【公務員からの転職】東京の企業へ転職するときに知っておきたいメリット・デメリットなどを詳しく解説
公務員として働いていると「東京の民間企業へ転職したい」という気持ちを持つ人もいるのではないでしょうか。
「ルーチンワークで成長を感じない」「人間関係がつらい」など、転職したい理由は人によってさまざまでしょう。
しかし実際は「公務員から転職するのは難しい」という声を耳にして、踏み切れないという人も多いと思います。
そのため転職を成功させるなら、民間企業で好まれる人の特徴や転職活動する際のポイントについて理解を深めておくことが大切です。
今回は東京への転職に焦点を絞り、公務員からの転職について詳しく解説します。
公務員から転職するメリット・デメリットや東京で人気のある転職先についても触れていくので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
【公務員から東京の企業へ転職】公務員からの転職は可能?
結論から言いますと、公務員から東京の企業への転職は可能です。
就業環境の違いから「公務員から転職は難しい」という声もありますが、実際に公務員から転職して活躍している人も大勢います。
それに20代の場合は社会人経験の浅さもあって、民間でも活躍できるポテンシャルがあると判断される傾向にあります。
やる気や熱意を持って面接に臨めば高い評価が得られ、公務員であっても転職できるチャンスはあると言えるでしょう。
とは言え、民間から民間へ転職するよりもハードルは高いことも事実です。
公務員から転職を考えるときは、自己分析等で自分の強みや魅力を引き出し、しっかりと転職に向けた準備をする姿勢が求められます。
【公務員から東京の企業へ転職】転職難易度が高い理由
それでは、なぜ公務員からの転職は難易度が高いと言われているのでしょうか。
主に次のような理由が考えられます。
- 民間の仕事と性質が異なるから
- 安定感をウリにする企業が少ないから
- 公務員に対する悪いイメージがあるから
それぞれについて順に見ていきましょう。
民間の仕事と性質が異なるから
公務員と民間企業では、そもそも仕事の性質が異なります。
公務員は公益性の高い仕事をする人々で、市民の生活を支えることを目的としています。
一方で民間企業の場合は、いかに売上を伸ばして経営をしていくかということがミッションです。
民間でずっと働いてきた人からすれば、受け身な公務員のイメージがあり、利益に対する意識が低いと思うこともあります。
採用担当者が公務員の業務について理解のない場合は、どのように活躍してもらえるのかというイメージもあまりわいてこないでしょう。
そのため面接では自分が公務員としてやってきた業務内容を、わかりやすく説明しなければなりません。
安定感をウリにする企業が少ないから
次に安定感をウリにする企業が少ないということです。
公務員は営業ノルマ等はなく、基本的にリストラなどもないので安定感があります。
しかし民間企業の場合は、経営が芳しくないときは給与が下がる、リストラされてしまうといったリスクも潜んでいます。
そのため民間企業では、安定感をあまりウリにすることはありません。
むしろ安定性よりも、働きがいのある雰囲気や福利厚生等についてアピールする企業の方が多いでしょう。
「安定した仕事をしたい」という思考を持つ人は、転職活動が上手くいかない可能性があります。
公務員に対する悪いイメージがあるから
残念ながら、公務員にあまり良いイメージを持っていない企業もあります。
「定時に帰るなんてハングリー精神が足りない」「指示がなければ動けない」といった誤った認識をする採用担当者もゼロではありません。
もちろん公務員試験に受かっているという事実から、優秀な人材として見られることもあります。
しかし優秀であるがゆえに「仕事に物足りないと、すぐに辞めてしまうかもしれない」という懸念を持たれて、採用を見送られてしまうケースもあります。
良くも悪くも、公務員というイメージが先行して、転職活動が難航してしまうということも場合によってはあり得るのです。
【公務員から東京の企業へ転職】公務員から東京の企業へ転職するメリット
公務員から東京の企業へ転職したいという人もいるでしょう。
この章では、次の順で公務員から東京の企業へ転職するメリットについて解説していきます。
- 給与が増える可能性がある
- 副業ができる
- キャリアの選択肢が広がる
給与が増える可能性がある
まず東京で働けば給与が増える可能性があります。
なぜなら東京都は平均年収が都道府県の中で最も高く、働き続けると公務員時代以上の給与が期待できるからです。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」 によると、年収の高い都道府県について次のようなデータがあります。
都道府県名 |
推定平均年収 |
東京都 |
4,368,000円 |
神奈川県 |
4,032,000円 |
大阪府 |
3,912,000円 |
愛知県 |
3,804,000円 |
京都府 |
3,744,000円 |
