【新卒教員向け】教員が夏休みに退職すべきパターンや手順、メリット・デメリットについて

はじめに

希望や思いを抱いて教員として採用されたものの、現実とのギャップに打ちのめされ、早期に別の学校に移りたい、もしくは教員自体を退職したいと考えることもあるのではないでしょうか。

教員の仕事を退職する際に考えるべきなのは、退職の時期です。

授業のない、夏休みに退職を考える方もいるでしょう。

しかし、教員が夏休みに退職することは可能なのか、そもそもその点がわからず行動に移せないことも。

そこで今回は、教員が夏休みに退職することは可能なのか、という疑問を解消します。

夏休み中に退職すべき場合やおすすめできない場合について解説しつつ、夏休み中の退職手順についても触れていきます。

また、退職の意向を伝える際の例文や夏休み中に退職するメリット・デメリットも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

【夏休み中の教員の退職】そもそも可能？

教員の退職は、各学校の就業規則に従えば、夏休み中でも可能です。

しかし、年度途中の退職は他の教員や生徒に大きな影響を及ぼすため、慎重に検討する必要があります。

肉体的・精神的に年度末まで勤務することが難しい場合は、年度途中であっても退職に向けて行動することをおすすめします。

年度途中の退職は避けられない場合もあるでしょう。

一方、非正規教員の場合は、夏休み中に形式的に1か月間解雇されることがあります。

この期間中は、学校行事の引率や生徒指導、部活動を行っても無給となる可能性があります。

また、退職手当や扶養手当の支給も受けられない可能性があります。

非正規教員の場合、夏休み中の解雇は特に注意が必要です。

給与や手当の支給状況を確認し、必要に応じて学校側と相談することをおすすめします。

教員の退職は、学校運営や生徒への影響を考慮する必要があります。

特に年度途中の退職や非正規教員の場合は、慎重に検討し、適切な対応を取ることが重要です。

【夏休み中の教員の退職】どんな場合にすべき？

ここでは、教員が夏休み中でも退職すべき場合について、以下3つの視点から解説します。

ここで紹介するパターンに当てはまる場合は、時期を見計らわずできるだけ早急に退職を検討した方が良いかもしれません。

明らかにブラックな教育現場である

夏休み中に退職を検討する際は、慎重に判断する必要があります。

特に「現在の組織がブラックな職場である」場合は、夏休み中の退職を検討する選択肢の1つとして考えられます。

例えば「朝7時から夜21時まで働くことが強制される」といった過酷な職場環境では、年度末まで我慢して働き続けることは健康面で問題があるでしょう。

このような場合は、夏休み中の退職を検討することも検討に値するでしょう。

ただし、現在の職場が本当にブラックな職場なのか、休暇が取れないのかは、個人の価値観や工夫によって変わってくる可能性があります。

教職員の中には、残業や休日出勤を当然のように受け入れている現状もあるため、注意が必要です。

そのため、まずは授業のない日や長期休暇期間を活用して有給休暇を取ったり、部活動や委員会などの多忙な業務に関して、複数の顧問を任命し教員同士が協力して残業を減らす工夫をすることが大切です。

つまり、安易に自身の職場をブラックと決めつけるのではなく、まずはこのような工夫をすることができないかを検討してから判断するのがよいでしょう。

夏休み中の退職は慎重に検討する必要があります。

家庭の事情がある

夏休み中に退職を検討する際「家庭の事情」が最も重要な理由の1つとなります。

仕事よりも大切にすべきものとして、健康に加えて「家族」が挙げられます。

例えば「家族が海外に転勤になったので8月に急遽退職したい」や「子どもの病気を看病するため、8月に退職したい」といった家庭事情がある場合は、職場や生徒への影響を気にすることなく、すぐに退職することが適切でしょう。

