフォーマンスを発揮しやすくなります。
加えて、長時間にわたる同じ作業の繰り返しにも耐えられる精神力が求められます。
業務中のプレッシャーや緊張をうまくコントロールし、平常心を保てる人ほど、テレアポ業務を継続的にこなせる素養があります。
成果志向が強い人
成果を追い求める意識が強い人は、テレアポに向いています。
なぜならテレアポはアポイントの獲得数や成約数など、明確な目標が設定されていることが多いためです。
数字を意識し、自身の成長や評価につなげようと前向きに取り組める人は、結果を出しやすくなります。
また成果に応じてインセンティブが支給される職場も多いため、報酬面でもモチベーションを維持しやすい環境です。
「どうすればもっと成果を出せるか」と自ら改善点を探り、行動に移せる人材は、チーム内でも信頼されやすくなります。
目標達成に向けて努力できる姿勢は、テレアポ業務で高く評価される資質でしょう。
お金を稼ぎたい人
前章でも解説したようにテレアポはインセンティブが設定されていることが多いです。
そのため短期間であってもまとまったお金を稼げます。
目標が明確なため、自分の現在地もわかりやすく、どれくらい頑張ればインセンティブが得られるかなどもモチベーションになりやすいでしょう。
さらにテレアポは一定のスキルが求められるため、時給が高いことが多いです。
基本給が高く、インセンティブも設定されていれば、お金を稼げる確率は高まります。
お金を稼ぐことは悪いことではないため、短期間でもお金を稼ぎたい人に向いています。
テレアポを成功させるためのコツ
実際にテレアポの業務に就いても、なかなか成果につながらない人は少なくありません。
成果につなげるためには、以下12のコツを意識して業務にあたってみてください。
- 事前準備を入念に行う
- 声のトーンやメリハリに気をつける
- 時間帯やタイミングに注意する
- 最初の10秒を意識する
- シンプルでわかりやすい説明を心がける
- 会話を意識する
- 何度も数をこなす
- 自社の商品やサービスについてきちんと理解する
- ツールを活用する
- 導入事例を用意する
- 仮説を立てながら話をする
- クロージングトークを行う
それぞれのコツについて具体的に解説していきます。
事前準備を入念に行う
ターゲットリストの作成、トークスクリプトの準備ができても、すぐにテレアポを行なってしまうと失敗してしまう可能性が高くなってしまいます。
なぜならすべてのターゲットに対して同じように話してしまうことになるからです。
ターゲットとなる企業に対して、すべて同じように話してしまうと内容が刺さる顧客もいれば、全く刺さらない顧客もいるでしょう。
成功率を上げるためには、事前に相手のことを調べておくことが必要です。
WebのHPを確認して、どのような課題を抱えていそうか、どのような業務を行なっているか、自社が提案したいサービスのどのような部分が対象の企業であれば刺さりそうかなどを考えていきます。
トークスクリプトはあくまでも会話の流れの大枠です。
細かい部分については対応するスタッフのスキルに左右される点があります。
相手を事前に調べておけば、心の準備にもつながります。
行き当たりばったりで架電をしてしまうと、数をこなしているだけになるので注意が必要です。
声のトーンやメリハリに気をつける
テレアポをする際に、内容を伝えることに精一杯になってしまい、機械音声のような一本調子で話してしまうケースは少なくありません。
顔が見えないからこそ、声のトーンやメリハリの付け方によって相手に与える印象は大きく変わってしまいます。
ハキハキと相手に伝わりやすいように話すなど基本的な点も、きちんと押さえておくことが大切です。
なかなか自分ではできていると思っていても相手の印象が異なる場合があるので、ロールプレイング等を通してフィードバックをもらうなど工夫をすると良いでしょう。
時間帯やタイミングに注意する
電話をかける時間帯やタイミングにも注意が必要です。
闇雲に業務が始まったからといって架電をしてしまうと、担当者が不在でつながらないというケースが多くなってしまいます。
