【転職活動の時期】12月スタートの転職活動はうまくいく?メリットやスケジュールを徹底解説
はじめに
転職活動を考えている方のなかで、年末年始を有効活用したいという方も多いでしょう。
しかし、何かと忙しい12月。
12月の転職活動は本人も企業側も忙しいがゆえに、転職活動を行うのは難しいと感じている人もいるのではないのでしょうか。
今回は12月から転職活動をしようと考えている人に向けて、この時期から転職活動するメリットや注意点、スケジュールの例を紹介します。
12月から転職活動を始めて問題ないのか?
結論から伝えると、12月から転職活動を初めても問題ありません。
そもそも年末年始は、多くの企業が仕事納めをし、年末年始休暇に入るため、採用市場の動きとしてはローシーズンと考えられています。
しかし、実際のところ、転職市場は一年中動いているため、極端に求人数が減少するというわけではありません。
欠員がでたり、事業を拡大したりで人員補充の必要性があれば、企業は採用活動を行います。
とくに年末年始は、ボーナスをもらってから辞める退職者の穴埋め採用の求人が多く掲載され、大手企業から求人が出るなど穴場のシーズンとも言えます。
12月から転職活動をするメリット
12月スタートで転職活動を行うメリットについて紹介します。
具体的なメリットは下記の6つが挙げられます。
- 12月転職はライバルが少ない
- 年末年始の休みを有効に使える
- ボーナスをもらってやめやすい
- 年度が変わる頃を目安に入社できる
- 年末調整など書類手続きがスムーズ
- 企業が積極的に採用をしている
それぞれの項目についてチェックしていきましょう。
12月転職はライバルが少ない
年末年始は、多くの人が休暇を取り、転職活動を一時的に控える傾向があるため、通常よりも応募者が少なくなります。
これにより、同じ求人に対する競争率が低くなり、選考を通過するチャンスが高まります。
さらに、この時期に採用活動を行っている企業の中には、優良企業も多く含まれており、他の時期に比べて有利な状況で転職活動を進めることが可能です。
年末年始の休みを有効に使える
年末年始は多くの企業が休暇に入り、採用活動も一時的にストップします。
そのため、転職活動に集中するための貴重な時間となりえるでしょう。
現職が忙しくてなかなか転職活動を進められないという方も、この年末年始のまとまった休暇を利用すれば、自己分析や企業研究、応募書類の準備を進めることができます。
転職準備を集中的に行えるので、その後の活動をスムーズかつ効率的に進めることが可能です。
12月の中でも、とくに年末年始を有効に活用して、次のキャリアに備えましょう。
ボーナスをもらってやめやすい
12月から転職活動を始めるメリットの一つは、冬のボーナスを確実に受け取った上で辞められるということでしょう。
多くの企業では、11月末日から12月にかけてボーナスが支給されるため、この時期に在職していることでボーナスの支給対象となります。
さらにボーナスをもらってから退職の意思を伝えれば、退職が原因でボーナスが減額する心配もないでしょう。
このボーナスを受け取ることで、転職活動中の生活費や新しい職場への移動費用、新生活の準備資金に充てることができ、経済的な余裕を持って次のステップに進むことができます。
また、退職後の生活費として貯蓄しておけば、焦らずにじっくりと自分に合った企業を選ぶことができるため、より満足のいく転職活動が可能になります。
受け取れるものをしっかりと受け取り、次のステップへと進むのは賢明な判断と言えます。
年度が変わる頃を目安に入社できる
年度が変わる頃を目安に新しい職場へ入社できるというのもメリットとして挙げられます。
というのも、転職活動には通常3ヶ月程度かかるため、12月に活動をスタートさせると、2月下旬から3月中にかけて新しい職場に入社する可能性が高くなります。
このタイミングは、年度が変わる直前であり、新しい環境に馴染むための準備期間として最適です。
4月の本格的な業務開始前に、職場の雰囲気や人間関係に慣れ、自分のペースで仕事をスタートできるのは、精神的にも安心感があるといえるでしょう。
また、年度末は企業にとっても新しいフェーズを迎える時期です。
転職者が新しい風を吹き込む存在として、企業からの期待もあり、活躍できる環境が整いやすいと言えます。
新年を迎えるタイミングでの転職は、モチベーションの向上にもつながり、新たなキャリアをスタートさせる上でメリットが多いのです。
年末調整など書類手続きがスムーズ
年末調整は年間の所得税を精算する作業で、転職時にも関わる重要なプロセスです。
12月に転職活動を進めると、前職と新しい職場の年末調整がほぼ同時期に行われるため、税務処理が一度に完了します。
これにより、新しい職場での税務手続きがスムーズに進み、問題なく業務を開始しやすくなります。
また、企業側も年末調整の時期には税務処理に慣れているため、新たな従業員を円滑に受け入れる準備が整っています。