職場での自分の代替要員は他にいますが、「家族」は唯一無二の存在。

家族の健康や生活に関わる緊急の事態が発生した場合は、迅速に対応することが重要です。

ただし、退職の際は上司や同僚への配慮も必要です。

可能な限り早期に退職の意向を伝え、業務の引き継ぎなどを円滑に行うことで、職場への影響を最小限に抑えることができます。

つまり、家庭の事情による夏休み中の退職は、自身の事情を最優先にしつつ、職場への配慮も忘れずに行うことが重要です。

家族の幸せを第一に考え、迅速に対応することが求められます。

健康への懸念がある

仕事よりも大切にすべきものの1つに「健康」があると考えられます。

しっかりと働くことや好きなことを行うためには、何より自身の健康が不可欠です。

そのため、自身の健康が脅かされている場合は、すぐに退職することをおすすめします。

例えば「このまま年度末まで退職しなければ自身の体調に影響を及ぼす」と判断した場合、すぐに退職することが重要です。

職場や生徒のことを気にかけるあまり、自身の健康を犠牲にしてはいけません。

健康面での問題がある場合、夏休み中であっても迅速に退職を検討すべきでしょう。

仕事を続けることで、さらに体調が悪化し、長期的に見れば職場や生徒への影響も大きくなる可能性があります。

したがって、自身の健康が最優先されるべきであり、それが脅かされている場合は、夏休み中でも退職を検討することが賢明です。

上司や同僚への配慮は必要ですが、何よりも自身の健康を第一に考えることが重要です。

【夏休み中の教員の退職】おすすめしない場合

職場環境や家庭の事情、健康面の懸念などがある場合は、夏休み中でも退職を検討すべきです。

しかし、以下に当てはまる場合は、夏休み中の退職は考え直した方が良いかもしれません。

罪悪感や後悔の念がある

教員が夏休み中に退職することで、退職する側にも罪悪感や後悔が残る可能性が高いでしょう。

一般的に、「夏休みなら学校も代替の先生を見つけやすいはず」「生徒への影響も最小限に抑えられる」と考えがちです。

しかし、これは退職する側の一方的な思い込みであり、大きな誤りです。

夏休み中に応募する教員候補者は、他の学校でトラブルを起こして途中退職した人や、事情により無職になった人など、いわゆる「訳あり」の人が多いと判断されがちです。

このような懸念を持たれたまま採用された教員が、生徒への影響を最小限に抑えて働くことは困難です。

さらに、夏休み中の教員採用にはさまざまな問題があります。

採用試験の実施には仲介業者を利用する必要があり、それに伴う費用が発生します。

また、試験の運用にも多大な労力がかかります。

筆記試験問題の作成や面接官としての出勤、採用後の時間割調整や研修など、夏休み中の採用活動には多くの工数を要するのです。

つまり、教員が夏休み中に退職することは、学校運営にも大きな影響を及ぼすため、退職を検討する際は、慎重に考える必要があります。

経歴に傷をつけたくない

教員の退職は、学校の就業規則に従えば年度途中でも可能です。

しかし、年度途中の退職は他の教員や生徒への影響が大きく、自身の経歴にも傷がつく可能性があります。

文部科学省の調査によると、新規採用教員の1年以内の依願退職理由の上位に挙がるのは「自己都合」と「病気」です。

また、退職教員全体の退職理由としては「転職のため」が最も多く、次いで「家庭の事情」「精神疾患」となっています。

