【例文あり】法人営業職の面接とは?経験・未経験の志望動機の書き方やよくある質問10選を紹介

【例文あり】法人営業職の面接とは?経験・未経験の志望動機の書き方やよくある質問10選を紹介

目次
  1. はじめに
  2. 【法人営業職の面接】法人営業の仕事内容とは
  3. 【法人営業職の面接】法人営業に求められる経験・スキル
  4. 【法人営業職の面接】面接官が志望動機を聞く意図
  5. 【法人営業職の面接】法人営業の志望動機の書き方
  6. 【営業未経験の面接】営業未経験が面接で見られているポイント5つ
  7. 【法人営業の面接】営業面接でによく聞かれる質問10選
  8. まとめ

はじめに

法人営業への転職を考えている方で、志望動機の書き方が分からない方は多いのではないでしょうか。

志望動機には法人営業ならではのポイントを盛り込む必要があり、経験者と未経験者ではそれぞれ異なるポイントがあります。

今回の記事では、法人営業の面接に対する志望動機の書き方を解説しています。

また、経験者が転職する場合と、営業未経験者が転職する場合のそれぞれの志望動機例文や、面接でよく聞かれる質問とその回答例文も紹介しているため、これから転職を考えている方は参考にしてみてください。

【法人営業職の面接】法人営業の仕事内容とは

法人営業の仕事には、新規の取引先を開拓する営業方式か、既存の顧客に対して継続した営業を行う方式の2つの方式があります。

商品やサービスを提案する点は、どちらも同じです。

ただし、それぞれの営業方式で難しいと感じるポイントが異なります。

新規開拓営業と既存顧客営業をそれぞれ解説していきましょう。

新規開拓営業

法人営業の新規開拓は、営業活動の中でも特に難易度が高いとされています。

これは、法人営業が個人向けの営業と比べて顧客数が少なく、取引1件当たりの金額が大きいためです。

新規開拓営業では、取引を成立させるプロセスが複雑になります。

まず、営業先の担当者と信頼関係を築き、ニーズを正確に把握しなければなりません。

しかし、実際に承認を下すのは担当者ではなく、多くの場合その上長や、企業の規模によっては役員クラスとなるでしょう。

したがって、新規開拓では特に、経営層を説得するための提案力や交渉力が求められます。

提案内容が企業全体の利益や戦略に合致していることを示すためには、企業の業界動向や内部状況を深く理解しなければなりません。

さらに、取引1件当たりの金額が大きいため、失敗が許されないプレッシャーもあります。

新規開拓では特にストレスを感じる場面も多くなりがちで、この心理的負担は、新規開拓を難しくする要因です。

高額な取引は企業の財務状況に直接影響を与えるため、一度の失敗が大きな損失をもたらす可能性があります。

そのため、リスクを最小限に抑えるための綿密な準備と戦略が求められるでしょう。

既存顧客営業

法人営業の既存顧客営業は、すでに取引のある顧客に対して継続的に関係を構築し、サービスや商品を再度購入してもらうことを目指す営業方式です。

既存顧客営業では、一定期間経過後に入れ替えが必要な商品やサービスに対して、定期的に顧客を訪問します。

訪問時に顧客の現在の状況を把握し、発生する可能性のある課題を解決するための提案を行うことが必要です。

関係構築により、顧客は継続的に自社の商品やサービスを利用することになり、リピーターとしての関係を強化できます。

新規開拓が多くの取引先を開拓することを主な業務とするのに対し、既存顧客営業は顧客との関係構築が主な業務です。

すでに取引実績のある顧客に対しての営業となるため、売上の見込みが立ちやすいのが特徴で、営業担当者は計画的に業務を進めやすく、安定した売上を確保できます。

また、売上が不透明な新規顧客と比較して、既存顧客営業はノルマ達成に追われるプレッシャーが少ないことも特徴です。

すでに信頼関係が構築されている顧客との取引は、比較的スムーズに進むことが多く、顧客からのフィードバックも得やすいため、サービス改善や新商品提案のヒントを得られることもあるでしょう。

【法人営業職の面接】法人営業に求められる経験・スキル

法人営業職の面接に臨む場合は、法人営業にどのような経験が求められているのかを理解しておくことが必要です。

求められていることが分かれば、面接でアピールするべきポイントがみえてくるでしょう。

法人営業には次の経験が求められています。

接客

顧客と向き合う際に失礼のないようにすることや、コミュニケーションを取り良好な関係を築くこと。

提案

特定の商品やサービスを、顧客の課題解決に焦点を当てて提案すること。

見積書作成

契約を成立させるためには、まずは見積書が最低限必要となり、迅速に書類作成することも重要なポイント。

価格交渉

自社の利益を損ねずに、顧客にとっても価値を提案できる折り合いをつけるための交渉。

予算申請

営業活動に必要となる費用を申請する作業。

入札業務

販売業者選定に関連する入札業務。

契約締結

契約締結に必要な書類作成能力。

請求管理

複数の取引先に対する請求管理を行い、請求漏れなどの間違いが起こらないようにすること。

営業以外でも必要な能力も多く含まれています。

そのため、営業未経験であっても自分自身がどの経験をしてきたかを整理し、面接で話せるように準備しておくとよいでしょう。

法人営業に活かせる資格はなに?

