
【例文あり】高校中退者が履歴書を作成するうえで覚えておくべき書き方・ポイント
はじめに
高校を途中で辞めた経歴をどのように記載すべきか、悩むことが多いかもしれません。
「中退」と明記すると悪い印象を持たれるのではと心配になる一方で、事実を隠せば採用に悪影響が出るのではと不安に感じる場面もあるでしょう。
中退の事実を隠さず、その後どのように行動し、どんな姿勢で物事に取り組んできたのかを前向きに伝えることが重要なのです。
この記事では、高校を退学した場合に履歴書をどう作成するか、記載時の注意点、面接での効果的な伝え方、さらに自己PRへどうつなげていくかについて、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。
【高校中退者の履歴書】「中退」を履歴書に書くべきか
高校を卒業せずに途中で辞めた場合、その事実は履歴書に正直に明記する必要があります。
なぜなら、採用過程においては正しい学歴情報の提示が求められているからです。
もし、中退の事実を隠蔽したり、卒業したと誤解させる書き方をしてしまったりすると、後になって経歴詐称と判断され、トラブルに発展するリスクがあります。
意図せず誤解を与えたとしても、企業側に警戒心を抱かせてしまう可能性も否定できません。
履歴書の学歴欄には「中途退学」と具体的に記すのが望ましいとされています。
省略して「中退」と書くケースも存在しますが、丁寧で信頼感を与えるためには、正式な表現である「中途退学」を用いる方が無難です。
高卒認定試験に合格していても扱いは「中退」
高校を途中で辞めた後、「高卒認定試験(旧大検)」にチャレンジし、合格を果たした人もいるかもしれません。
ただし、高卒認定は正式な高校卒業とは扱われないため、「中退」としっかり記載する必要があります。
高卒認定とは、一定レベルの基礎学力を国が認める仕組みであり、高等学校の卒業証書とは別物です。
したがって、最終学歴を「高等学校卒業」とはできないのです。
履歴書を記入する際には、まず高校への入学年月日と学校名を記載し、その後に「中退」と明記します。
さらにその下の行に「高等学校卒業程度認定試験 合格」と追記すると、学歴の経緯が整理され、読み手にも伝わりやすくなります。
また、高卒認定の取得は、自主的な学び直しへの姿勢を示す証でもあります。
粘り強く勉強に取り組んだことは、就職活動においても評価されるポイントとなるでしょう。
「退学」との違い
学業を途中で終えることを示すうえで、中退・退学はよく似た表現に見えるものの、意味合いには明確な差があります。
履歴書を作成する際には、この違いを理解して正しく使うことが重要です。
「中退」は、本人の意思や止むを得ない事情により、自主的に学業を辞める場合に用いられます。
対して「退学」は、不正や校則違反といった問題行動によって、学校側から在籍を取り消されるケースに当てはまります。
このような区別ができていないと、履歴書を読む採用担当者に誤った印象を与えてしまうかもしれません。
「退学」という文言により、規律に従えなかった人物と見なされる恐れがあります。
進路変更や家庭の事情など、自己判断で学校を離れたのであれば、しっかり「中途退学」と明記するほうが適切です。
【高校中退者の履歴書】中退は転職活動で不利になるか
高校を修了する前に学校を離れた経験がある方の中には、「就職や転職にマイナス評価を受けるのでは」と不安を感じることがあるかもしれません。
しかし実際のところ、採用の現場では学歴の途中終了だけを理由に採否を決めるケースはまれです。
重視されるのは、なぜ途中で進路を変更したのか、その後の自身とどう向き合ってきたかという点です。
学校を中断する決断には、多様な背景が存在します。
たとえば、家庭の都合や体調の問題、あるいは若いうちから社会に出て働く意志を持った結果など、前向きな理由に基づくケースも少なくありません。
退学という選択は、消極的な結果とは限らず、その人なりの意思や状況に根差した判断であることが多いのです。
そのため、応募書類には事実を正確に記すことが基本となります。
学歴に関する情報を隠したりごまかしたりするより、ありのままを説明し、自分の考えや経験を伝える姿勢の方が、採用担当者の信頼を得やすく、前向きな印象につながります。