始業したばかりの時間帯、お昼休みの時間帯、終業時間間際の時間帯などは、相手も対応できないことが多い時間帯です。
自分に置き換えた時に電話がかかってきた場合、対応しにくい時間帯はどこかを考えると良いでしょう。
企業相手に架電をするのであれば、営業時間を考慮する、個人相手に電話をかけるのであれば、自宅にいる時間帯はいつかを考えるなど、タイミングに注意して架電をしていくことを意識しましょう。
最初の10秒を意識する
ファーストインプレッションという言葉があるように、第一印象はその後のテレアポの進め方に大きく影響します。
そのため最初の10秒を意識して、丁寧に進めていくことが求められます。
とくに「自分は誰なのか」「何を話すために電話をしたのか」「誰と話したいと考えているのか」などを明確に伝えることが大切です。
長ったらしく前置きをしてしまうと、顧客側も不信感や不快感を抱いてしまい、その後の進め方が難しくなってしまいます。
トークスクリプトでも最初の10秒で伝えることを明確にしておくことが大切ですが、実際にかけた際に慌てないようになんども繰り返し練習することが必要です。
きちんとした準備を行い、最初の10秒を乗り切るようにしてください。
シンプルでわかりやすい説明を心がける
テレアポでは、相手に内容を正確に伝えるために「シンプルでわかりやすい説明」が重要です。
電話口では相手の表情が見えず、視覚的な情報も伝えられないため、複雑な話し方をしてしまうと、内容が理解されないまま断られてしまうリスクが高まります。
専門用語や業界用語を多用するのではなく、誰が聞いてもイメージしやすい言葉選びを心がけましょう。
また要点を絞って話すことで、相手にとって聞きやすく、印象にも残りやすくなります。
例えば「導入後のメリットを簡潔に説明する」「質問には端的に答える」といった工夫が、会話のテンポを良くし、信頼感を高めます。
シンプルに伝える姿勢は、相手に配慮できる営業としての評価にもなります。
会話を意識する
アポイントを獲得するという目的があったとしても、相手との会話を意識することが大切です。
押し売りのような形でアポイントを獲得したとしても、その後の商談が難しくなってしまい、最終的な契約に至らない可能性もあります。
アポイントの獲得はその後の商談を行うための手段でしかないため、自分本位で話すことなく、相手と会話をしながらアポイントを獲得することを目指しましょう。
とくにこちらから話すことが一方的になってしまったり、沈黙の時間が流れたりすることはよくあります。
顧客側は急に電話がかかってきたことで警戒心が少なからずあります。
急がずに会話を意識し、相手のテンポやリズムに合わせることを意識しながら会話をしていきましょう。
何度も数をこなす
テレアポで成果を出すためには、何よりも「数をこなす」ことが不可欠でしょう。
なぜならテレアポは成功率が決して高くなく、断られるのが前提となる業務だからです。
どれだけ丁寧な対応をしても、タイミングやニーズの有無によって成果が左右されるため、1件1件の結果に一喜一憂せず、継続して架電を重ねることが成果への近道となります。
実際に100件かけて、ようやく1件のアポイントが取れるということも珍しくありません。
そのため効率よく架電を進める工夫や、断られても気持ちを切り替えて次に進むメンタルも重要です。
数を重ねることで、自分なりの話し方のコツやタイミングも見えてきます。
試行錯誤を続けながら、経験値を積み重ねていくようにしましょう。
自社の商品やサービスについてきちんと理解する
テレアポでは相手から質問をされることはもちろんのこと、自社がどのような案件や商品、サービスの提案を行うためにアポイントを取得したいのかを伝える必要があります。
そのため電話をかける自分自身が、商品やサービスについての理解が浅いと、相手にメリットや魅力が伝わらず、アポイントの獲得には至らなくなってしまいます。
自社の商品やサービスはどのようなものなのか、架電をした顧客に対してはどのようなメリットがあり、どのような課題を解決するのかなどをきちんと理解しておく必要があります。