日常的に使用するエクセルやワードを活用した書類作成スキルが重要です。

見積書や請求書の作成、自社商品をプレゼンする際の資料作成など、さまざまな場面でこれらのスキルが求められます。

Microsoft Office Specialist「MOS」資格を取得すれば、これらの能力が高いことを客観的に証明でき、転職やキャリアアップに有利となるでしょう。

さらに、取引先が海外法人の場合、語学力も必要です。

TOEIC受験によって英語力を磨くことで、英語力が必要な部署への配属が可能になります。

TOEICで高いスコアを獲得している場合、昇進や昇格のチャンスが広がるため、法人営業としてのキャリアにも影響を与えるでしょう。

法人営業では、経営層と直接対話し、会社の課題解決に取り組むことも多々あります。

そのため、中小企業診断士の資格を持っていると、経営に対する深い知識を習得でき、経営者との対話でも適切な提案ができるようになります。

【法人営業職の面接】面接官が志望動機を聞く意図

面接では志望動機が重要です。

志望動機が適切に答えられるかどうかによって相手への印象が変わるため、合否に影響があります。

適切な回答をするためには、面接官が志望動機を聞く意図を理解しておく必要があるでしょう。

面接官が志望動機を聞く意図は次の内容です。

  • 熱意を知りたい
  • 会社の求める人物か見極めたい
  • 採用するメリットを知りたい

それぞれのポイントを解説します。

熱意を知りたい

面接官が志望動機を聞く意図には、候補者の熱意を知る目的があります。

面接官は、入社後に長期的に働き続ける意志があるかを確認しなければなりません。

採用には時間とコストが掛かるため、すぐに辞めてしまう候補者を避けることは企業にとって重要です。

そのため、志望動機を通じて候補者の持続性や忠誠心を判断しようとします。

会社に対してどれほど貢献してくれるか、その熱意を知ることも重要です。

熱意を持って仕事に取り組む姿勢は、業績向上や職場環境の向上につながるため、面接官は志望動機からその意欲を読み取ろうとします。

また、多くの会社がある中でなぜ自社を選んだのかを探ることで、候補者がその会社での業務に対してどれだけ興味を持っているのかを見極めることが必要です。

特に、なぜ営業なのか、なぜ法人営業なのか、なぜその会社なのか、それぞれの理由を明確に説明できることが重要となります。

会社の求める人物か見極めたい

企業は自社のビジョンやミッションに共感し、それに沿った行動ができる人材を求めています。

志望動機を通じて、候補者が会社の方向性に賛同し、一緒に成長できるかどうかを判断しなければなりません。

また、会社の方針や目的と合わない場合、たとえ優秀な能力を持った人材でも入社後にミスマッチが生じる可能性があります。

このミスマッチは、業務の効率や職場の雰囲気に悪影響を与えるだけでなく、最終的には早期離職の原因ともなりかねません。

さらに、自社製品に対する思い入れや、業界に対する知見があることも重要です。

候補者が自社の製品やサービスに興味を持ち、それに対して情熱を持っているかどうかを確認することで、入社後に積極的に業務に取り組む姿勢が期待できるかを判断します。

採用するメリットを知りたい

面接官が志望動機を聞く意図の1つには、採用するメリットを知る目的があります。

志望動機を聞くことで、応募者が自分自身をどのように分析し、企業側をどのように分析しているのか判断可能です。

自己分析と企業分析の結果から、応募者が具体的に企業に対してどのような貢献ができるのかを明確にすることが求められます。

応募者が志望動機を通じて、自分のスキルや経験がどのように企業のニーズにマッチするかを提示することで、企業側が採用するメリットをアピールできるでしょう。

例えば、自分の経験やスキルがどのように企業のプロジェクトや課題解決に役立つかを具体的に説明することで、即戦力としての期待を持たせられます。

さらに、企業の強みや弱みを事前に分析しておくことで、応募者自身がどのように会社に貢献できるかの具体的な提案が可能です。

【法人営業職の面接】法人営業の志望動機の書き方

志望動機を書く際には次のポイントに注意する必要があります。

  • 結論から分かりやすく書く
  • 経験者は実績を盛り込み
  • 入社後のビジョンを明確にする
  • 経験がある業界へ転職する場合の例文
  • 未経験の業界へ転職する場合の例文
  • NGとされる志望動機