年間の高校中退者数は約4万人
高校を途中でやめた経験に対して、「自分だけが例外なのでは」と悩む人は少なくありません。
しかし、実際には毎年多くの高校生が中退という選択をしています。
文部科学省の調査によると、年間でおよそ4万人前後が高校を離れているという事実があります。
統計からもわかる通り、高校を辞めることは決して珍しい事案ではありません。
そして、そこから進路を切り替えて働き始めたり、資格取得や技術習得に向けて新たな一歩を踏み出す人も多く存在します。
つまり、高校中退という背景があるからといって、それだけでネガティブな評価につながるわけではありません。
むしろ、自分なりに道を選び直し、努力を重ねてきた経験は、前向きな姿勢や主体性を伝える材料になります。
過去の経歴だけにとらわれず、今後どのようなキャリアを描いていきたいのか、どんな目標に向かっているのかを明確に伝えることが、就職活動などの場で強みとして働きます。
【高校中退者の履歴書】履歴書への書き方
高校を中途で離れた経歴の記載時は「なぜ退学したかを明らかにすべきか」「あえて触れないという選択肢もあるのか」、さらに「高卒認定を取得済みの場合はどう記載すればよいか」といった、判断に迷いやすい点がいくつかあります。
ここでは、それぞれのケースに応じた適切な書き方について、わかりやすく説明していきます。
理由を書く場合
学業を途中で辞めた経緯は、履歴書にひと言添えることで、企業側に不要な憶測を抱かせずに済むケースがあります。
健康上の問題や家庭の事情など、自分ではどうにもできなかった要因であれば、率直に記すことで誠実さが伝わりやすくなるでしょう。
書類選考の時点で理由が明記されていないと、採用担当者が「何らかのトラブルがあったのでは」と疑念を抱くこともあります。
そのため、簡潔な一文を加えておくことで、印象が柔らかくなり、読んだ人に安心感を与えることにもつながります。
ただし、細かな説明を長々と記載する必要はありません。
要点を押さえて簡潔にまとめ、相手が読みやすいよう工夫するのがポイントです。
また、中退をネガティブ要因に捉えるのではなく、そこから何を学び、どのように立ち直ってきたかを前向きに表現することで、自分の成長をアピールすることが可能です。
理由を書かない場合
学歴に関する記載については、ケースバイケースで対応して問題ありません。
学校を中途で離れた後すぐに働き始めた方や、仕事での実績が十分にある方は、履歴書に理由まで詳しく記さなくても評価に大きな影響は出ないことがあります。
そのため、「中途退学」と記載し、詳細な理由は面接で尋ねられたときに口頭で説明するという対応でも支障はありません。
一方で、学歴の記載自体を省略したり、中退という事実を完全に書かなかったりするのは避けるべきです。
経歴をごまかすと、面接や入社後に信頼を損なう可能性が出てきます。
事実を正しく書いたうえで、理由を明記するかどうかはご自身の背景や応募先に合わせて判断することが何より重要です。
必要に応じて面接で説明する準備があれば、あえて履歴書には書かないという選択も有効な方法といえるでしょう。
高卒認定試験に合格した場合
高校を途中で離れた後に「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」に合格した人は、学歴の書き方に十分注意しましょう。
高卒認定は高校の卒業証書を取得したわけではなく、「高校卒業相当の学力がある」と国から認められたことを示す制度です。
そのため、単に「高校卒業」と記すと、実際の経歴と食い違い、誤解を招く可能性があります。
適切な記載方法としては、まず在籍していた高校名の後ろにしっかりと「中途退学」と明記し、その下に「高等学校卒業程度認定試験 合格」と続ける形が自然です。
こうすることで、経歴の流れが整理され、読み手にもわかりやすく伝わります。
高卒認定の合格は、自分で道を切り開こうと努力してきた証とも言えます。
粘り強さや学ぶ姿勢を表す要素として評価されることも多いため、過去にとらわれるのではなく、そこから前に進もうとした姿勢を積極的にアピールすると好印象につながります。
【高校中退者の履歴書】書かないとどうなる?
