看護師に多い退職理由とは?離職率が高い理由から転職時の伝え方まで徹底解説
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大するとともに、医師や看護師をはじめとした医療従事者の働きに感謝する動きが広く見られるようになりました。
同時に、さまざまな理由で離職する看護師は後を絶ちません。
看護師はどのような理由で退職することが多いのでしょうか?
今回は、統計から分かる退職理由を解説します。
さらに転職の際の退職理由の伝え方のコツやポイントも合わせて伝えていきます。
【看護師の退職理由】退職で多い理由
日本看護協会が発表している統計資料「Ⅰ.就業状況」の結果をみると、看護師・准看護師・保健師・助産師を含む看護職員の就業は令和2年度で1,734,000人にのぼります。
この数字は、昨年よりも50,705人増加しています。
しかし、国内では後期高齢者が増加傾向にあり、今後看護職員が約200万人必要と試算されています。
また、同協会が調査した「8.今後の働き方の意向(1)就業継続意向と就業継続希望年齢」の看護職としての就業継続意向をみると、「あまりそう思わない」「全くそう思わない」「わからない」と回答した人は約20%にものぼります。
つまりは、2割以上の人が看護師を継続せず、転職など検討しているということになるのです。
実際に、看護師の退職理由としては主に下記のことが挙げられます。
・職場の人間関係
・激務・過酷なシフト
・結婚・出産
・スキルアップ/キャリアアップ
・残業代がつかない
・トラウマ
ここからはそれぞれの退職理由について詳しく見ていきましょう。
参照:日本看護協会
職場の人間関係
看護師に限らず、どの職場でも共通する点として、人間関係が良好かどうかは同じ職場に勤め続けられるかを左右する大きな要素です。
中でも看護師の職業は、チームで行う業務体制であり、上司・部下・同僚との関係は避けられません。
厚生労働省が発表している「看護職員就業状況等実態調査結果」では、退職理由に「人間関係が良くないから」を挙げている人も多くいます。
セクハラやパワハラ、嫌がらせやいじめなどの報告があるのは事実です。
経験年数やキャリアが少ない新人看護師に対して無理な指示をしたり、気に入らない場合には暴言を吐いたりするケースも報告されています。
女性が多い職場ならではの雰囲気が苦手との理由も少なくありません。
激務・過酷なシフト
看護師は、病気やけがをしている人をつきっきりでサポートする職業。
そのため、業務内容や量の多さはどの病院でも課題です。
さらに、急患を受け入れている総合病院であれば、残業も多くなることは必然的でしょう。
加えて、病床を保有している場合は業務そのものが24時間続きます。
夜勤を含めた交代制シフトを採用している病院が一般的ですが、慢性的に人手不足で激務や過酷なシフトをこなさなければならない状況に置かれている人は多くいます。
例えば、日勤から深夜勤・準夜勤から日勤など、長い拘束時間や休憩時間の短さを耐えている状態も多い傾向です。
そのため、慢性的な疲労を感じている看護師は多いといわれています。
また、病院によっては休日に研修会が入ることもあり、繁忙期はとくに忙しさを感じます。
肉体的にも精神的にも疲労を感じてしまい、働きやすさを求めて異業種へ転職する人も少なくありません。
結婚・出産
女性であれば、結婚や出産などライフステージの変化を機に退職する人も多くいます。
厚生労働省の調査でも「出産や育児のため」が一番多い退職理由です。
子どもがある程度大きくなるまでは、夜勤や長い拘束時間に対応できないケースが多いことが主な原因として考えられます。
結婚や出産を機に退職した後に復職する場合でも、生活環境の変化により以前のような激務に耐えられなかったり、子どもが病気した場合は急に休んだりしなければならないため看護師を諦める人も多い傾向です。
病院によっては、育休制度を活用したり働く部署を変えてもらったりできる可能性が高いものの、全ての職場で適用できるわけではありません。
スキルアップ/キャリアアップ
看護師を退職するのは、ネガティブな理由ばかりではありません。
中には、スキルアップやキャリアアップを目指して、さらに活躍の場を求めて退職する人もいることを覚えておきましょう。