年度末でなければ退職できないわけではありません。

肉体的・精神的に年度末まで持たない場合は、年度途中であっても早めに退職に向けて動くことが重要です。

ただし、その際は学校や生徒への影響を最小限に抑えるよう配慮が必要です。

限界が来てしまえば、その後の転職活動にも影響が出る可能性があります。

そのため、余裕を持って管理職に退職の意向を伝えることをおすすめします。

年度途中の退職は信頼性の損失や転職の困難さ、組織への影響など、デメリットも考えられるため慎重に検討しましょう。

転職したい学校が見つからない

4月に比べ、夏休み中の求人数は圧倒的に少なくなります。

そのため、希望する学校を見つけるのが難しくなる可能性があります。

多くの場合、7月や8月といった中途半端な時期に応募してくる人は、組織にとって「やむを得ず採用試験を行っている」状況です。

例えば、退職者や休職者が出た場合や、急に人材が必要になった場合などが考えられます。

一方で、転職活動自体はノーリスクですので、早めに活動するのが賢明です。

ただし、実際に転職先が決まっていない段階で退職してしまうと、次の職場が見つからない事態に陥る可能性があります。

やはり、夏休み中の転職活動には一長一短があるのです。

求人数が減少する一方で、組織側の採用ニーズも高まる傾向にあります。

そのため、自身のタイミングと状況を慎重に見極める必要があります。

転職活動の際は、求人数の減少や組織側の事情を理解した上で、自身のキャリアプランと照らし合わせて判断することが重要です。

焦らずに、慎重に行動することが成功への近道といえるでしょう。

転職先の学校が夏休み明けからの勤務を強制してくる

転職先の学校が夏休み明けからの勤務を強制してくる場合は、転職を思いとどまった方が良いでしょう。

夏休み中に退職を余儀なくされる理由の1つに、「転職先の企業が夏休み明けからすぐに入社を希望する」ケースがあります。

しかし、このように夏休み後の退職を強制してくる場合は「融通が効かない」ため、「ブラック企業の可能性がある」ことに十分注意が必要です。

本当に自分のことや前職の状況を考えてくれる転職先であれば、年始まで待ってくれることが一般的です。

もちろん「7・8月に退職者が出た」や「何らかの事情で急遽人材が必要になった」といった理由で、夏休み中の募集がある可能性もあります。

しかし、これらの理由は、「職場環境が良くない」や「人事計画が適切ではない」といった懸念を呼び起こす可能性があります。

ただし、これらは可能性の一つにすぎません。

「素晴らしい転職先だが、たまたま9月からの空きが出ていて困っている」といったケースもあり得ます。

したがって、あくまでも可能性として捉え、自身が十分な転職活動を行った上で、ブラック企業かどうかを判断することが重要です。

途中での退職が自信喪失につながる

「途中で辞めることが自信を失くすことにつながりかねない」場合は、夏休み中の退職はおすすめできません。

夏休み中の退職は、言い換えれば「年度途中での退職」に他なりません。

このように中途半端な時期での退職をすると「前の職場でも途中で辞めたから、次の職場も途中で辞めても大丈夫」といった思考に陥りがちです。

しかし、現在の辛い状況にあっても、年度末までしっかりと頑張ることができれば、「前の職場では年度末まで頑張れたから、今は辛くても私なら最後まで頑張れる」と自信を持つことができるようになります。