それぞれのポイントを解説し、例文も紹介するので参考にしてみてください。

結論からわかりやすく書く

志望動機の書き出しは全体の第一印象に関わる部分であり、採用者に強い印象を与えるため、重要なポイントです。

結論を最初に書くことで、相手に自分の意図を簡潔に伝えられ、また相手を引き付ける効果もあります。

書き出しが抽象的な場合、志望動機全体が曖昧に捉えられかねません。

例えば、「私は貴社に興味があります」などの曖昧な表現では、具体的な意図が伝わらず、印象に残りにくいです。

具体的な結論を冒頭に書き、その後に理由や背景を説明する構成にすると、志望動機全体が論理的で分かりやすくなります。

理由や背景としては、これまでの経験やスキルがどのように法人営業に役立つかを述べると効果的です。

結論を書き、背景や理由の部分には具体的なエピソードを加えることで、説得力が増します。

経験者は実績を盛り込み

法人営業の志望動機を書く際、営業経験者は自分の実績を盛り込むことで、よりアピールが可能です。

具体的な実績を提示することで、面接官に対して自分が即戦力であることを示し、信頼性を高められます。

実績を盛り込む際には、応募先企業の事業内容に合った内容にしましょう。

過去に製品やサービスを売り込んだ経験や、その際の成功事例を具体的に記述することで、面接官に対して、自分がその企業でどのように貢献できるかを明確に伝えられます。

実績を書く際には、できるだけ数値で表すことが重要です。

例えば、「年間売上を20%向上させた」「新規顧客を30社獲得した」などの具体的な数値は、抽象的な表現よりも信憑性が高まり、面接官に強い印象を与えます。

入社後のビジョンを明確にする

自身のキャリアプランを明確にし、それを基に入社後に法人営業としてどのように成長し、貢献していくかを伝えることで、企業に対して長く働く意思があることをアピールできます。