民間企業の多くが、公務員のような年功序列ではなく、結果を出した分だけ評価される成果主義をとっています。
「成果を出したら評価されて、それに見合った給与をもらいたい」という人であれば、公務員からの転職も選択肢の一つでしょう。
副業ができる
公務員は副業がNGですが、民間企業であれば副業OKのところがあります。
優秀な社員の定着率を向上させたい、副業で得たノウハウを本業で活かしてもらいたいなど、副業を解禁する理由は企業によってさまざまです。
副業は多くの収入が得られるだけでなく、本業以外のさまざまなスキルが身につきます。
ただし民間企業であっても副業を認めていないケースもあるので、転職する前に企業側へ確認しておきましょう。
キャリアの選択肢が広がる
民間企業へ転職すれば、公務員で働くよりもキャリアの選択肢が広がります。
例えばIT業界へ転職したとしましょう。
仕事を通じて最先端のIT技術やシステムに携わることにより、ネットリテラシーを高めることができ、キャリアの幅が広がっていきます。
また東京都は首都圏であるため、大企業の多くが本社を置いているエリアです。
支社では経験できないような仕事も多く、自身のスキルアップに大いに役立つことでしょう。
スキルアップしていくことによって次の転職もしやすく、独立や起業といったキャリアパスを視野に入れることもできます。
【公務員から東京の企業へ転職】公務員から東京の企業へ転職するデメリット
一方メリットだけでなく、デメリットについても見ておきましょう。
この章では、次の順で公務員から東京の企業へ転職するデメリットを紹介していきます。
- 活躍できない可能性がある
- 転勤・出張の可能性がある
- リストラがある
活躍できない可能性がある
公務員時代の経験を活かして頑張ろうとしても、思うように活躍できない可能性もあります。
なぜなら民間企業では利益を追い求める姿勢が重要であり、公務員のときに求められる「成果」とは意味合いが異なるからです。
必要とされているスキルが、自分の持っているスキルでは太刀打ちできないようなこともあるでしょう。
また東京の企業は競合が激しいため、業務のスピード感に戸惑いを覚えてしまうかもしれません。
ただし20代であれば柔軟性もあり、転職先の風土や仕事の進め方によっては上手く適応できることもあります。
転勤・出張の可能性がある
公務員から民間企業へ転職すると、転勤や出張をすることもあるでしょう。
国税専門官など特殊な公務員を除けば、転勤や出張は都道府県内に限るなどある程度エリアが絞られています。
しかし民間企業は全国規模で転勤・出張を命じる企業もあり、北は北海道、南は九州へと転勤・出張することがあるかもしれません。
特に銀行員や証券会社といった金融系、海外展開をする商社などは出張・転勤が多い傾向です。
家庭を持つ人なら、時には家族とも離れてしまうような環境になってしまうことも考えられます。
その際は単身赴任をして働くか、家族と一緒に引っ越すかなどを話し合わなければなりません。
リストラがある
公務員から転職するということは、リストラの可能性もゼロではないということです。
民間企業は利益を生み続けることができなければ、人員が削減されてしまうこともあります。
自分の働き方や成果等によって経営不振に陥ることもあり、大企業と言えども安心はできません。
もちろんすぐリストラされてしまうことは稀ですが、それでも外資系企業のように競争の激しい業界ではそのリスクは存在すると言えるでしょう。
【公務員から東京の企業へ転職】民間企業で好まれる人の特徴
民間企業で好まれる人の特徴は、次の3つがあります。
- 変化を恐れない人
- 利益追求の意識が高い人
- チャレンジ精神がある人
公務員から転職を考えている人は、こちらの情報も参考にしてみてください。
変化を恐れない人
どのような変化に対しても恐れることなく、柔軟に対応できる人は民間企業で好まれますし、活躍できるポテンシャルがあります。
なぜなら成果主義をとる企業の場合は、求められる知識や技術が目まぐるしく変化しているからです。
世間の情勢を受けて、時に社内ルールが変わったり急な部署異動が発生したりすることもあります。
そのような変化に対して抵抗を覚えず、上手く適応できる人の方なら民間企業として活躍できるでしょう。
特に創業したてのベンチャー・スタートアップ企業などは、変化が多い傾向にあります。
利益追求の意識が高い人
利益追求の意識が高い人は、民間企業に好かれる傾向にあります。
民間企業では、何より利益を生み出すことが優先されるからです。
公務員の場合は公共サービスに従事する人々であり、市民に対して満足度の高いサービスを提供するのが目的だと言えます。
一方で民間企業の場合は、利益を上げるための工夫やアイデアを出していくのが仕事です。
ただ指示されたことを黙々とこなすのではなく、その先にある「どう売上を出していくのか」を追求する目線が求められます。
チャレンジ精神がある人
チャレンジ精神がある人も、民間企業では重宝されます。
少子高齢化等による影響で人口が減少し、市場が縮小傾向にある現代において、企業は従来のやり方だけでは経営がままならないことを知っているからです。