しっかりと最後までやり遂げることで、自分への自信につなげていくことが重要です。

夏休み中の退職は避け、年度末まで粘り強く取り組むことで、次のステージへの自信につながるでしょう。

【夏休み中の教員の退職】主な手順

実際に夏休み中の退職意向を固めた場合に参考にしたい、退職の手順を紹介します。

夏休み中の退職を検討する教員の方は、ここで紹介する手順をぜひ参考にしてください。

1.退職の意思を伝える

まずは管理職（校長がベストだが、話しやすい管理職でも可）に退職の意向を伝えましょう。

この際、6〜7月上旬が最も良い時期です。

理由次第ではありますが、管理職から退職を思いとどまるようすすめられることが通常です。

教員を続けるようすすめられやすいので、「教員を辞める」と固く決心をしておく必要があります。

この話の進み具合は、辞める理由と管理職のタイプによって千差万別です。

非常に大きなエネルギーを必要とするため、覚悟が必要になります。

さまざまな面で疲弊しており「一切学校と関わらずに辞めたい」という方は、退職代行サービスの活用も検討できます。

2.退職届を出す

管理職との面談が済んだら、次は退職届の提出が必要です。

退職届は、退職願とは異なる正式な書類となります。

教育委員会から書き方の指定がありますので、指定通りに書いて提出しましょう。

なお、管理職に退職の意向を伝える際は、基本的には口頭で伝えるのがよいですが、退職願を提出しても構いません。

退職願は必須の書類ではなく、管理職に「退職したい」という希望を伝えるための書類です。

一方、退職届は正式な書類であり、教育委員会から書き方の指定があります。

自治体によって異なる場合もあるため、確認が必要です。

3.業務の引き継ぎを行う

教員が夏休み中に退職する際、業務の引き継ぎは非常に重要な手順となります。

引き継ぎを適切に行うことで、後任者が円滑に業務を引き継ぐことができます。

引き継ぎを行う際のポイントは以下のとおりです。

<引き継ぎ時期と内容の明確化>

引き継ぎの時期と、引き継ぐ業務内容をしっかりと定めることが重要です。

一度に全ての業務を引き継ぐと後任者が理解しきれない可能性があるため、優先順位を決めて少しずつ引き継ぐのがよいでしょう。

<引継ぎ資料の作成と実務での説明>引き継ぎ資料を作成するだけでなく、実際の業務の流れを伝えることで、後任者がイメージしやすくなります。

資料を手引きとしながら、実務の中で具体的な説明をすることが重要です。

<段階的な引き継ぎ>

一度に全ての業務を引き継ぐのではなく、優先順位を決めて段階的に引き継ぐことで、後任者の理解を深めることができます。

このように、教員の夏休み退職時には、引き継ぎ時期と内容の明確化、引継ぎ資料の作成と実務での説明、段階的な引き継ぎが重要なポイントとなります。

適切な引き継ぎを行うことで、後任者の業務への理解が深まり、スムーズな引き継ぎが期待できます。

【夏休み中の教員の退職】伝え方の例文集

ここでは、夏休み中に退職することを文面で伝える際の例文を紹介します。

【夏休み中の教員の退職】最終決定の前に

夏休み中の退職を検討する前に、次の4つのステップを踏むことで、より良い決断ができるでしょう。

教員を退職するかどうかは、慎重に検討すべき重大な決断です。

ただし、上記のステップを踏めば、より良い選択ができるはずです。

3月まで続けられないか考える

まずは3月の初めまで、現在の職場で働き続けられるかどうかを熟考してみましょう。

年度に向けて気持ちを切り替え、もう一度挑戦する機会を自分自身に想定できるかも知れません。

休職という選択肢も考える

心身ともに疲れ果てている場合は、休職を検討するそのうちの一案です。

一時的に離職し、リフレッシュする機会を得ることで、新たな気持ちで職場に復帰できるかもしれません。

休職中は生活費の工面が課題となりますが、退職よりも好ましい選択肢と言えます。

キャリア相談（コーチング）で自己分析する

キャリアコーチに相談することで、第三者の冷静な視点から自分を分析してもらえます。

これまで見落としていた長所や適性に気づけるかもしれません。

新たな進路を見出すヒントが得られるでしょう。

転職エージェントに相談する

最終的に転職を決意した場合は、転職エージェントに相談するのが賢明です。