まず、自分自身がどのようなキャリアを築いていきたいのかを具体的に示しましょう。

企業側は応募者が入社後にどのように成長し、どのように貢献してくれるのかをイメージしやすくなります。

また、結果として会社に対して長期的にどのように貢献していくのかを熱意を持って語ることが重要です。

具体的な目標を示すことで、長期的な視点で会社に貢献する姿勢をアピールできます。

ビジョンを語る際には、自信を持って話しましょう。

自信を持って話すことで、面接官に対して会社への貢献に対する信頼感を高められます。

経験がある業界へ転職する場合の例文

現在の経験を踏まえ、転職先でさらにキャリアアップを目指したいことを明確に伝えましょう。

企業側も成長意欲の高い人材を求めているため、キャリアアップの具体的な目標を示すことは重要です。

また、なぜ転職先の企業でなければならないのかを具体的に提示しなければなりません。

転職先企業の特徴や強み、取り組んでいるプロジェクトや企業文化に対する共感を示すことで、応募先企業に対する理解と熱意を伝えます。

また、自分がこれまでやってきた経験やスキルがどのように生かせるかも必要です。

具体的な業務経験や成果を挙げ、そのスキルが転職先企業でどのように役立つかを説明することで、即戦力としての自分をアピールできます。

例文

私は労務システムの法人営業を経験しており、これまでに年間〇件の新規開拓を達成し、既存顧客に対しても年間〇〇円の売り上げを達成してきました。

貴社のDX化への積極的な取り組みに魅力を感じ、その未来性に期待を抱き、応募いたします。

特に貴社の〇〇システムに関するDX化が進んでいることに着目しました。

貴社のDX化によって、労務システムの営業スタイルも大きく変化することが予想されますが、柔軟に対応し、積極的に貢献したいと考えています。

また、貴社が来期に取り組む〇〇事業にも興味を持っています。

貴社のビジョンに関する〇〇の部分に共感しており、その事業に対しても営業としての貢献が期待できると確信しています。

未経験の業界へ転職する場合の例文

まず、転職の背景としてなぜ未経験の法人営業を選んだのか、そのビジョンを具体的に説明しなければなりません。

興味ややりがいを見出し、将来的なキャリアパスを明確に描くことで、転職への意欲が伝わりやすくなります。

次に、なぜ営業に興味を持ち、なぜその会社を選ぶのか理由を説明しましょう。

具体的な営業の魅力や、選んだ会社の特徴や価値観に共感する点を挙げることで、熱意と適合性を示します。

興味を抱いたきっかけは、具体的なエピソードを交えると説得力が増すでしょう。

さらに、前職の経験との共通点を伝え、自分がどのように貢献できるかを説明します。

前職で培ったスキルや経験が、新たな業界や職種でも生かせることを示すことで、即戦力としての価値をアピール可能です。

例文

前職ではITエンジニアの企画部門として、仕様書作成やプログラミングを担当しました。

また、企画として営業とのやりとりを通じて、新規開拓に同席する機会もあり、その過程で営業活動の魅力を実感しました。

貴社の金融とDXを組み合わせた新しい事業内容に興味を持ち、個人的にも株式取引などを通じてサービスを利用しています。

特に、昨年リリースされた〇〇システムには将来性を感じ、そのサービスを広める営業としての役割に強い関心を抱いています。

ITエンジニアとしての経験を生かし、金融とDXを組み合わせた新たな挑戦に積極的に取り組み、貴社の成長に貢献していきたいと強く思っています。

NGとされる志望動機

まず、漠然とした志望動機は避けるべきです。

具体性に欠ける動機は、どの企業にも当てはまるような印象を与えてしまい、説得力に欠けます。

具体的に応募先のどのような部分に引かれたのか、法人営業としてどのような経験を積みたいのかを明確に示さなければなりません。

実体験が加味されていない志望動機もNGです。

聞こえの良い言葉だけを並べた志望動機は、面接官に薄っぺらい印象を与えます。

自分がどのような経験からそのように感じたのか、具体的なエピソードを交えて説明することで、より説得力を持たせられるでしょう。

また、給与や福利厚生ばかりに着目した志望動機も避けるべきです。

待遇面は確かに重要ですが、面接の場では自分の熱意や経験をアピールすることに注力しましょう。

「給与が高いから」「休暇が多いから」などの理由ではなく、「貴社の営業スタイルに共感し、自分の経験を生かして貢献したい」など双方にメリットとなる理由を前面に出すべきです。

【営業未経験の面接】営業未経験が面接で見られているポイント5つ

営業未経験からの転職の場合は、営業としてのスキルや経験がありません。

その場合、営業に必要な能力で、かつ他の仕事でも培われる部分を見られていることを意識しましょう。

面接で見られているポイントは次の内容です。

  • コミュニケーション能力
  • リサーチ力
  • 傾聴力
  • ロジカルシンキング
  • クリティカルシンキング

それぞれの内容を解説します。

1.コミュニケーション能力

営業職では、個人向けでも法人向けでも、コミュニケーション能力は欠かせないスキルです。

営業活動では顧客との関係構築が必要不可欠であり、コミュニケーションを通じて顧客の潜在的なニーズを引き出すことが、営業活動の成功につながります。

特に法人営業では、複数の関係者と長期的な信頼関係を築くことが重要です。

顧客との円滑なコミュニケーションを通じて、信頼を得ることが長期的な取引関係を維持するポイントとなります。

面接では、前職での他部署や関係者とのコミュニケーションの取り方を具体的に説明しましょう。

例えば、プロジェクト管理の経験があれば、どのようにチームメンバーと協力し、コミュニケーションを通じてプロジェクトを成功させたかをエピソードとして話すことが有効です。

また、顧客対応の経験がある場合、その際にどのように顧客のニーズを把握し、満足度を高めたかを具体的に説明することで、コミュニケーション能力の高さをアピールできます。

コミュニケーション能力によって具体的に成果が出た事例を話すことも有効です。

2.リサーチ力

特に法人営業ではリサーチ力が成功のポイントになります。

業界の市場分析を行い、現在のトレンドを把握し、それを基に顧客に対して適切な提案を行わなければなりません。

顧客の状況を客観的にリサーチし、顧客との話し合いから得られる情報を基に、潜在的な要求を見つけ出すことが重要になります。

営業未経験者が面接でリサーチ力をアピールする際には、前職での具体的なエピソードを提示することが効果的です。

どのような過程を経てリサーチを行い、その結果をどのように成果に結びつけたかを具体的に説明しましょう。

例えば、前職で新規プロジェクトの立ち上げに携わったエピソードも使えます。

徹底的な市場調査を行い、業界のトレンドや競合他社の動向を分析し、最も効果的な戦略を提案した結果、プロジェクトは予算内での成功を収め、会社の売上に大きく貢献した事例などもよいでしょう。