看護師の職が好きで、モチベーションが高い人ほどスキルアップやキャリアアップを目標にしているとの声を聞きます。
大きな病院に転職して幅広い業務内容のスキルをアップしたり、逆に小さな病院でマルチタスクできるようキャリアアップしたりするなど、自分の可能性を試すのも選択肢のひとつです。
ポジティブな理由で退職する人がいる現状を思いに留めておきましょう。
残業代がつかない
看護師は業務に明確な終わりがない特殊な職種ゆえに、多くの職場では始業前後の時間外労働が常態化している現状です。
日本看護協会が公表している「夜勤・交代制勤務等緊急実態調査」では、未払い残業の実態が報告されています。
始業前に行う前残業や勤務時間外に実施される院内研修への参加、および管理者に多い持ち帰り業務などを、残業時間として報告していないケースが多数です。
はじめから、それらの業務は残業に含まれないと規定している病院も多くあります。
休日も、出勤の有無にかかわらず、研修や会議の資料作成に時間を費やさなければならないケースも少なくありません。
このように拘束時間が長い上に残業代がつかないことも、早期退職を決める理由のひとつです。
トラウマ
病気や事故などさまざまな理由で来院する患者に接する機会が多い看護師は、命の大切さを考える機会が多いといわれています。
中でも、病床を多く保有している病院に勤めている場合は特に、いろいろな病状・症状の人に出会う機会が多いのではないでしょうか。
時には、担当する患者を一生懸命世話していたにもかかわらず、予期せぬ急変で残念な結果になってしまう場合もあります。
自分の対応が本当に良かったのか、他にすべきことはなかったのかなど、後から自責の念を抱く人は少なくありません。
責任感が強く、モチベーションが高い看護師に多い傾向です。
不安や混乱がぬぐい切れず、トラウマとなってしまう場合、退職につながる可能性が高くなります。
【看護師の退職理由】新人看護師が離職する理由
厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査結果 (9)看護職員としての通算就業年数」によると、5年〜10年未満の通算就業年数が一番多く、次いで5年未満となっています。
また、2021年度には新人看護師の離職率が初めて10%を超え、10.3%に増加しました。
この調査結果から、看護師の中でも、新人看護師の離職率が高い傾向にあることが分かります。
その原因として考えられる理由は、次の5つです。
・理想と現実とのギャップ
・知識不足によるプレッシャー
・人間関係のもつれ
・給与条件
・コロナ禍で実習に行けなかったことによる影響
それぞれの項目について詳しくチェックしていきましょう。
理想と現実とのギャップ
看護師の仕事の大変さは、学生時代の実習などで実感しているとは思いますが、入職してからの大変さはそれをさらに上回ります。
新人看護師の退職理由としては、想像以上の業務量で思ったよりも忙しかったということが挙げられます。
夜勤や日勤などの勤務形態にもなかなか慣れず、理想としていた看護師としての働き方ができていないことで悩む方も多いです。
入職前の理想と現実のギャップの大きさは、看護師の退職理由としても多いのです。
知識不足によるプレッシャー
看護師は新人であれど、人の命を預かる仕事です。
一般職種と同様に業務に慣れるまでは、ミスもあるでしょう。
しかし、そのミスひとつが患者さんの命や健康にもつながってくるため、通常の社会人以上の責任が伴ってくるのです。
患者さんの状態に応じて、迅速な判断を求められることも往々にしてあるので、感じるプレッシャーはかなり大きいといえるでしょう。
新人看護師の中では、そのプレッシャーに耐えられなくなったり、叱責されることに辛い思いを感じたりして、退職する人も少なくありません。
人間関係のもつれ
職場の人間関係で悩む新人看護師は多くいます。
看護師の退職理由の1つとして、人間関係が挙げられましたが、看護師はチームで動きます。
とくに経験年数が少ない新人看護師は、自分自身で自立した行動を取れるまでにある程度の時間を要します。
教育が必要であることや仕事のスピードが遅いことで、チーム作業に影響がでて、その結果、職場の人間関係にまで影響がでたということは往々にしてあるのです。