したがって、年末調整のタイミングを考慮して転職することで、手続きがより簡単になるというメリットが側面もあります。
企業が積極的に採用をしている
12月の転職活動はローシーズンと考えられがちですが、多くの企業が新年度に向けて積極的に採用活動を進める傾向があります。
とくにこの期間は新卒採用が一段落し、中途採用に力を入れる企業が増えるため、経験を活かして転職活動したいという場合は非常に好機なのです。
たとえば、大手IT企業の中には、12月に翌年度の事業拡大を見据えて採用ニーズが高まり、積極的に求人情報を更新して応募者を募集するケースもあります。
また、年末には未使用の予算を活用して採用活動する企業もいるのです。
企業によっては年末年始に休業するため、採用プロセスが遅れる場合もありますが、求人は新年度に向けてどんどん増えていくので、まだこれからという方こそ12月に転職活動をスタートさせて損はありません。
12月から転職活動をするときの注意点
12月から転職活動をはじめるメリットについて紹介してきました。
では、メリット以外ではどのような注意点があるのでしょうか。
12月から転職活動をする上で、注意すべき点は下記の通りです。
- 年末年始は企業側の採用活動が遅くなりやすい
- 新年度の予算が確定するまで不透明
それぞれについて詳しく説明していきます。
年末年始は企業側の採用活動が遅くなりやすい
12月から転職活動を始める際の注意点として、企業の採用活動が鈍化する可能性があります。
年末年始は多くの企業が長期休暇に入り、採用担当者も同様に休暇を取得します。
そのため、年末年始をはさむ転職活動は、選考プロセスが通常よりも遅れる可能性が高く、面接や選考結果の通知が年明けになることも珍しくありません。
また、企業は年末年始に向けて忙しくなるため、企業における採用活動の優先順位も一時的に下がってしまうことも考えられます。
具体的な入社時期の目標がある場合は、事前に応募書類の準備を整え、年始の仕事はじめのタイミングから迅速に対応できるように備えておくことが重要です。
新年度の予算が確定するまで不透明
企業の新年度予算が確定するまで、採用が不透明な場合があることも、注意点として挙げられます。
とくに年末年始は、企業が新年度の予算を確定する時期でもあります。
そのため、結果次第では採用条件の変更や募集の一時停止が起こることもありえるのです。
業績の悪化によって、新卒の内定取り消しがあったり、採用枠の見直しが実施されたりということも、他所の話ではありません。
こうしたリスクを避けるためには、企業の採用状況を常にチェックし、最新の情報を把握しておくことが重要です。
企業のウェブサイトやニュースリリースを活用して、不確定な要素をできるだけ減らしながら転職活動を進めていきましょう。
企業側で考える12月の採用活動について
先ほど12月から転職活動を始める際の注意点として、企業側の予算が不透明などを伝えました。
では、12月の企業側は、どのような視点や思いを抱いて採用活動をしているのでしょうか。
具体的な心理としては、下記が考えられます。
- 転職者を含めて新年度の体制を検討している
- 採用予算の使い切りたい
それぞれについて説明していきます。
転職者を含めて新年度の体制を検討している
12月は多くの企業が新年度に向けた人員計画を立て始める時期です。
前年度の業績を踏まえて、次年度の戦略や目標を立てます。
そして、その実現のために必要な人数や人材の確保を始めます。
実際に大手企業では新規事業の拡大や既存部門の強化に向け、新しいポジションを設けて人材を募集するという求人がよく見受けられます。
また、中小企業も成長を目指し、新たな人材を求めて年末に求人を出し、新年度から活躍してくれる新たな仲間を募っていることも往々にしてあります。
企業にとっても転職者にとっても、年度末から新年度にかけての時期は、体制を整え、新しいサイクルにスムーズに移行するための重要なタイミングです。
12月は両者にとって、新年度に向けたスタートの時期といえます。
採用予算を使い切りたい
12月は企業が年度末の採用予算を使い切ろうとする時期でもあります。
そのため、予算が余っている企業は積極的に採用活動することも少なくありません。
たとえば新たなポジションを設けたり、既存の部門に追加人員を補充したりします。
さらに次年度の新規事業を見据えて、新しいプロジェクトチームを立ち上げ、年末に複数の人員を一気に確保する動きなども考えることができます。
この時期に積極的に採用活動している企業は、企業運営に欠かせない経営資源の「ヒト」に先行投資できる企業とも捉えられます。
この時期に転職活動を行うことは、そのような企業と出会うチャンスが生まれやすいです。
12月の転職活動のスケジュール例
ここからは12月から転職活動を始めた場合のスケジュール例を紹介します。
一般的に転職活動に必要な期間は3ヶ月が目安と言われています。
ざっくりお伝えすると、各月は下記のような流れで過ごすことになるでしょう。
- 12月
- 1月
- 2月