3.傾聴力

傾聴力は相手の話を聞き、重要なポイントを聞き出す能力を指します。

営業では、静かに相手の話を聞くだけではなく、相手から話を引き出さなければなりません。

顧客のニーズや課題を理解するためには、相手の話に真剣に耳を傾け、その言葉の裏にある意味や潜在的な要望を把握することが重要です。

傾聴力を高めるためには、相手が話しやすい雰囲気を作る必要があります。

積極的な姿勢で相手に興味を示し、適切なタイミングで質問を投げ掛けることで、相手が話しやすい環境を整えられるでしょう。

また、相づちやリアクションを適切に入れることや、資料を提示したり、具体例を挙げたりすることで、相手の理解を助けることも重要です。

傾聴力を証明するためには、具体的なエピソードを交えて話しましょう。

顧客からのフィードバックを受け取り、それを元に改善策を考案したり、新たなニーズを発見したりした事例も良いアピールポイントとなります。

4.ロジカルシンキング

営業では、自社の商品やサービスを顧客に理解してもらうためには、論理的な説明が不可欠です。

特に法人営業の場合は複雑な商品やサービスを扱うことが多く、相手に納得してもらうためにはより論理的な思考と説明が求められます。

ロジカルシンキングは、相手の課題を抽出し、それに対する的確な解決策を導き出すためにも重要です。

営業活動では、顧客のニーズや要求を正確に理解し、それに対して効果的な提案を行うことが成功のカギとなります。

また、ロジカルシンキングは営業に限らず、ビジネスのあらゆる場面で必要な能力です。

問題解決や意思決定、プロジェクト管理など、さまざまな業務で論理的思考が求められます。

面接では、前職での経験やエピソードを交えて、ロジカルシンキング能力が身に付いていることをアピールするとよいでしょう。

例えば、過去のプロジェクトで複雑な課題に直面し、論理的に解決策を導き出した経験や、チームでの議論で論理的なアプローチを取った事例を具体的に説明することなどが挙げられます。

