事務への転職は難しい?難しい理由や転職のコツを解説
就職先として安定した人気を誇る「事務職」ですが、転職市場では転職が難しいという声が上がっています。
それほど特殊な技能を必要としない事務職がなぜ転職が難しいと言われているのでしょうか。
また難しいという状況を突破する方法はあるのでしょうか。
この記事では事務への転職について、難しい理由や効果的な転職方法について解説していきます。
事務転職を検討中の人はぜひご覧ください。
【事務への転職は難しい?】事務職はどんな仕事?業務内容は?
まず事務職について解説します。
事務職と一言で言っても、様々な現場で活躍する事務職があります。
一般事務・営業事務・医療事務・総務事務などが具体例です。
一般的にはPCを使用したデータ管理や資料作成などが中心ですが、電話対応や他の仕事のサポートなどをすることもあります。
経理などを担当する場合は簿記などの資格が必要になりますが、基本的には専門的な資格は求められません。
会社のユーティリティとして活躍できるでしょう。
【事務への転職は難しい?】事務転職が難しいと言われる5つの理由
転職市場においては、事務への転職が難しいと言われています。
求人数が多いイメージや業界問わず活躍できるイメージがありますよね。
実際はどうなのでしょうか。
難しいと言われる5つの理由について解説します。
人気があり競争率が高い
転職が難しい理由の1つ目は「人気があり競争率が高いから」です。
どの業界でも事務職は募集がかかっており、ハードルが低いという事情から転職先に選ぶ人が多数います。
中途採用枠は少なめに設定されるので、自然に競争率が高くなってしまいがちです。
何か優れたスキルや資格を持っていたり、経験値が高く実績がある人が優先的に採用されてしまうので、実は採用されにくいという事情があります。
転職市場での価値を高めて、なるべく競争率が高くないような業界を選ぶことがポイントです。
競争率が高い企業が自分に合っているかは分からないですよね。
事務職にも種類があるので、業務内容を比較して進みたい企業に積極的にアピールしていきましょう。
求人数が減少傾向にある
2つ目の理由は「求人数が減少傾向にあるから」です。
実は近年事務職の求人数そのものが減少していることをご存じですか?
AI技術が急激に発達し、IT関連の仕事が人間にとってかわるようになりました。
企業でも業務効率化のためAIを導入しているところは急増しており、事務職が行っている仕事を肩代わりしているという背景が影響しています。
これからもAIが発展すれば、人間が行う以上の成果を出せるようになり人の力は必要なくなっていくでしょう。
倍率が高くなっていることには、求人が減っていることも関係しています。
門戸が狭くなれば必然的に転職が難しくなります。
転職者だけでなく現職の事務の人も危機感を感じていることでしょう。
経験者が優遇される
3つ目の理由は「経験者が優遇されるから」です。
これは事務だけでなく転職市場一般に言えることですが、やはり即戦力を求めている現場では経験者が優遇されることはごく自然なことですよね。
能力が高い人や有資格者の方が会社が望むような活躍が見込めるからです。
経験者にはあまり影響はないですが、事務未経験での転職者も少なからずいるでしょう。
残念ながら事務未経験者は内定がもらいにくいです。
特に競争率が高い企業では早い段階で不採用になってしまうでしょう。
ベンチャーや中小などの小規模企業であれば、アットホームな雰囲気で面倒を見てくれる可能性が高いです。
ただし求人数自体が少ないので、吟味する必要があります。
年収が高くない
4つ目の理由は「年収が高くないから」です。
転職理由で多いことに給与面への不満があります。
転職をきっかけに少しでも年収アップさせたいと考える人は少なくありません。
事務職の平均年収はおよそ300万円前後で推移しています。
下は200万円台から多くても600万円台と、他の仕事に比べると低いといえるでしょう。
年収面を考えると転職先の候補になりにくいのが事務職です。
給与を理由に事務に転職できても、年収アップは難しいでしょう。
活かせるスキルが限られる
5つ目の理由は「活かせるスキルが限られるから」です。
事務職は主にPCを使った業務が多く、PCスキルや簿記などの資格は活用できるでしょう。
しかし様々な業務をこなす一方で、特殊な資格やスキルが求められるわけではありません。
自分の能力を活かして年収アップやキャリアアップを目指す人もいますよね。
事務職は個人の能力や資格をフル活用するような場面は少ないです。
転職で強みになる能力も、事務職に限ってはあまり評価されないケースもあるでしょう。
【事務への転職は難しい?】事務職で求められる能力とは?