信頼できる人が職場にいないことで、人間関係にストレスを感じ退職する人は、多くいます。
給与条件
看護師の仕事は人の命を預かる仕事であり、専門性が高いです。
その重責と過酷な業務量を踏まえると、業務に対して給与が見合っていないと感じる人も少なくありません。
先輩や上司の働き方を現場で見るなかで、年数や働き方に応じて受け持ち患者の数や業務量が増えているにもかかわらず、給与はさほど上がらないという事実に看護師を退職したいと感じる新人看護師も多いようです。
コロナ禍で実習に行けなかったことによる影響
2019年以降のコロナ禍においては医療機関がひっ迫してしまい、人手不足が深刻でした。
そのような状況下ですので、看護学生は実習ができなかったという人もいます。
病院での実習の代わりに、学校で模擬患者を使った実習を経験した人も多いですが、実際に看護師として現場に入れば感覚は全く違います。
そこでギャップを感じてネガティブになってしまう新人看護師も多いようです。
【看護師の退職理由】看護師全体でみた離職率が高い理由
看護師の離職率の高さについては、3年未満の早期離職だけではありません。
他の業界や業種と比較しても、看護師の離職率は高い傾向です。
その理由は主に4つ挙げられます。
比較的簡単に復帰できるため
看護師は、国内のどこでも慢性的に人手不足の状況です。
そのため、一度離職した場合でも、比較的簡単に職場復帰できます。
家族の事情で居住地域が変わった場合でも、看護師であればすぐに最寄りの病院などに就職できるケースが少なくありません。
また、有資格者であれば重宝されるため、年齢にかかわりなく採用される可能性が高まります。
2020年以降の新型コロナウイルス感染症が拡大したことも影響し、業務内容および量が大幅に増加したため、職場選びに困らない現状です。
選べる職場が多い現状ゆえに、離職しやすいと考えられます。
人間関係や給与や休日などの福利厚生面で悩みを抱えた状態でいるよりも、離職して違う職場環境に身を置くことを選ぶほうがよいと考える人は多い傾向です。
ライフステージの変化
年齢にかかわりなく、ライフステージの変化は離職を決意する大きな要因です。
結婚や出産、育児などにより、これまでのライフスタイルを変えなければならない状況が生じます。
結婚を機に、引っ越しせざるを得ないケースも少なくありません。
転勤が必須の職場に勤めている配偶者であれば、一定期間ごとに引っ越しする必要があり、その際に勤めていた病院を離職する看護師も多数います。
また、場合によっては、親の介護が必要になる可能性も排除できません。
今までのように、夜勤や長い拘束時間に対応できなくなります。
さまざまなライフステージの変化が離職理由となることを覚えておきましょう。
スキルアップやキャリアアップを目指す
自分のキャリアパスやビジョンを明確に持っている人であれば、現状に満足せず、さらにスキルアップやキャリアアップを目指して離職するケースがあります。
現在勤めている職場で、キャリアアップの機会がないことが明確であればなおさらです。
看護師の業務内容は多岐にわたります。
幅広い業務内容に対応できる人材になることや、自身の将来を考慮し成長したいとの思いを抱いて、資格取得を検討するのも選択肢のひとつです。
認定看護師・専門看護師・ケアマネージャー・呼吸療法認定士などの資格は、多くの看護師が取得を目指しています。
資格取得のために勉強時間を確保したり、訓練を受けられる場に身を置いたりすることも、離職の理由の一つです。
異業界への転職
近年では美容整形ブームといっても過言ではないくらい、様々な美容整形外科が展開しています。
病院の看護師を離職した人の中には、美容整形外科に転職をする人も少なくありません。
とくに若い女性看護師にとっては、安定した労働環境のもとで美容の知識が高められることに魅力を感じることでしょう。
クリニックによっては社割で美容施術が受けられるのもメリットです。
人間関係に悩む
新人看護師に限らず、人間関係での悩みは誰にでも起こりうる問題です。
上司や先輩との関係のみならず、部下や後輩の個性や考え方との違いにぶつかることがあります。