高校を中途で辞めた事実を履歴書に記載しないと、思わぬ不利益を招く可能性があります。
採用側は経歴に不自然な空白があると、その背景を不審に思うことがあるためです。
空欄や記載の省略は「学歴を偽っているのでは?」といった誤解につながりかねません。
たとえ中退がマイナスに働くと感じていたとしても、事実を明らかにしておくことが結果的に信頼性を高めます。
履歴書は自身の経歴を正直に伝える資料であり、その信頼性を損なうような曖昧な記載は避けるべきです。
仮に入社後に虚偽や不備が発覚した場合、処分の対象となるリスクも否定できません。
誤解を防ぎ、公平に評価してもらうためにも、正確な情報を盛り込んだ履歴書を作成しましょう。
中退理由を書かなくていいこともある?
中退した理由を履歴書に書くかどうかは、必ずしも一律ではありません。
状況によっては、理由をあえて記載しなくても問題ない場合もあります。
すでに社会人経験が長く、学歴よりも職務経歴が評価されやすい立場であれば、詳細な理由を省略することで全体の印象を引き締められます。
採用担当者が中退歴に注目するのは、背景に何か問題があったのかを確認するためです。
しかし、応募者のキャリアや人柄、スキルに魅力があればそれだけで十分に評価される可能性はあります。
面接など直接話せる場で質問されたときに、簡潔かつ前向きに説明できる準備をしておけば、履歴書に理由を載せない判断も自然なものとして受け止められるでしょう。
書く・書かないの選択は、全体のバランスを見て判断することが大切です。
【高校中退者の履歴書】履歴書に中退したことを書く際の注意点
高校中退の経歴を履歴書に書く際は、単に事実を記載するだけでは不十分です。
正確性と配慮が求められるため、記載時の注意点をしっかり押さえておく必要があります。
以下に挙げる、具体的なポイントを確認しましょう。
- 中退を隠しておくことは絶対に避ける
- 中退した年月は正確に記載する
- 誤字・脱字がないように注意する
- 読みやすくする工夫をする
中退を隠しておくことは絶対に避ける
履歴書の中で中退の事実を意図的に記載しないことは、大きなリスクを伴います。
経歴に不自然な空白があると、採用担当者は「何か隠しているのではないか」と疑念を抱くことがあるためです。
たとえ中退にネガティブなイメージがあると感じていても、正しく記載することが信頼につながります。
事実を伏せてしまえば、選考段階で不利になるだけでなく、入社後に発覚すれば重大なトラブルを招くこともあります。
書類選考において、誠実さは大きな評価ポイントです。
中退したことを恥じる必要はないので、正直に伝える姿勢こそが、採用側の印象を大きく左右するでしょう。
後ろめたさを抱くより、ありのままを記載することで前向きな評価を得ましょう。
中退した年月は正確に記載する
履歴書の学歴欄において、中退した年月を明確に書くことは非常に重要です。
入学から中退までの期間があいまいだと、経歴の一貫性が失われる恐れがあるからです。
採用担当者は、履歴書の内容に整合性を求めています。
年月の記載にずれがあると、それだけで信頼性に疑問を持たれることもあるのです。
したがって、入学年月と中退年月は、どちらも正確に記入するようにしましょう。
特に、学歴や職歴の整合性をチェックする際には、日付が大きな判断材料になります。
中退時期をあやふやにしてしまえば、余計な不信感を生むことになりかねません。
細かな点こそ丁寧に仕上げることが、信頼される履歴書づくりの第一歩です。
誤字・脱字がないように注意する
どんなに内容が充実していても、誤字や脱字が目立つ履歴書は、それだけで評価を落としてしまうことがあります。
特に「中退」のようなデリケートな内容を記載する際には、細部のミスが目につきやすくなるものです。
書類に誤りがあると「丁寧さに欠ける人物」「確認を怠る人」という印象を与えてしまうことがあります。
採用担当者が初めて目にする情報が履歴書である以上、些細なミスが判断を左右する可能性は否定できません。
記載後には日付や表記のズレだけでなく、漢字の変換ミスや余分なスペースにも目を通すようにしましょう。