事務への転職をするためには、求められるスキルを身につけておくことが重要です。
専門的な能力は必要ではありませんが、あらゆる場面で活用できるスキルが求められます。
比較的身につけやすく、転職を検討している人は事前に勉強して取得しておきましょう。
主な3つの能力について解説します。
コミュニケーション能力
「コミュニケーション能力」は事務職でも重視される能力です。
PCに向き合う時間が長く会話力が必要ないというイメージですが、そうではありません。
事務職は様々な業務をこなすほか、特定の役職をサポートしたり電話対応をしたりするため、コミュニケーション能力が求められます。
他の社員と連携して仕事をすることも多いため、社会人としての基本的な会話力は身につけておきましょう。
しっかり相手の話を聞き、質問や提案をしながら課題を解決していきます。
電話対応の際にはメモを取りながら要件を処理していくことが重要です。
一方的に話したり相手の話を聞かないというようなことはNGです。
PCスキル
「PCスキル」も事務職では重要です。
資料の作成やメールの管理、データ管理や分析が主な業務内容です。
PCの基本的な操作やビジネスツールの活用、業務効率化のアプリなどについてはしっかりできるようにしておきましょう。
特にExcelを使用する場合は、難しい関数についても勉強してスムーズに使えるようにしておいてください。
検定や資格試験を受験し、履歴書や面接でアピールすることで能力の証明も可能です。
またPCやIT特有の専門用語についても理解しておきましょう。
PCは一通り問題なく操作できるようにしておいてください。
ビジネスマナー
事務職には「ビジネスマナー」も求められます。
社会人として働くうえで、ビジネスマナーは必須といえるでしょう。
言葉遣いや礼儀作法はしっかり身につけ、社内だけでなく取引先や営業先の人に悪い印象を与えないようにすることがポイントです。
若者言葉の使用や不適切な距離の詰め方はNGです。
また社会人として最低限の身だしなみや清潔感もマナーの1つ。
最近は規則が緩く自由な風潮の会社も増えていますが、TPOをわきまえた格好を意識してください。
【事務への転職は難しい?】事務職に転職するために押さえるべきポイント7選
難しいと言われている事務職への転職ですが、ポイントを押さえしっかりと対策することで転職が楽になります。
事務への転職だけでなく転職活動そのもののポイントでもあるため、事務職以外への転職にも活用可能です。
押さえておきたい7つのポイントを紹介するので、ご自身の転職活動に取り入れてみてください。
求人情報をたくさん見てみる
事務職の求人数は年々減少しています。
人気企業や人気業界の求人は倍率が高く、ライバルとの競争に勝たなければいけません。
ですが必ずしも倍率が高い企業がピッタリ合うわけではありませんよね。
少しでも事務職の転職確率を高めるために、「求人情報をたくさん見る」ことが重要です。
中途採用の求人数は、時期や業界によって差があります。
求人情報には給与や業務内容などの基本情報が記載されているので、数多く閲覧して比較してみましょう。
転職サイトを利用することで、業界や細かい勤務条件を絞って検索できます。
説明会が開催されている場合は足を運んでみてもよいでしょう。
視野を広げて多くの求人情報を閲覧しましょう。
事務職について理解しておく
「事務職について理解しておくこと」もポイントです。
事務職にはいくつか種類があることを説明しました。
様々な業界で活躍しており、必要な能力や業務内容にも違いがあります。
事務職とはイメージが結びつかない業務に携わる可能性もあるため、事務職の実態を事前に確認しておくとよいでしょう。
転職面接では、事務職への理解や分析の深さが内定に直結します。
無知な状態で臨んでしまうと、やる気がなく採用価値がないと思われてしまいます。
給与・業務内容・資格やスキル・勤務時間・歩むキャリアなど、関係があることは転職活動のはじめに調べるようにしてください。
転職理由やビジョンをはっきりさせる
面接では転職に関する質問をいくつか受けます。
特に転職理由や目標については確実に聞かれるでしょう。
回答次第で企業に強い印象を残して内定に近づけるかが決まります。
「転職理由やビジョン」をはっきりさせておきましょう。
新卒採用面接とは異なり、転職理由はカギを握ります。
理由の伝え方や内容を誤ってしまうと、面接官から不信感を持たれて好印象にはつながりません。
同様に目標やビジョンも具体的に考えておきましょう。
転職は内定がゴールではなくスタートです。
入社後にどんなことをするか決めていなければ、転職後の仕事に熱が入りにくいですよね。
未来を見据えて目標に向かってアプローチする意志は、企業から高く評価されるでしょう。
転職理由やビジョンは転職後のキャリアを決める要素なので、書類作成や面接前に見直してください。
自己分析してスキルや経験を整理する