自己分析や企業研究など転職活動における準備期間。
状況に応じて、各企業の求人にエントリーし、書類等を送付する。
書類選考が通ったものから、面接選考を行う。
新年度に向けて求人が活発化するため、気になる求人があれば都度エントリーする。
早ければ、内定通知をもらえる時期。
内定獲得後に転職活動を終了する場合は、現職に退職の意向を伝えて、ネクストステージの準備を進める。
ここからはそれぞれの月について説明していきます。
12月
12月前半は転職準備に充てましょう。
まずは自己分析を行い、キャリアやスキルの棚卸しを行い、自分の強みや目標を明確にしてください。
そして、自己分析を深めることで、転職の目的や軸をはっきりさせましょう。
自己分析を行った後、その基準を元にどの求人に応募するのか決めると、効率よくニーズに沿った企業に対して転職活動を行えます。
応募する企業が決まれば、企業研究を行いましょう。
応募先の企業や業界に関するリサーチを行い、自分のスキルを活かせるかや自分が求める軸とマッチしているかを検討してみてください。
12月の中旬から下旬にかけては、エントリーを行い、書類選考に必要な履歴書や職務経歴書の準備をしましょう。
選考プロセスが順調に進めば、年内に面接の日程が決まることもあるので、進捗に応じて対策を行ってください。
1月
12月に求人を公開する企業は、年明けから面接を開始したいと考えているケースも少なくありません。
そのため、年末年始休暇前に提出した書類選考が通過すれば、1月の上旬、企業が休みを空けた途端から面接が急増する可能性があります。
さらに、4月の新年度に向けた人材を確保するために、1月から採用活動を本格化させる企業も少なくありません。
気になる求人が見つかれば、1社1社の結果を待たずに同時進行で複数の企業に応募することをお勧めします。
そして、応募者も同様に、新年度に向けて転職活動を活発化させる人が多いです。
年内、年明け以降はこまめに求人情報をチェックし、興味のある企業には早めにアプローチをかけることが転職活動を成功させるカギとなります。
2月
2月は、選考が順調にいけば内定が出るタイミングです。
内定がでた際には提示されている条件をしっかりと確認し、不明点がないように心がけましょう。
もしも内定が出た企業が第二希望で、第一希望の選考結果を待って返事したい場合は、希望の日程を伝えて待てないか打診してみることもできます。
ただ、理由を伝えても保留が難しいと言われたら、採用担当者に返事の期限を聞いたうえでその日までに回答するようにしてください。
そして、転職先が決定したら、現職の退職手続きの準備を始めましょう。
退職の時期は、法律上では退職の意思を伝えてから最短2週間後で問題はないものの、実際には現職の就業規則や社内の慣行に従うことが望ましいです。
各企業には独自の退職手続きや通知期間があるため、事前に確認して、スムーズな退職を心がけましょう。
円満に退職するためには、引き継ぎ業務や後任のサポートも考慮し、できるだけの配慮を行うことが大切です。
12月から始める転職活動を成功させるポイント
ここからは12月から転職活動を始める上で、成功させるポイントについて紹介します。
成功のカギは下記の通りです。
- 自己分析はしっかり行おう
- 企業について細やかに把握しよう
それぞれの項目について説明します。
自己分析はしっかり行おう
自己分析は、就職活動と同様に、転職活動でも必ず初期段階に行いましょう。
企業への応募や書類作成の前に自己分析を完了させておくことで、自分の希望する職種や条件が明確になります。
自己分析をしっかり行うことで、転職先でのミスマッチを防ぎ、より適切な企業選びが可能になります。
そして、転職活動では即戦力や実務経験が求められることが多いです。
そのため、自己分析では、過去の仕事での具体的な経験や実績を掘り下げ、自分が新しい職場でどのように貢献できるか、どのスキルをどのように活かせるかを整理しましょう。
自分の経験が、応募先の企業にどのような価値を提供できるかを、根拠づけるエピソードを準備しておくことが重要です。
転職活動の期間を約3カ月と見積もる場合、希望する転職時期の少なくとも3ヶ月前を目処に自己分析を終えておくことをおすすめします。
企業について細やかに把握しよう
自己分析と同様に、企業の理解を深めることは欠かすことができません。
企業の特徴やビジョンを理解することで、他社との違いが明確になり、「なぜこの企業で働きたいのか」という理由が具体的に浮かび上がります。
さらに企業理解を深めることは、選考プロセスで有利に働くだけでなく、入社後のミスマッチを防ぐ手助けにもなります。
自分がその企業にどれだけ適しているかを示すことができれば、選考を通過する可能性が高まりますし、転職の成功にもつながるでしょう。
下記の方法を駆使し、年末年始の時間があるタイミングで、企業研究を実施してみてください。
転職活動でよくある質問
ここからは転職活動でよくある質問について回答します。
転職に適した季節はいつですか?