文章の正確さは、応募者としての基本的な信頼性を示す手段のひとつです。
読みやすくする工夫をする
中退の経歴を記載する際には、読み手の立場を意識したレイアウトや表現が求められます。
読みづらい履歴書はどれだけ内容が誠実でも伝わりにくく、印象に残らない可能性があるためです。
学校名・学科・中退の情報は一行にまとめ、適度な空白を入れると視認性が高まります。
また「中退」ではなく「中途退学」と書くことで、より丁寧な印象を与えることが可能です。
採用担当者は、数多くの応募書類に目を通しています。
見た目がごちゃごちゃしていると、それだけで評価の対象から外されることもあり得ます。
内容だけでなく、見やすさにも配慮することで、好印象を残す履歴書につながります。
【高校中退者の履歴書】面接で中退理由を聞かれた場合の対処法
履歴書に中退歴を記載した場合、面接で理由を尋ねられる可能性があります。
その際にどのように伝えるかによって印象は大きく変わります。
次の3つの視点から、効果的な対処法を解説します。
- ポジティブな印象を与えるようにする
- 周りくどい回答をしない
- 深掘りされた場合に備えて誠実な回答を用意しておく
ポジティブな印象を与えるようにする
中退の理由を聞かれたときは、前向きな姿勢が伝わるように話すことが大切です。
なぜなら、中退という言葉だけでネガティブな印象を抱かれる可能性があるためです。
- 将来の進路を見直すために中退を選んだ
- 学業より実務経験を優先した
例えば、上記のような表現を活用することで、自主性や行動力をアピールできます。
状況を変えようとした前向きな判断であることを伝えれば、評価につながる可能性も十分にあるでしょう。
面接官は過去の出来事自体よりも、それをどう受け止め、どのように乗り越えてきたかに注目しています。
中退という事実に引け目を感じるのではなく、その経験から何を得たのかを明確に伝えましょう。
周りくどい回答をしない
中退の経緯を説明する際には、話が長くなりすぎないよう注意しましょう。
結論が見えにくい説明は相手に混乱を与え、かえって悪い印象を残してしまうでしょう。
具体的には、言い訳に聞こえるような細かい事情をだらだらと話すのではなく、端的に理由を伝えることが求められます。
- 家庭の事情で進学を断念しました
- 体調不良のため退学を選びました
上記のように、簡潔にまとめた方が聞き手にとって理解しやすくなります。
採用担当者は限られた時間で応募者を判断しているため、要点を絞って話す力も評価の対象となるでしょう。
遠回しな言い方を避け、結論から述べる話し方を意識することで相手に安心感を与えられます。
深掘りされた場合に備えて誠実な回答を用意しておく
面接官が中退の背景を詳しく尋ねてくることもあるため、あらかじめ準備をしておくことが安心につながります。
質問に詰まったり曖昧な答え方をしたりすると、信頼を損なう可能性があるためです。
誠実に受け答えする姿勢を見せることは、たとえ不利に感じる内容であっても印象を良くする効果があります。
自分の選択に向き合い、何を学んだか、どう乗り越えてきたかを素直に語ることで、面接官にも真剣さが伝わります。
準備しておいた内容があることで、想定外の質問にも冷静に対応しやすくなり、自信を持って受け答えできるようになります。
嘘や過剰な脚色は避け、事実を丁寧に言葉にするよう心がけましょう。
【高校中退者の履歴書】自己PRへのつなげ方
中退歴があるからといって、自己PRで不利になるとは限りません。
ここでは、中退歴を自己PRに活かす方法について解説します。
自分で判断した経験として行動力をアピールする
中退という選択は、状況に流されずに自分で決断を下した証ともいえます。
中退の背景をうまく伝えることで、行動力や判断力の高さを評価してもらえる可能性があります。
- 学業以外の道を選んだ
- 進路の見直しを図った
上記のように、自らの意思で動いたことを強調すれば、ただの離脱ではなく前進のための選択だったと理解してもらえるでしょう。
