転職活動の面接時に名刺交換は必要？受け取り方や管理方法などの疑問を解消

転職活動の面接時に、面接官から名刺を渡されて慌ててしまった。

もしくはそんな話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

面接官に名刺を渡された際、こちらも名刺を渡していわゆる「名刺交換」をする必要があるのか、転職活動を進めるうえで事前に解消しておきたい疑問のひとつです。

結論、面接時に名刺を渡されたとしても、名刺を交換する必要はありません。

もちろん、面接開始前にこちらから名刺を渡す必要もないため、面接前に名刺交換の練習をする必要はないでしょう。

しかし、面接時になぜ名刺を渡されるのか、その理由だけは事前に把握しておくことで慌てることなく面接に臨めます。

今回は、面接時に名刺を渡される理由について解説します。

また、面接を持っているか聞かれる場面の対処法や名刺の受け取り方、受け取った名刺の管理方法を、面接時の名刺交換にまつわる疑問も交えて解消しましょう。

さらに当記事では、万が一こちらが名刺を用意することになっても問題ないよう、名刺交換をするうえで覚えておきたいこともまとめています。

面接における名刺交換に関して疑問を抱えている方はもちろん、この機会に名刺交換のマナーを改めて把握しておきたい方も、ぜひ当記事の内容を参考にしてください。

【転職活動の面接における名刺交換】面接官が名刺を渡す理由

そもそもなぜ面接官が名刺を渡してくるのか、理由を把握しておきたいという方も多いでしょう。

面接官が名刺を渡してくる理由には、自社の代表として面接を行なっていることのアピールと、受け取り方で候補者のマナーを見ることが挙げられます。

候補者の立場からすると、面接を実施してくれる担当者が会社のどの役職に就いており、どのような権限を持っている方かはすぐに判断できません。

そのため、面接官は名刺を渡すことで社内での立場を掲示し、かつ自社の代表として面接を担当する旨の意思表示をします。

また、名刺の受け取り方で候補者のビジネスマナーを見る会社・面接官もいます。

名刺の受け取り方だけで合否が左右されることは少ないものの、評価基準として設けている場合もあるでしょう。

後ほど解説する「名刺の受け取り方」を参考に、名刺をどう受け取ると好印象になるか再度確認しておきましょう。

【転職活動の面接における名刺交換】面接で名刺を持っているか聞かれる場合もある

面接で名刺を渡された際、こちらも名刺を持っているか面接官に聞かれることもあります。

ここでは、面接時に名刺の有無を聞かれた際のマナーについて、以下2つの視点から解説します。

退職済みの場合は名刺は渡さない

退職済みの状態で面接を受ける際に、前職の名刺は渡さないようにしてください。

前職の名刺を渡すのは、かえってマナー違反になるでしょう。

面接官は候補者の名刺から、現在の所属や連絡先などを把握することがあります。

したがって、すでに辞めている会社の名刺を渡すことは「連絡がつかない場所の情報を掲示している」ことになるためマナー違反です。

面接で名刺交換を求められても対応できるように、という理由で前職の名刺を念のため携帯しているという方も多いでしょう。

しかし、前職の名刺を渡すのはかえってマナー違反になるので、素直に「退職済みであるため名刺の持ち合わせはありません」と伝えてください。

在職中の場合は現職での名刺を渡す

在職中の転職活動時は、現職の名刺を所有していることも多いでしょう。

現職のもので問題ないとされた場合は、現職の名刺を渡してください。

ただし、面接時の名刺交換は必須ではないため、もし現職の名刺を渡すのに抵抗がある場合は「本日は持ち合わせがありません」と一言謝罪をするだけで問題ないでしょう。

とはいえ「名刺交換が必須」の会社だった場合も想定して、念のため現職の名刺は携帯しておくべきです。

名刺から連絡先や所属企業の情報を把握したいと考える面接官もいるため、あくまで備えとして携帯しておきましょう。