5.クリティカルシンキング

営業未経験者が面接で注目されるポイントの1つに、クリティカルシンキングがあります。

クリティカルシンキングは、さまざまな情報を整理し、論理的に分析して最適な解決策を見出す能力です。

特に法人営業には、顧客の課題を発見し、効果的な解決策を提供する能力として重要視されます。

クリティカルシンキングには、論理的思考に加えて、物事の善し悪しを判断する判断力も必要です。

直訳すると批判的思考となりますが、これはすでにある事象や情報を疑い、検証する能力を指します。

まだ表に出ていない課題や潜在的なリスクを抽出し、事前に対策を立てることで、問題を未然に防げることが特徴です。

面接では、このような事例を交えて、自身のクリティカルシンキング能力をアピールするとよいでしょう。

具体的なエピソードとしては、顧客からの要望を受け、それが将来的に発生する可能性のある問題点を予測し、早めに改善策を提案した事例などが該当します。

【法人営業の面接】営業面接でによく聞かれる質問10選

法人営業の面接でよく聞かれる質問を10項目紹介します。

それぞれの回答ポイントや、実際に使える例文も紹介するため、これから面接に臨む方は参考にしてみてください。

1.自己紹介をお願いします

大学からの経歴や職歴、転職の経緯を1~2分程度で要約します。

前職で担当したポジション、そこでの業務内容や成果を具体的に述べましょう。

自身の強みや特技、営業への志望動機や興味を明確に伝えることも重要です。

また、業界や企業に関する事前のリサーチを行い、その企業で働くことに対する意欲や貢献意識を説明します。

最後に、丁寧なあいさつを加えて、自己紹介を締めくくりましょう。

自己紹介は面接官との初対面での印象を左右する重要なポイントなので、自信を持って話すことがポイントです。

営業経験者の例文

私は〇〇と申します。

〇〇大学〇〇学部を卒業後、〇〇会社にて営業職として働いております。

担当業務は新規顧客開拓で、〇〇サービスを中心に〇〇のソリューション全般をパッケージで提供する営業を行ってきました。

昨年からは営業課全体の管理を担当しており、営業計画の立案、進捗管理、各担当の営業戦略の承認などを行っています。

また、新規顧客開拓の各種営業データをデータベース化し、効率的な営業活動を目指して取り組んでいます。

本日はよろしくお願いいたします。

営業未経験者の例文

私は〇〇と申します。

〇〇大学〇〇学部を卒業後、〇〇会社にて事務職として働いています。

担当業務は書類管理やクラウド管理のためのデータ入力、電話対応などです。

各部署からの書類受付や関係会社とのやりとり、自社の役員とのやりとりを経験し、コミュニケーション力が身に付きました。

事務職ではありましたが、さまざまな関係者との調整で培った経験は営業にも生かせると考えております。

本日はよろしくお願いいたします。

2.志望理由を教えてください

志望動機を聞かれた場合の回答には、営業経験があるかどうかに応じた内容が求められます。

営業経験者の場合、なぜ前職を辞めて転職先を選んだのか、明確な理由を述べることが重要です。

待遇面だけでなく、転職先の事業内容やサービス内容に魅力を感じたことを具体的に説明しましょう。

一方、未経験者の場合は、なぜ法人営業に興味を持ち、その企業を選んだのかを詳しく説明しなければなりません。

具体的なエピソードを交え、営業に対する熱意や自分の強みを明確に伝えることが大切です。

営業経験者の例文

貴社を志望する動機は、貴社の〇〇サービスがこれまでの〇〇の課題を長期的に解決する手段となると感じたためです。

私自身、〇〇サービスに付随するソリューションとして〇〇の法人向け営業を担当しており、月間〇件の新規成約を達成しています。

特に、IoTによりますますDX化が進む中で、貴社の〇〇サービスは今困っている中小企業を多く助けるサービスになると確信しております。

これまでの営業経験を生かし、より多くの人に貴社のサービスを活用してほしいと考えて転職を志望しました。

営業未経験者の例文

貴社を志望する理由は、貴社の〇〇サービスが就職に悩む学生の支援として有用なサービスであると感じたためです。

私自身、現在は企業の人事として多くの学生と触れ合ってきています。

採用業務を通して就職に悩んでいる学生の課題と向き合っている中で貴社のサービスを知りました。

人事としての経験を生かし、採用企業側の課題も身近に感じているため、貴社の〇〇サービスをより多くの人に使ってもらえることにやりがいを感じられます。

3.営業職を志望する理由を教えてください

営業職を志望する理由を説明する際、なぜ営業なのかだけでなく、なぜ法人営業なのかも具体的に説明することが重要です。

営業に必要なプレゼンテーション能力や対企業向けの専門知識を持っていることを強調すると説得力が増します。

例えば、企業の経営課題を把握し、応募先企業のサービスがその解決にどのように貢献できるかを具体的なエピソードを交えて説明することが効果的です。

営業経験者の例文

私はこれまでIT業界の営業を行ってきました。

具体的には、C言語の開発プラットフォームの提供で、拠点が離れている場合でもクラウドで開発を管理できる環境を法人向けに営業してきました。

コミュニケーションを取ることが好きで、かつ法人営業では困っている会社と向き合えるため、法人営業にやりがいを感じています。

法人営業として、困っている会社を助けられる部分に魅力とやりがいを感じており、広く貴社のサービスを広めていきたいと考えています。

営業未経験者の例文

私はこれまでエンジニアとして既存システムの保守を行っていました。

前職では、さまざまな営業職の方とのやりとりを通じて、自分の会社のシステムを熱く語る営業の方の働き方に感銘を受け、営業職に興味を持つようになりました。

特に、成果が数字で出る営業職に大きな魅力を感じています。

これまでの自分の知識や経験は法人向けのシステムで生かせると感じており、法人営業を志望しています。

貴社のシステムはこれまでも使用してきており、ユーザーインターフェースや細かい部分での配慮が素晴らしいと感じていました。

4.挫折経験・乗り越えた経験があれば教えてください

営業面接で挫折経験やそれを乗り越えた経験を聞かれた場合、どのように努力し、失敗から学んだかを示すことが重要です。

挫折経験としては、目標を決めて長期的に努力したものの達成できなかったことや、プロジェクトを立ち上げてグループで取り組んだが達成できなかったことなどが挙げられます。