話し合いにより解決できることが最善ですが、時には話し合いに応じてくれない場合や話し合っても決裂してしまう場合もゼロではありません。
激務とも相まって、精神状態が安定していなければ、心身のバランスを崩してしまいます。
どのような人たちと毎日過ごすのかは、精神安定のために重要な要素です。
事情を話して配属先を変更してもらえる場合が時折あるものの、離職を決意する人も多数います。
業務負担が大きい
看護師の業務内容および作業量の多さは、看護師でなくても想像できるのではないでしょうか。
病床を保有しており、救急患者を受け入れている病院であればなおのこと、業務負担が大きくなります。
通常業務に加えて、急な対応が求められる場合も少なくありません。
自身の体調が良かったり、年齢が若かったりする場合は問題がなくても、年月の経過とともに状況が変化します。
業務負担や責任の重さに圧倒されても不思議ではありません。
自分が倒れてしまう前に、離職を決意する人は多くいます。
厚生労働省をはじめ、各医療機関では働き方改革を検討しているものの、現実的にはまだ難しい状況です。
【看護師の退職理由】早期に離職することのメリット・デメリット
この記事を読まれている人の中には、実際に看護師を退職することを検討している人も多いでしょう。
なかには年齢的な部分も加味して、早めに退職したいと考えている人もいるはずです。
現職を退職することは、今後のキャリアにも大きく影響がでてきます。
ここからは看護師を早めに退職することのメリットやデメリットについて説明していきます。
自身の現状と照らし合わせて、本当に退職していいかを改めて考えてみましょう。
早めに退職することのメリット
現在働いている環境が合わず転職したいと思っているからこそ、次の転職先では失敗したくないという思いを持っている人も多いでしょう。
働きながら転職活動をすることもできますが、看護師の業務性質的に平日の日中に転職活動を両立することが難しい人もいるのです。
早めに退職して時間をつくることで、選考対策にあてたり、応募先の選考スケジュールに合わせた動きができたりします。
結果として、自分に合った転職先を見つけられる可能性が高くなりやすいです。
人間関係や業務へのプレッシャーを感じて退職を検討している場合、そもそも職場にいくこと事態がストレスになっている人もいるでしょう。
ストレスを蓄積してしまえば、心身にも悪影響を及ぼしかねません。
そのような事態が懸念される場合は、早期退職をしてストレスを減らすことが重要です。
経験年数が浅い段階で退職して転職することは、転職先にとってもいいメリットがあります。
それは教育がしやすいということです。
業務に対する姿勢、価値観などが柔軟な段階であるので、教育しやすく未経験でも採用してもらえる可能性があります。
早めに退職することのデメリット
経験年数が浅い段階での退職や、短いスパンで退職を繰り返す場合、今度応募する企業からも採用しても早くに退職するのではと思われる可能性があります。
次のキャリアへ進む上で相応の理由を持って退職した方が、選考時における退職理由についても説明がしやすくなります。
人間関係に悩み退職したとしても、次の転職先でいい人間関係が築けるかどうかは定かではありません。
現職とは違った人間関係で悩む可能性も十分にあります。
新しい職場で人間関係を再構築しなければならないことも念頭においておきましょう。
退職し、別の病院で働いたり、看護師の業務に準ずるような職業で働いたりする場合、採用枠によっては経験者として扱われ、十分な指導を受けられない可能性もあります。
とくに経験の浅い新人看護師の場合、知識不足によるプレッシャーや教育体制への不満で退職する人も一定数います。
その場合、看護師として転職をしたら、同じような状況に再び陥る可能性があることをあらかじめ予測しておきましょう。
どの職業にも通じることですが、退職してはじめて現職の良さに気づくケースも往々にしてあります。
別職種で転職するとしたら、看護師で感じられるやりがいが自分に合っていたと思うこともあるでしょう。
実際に退職して転職しないと後悔するかはわかりません。
現在の職場で働くことに魅力を感じている部分があれば、一度振り返ってみて続けることもメリットとデメリットを比較した方がいいでしょう。