対策なども行ってくれるので、スムーズな転職が可能になります。

【夏休み中の教員の退職】メリット

ここからは、教員が夏休み中に退職するメリットを、6つ紹介します。

夏休み中に退職することを思いとどまっている方は、ここで紹介するメリットをぜひ参考にしてください。

生徒と顔を合わせず退職することが可能

夏休み中の退職は、生徒たちとの最後の挨拶を省略できるため、退職する教員にとって便利な選択肢となり得ます。

しかし、生徒たちとの別れの機会を逃すことは、双方にとって望ましくない面もあるでしょう。

教職に就く上で、生徒との良好な関係性を築くことは重要です。

しかし、さまざまな理由から、教員が生徒たちと対面することを避けたくなる状況も考えられます。

そのような場合、夏休み中の退職は、教員にとって心理的な負担を軽減する選択肢となるかもしれません。

一方で、生徒たちにとっても、教員との最後の挨拶は意義深いものです。

教員の退職を知らされずに別れることは、生徒たちにとって寂しい経験となる可能性があります。

あくまでも教員と生徒の良好な関係性を大切にしたい場合は、退職時の挨拶を行うことが望ましいと言えるでしょう。

夏休みは求人が増えることもある

夏休み期間は、求人数が増加する傾向にあります。

その理由は主に以下の2つです。

<下半期の採用ニーズ>

下半期と言われる10月から年末にかけては、新たな事業展開や組織改編などにより、企業が新規採用を行う時期です。

そのため、この時期に求人数が増加します。

<人事異動に伴う補充>

ボーナス支給後に退職する社員の補充採用も、この時期に行われます。

退職者の穴埋めのため、企業は新たな人材を求めることになります。

これらの要因から、夏休み期間は求人数が増加する傾向にあります。

そのため、この時期に求人情報を探すと、普段とは異なる魅力的な求人に出会える可能性が高くなります。

転職活動のタイミングとしても、夏休み期間は有利な時期と言えるでしょう。

企業の採用ニーズが高まっているため、通常よりも採用の機会が増えるためです。

ボーナスを受け取った後で退職できる

夏休み期間は、6月に支給されるボーナスの直後であるため、未練なく退職できるタイミングとして適しています。

通常、10月や11月に退職すると、まだ支給されるはずだったボーナスを逃してしまうため、後々後悔する可能性が高いでしょう。

しかし、6月のボーナス支給直後に退職すれば、その心配がありません。

実際、教員以外の業界でも、6月のボーナス支給後に退職する人は多いのが実情です。

職場側も、この時期の退職に理解を示すことが多いようです。

教員を退職しようと検討している方は、6月のボーナス支給直後の夏休み期間を退職のベストタイミングと考えるのがよいでしょう。

ボーナスの未払いを気にすることなく、スムーズな退職が可能です。

有給休暇を消化しやすい

夏休み中に退職を検討すると、有給休暇を活用しながら、スムーズな退職準備が可能です。

多くの教員が夏休みに有給休暇を取得するため、この時期に退職の意思を伝えても不自然ではありません。

有給休暇を消化しつつ、転職活動や退職手続きなどの準備を進められるのが大きなメリットです。

夏休み中の有給休暇取得と退職の組み合わせは一般的な対応であるため、職場側も教員の事情を把握しやすいため、スムーズな退職が期待できるでしょう。

したがって、転職を検討している教員の方は、夏休み中に有給休暇を活用しながら、退職の準備を進めることをおすすめします。

業務との両立が容易で、かつスムーズな退職が期待できます。

転職活動の時間を確保できる

夏休み中に退職を検討すると、長期的な視点で転職活動に取り組めます。

学期途中の退職と比べ、以下のような利点があります。

<2学期の勤務期間を短縮>

夏休み明けの2学期は4ヶ月間ノンストップで働くことになりますが、夏休み中の退職なら避けられます。

<転職活動と退職手続きの両立が容易>

学期途中の退職では、転職活動と退職手続きを同時に行う必要があり大変です。

夏休み中なら余裕を持って対応できます。

<年末年始の休業日を回避>

冬休み期間は各種転職サービスが休業することもあり、思い通りの活動ができない可能性があります。

夏休み中の活動なら、この問題を回避可能です。

したがって、少しでも転職を考えている教員の方は、夏休み中に積極的に転職活動に取り組むことをおすすめします。