企業側は「自律的に動けるか」を重視する傾向があります。
履歴書に中退歴を記載したうえで、背景にある考え方や行動を一貫性を持って語れれば、面接官の心に響く自己PRになります。
中退後の努力や結果を通じて継続力を示す
中退したあとにどのように過ごしたかを伝えることで、物事に取り組む粘り強さをアピールできます。
資格取得やアルバイト経験、専門分野の学習など、地道な努力を積み重ねた実績がある場合は、立派な自己PRの材料になります。
例えば、以下のようにまとめると効果的です。
時期 | 活動内容 | 得たスキルや成果 |
---|---|---|
中退後半年間 | 飲食店アルバイト | 接客・マナー・報連相 |
1年後 | パソコンスクール通学 | Word・Excelスキル取得 |
現在 | 独学で英語を勉強中 | TOEICスコア600点突破 |
自身についてしっかり整理し、履歴書や面接で伝えられれば「途中で諦めず行動し続けた人物」として前向きな評価を得やすくなります。
中退の事実にとらわれず、何を積み上げてきたかに注目してアピールしましょう。
弱点を補う視点から素直さと誠実さを伝える
中退歴を隠さず、あえてオープンにすることも自己PRとして効果的です。
過去のマイナスと向き合う姿勢が、誠実な人柄を印象づけるためです。
上記のような自己分析を添えると、成長を感じさせる内容になります。
面接官は「失敗をどう受け止め、どう立て直したか」に注目しています。
ミスや挫折を正直に語れる人は、組織の中でも信頼されやすくなるでしょう。
志望動機とつなげて将来のビジョンを語る
自己PRの中で中退歴に触れる場合、それが志望動機と無理なくつながっていると説得力が増します。
なぜこの業界や職種に進みたいのか、その動機と中退の経緯に関連があると、納得感のあるストーリーになります。
上記のような形であれば、専門性を深めたいという意思が明確に伝わります。
中退という過去をスタート地点と捉え、未来志向で語ることが面接官の印象に残る自己PRにつながるでしょう。
【高校中退者の履歴書】面接で理由を聞かれた際の回答例
中退の理由を面接で尋ねられたとき、どう答えるかによって印象が大きく変わります。
以下のケース別の回答例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 前向きな理由の場合
- やむを得ない理由の場合
- ネガティブな理由の場合
前向きな理由の場合
そのため、在学中に独学を開始し、進路変更のために中途退学を選びました。
退学後はデザインスクールに通いながらポートフォリオを作成し、現在に至ります。
進路の明確化や目標達成のための決断であることを示した回答です。
自主性や意欲が感じられる内容であれば、中退のマイナスイメージを払拭する材料になります。
あくまでも「行動の結果」として語ることで、主体的に未来を見据えていたことが伝わります。
やむを得ない理由の場合
当時は継続が難しい状況でしたが、以降はアルバイトで社会経験を積みながら通信教育で学習を続けてきました。
今は家庭も落ち着き、新たに就職を目指して動いています。
家庭や健康など、自分では避けられない事情での中退は、率直かつ簡潔に説明することが大切です。
言い訳に聞こえないよう現状の安定や前向きな姿勢を加えることで、誠実さや立て直しへの努力が印象に残ります。
過去より「今どうしているか」に焦点を当てましょう。
ネガティブな理由の場合
ただ、その後の仕事経験を通じて、社会の厳しさや働く意味を実感し、今は目標を持ってキャリアを築いていきたいと強く思っています。
後悔や反省が伴う中退理由であっても、学びや成長を伝えることで前向きな印象に変えることが可能です。
過去の過ちを認めたうえで、そこからどのように変化したかを語ることで、人間的な厚みや真摯な姿勢が伝わります。
【高校中退者の履歴書】中退を書くべきか悩む人へのQ&A
最後に、中退した事実を履歴書にどう書けばよいのか、よくある疑問を取り上げながら中退歴の扱い方を丁寧に解説していきます。
- 退学と中退に違いはあるか?