見通しの悪い状況だからこそ、20代で転職する人に対しては常にチャレンジ精神を持って仕事に取り組んでほしいと思っています。
実際の選考においても、チャレンジ精神の有無については採用担当者が確認しておきたい部分です。
民間の働き方には「これが正しい」というものはありません。
そのためチャレンジ精神があるかどうかについては企業が求める要素の一つで、公務員であればなおさらアピールする必要があります。
【公務員から東京の企業へ転職】東京で人気のある転職先
東京で人気のある転職先は、大きく分けて次の4つです。
- IT業界
- 旅行・ホテル業界
- 外資系企業
- 営業系
公務員からでも転職できるチャンスがある転職先ばかりなので、順に見ていきましょう。
IT業界
専門職に含まれるIT業界は、公務員からの転職で人気があります。
なぜならIT業界は人手が不足している背景があり、過去の職歴を問わず誰でもチャレンジできる環境が整っているからです。
基本的なプログラミングについては研修・スクール等で学べる企業も多く、実際に未経験者歓迎という求人も数多くあります。
むしろ公務員であれば、法務関係に強い人材として重宝されることもあるかもしれません。
旅行・ホテル業界
公務員からの転職では、旅行・ホテル業界も人気があります。
特に東京の場合、宿泊施設はインバウンド需要や観光等で利用する人が多く、常に需要が絶えず、長く働き続けられる点が魅力です。
一時期はコロナ禍の影響により低迷していたものの、収束後は再び経営が軌道に乗ってきています。
東京でなら求人も多く出されているので、気になる人はチェックしてみると良いでしょう。
外資系企業
外資系企業は、公務員から転職する人の多い世界です。
外資系は年々グローバル人材の需要が高まっていて、東京に企業が集中しています。
実績を出すことができれば、大きく稼ぐことも可能です。
しかし高い語学力が求められるので、TOEICのスコアなどはほぼ必須となっている点だけ注意が必要しましょう。
「外資系に興味があるけど語学力に自信がない」という人は、在職中もしくは転職活動中に勉強を進めておくのがポイントです。
営業系
公務員からの転職では、営業系も人気があります。
営業は顧客とアポイントメントをとり、提案によってモノやサービスを販売する仕事です。
やる気やポテンシャルなどがあれば誰でもチャレンジできます。
市民を相手に窓口業務を勤めてきた公務員であれば、培ったコミュニケーション能力を活かしながら仕事ができるでしょう。
また警察や消防関係に従事していた人なら、体力の高さやポテンシャルの高さもアピールできます。
【公務員から東京の企業へ転職】転職活動を始める前にやっておくこと
転職活動を始める前にやっておくことは、次のとおりです。
- 「なぜ東京で働きたいのか」という転職の目的を明確にする
- 自己分析をする
- 企業研究をする
公務員から転職を目指す人は、参考にしてみてください。
「なぜ東京で働きたいのか」という転職の目的を明確にする
「なぜ東京で働きたいのか」という転職の目的を明確にしましょう。
どのようなところに魅力を感じて働きたいのかという部分を、しっかりと伝える必要があります。
ただ「東京に憧れている」「雰囲気が好きだから」といった理由では不十分で、アピールの材料としては使えません。
例えば「競争社会の中で成長していきたい」「最先端の技術に触れながら仕事がしたい」という目的があれば、意欲的な目的と言えるでしょう。
なお上京すると生活環境が大きく変わりますし、慣れないうちは地方で働くよりも業務量が多く大変なことも多々あります。
本当に東京で働く方が良いのかについて、メリット・デメリットを十分に考えて転職に踏み切るようにすることがポイントです。
自己分析をする
企業へ応募する前に、自己分析をしましょう。
自己分析を重ねることで自分の強みや魅力が見える化されるようになり、やりたい仕事などが明確になっていくからです。
特に転職活動となれば、公務員を辞めた理由や空白期間について聞かれることがあるので、話せる材料を準備する意味でも自己分析は必須だと言えるでしょう。
公務員からの転職における自己分析では、過去の経歴を深堀りして自分史を作ってみることがポイントです。
過去の自分がどのような気持ちで、何に取り組んできたのか、印象に残っていることは何かなど思いつくまま書き出していきましょう。
エピソードを振り返っていくことで、自分が持つ価値観や仕事選びで大切にしているポイントなどが明確になっていきます。
また合わせて、過去の出来事についてモチベーショングラフを作成してみても良いでしょう。
過去のエピソードごとにモチベーションの高さをグラフで書き記せば、自分がいつモチベーションを高く仕事に取り組めたのかがわかるようになります。
浮き沈みを見ることで、自分の持つ考え方や性格について分析が可能です。
企業研究をする
自己分析のあとは、しっかりと企業研究をしておきましょう。
東京都で出されている求人は膨大なので、企業研究を重ねることで自分にとって働きやすい企業を厳選できます。