長期的な視点で準備を進められ、スムーズな転職が期待できるでしょう。

後任の教員が見つかりやすい

管理職に夏休み中の退職を伝えることで、後任の先生を見つける余裕が生まれます。

通常の学期中に退職する場合と比べ、管理職の負担は軽減されるでしょう。

また、夏休み中の退職であれば、後任の先生への引継ぎにも時間的余裕があります。

お互いに落ち着いて引継ぎを行うことができるのです。

これらの理由から、管理職にとって夏休み中の退職は望ましい選択肢と言えます。

後任の確保や引継ぎの円滑化など、さまざまな面で有利な条件が整うためです。

一方で、学期途中の退職は管理職の負担が大きくなるため、避けるべきでしょう。

夏休み中の退職であれば、学校運営への影響を最小限に抑えられるのです。

教員の退職時期を選ぶ際は、管理職の立場を考慮することが重要です。

夏休み中の退職は、学校運営の観点から最適なタイミングと言えるでしょう。

【夏休み中の教員の退職】デメリット

夏休み中の教員の退職には、以下3つのデメリットがあることも覚えておきましょう。

ここで紹介するデメリットが懸念点になる場合は、夏休み中の退職は考え直した方が良いかもしれません。

4月入社と比較すると求人数が乏しい

通常、企業の新年度が4月から始まるため、4月入社の求人が最も活発になります。

1月から3月にかけては、新卒採用や中途採用の活動が活発化し、求人数が大幅に増加します。

一方、夏休み中に転職活動を行い、秋から入社を希望する場合、4月入社の求人よりは選択肢が少なくなる傾向にあることを覚えておきましょう。

5月から6月、8月から10月にかけても求人は多いものの、4月入社の求人ほど多くはありません。

夏休み中ではなく、4月入社を希望する場合は、1月から3月にかけての求人活動が有利になります。

一方、夏休み中の転職活動では、選択肢が限られる可能性があるため、早めに情報収集を行い、転職エージェントなどの活用も検討するのがよいでしょう。

引き止められる可能性が高い

夏休み中の退職は、退職する教員の代替要員を見つける必要があることから負担になるため、引き止められる可能性が高いでしょう。

特に、突然の退職では適切な人材を見つけるのが難しい場合も多いでしょう。

このような状況では、管理職は教員の退職を引き止めようとする可能性があります。

中には、「代わりの先生を見つけるまで続けてほしい」と強く要請したり、「無責任だ」と批判する管理職もいるでしょう。

一方で、教員側としては、管理職と直接話をせずに退職したい場合があります。

そのような場合は、退職代行サービスの利用を検討するのも一つの選択肢です。

公務員、私立、講師など、教員の立場は異なりますが、退職代行サービスを利用することで、スムーズな退職が可能になります。

嫌な顔をされやすい

教員が夏休み中に退職することは、年度途中の退職になるため、管理職にとって大きな課題となります。

管理職は、2学期までに代替の教員を見つける必要があります。

しかし、夏休み中の突然の退職では、適切な人材を見つけるのが難しい場合があるのです。

そのため、管理職自らが授業や担任を引き受けざるを得なくなることもあります。

たとえ退職理由が体調不良や家庭の事情など、やむを得ないものであったとしても、管理職としては内心穏やかではいられません。

年度途中の退職は、学校運営に大きな影響を及ぼすためです。

このように、教員の夏休み中の退職は、管理職にとって大きな負担となります。

教員側としても、退職時期を慎重に検討し、管理職への配慮が求められます。

まとめ

今回は、夏休み中に退職をしたいと考えている教員に向けて、退職をおすすめできるパターンとそうではないパターンを紹介しました。

勤めている学校に居続けることで健康面における懸念がある、家庭の事情がある場合などは、夏休み中でも退職を検討すべきでしょう。

反対に、罪悪感がある場合や経歴への懸念があると考えている方は、夏休み中の退職は避けた方が良いかもしれません。

教員が夏休み中に退職する場合は、基本的な手順や伝え方、最終決定の前にしておくべきことを理解しておくことが大切です。

また今回は、夏休み中の退職に関するメリット・デメリットもまとめているので、夏休み中に現在勤めている学校を退職したいと考えている教員の方はぜひ参考情報としてお役立てください。