- 中退の理由は書かなきゃいけないのか?
- 浪人や留年の場合は中退と同様に書くべきか?
- 中退したことは調べるとわかる?
退学と中退に違いはあるか?
履歴書に記載する際、「退学」と「中退」のどちらを使えばいいか迷う方もいるかもしれません。
実はこの2つには明確な違いがあります。
「中退」は、本人の都合で自主的に学校を辞めるケースを指すのに対し、「退学」は学校側が懲戒処分などで強制的に籍を除くことを意味します。
そのため、一般的な自己都合での離脱であれば「中途退学」と記載するのが正確な表現です。
もし「退学」と記してしまうと、採用担当者に誤解を与える恐れがあります。
本人に問題があって除籍されたのではないかと思われる可能性があるためです。
中立的かつ丁寧な表現として「中途退学」と書くことで、印象を損なわずに事実を伝えられます。
正しい言葉選びが、信頼につながる第一歩となります。
中退の理由は書かなきゃいけないのか?
中退の理由を履歴書に記載するかどうかは、義務ではありません。
ただし、場合によっては補足しておいた方がよいこともあります。
理由を書くか悩んだときは「採用担当者が不自然に感じないかどうか」で判断するとよいでしょう。
入学から中退までの期間が極端に短い場合などは、簡潔に理由を添えることで誤解を防ぐ効果があります。
一方で、学歴より職歴を重視してほしいと考える場合や、面接での説明を前提にしている場合はあえて理由を記載せずに「中途退学」とのみ書く方法もあります。
いずれにせよ、大切なのは虚偽を避け、必要な情報を丁寧に伝えることです。
選考時に悪い印象を与えないよう、状況に応じて記載の有無を判断しましょう。
浪人や留年の場合は中退と同様に書くべきか?
浪人や留年と中退は意味が異なるため、履歴書における記載方法も異なります。
浪人や留年は在籍または進学意思がある状態であり、中途で学校を辞めた場合とは扱いが異なります。
例えば、浪人期間が1年ある場合は学歴欄にブランクが生じますが、具体的に説明する必要は基本的にありません。
留年の場合も、卒業していれば問題視されることは少ないでしょう。
一方で中退は学歴として正式な卒業がないため、履歴書で事実を明記しなければなりません。
「入学」と「中途退学」の両方を記載することで、空白期間や不備のある書類と誤解されるリスクを避けられます。
混同して記載すると誤解を招く可能性があるため、それぞれの意味を正確に理解したうえで適切な表現を使い分けましょう。
中退したことは調べるとわかる?
結論から言えば、中退の事実は一定の手続きを経れば第三者でも確認できる可能性があります。
企業によっては、学歴や資格について調査を行うケースも存在しているためです。
学校側に問い合わせれば、在籍期間や卒業の有無などが照会されることがあります。
企業が直接照会を行うには応募者の同意が必要とはいえ、採用後に経歴の誤りが発覚すると信頼を損なう結果になりかねません。
たとえ小さな記載であっても、虚偽が疑われるような内容は避けるのが得策です。
中退歴がある場合は正直に記載したうえで、その背景や現在の状況を補足することで信頼を得られます。
まとめ
高校中退という経歴があると、履歴書にどう書くべきか、面接でどう伝えるべきか悩むのは当然です。
しかし、中退を隠さず、正確かつ前向きに伝えることで信頼感や人柄を評価してもらえる可能性が高まります。
また、中退後にどのような努力をしてきたのかを自己PRにつなげて伝えることで、むしろ強みに変えることも可能です。
今回紹介した書き方や対応のポイントを参考に自分らしい履歴書を作成し、自信を持って次の一歩を踏み出しましょう。
SHARE この記事を友達におしえる!