企業は、この質問を通じて応募者がどのような努力をしてきたのか、失敗に対してどのようにリカバリーができる人材かを判断することが目的です。

営業経験者の例文

私は前職で新規エリアの営業を担当し、新規顧客獲得の大きなプロジェクトに取り組みました。

しかし、初年度は大きな挫折を経験しました。

これまでのノウハウをそのまま活用し、地域性を考慮せずに営業を進めた結果、目標を達成できませんでした。

その後、営業方法を見直し、地域に適した戦略を導入しています。

具体的には、営業成果をクラウドで共有し各担当がリアルタイムで確認できるような仕組み作りを行いました。

地域性を踏まえた各担当の情報共有が活発化し、地域のニーズに合わせたアプローチを心掛けられるようになりました。

その結果、当初の目標値を上回る年間○件の新規顧客獲得を達成できています。

営業未経験者の例文

私は事務職として働いていましたが、仕事が遅いことを指摘され、2年目には同期と比較しても仕事の遅さを感じ、挫折を経験しました。

そこで、作業スピードを向上させるために、まずはMOSの資格を取得し、エクセルやワードのスキル向上を目指しました。

また、それぞれの仕事を棚卸しし、一度自分の中で整理することで、各仕事のつながりを理解できたことで作業全体の効率化も行えました。

3年目には仕事の速さが向上し、周りから褒められるようになっています。

5.前職で残した実績があれば教えてください

営業面接で前職の実績を問われた場合、アピールする際のポイントは比較を意識することです。

具体的な数値を用いた定量的なアピールが効果があります。

例えば、前年や業界平均と比較してどの程度の成績を上げたのかを明示しましょう。

比較することにより、実績の具体的なレベルが伝わりやすくなります。

会社内での他の社員やチームとの比較も有効です。

このような具体的なデータを用いることで、あなたの実績がどれほど優れているかを明確に示せます。

営業経験者の例文

20〇〇年度では、月130件の接客件数に対して4件の契約を達成し、社内18人中10位の成績でした。

しかし、その結果に満足せず、20〇〇年度からセミナーに通い、新たに〇〇の手法を取り入れました。

〇〇手法を取り入れた営業方法の改善が功を奏し、20〇〇年度には10件の契約を達成し、社内で2位の営業成績を上げられました。

この成果は、私の営業スキルの向上と努力の成果であり、今後もさらなる成績向上を目指して努力していきます。

営業未経験者の例文

私は製造業界で働いており、製造ラインの工程見直しに取り組みました。

その結果、全体で前年比15%のコストカットを達成しています。

製造全体を管理できるクラウドツールの導入を検討し、社内の営業部門と協力して1年掛けて導入を実施しました。

導入初年度はツールの周知や導入に伴う工数も多く掛かりましたが、次第に業務効率が改善され、翌年度には大幅なコスト削減と効率化を実現しています。

この経験を通じて得たプロジェクト管理能力や社内調整のスキルを、今後の営業活動にも生かしていきたいと考えています。

6.強み・弱みを教えてください

強みを答える際には、自身の強みが具体的にどのような実績に結び付いたのかを説明します。

ただし、自慢話にならないように謙虚な姿勢で話すことが重要です。

次に、弱みを話す際には、その弱みによってどのような失敗があったのかを具体的に述べ、その失敗を次にどう生かしたのかも合わせて説明しましょう。

弱みを把握し、どのように改善を行っているかを示すことで、成長意欲と自己改善の姿勢をアピールできます。

営業経験者の例文

私の強みは、与えられた仕事を最後までやり遂げることです。

新規分野の営業で、チームを組み2年掛けて〇社と契約を行うことを目標としたプロジェクトにアサインされました。

3カ月経過したころに、チームトップが辞めてしまい、私がトップを務めます。

引継ぎやプロジェクト全体の管理など大変なことはありましたが、粘り強く取り組みました。

その結果、2年間やり遂げ、目標件数の2倍の契約を成し遂げています。

この経験から、困難な状況でも諦めずに成果を出す力が身に付きました。

営業未経験者の例文

私の弱みは、自分の意見が正しいと感じた時に周りの意見をくみ取らずに押し通してしまうことです。

入社〇年目に上司から指摘を受け、考えていることは正しくても周りとの調和を意識して長期的な関係を築くことの大切さを学びました。

指導以降、自分の考えをあらためて、相手の意見と調和しながら解決策を見つけることに努めています。

相手の意見と調和することにより、チームワークが向上し、より良い結果を生めると確信しています。

7.弊社で活用できるスキルや経験があれば教えてください

営業面接でのスキルや経験に関する質問に対する回答は、具体的な実績やエピソードを挙げ、その中で自身のスキルがどのように発揮されたかを詳細に説明しましょう。

法人営業経験者の場合は、顧客との関係構築や成果に焦点を当て、過去の成功体験を示すことで信頼性を高めます。

営業未経験からの転職の場合は、自身の持つスキルや経験が営業業務にどのように適用されるかを具体的に説明し、熱意と成長意欲をアピールしましょう。

営業経験者の例文

現在の営業経験では、法人向けのパソコン販売を行っております。

営業を通して、会社役員の多くがセキュリティーに対する懸念を抱いていることに気付きました。

そのため、情報セキュリティーマネジメントの資格を1年間掛けて取得し、顧客へのセキュリティー面でのアドバイスを開始しています。

この取り組みにより、受注数が増加し、顧客の信頼を獲得できました。

また、企業のウイルスや情報漏えいへのリスク管理にも具体的な提案が可能です。

情報セキュリティーに関する知識と経験を生かし、顧客のニーズに合ったセキュリティーソリューションを提供していきたいと考えています。

営業未経験者の例文

富裕層向けのブランド商品の販売員としての経験があります。

高級ブランドに関するトレンドや商品の特徴に関して、富裕層のお客様はすでに深い知識を持っていることが多いです。