【看護師の退職理由】失敗しない転職のために必要なこと
やむを得ず、看護師からの退職を決意して、別の職場や職種の採用選考を受ける場合、退職理由はどのように伝えていけばいいのでしょうか。
そもそも、納得できる転職を成功させるためには、転職先を考えるよりも先にやっておきたいことが3つあります。
1.自己分析
2.退職後のキャリアプランの見直し
3.転職先でのスキルアップを考える
これら3つのステップを知ることで、自分に合った転職先を探すことができます。
自己分析
まずは、自分のスキルや能力を知るために、自己分析を必ず実施しましょう。
自己分析をはじめに行う理由は、自分の長所や強みを明確にすることで、それを武器にどういうキャリアを歩んでいくかを明確にするためです。
また、自分がなぜ退職したいのかという退職理由が明確になり、次の転職先に求める条件なども見えてくるのです。
自己分析のやり方は、簡単な方法だと大手転職サイトの無料のオンラインワークが有名です。
もしご自身でメモを取りながら進めたい場合は、以下のステップで挑戦してみてください。
STEP1
過去に印象的だった成功体験・失敗談などを洗い出す
STEP2
なぜ印象的だったのか理由を考える
STEP3
人生史を作ってモチベーショングラフをつける
STEP4
モチベーショングラフで最も幸せを感じた年とそうでない年を見て、そう感じた理由に共通項がないか考える
STEP5
自分の長所と短所を言語化してみる
自己分析ができれば、自分の強みと働く上での軸が明確になります。
転職選考の面接で看護師を退職した理由を聞かれたとしても、軸を中心に論理的に話すことができます。
そして、自分の価値がわかっているため、熱意を込めて自己PRができます。
自分の軸がぶれないため、面接官ともリラックスして会話できますし、面接通過率が高いはずです。
退職後のキャリアプランの見直し
看護師の経験があれば、退職後の転職先を探す際にいくつかの選択肢があります。
これまで小さな個人病院で働いていたのであれば、今度は総合病院や慢性期病棟、美容クリニックなどに勤務して、さらに活躍の場を広げるのも選択肢のひとつです。
また、訪問介護ステーションや介護施設でも働く場があります。
年配の方や病弱な方を世話するにあたって、介護士だけでなく、看護師の資格も持ち合わせている人は重宝される人材です。
異業種だと保育園や一般企業に転職する人も多くいます。
さまざまな人との関わりで培ったコミュニケーション能力や忙しいスケジュールをこなしてきた経験は、異業種でも役立つスキルです。
もし医療業界とは畑違いの業界への転職を検討していれば、転職エージェントやキャリアコンサルタントに相談をしながら転職活動することをおすすめします。
看護師からの転職だと、初めての一般企業への転職面接で緊張したり、ビジネスマナーに戸惑うこともあるでしょう。
転職エージェントやキャリアコンサルタントなら面接対策や書類の添削などもしてくれるので、立ち止まったときに不安にならずに転職活動をすることができます。
転職先でのスキルアップを考える
現状の自分に満足せずに、専門性を高めた看護師になりたいと思っているのであれば、スキルアップできる環境を探してみましょう。
資格取得を応援してくれたり、サポートしてくれたりする病院や施設を転職先として選択できます。
取得しておくと役立つ資格には、専門看護師・認定看護師・認定看護管理者など、種類がさまざまです。
救急ケアや緩和ケアの分野で働きたいのか、がん看護や在宅看護の分野で活躍したいのかなど、キャリアプランに沿ったスキルアップを考えてみましょう。
マネジメント能力に優れている人は、医療分野での管理者を目指せます。
いずれにしても、やみくもに早期離職を決定するのではなく、自己分析しつつスキルアップを目指すことが大切です。
【看護師の退職理由】退職理由の伝え方のコツとポイント
看護師は離職率が高い職業ですが、同一業界に転職するとしても人手不足で引くてあまたです。
そのため、看護師として転職した回数が4回5回に及ぶ看護師も少なくありません。
退職理由は人間関係やライフステージの変化など様々ではありますが、退職理由を書くときはできるだけポジティブな印象を持ってほしいと思う人は多いでしょう。