転職に適した季節は、一般的に3月から4月の春、そして9月から10月の秋がピークとされます。
この時期は、新年度の開始や事業の見直しが行われるため、企業が新たな人材を必要とする傾向があります。
また、退職者の後任や新規事業の立ち上げなどが影響し、中途採用の機会が増加します。
ただし、これらの時期は求人数が増える一方で、他の転職希望者も多くなるため、競争が激しくなる可能性も。
そのため、自分の強みをしっかりアピールし、選考対策を行うことが重要です。
転職しない方がいい時期はあるのか?
率直に転職のタイミングについては、特定の月が「悪い」とされることはほとんどありません。
そもそも年間を通じて、月ごとの求人の変動はそれほど大きくなく、転職における有利・不利な時期を過度に気にするほどでもないのです。
転職の成功には、自分の状況や準備が最優先です。
たとえば、企業の採用活動が特定の月に増えることもあれば、季節に関係なく安定して採用している企業もあります。
重要なのは、転職の準備が整い、適切なタイミングで行動できるかどうかです。
月ごとの求人の変動を気にしすぎると、自分にとって最適なタイミングを逃してしまう可能性があります。
転職を成功させるためには、自分の状況や希望を最優先に考え、準備の上で行動していきましょう。
転職先は何ヶ月まで待ってくれるか
入社までの期間は企業によって異なりますが、一般的には1ヶ月から3ヶ月の範囲内で調整可能です。
早い段階で希望する入社日について企業と相談することで、希望に応じてもらえることが多いでしょう。
もし企業が急募の人材を求めている場合は、内定から2週間以内に入社できることが望ましいとされています。
一方、現職に就いている場合など、入社までに時間が必要な場合は、企業側もその状況を理解していることが多いです。
この場合、提示した期間内に入社する旨と待ってほしい理由を説明することが重要です。
入社時期に関する交渉は、できるだけ早めに行い、企業と適切なコミュニケーションを取ることで、スムーズに転職を進められます。
スムーズな転職活動はエージェントに相談を!
12月から転職活動を検討されている方の中には、はじめての転職活動であったり、ちゃんと転職できるか不安を感じていたりする人もいるでしょう。
もしもひとりで転職活動を進めることが不安な場合は、転職エージェントを活用してみてください。
12月が企業の採用活動が少しずつ活発になる時期であり、転職エージェントはその好機を最大限に活かせるようサポートしてくれます。
豊富な求人情報のなかからあなたにあった企業を選定してくれたり、選考における企業側とのやりとりをになってくれたり、あなたの転職活動が内定というゴールに辿り着けるよう細やかにサポートしてくれます。
書類対策や面接対策、給与交渉などのサポートも実施してくれます。
年末年始はとくに忙しい時期でもあるため、経験豊富なエージェントからアドバイスを受けることで、転職活動がスムーズに進むだけでなく、効果的なアプローチが可能になるでしょう。
終わりに
今回は12月から転職活動をしようと考えている人に向けて、この時期から転職活動するメリットや注意点、スケジュールの例を紹介してきました。
12月からの転職活動は、採用市場上でローシーズンと言われるものの、次の年度末に向けた採用活動の大事なスタートダッシュの時期です。
年始明けのスタートダッシュを気持ちよくきれるよう、12月や年末年始を活用して自己分析や企業研究、応募書類の推敲を行っていきましょう。
もしもひとりで転職活動が不安な場合は、転職エージェントのサポートを受けてみることも検討してみてください。
理想の転職が実現できるよう、年末年始を有効活用して、転職活動を進めてください。
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