製品やサービスについての理解が深まれば、トークスクリプトにない質問がきたとしても、スムーズに返答できます。
アポイント獲得の成功率を上げるためにも、製品やサービスについての知識を深めておくことが大切です。
ツールを活用する
効率的に業務を行うためには、ツールの活用も欠かせません。
とくに架電結果の情報を共有を行う際には、Excelなどで管理を行わず、営業支援ツールなどで管理する方が、いつでもどこでも誰でも内容を確認でき、クラウド上で一元管理できるなどメリットが大きいです。
他の人がどのような内容を話しているかの確認もできるので、自身のスキルアップにもつながります。
また、自分のスキルアップを目指すために、自分が話している内容を録音して聞き直すことも有効です。
自分ではできていると思っていても、録音した音声を客観的に聞いてみると、印象が異なっていることは少なくありません。
内容を確認し、自分なりの改善ポイントも見つけることが可能です。
このようにツールを活用して、スキルアップしていくことで、成功率を高めていけます。
導入事例を用意する
テレアポを成功させるには、導入事例を事前に準備しておくことが効果的です。
実際の活用事例を提示することで、顧客に具体的なイメージを持ってもらいやすくなるでしょう。
自社サービスや商品のメリットを抽象的に説明するだけでは、相手に響きにくいことがあります。
「同業種の企業で導入した結果、業務効率が大きく向上した」などの事例を簡潔に伝えることで、信頼感が生まれ、相手の興味を引きやすくなるでしょう。
事例は業界や企業規模に応じて複数パターン用意しておくと、より効果的です。
テレアポの場面では、限られた時間で相手に関心を持ってもらうことが大切になります。
導入事例を適切に活用することで、アポイント獲得の可能性を高めていくことが可能です。
仮説を立てながら話をする
テレアポでは、事前に仮説を立てた上で会話を展開することが成果につながりやすくなります。
なぜなら相手企業のニーズや課題をある程度想定しておくことで、提案内容に一貫性が生まれ、興味を持ってもらいやすくなるためです。
「人材採用を強化している企業には、求人効率を改善するツールを提案する」といったように、業界や企業の動向から仮説を構築しておくと、会話の導入がスムーズになります。
もちろん仮説が外れることもありますが、事前準備の有無が説得力や会話の質に大きく影響します。
仮説をもとに会話を進めながら、実際のニーズを探っていく姿勢が重要です。
柔軟性を持ちつつも、論理的なアプローチを心がけることで、テレアポの成功率は高まっていくでしょう。
クロージングトークを行う
テレアポを行う際にはクロージングも大切です。
どんなに話が弾んでいても、相手の意思が確認できないまま、電話が切れてしまうことは多々あるからです。
テレアポの目的は、アポイントを獲得することです。
会話が盛り上がってしまうと肝心の目的は達成していないのに、時間だけが過ぎてしまうことになります。
顧客の意思確認やアポイント日時の提示などを行い、確実にアポイントを獲得することを意識しましょう。
なおアポイント日時を提示する際は、ピンポイントで指定するのではなく、来週の水曜日か木曜日の午後の時間帯はいかがでしょうかなど、相手に選択肢を与えて聞くことで獲得する確率が上がります。
事前にクロージングトークについても確認をしておき、いざクロージングを行う際にあたふたしないように準備をしておきましょう。
まとめ
テレアポ業務はなかなか成功率が上がらず、なんども電話を繰り返すので、気持ちが落ちてしまいがちです。
しかしビジネスマナーが身につきやすい、労働環境が比較的自由など、ワークライフバランスを整えながら働ける環境が整っているケースも多いです。
テレアポを始めてすぐに結果を出すことは難しいでしょう。
本記事で紹介したコツを参考に、なんども自分自身で試行錯誤を繰り返しながら、成功率を高めてみてください。
成功率を高めてみてください。
SHARE この記事を友達におしえる!