看護師の転職で退職理由を伝える時は、以下のポイントに注意してください。
・嘘の理由は言わない
・ストレートに言うべきでない表現に気を付ける
・できるだけポジティブな表現で
ここからはそれぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
嘘の理由は伝えない
退職理由を応募先に伝えるときは、嘘を言わないように心がけましょう。
一つでも嘘をついてしまえば、ずっとその嘘を通していかなければなりません。
選考を担当する人においても、応募者が嘘をついているかどうかはある程度見抜けます。
選考のなかで退職理由が二転三転していれば、企業側から不信感を覚えられる可能性もあります。
そういった状況を招かないためにも、事実ベースで退職理由を伝えるようにしましょう。
ストレートに言うべきでない表現に気を付ける
嘘の理由を伝えてはいけないにしても、ストレートすぎる表現には注意しましょう。
場合によっては前職の印象を下げるようなことになりかねず、それに伴いあなたの印象も悪くなってしまいます。
たとえば「前職でいじめに遭った」といった退職理由は「人間関係で悩んだ」に、「給料に満足していない」といった退職理由は、「成果が反映される職場で働きたい」などマイルドな表現に言い換えるようにしましょう。
ポジティブな表現で
ネガティブな理由をそのまま伝えないようにしましょう。
ネガティブな言葉を使用して退職理由を伝えてしまうと、企業側としてもネガティブな印象が強くなります。
万が一今回も同様の状況に陥った場合すぐに辞めるのではないかとの懸念を抱き、採用を見送る可能性も。
不満が多く権利を主張する人というマイナスイメージを与えないために、ネガティブな退職理由はポジティブな表現に置き換えることが重要です。
事実ベースでマイナスな表現を使用したとしても、最終的に伝えたいことの着地点がポジティブな内容になっていれば問題ありません。
「温かな雰囲気に引かれた」や「企業理念に共感できた」など、どのように伝えれば好印象を与えるかを十分考慮した表現に置き換えましょう。
履歴書に退職理由を書くときのポイント
どの職業でも、転職面接では退職理由を聞かれることが一般的で、履歴書にも記載しなければなりません。
退職理由ありきで企業サイドに一緒に働きたい人材と感じてもらうためには、下記のポイントを盛り込んで退職理由を記載しましょう。
・働く意欲がアピールできる理由にする
・前職で学んだことをどう活かしたいかを理由につなげること
「キャリアアップしたい」「今得ている知識をもとにステップアップしたい」という退職理由を述べる人は、とても向上心が高く熱意がある人に見えます。
履歴書の文字は丁寧が当たり前
履歴書を手書きで書く場合は、丁寧さを感じられる字を心掛けましょう。
特別きれいな字を書けなくても、丁寧に書いたかどうかは相手に伝わります。
履歴書は、面接官が対面で会う前にどのような人物かを想像するための判断材料です。
見にくい、またはなぐり書きのような整っていない字は、きちんとした仕事が苦手な人との印象を与えかねません。
一方、一生懸命書いた字や整然とした字は、自己管理ができる人とみなされる可能性があることを覚えておきましょう。
人生経験が豊富な面接官であれば、字から人柄を予想できるともいわれています。
不必要にマイナスイメージを与えないよう注意が必要です。
まとめ
立派な志を抱いて看護師になった場合でも、残念ながら職場環境が合わなかったり、ライフステージが変化したりして、退職を余儀なくされることもあります。
退職して次の環境へ進む場合は、退職に至った理由をしっかりと見つめ直して、企業選びや選考対策をしていかなければなりません。
人によっては本当に今の職場をやめていいのかと悩む人もいるかもしれませんが、よく考えて決断したのであれば、無理に続ける必要もないということを頭の隅においてください。
実際にさまざまな退職理由で職場や職業を変える看護師の方は多いのです。
今悩んでいることがあれば退職するメリットやデメリット、今後の方向性やキャリアなどをよく考えて、より良い働き方を実現してください。
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