転職では自分の市場価値を理解して行動することが求められます。
「自己分析をしてスキルや経験を整理する」ことで、業界を決めるときや企業へのアプローチで役立ちます。
人気の事務職では、スキルや経験などが大きな付加価値となるでしょう。
少しでも優秀であることがアピールできれば、他の志望者と比較されたときに選ばれやすいです。
しかし自分がどんな能力を持っていてどのようにアピールできるか理解していなければ、転職市場で不利になってしまいます。
求人によっては経験値が指定されている場合もあるため、そもそも応募できない企業もあるでしょう。
自己分析をして転職市場でのポジションを理解すれば、上手な立ち回りができますよね。
ノートやPCに記録などを残しておき、自分を客観視できるようにしましょう。
ビジネスマナーの勉強をしておく
「ビジネスマナーの勉強をしておくこと」も極めて重要です。
前職であまりマナーが重視されなかった場合や、ビジネスマナーについて詳しく知らない人は注意が必要です。
面接では言葉遣いや振る舞いなどが見られるため、マナーを身につけていない人は減点されてしまいます。
内定をもらい入社できても、マナーが身に付いていなければ周りに迷惑をかけたり会社のイメージダウンになってしまう可能性もあるでしょう。
言葉遣いや名刺の受け渡しなどの基本事項や、商談・会食の場での正しい振る舞い方などはしっかり勉強しておきましょう。
恥をかくことも無くなるだけでなく、マナーができている人は印象が良くなり信頼や信用を得ることにもつながります。
作法については動画などを参考にするのもおすすめです。
社会人として恥ずかしくないようにビジネスマナーは勉強しておきましょう。
面接対策を徹底する
転職活動で最も重視すべきことが「面接対策を徹底すること」です。
面接は企業の人に直接アピールできる貴重な機会です。
書類やプロフィールだけでは人間性や能力は正しく判断できません。
面接は実際に働いても問題ないか見極め、長期的に戦力になってくれることを判断する場です。
経歴や実績が優秀でも、面接で人間性がアピールできなければ不採用になるといえるでしょう。
表情・身だしなみ・話し方などマナーに関することは、事前に調べて練習を重ねることで本番でも意識せずできるようになります。
面接の最大の特徴は、面接官からの質問に答えることです。
転職面接では聞かれる質問がある程度決まっているため、項目ごとに回答を考え対策が可能。
内容や伝え方に細心の注意を払いながら、企業に自分を売り込んでいきましょう。
質問の答えで印象に残れば、内定はぐっと近づきます。
回答のポイントは後述します。
面接の対策を徹底して、万全を期して本番を迎えましょう。
転職サービスも活用する
転職が初めてという人や事務職の転職が不安でどうすればよいかわからないという人は、「転職サービス」を活用してみましょう。
転職者用のwebサイトや転職者サポートサービスを最大限活用することで、不安を解消したり有利に進めたりできます。
特に「転職エージェント」がおすすめです。
転職のサポートを全面的にしてくれるため、未経験者でも自分にぴったりな転職が可能になるでしょう。
企業や業界選びに困っている人は、希望を伝え自分の能力を示すことでおすすめの企業を提案してくれます。
また面接対策では非常に心強い存在になるでしょう。
面接に必要なアドバイスやポイントを教えてくれるだけでなく、実際に模擬面接のような形で練習経験を積むことも可能です。
指摘点や改善点をケアしていけば、本番でも好印象を与えられるでしょう。
「ギークリー」や「マイナビエージェント」は大手転職エージェントで利用者も多く、安心して利用できます。
エージェントによって手数料が異なるので注意してください。
【事務への転職は難しい?】事務の転職面接対策をしておこう
事務の転職を成功させるためには、面接の質を高めることが一番の近道です。
特に企業からの質問に対し、具体的かつ前向きに回答することが求められます。
加えてマナーや外見など、見た印象に意識を向けることも同じくらい重要です。
ここでは面接対策について徹底解説します。
事務以外の転職でも活用できるので、面接が控えている人は必ず確認して対策してください。
質問と回答のポイント
業界や業種で細かい差はありますが、転職面接でよく聞かれる質問と回答のポイントをまとめました。
各項目をしっかりとポイント確認し、自身の状況に合わせてアレンジしながら回答作成の参考にしてください。
志望理由
「志望理由」は必ず質問されます。
事務職を選んだ理由やその企業に応募した理由やきっかけについて説明しましょう。
やる気や熱意が最も反映されやすいため、簡潔にまとめて伝えれば問題ないでしょう。
事務職や企業のことについて事前にリサーチしていれば、関連付けて説明することもできますよね。
具体性が高まれば評価はあがります。