そして企業の掲げる経営方針や理念などを知れば、面接で聞かれる質問についても推測できるようになるでしょう。
いずれの情報についても、ホームページや就職四季報などから確認が可能です。
企業研究をするときは、ほかにも次のような項目について調べておき、面接で質問することのないように準備しておきましょう。
- 事業内容
- 業界における立ち位置
- 将来のビジョン
- 社内の雰囲気
- 福利厚生
- キャリアアップ制度など
しっかりと企業研究をすることで、転職後の「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防げます。
【公務員から東京の企業へ転職】転職活動を始める前にやっておくこと
転職活動を始める前にやっておくことは、下記4つのポイントです。
- 職務経歴書は成果を数字で具体的に記載する
- ポジティブな転職理由を伝える
- 公務員ならではの強みをアピールする
- 資格を取得する
順にそれぞれ解説していくので、公務員から転職を目指す人は参考にしてみてください。
職務経歴書は成果を数字で具体的に記載する
自分が出してきた成果を、数字で具体的に記載しましょう。
数字で伝えることで公務員の業務にあまり詳しくない採用担当者も、具体的なイメージを膨らませやすくなります。
公務員はノルマがない分、数字で記載するのは難しいと思われるかもしれませんが、例えば次のようなアピールが可能です。
- 1日〇〇件の窓口業務を担当
- 1日〇〇件の書類を作成
- 1日の市民への電話応対〇〇件など
なお数字の表記は半角・全角はどちらでも構いませんが、統一しておくようにしましょう。
またフォントはビジネスシーンで使われることの多い「明朝体」が基本です。
職務経歴書は見直しをして、誤字・脱字がないようにチェックもしておきましょう。
ポジティブな転職理由を伝える
転職理由を伝えるときは、できるだけポジティブな言葉にしましょう。
転職する以上「定時に帰りたかったから」「苦手な人がいたから」など、どうしてもネガティブな理由はあるでしょう。
しかしそのまま伝えてしまうと「嫌なことがあったらすぐに転職してしまう人」というレッテルを貼られてしまい、悪い印象を与えてしまうことがあります。
例えば勤務時間に不満があって転職を考えているときは「ライフ・ワーク・バランスが取れる仕事で働きたい」と言い換えが可能です。
また人間関係を理由とする場合は「チームワークを大事にして働きたい」と言い換えることができます。
公務員時代のことを話すときに、愚痴や不満にならないように注意が必要です。
マイナスな印象を持たれないように、できるだけ良い言葉で転職理由を伝えると良いでしょう。
公務員ならではの強みをアピールする
次に公務員ならではの強みをアピールしましょう。
明確な強みを伝えられたら、公務員が持たれがちな悪いイメージを払拭できるからです。
部署によって多少異なりますが、主に公務員は次のような強みがあるのではないでしょうか。
- 業務遂行能力の高さ
- 社会貢献に対する意識の高さ
- 責任感の強さ
- 誠実さなど
民間企業ではスピーディな業務遂行が求められるので、上記に加えて業務改善に努めたエピソードなどがあるとさらに良いアピールができます。
資格を取得する
資格を取得すれば、採用担当者にさらに効果的なアピールができるでしょう。
公務員についてあまり詳しく知らない採用担当者も、資格を持っているということで客観的に能力の有無を判断できるようになります。
一例ですが、民間企業で好まれる資格は次のとおりです。
- TOEIC(800点以上)
- 簿記1級・2級
- 宅地建物取引士(宅建)
- 秘書検定
- 社会保険労務士など
これらの資格は、どのような業種・職種であっても、能力の高さをアピールできるものです。
もし営業で外回りをメインに仕事をするのであれば、普通自動車第一種運転免許があると良いでしょう。
資格取得は必須ではないものの、持っていればアピールできることに間違いはありません。
何か資格を取っておきたいという人は、公務員を辞める前に勉強を進めておくと良いでしょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
公務員から民間企業への転職は、20代であればポテンシャルもあるので内定をもらえるチャンスが十分になります。
しかし残念ながら、公務員に対してあまり良いイメージを持っていない採用担当者も少なからず存在するのも事実です。
利益を追求する姿勢や成果を出していく能力の有無に疑問を持たれることがあるからです。
そのため公務員から転職を目指すときは、民間企業の求める人物像を知り、企業に合わせたアピールをしましょう。
そして東京で転職したいという人は、東京で働くことのメリットやデメリットを十分に踏まえた上で、転職を考えることが大切です。
今回の記事が、転職活動を考えている方の参考になれば幸いです。
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