そのため、セールストークだけでは十分な販売実績を上げることは難しいと感じました。

お客様のニーズを的確に把握し、そのニーズに合った提案をするために、積極的なヒアリングとコミュニケーション能力を意識しています。

お客様との会話から、求めているものや課題を見極め、それに適した提案を行うことで、顧客満足度を高め、販売実績を伸ばしました。

これまでの販売経験で培ったヒアリング力とコミュニケーション力は、営業でも有効に活用できると確信しています。

8.入社後のキャリアプランを教えてください

入社後のキャリアプランを答える際には、応募企業のビジョンや目標に沿った内容を提示することが重要です。

企業の現状や課題を把握し、自身の描くキャリアプランがその解決や達成にどのように貢献できるかを明確に示しましょう。

自身の成長と企業の成長がリンクするようなキャリアプランとすることが重要です。

前職を離れる理由や応募先企業を選ぶ理由と一貫性を持たせ、継続的な成長と貢献を目指す姿勢を示さなければなりません。

営業経験者の例文

現在の営業では会社内でトップの成績を維持してきました。

貴社は海外展開も行っており、さらに大きな規模で営業として挑戦していける企業だと感じております。

現在の営業で得たノウハウや経験を生かし、貴社でもトップの成績を取れるように努力していきたいと考えています。

さらに入社〇年後には、管理職として部下や後輩が挑戦しやすい環境づくりを行い、会社全体として業界トップの営業成績を目指します。

営業未経験者の例文

数年前から製造業の〇〇部門の管理職としてプロジェクトマネジメントを担当しています。

貴社の〇〇サービスは、革新的でありながら、市場のニーズに対応し、さらには海外展開も視野に入れている点で私の興味を引きました。

営業職は、製造業の課題に対処し、ビジネスを成長させるためのカギを握っていると確信しています。

そのため、私は営業として、貴社のサービスを積極的に市場に展開し、製造業の企業が直面する課題を解決するお手伝いをしたいと考えています。

入社後は、まずは現場で貴社の製品やサービスに関する知識を深め、経験を積んでいく中で、営業チームの育成やトレーニングにも取り組み、会社全体の成長に貢献したいと思っています。

9.関心のあるニュースを教えてください

関心のあるニュースを話す際は、自らの意見を織り交ぜることが重要です。

選んだニュースに自分なりの視点や影響を述べることで、主体性や洞察力をアピールできます。

また、業界トレンドや企業の取り組みに関するニュースを選び、自身の経験や考えを照らし合わせることで、応募先企業に対する理解や興味を示すことが重要です。

ただし、選んだニュースが政治的または敏感なトピックである場合は、慎重に話題を選び、客観的かつ建設的な意見を述べるように心掛けましょう。

営業経験者の例文

新型コロナウイルスの感染症による社会的な変化に関心を寄せています。

特にリモートワークやオンラインショップの活性化に関しては、5類に移行してからもさらに注目されているトピックだと感じています。

私は、その中でもオンラインショップの活性化に着目し、貴社の越境ECに興味を持ちました。

越境EC利用者はコロナ前後で〇〇%の伸び率があり、前職で培ったSEOやインフルエンサービジネスの経験を生かし、貴社に貢献したいと考えています。

営業未経験者の例文

環境問題に深い興味を持ち、SDGsやカーボンニュートラルなどの取り組みに関心を寄せています。

学生時代には卒業論文でSDGsをテーマにし、環境に関する知識や意識を深めました。

最近のニュースでは、電気自動車の需要が増加しており、それに伴いインフラ整備が急務となっています。

貴社の電気自動車のインフラ構築ビジネスには特に魅力を感じ、積極的に貢献したいと考えています。

日本の電気自動車の普及率やインフラ整備の進捗が他国に比べて遅れていることに危機感を覚えています。

これを解決するためには、営業職が重要な役割を果たすと確信しています。

10.最後に質問はありますか?

逆質問の内容は、応募先企業をどれだけ調査してきたかを示す重要な要素です。

調べればすぐに分かるような基本的なことを尋ねると、調査不足や関心の低さを印象付けてしまうため注意しましょう。

例えば、競合他社との比較に関する質問や、商品・サービスに関して公式サイトや一般的なインターネット上には掲載されていない詳細な質問をすると、企業に対する理解が深いことをアピールできます。

営業経験者の場合は、営業方法や顧客との向き合い方に関する具体的な質問をすることも有効です。

応募先企業の営業戦略に関心を持ち、営業活動に貢献する意欲があることを示せます。

営業経験者の例文
  • 主な顧客の企業規模はどの程度でしょうか
  • 〇〇業界の顧客が多いと認識しておりますが、中でも主なターゲット層は〇〇でしょうか
  • 顧客の主な年齢層はどの層でしょうか
  • 〇〇分野での主な活躍を目にすることが多いですが、〇〇分野への進出は展望にあるでしょうか
営業未経験者の例文
  • 現在ホームページ上には〇〇の商品が主に掲載されていますが、今後〇〇の分野も考えているでしょうか
  • 年間の売上高はプレスリリースより確認していますが、一度のロット数はどの程度になるでしょうか
  • 営業部門の男女比率はどの程度になるでしょうか

まとめ

今回の記事では、法人営業の面接に対する志望動機の書き方を解説しました。

面接では志望動機が重要です。

志望動機が適切に答えられるかどうかによって相手への印象が変わるため、合否に影響があります。

志望動機を書く際には、まずは結論から分かりやすく書くことや実績を盛り込むこと、入社後のビジョンを明確にすることなどがポイントです。

経験者が転職する場合と、営業未経験者が転職する場合のそれぞれの志望動機例文を紹介しています。

また、面接でよく聞かれる質問とその回答例文も紹介しているため、これから転職を考えている方は参考にしてみてください。

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