「面白そうだから」「自分でもできそうだから」などの曖昧で薄い内容は控え、「企業の取り組みや理念に共感したから」「事務職としてのキャリアを積んで自己成長を実現したいから」などの表現を使いましょう。
自己PR
「自己PR」も面接では重要な項目です。
能力や経験を中心に、性格や人間性などを面接官に売り込んでいきましょう。
履歴書や経歴書の内容と異なる内容は避け、記載内容を深掘りするイメージがおすすめです。
前職での特徴的な経験や取り組みがあれば、簡潔にまとめて伝えると効果的です。
仕事への姿勢や弱みや苦手の克服など、精神的な面も材料にすると頭の回転がアピールできます。
ただできることを並べる能書きのような表現はNGです。
自分の強みを正確に把握し、どんなことに活かせるのか具体的に示しながらアピールしてください。
転職・退職理由
「転職・退職理由」は転職面接の特徴といえます。
決して前向きな理由で転職をするとは限りません。
前職への不満ややむを得ない個人的な事情であることもありますよね。
理由をそのまま伝えてしまうと、理由によってはマイナスな印象になってしまいます。
嘘やでっち上げは面接で深掘りされたときに足元をすくわれてしまうので、言いにくい理由は表現を工夫して伝えてください。
例えばストレスで体調を崩してしまった場合は、
「度重なる残業や能力以上の業務が多く、ストレスで体調を崩してしまいしばらくお休みをいただいておりました。
現在は回復し自分の個性や能力をしっかり活かせるように新たな仕事に就きたく思い転職を決意しました。
御社では定期的な社員面談を実施しており、メンタルケアの取り組みが充実しているとお聞きしました。
社員の満足度が高まる良い取り組みだと感じたので、そのような素晴らしい環境で事務職としての貢献を希望しています。」
などが考えられます。
マイナスな理由は控えめに示し、どのように改善したいか必ず言及してください。
希望勤務条件
「希望勤務条件」も質問されることがあります。
企業によっては出勤形態や日数が自由なところもあります。
転勤や出張など遠征しなければいけない場合もありますよね。
自分の生活や理想的な働き方と比較して、譲れない条件やこだわりがあれば面接で希望しておきましょう。
あまり厳しい条件は認められませんが、入社後の働き方が面接の時点で分かれば企業としても計画を立てやすいです。
面接前に条件を決めておきましょう。
目標
「目標や展望」は企業が重視する項目です。
入社後にどのように貢献し長期的にどのようなキャリアを歩んでいきたいか、前向きな言葉で示しましょう。
企業での目標だけでなく、個人的な目標でも問題ありません。
数字や具体的な期間を添えて伝えると、面接官に目標をイメージしてもらいやすいでしょう。
志望理由や転職理由で述べたことを、念押しすることもおすすめです。
曖昧な目標ではなく、他と同じく具体性があると効果的です。
逆質問
「逆質問」は、志望者側が企業に質問できる時間です。
リサーチや面接を通して不安なことや疑問があれば、積極的に質問してください。
失礼な質問や無関係な質問はNGですが、会社の雰囲気や勤務時間など少しでも不安に思うことは質問してみましょう。
逆質問は頭の回転やコミュニケーション能力をアピールできる重要な時間です。
質問をしないことは極めてもったいないので、聞いてみたいことを気軽に聞くくらいの姿勢で質問してみてください。
面接マナー
面接マナーは必ず本番までに押さえておきましょう。
入室から退室まで、一挙手一投足面接官は見ています。
緊張で頭が真っ白になることや力が思うように入らないこともあるでしょう。
基本的には明るく元気に振る舞い、丁寧な言葉遣いで面接官と会話をすれば大きな減点はないです。
名刺の受け取りや挨拶の場面では、特に礼儀などがチェックされるので注意してください。
しっかり面接官の目を見て話し、相手の話をよく聞いてください。
感謝の気持ちを忘れず謙虚な姿勢を心がけるようにしましょう。
身だしなみ
「身だしなみ」も面接では評価の対象です。
企業によって面接の服装や身だしなみについての指定があります。
基本的には上下スーツで清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
男性は髪やひげなどをしっかり整え、衣服のしわや汚れも無いように確認してください。
女性はメイクを自然に仕上げ、アクセサリーは控えてシンプルな格好で臨みましょう。
サイズ感や色味にも配慮する必要があります。
おしゃれは意識せず、減点をもらわないように意識してください。
ポイントを押さえて事務転職に活かしてみよう
事務の転職について詳しく解説しました。
難しいと言われている背景には様々な事情が関係しています。
ですが対策をすることで難易度を下げ、事務転職が成功する可能性が高まるでしょう。
解説したポイントを意識して、事務転職を実現させてください。
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