【転職活動の面接における名刺交換】名刺を持っていない場合の対処法

転職活動の面接においては名刺を交換する必要はないため、持っていなくてもまったく問題はありません。

仮に持っていない状態で渡すことを求められた場合は、素直に「本日は持ち合わせがありません」と謝罪すれば、マナー違反とは捉えられないでしょう。

面接官に名刺を渡されると、こちらも渡さなければマナー違反なのでは？と感じる方もいるかもしれません。

しかし、面接においての名刺交換は必須の行為ではないため、安心してください。

面接官は候補者の情報を履歴書や質疑応答で把握できるので、名刺の有無を重要視していない場合も多くあります。

あくまで「名刺を渡されることもある」程度の知識として覚えておけば、大きなトラブルやマイナス評価にはつながらないでしょう。

【転職活動の面接における名刺交換】面接時に名刺を受け取る際のポイント

こちらから名刺を渡す必要はないものの、面接官から名刺を渡される場面に遭遇する可能性はあります。

ここでは、面接時に名刺を渡されてもスムーズに受け取るために、6つのポイントを紹介します。

面接官の方に移動して受け取る

名刺を受け取る際は、必ず面接官の方に移動して受け取るようにしましょう。

面接時に名刺を渡されるタイミングは着席前が多いので、着席する前にあらかじめ面接官の正面に近い位置へ移動しておくとスムーズに受け取れるでしょう。

また、仮に着席後に名刺を渡された場合は、必ず起立したうえで面接官の方に移動してください。

着席したまま、テーブルを挟んで名刺を受け取るのはマナー違反と認識されます。

場合によっては「座ったままでいい」といわれることもあるものの、基本的には起立して受け取るのがマナーであることを事前に認識しておきましょう。

両手で受け取る

名刺を受け取る際、間違っても片手で受け取るようなことはないようにしましょう。

好意をもって名刺を渡してくれることに対し、片手で名刺を受け取るのは非常に失礼な好意です。

ましてや、こちらから面接をお願いしている立場にもかかわらず両手で受け取らない行為は、面接官によっては「侮辱されている」と感じることもあるでしょう。

また、ただ両手で受け取るだけではなく、受け取る際の指の位置にも注意してください。

名刺を受け取ったときに、指で面接官の名前や社名、会社のロゴを隠さないようにしましょう。

細かい部分ではあるものの、ビジネスマナーとして覚えておくべき知識なので名刺を受け取る際に意識してください。

名刺をくれたことに対するお礼を伝える

名刺を受け取る際は、受け取る直前にひとこと「ありがとうございます。

頂戴いたします。」と伝えてください。

名刺をくれたことに対するお礼であり、名刺交換における基本的なマナーであるため、覚えておくと良いでしょう。

「ありがとうございます。頂戴いたします。」と声をかける際、一礼するのも忘れてはいけません。

「よろしくお願いします」の意味を込めて一礼しながら名刺を渡す面接官も多いので、あわせてこちらも一礼するようにしましょう。

名刺をくれたことに対してお礼をする際注意したいのが、何度もお辞儀をしないようにすることです。

何度もお辞儀をすることで、卑屈なイメージを持ってしまう面接官もいるので注意してください。

受け取った名刺を見る

名刺を受け取ったら、軽く目を通すようにしましょう。

受け取ってすぐ名刺入れにしまったり、テーブルに置いたりするのはマナー違反にあたります。

名刺には、会社の情報や面接官の役職など、さまざまな情報が記載されています。

面接時に好印象を与えやすい「逆質問」のきっかけになる情報が記載されている可能性もあるので、質疑応答対策として目を通しておくのがおすすめです。

ただし、受け取った名刺を凝視するような行動は避けましょう。

あくまで「軽く」目を通すだけに留めるよう意識してください。

また、受け取ると同時に中身を見る方もいますが、仮に見たとしても受け取った後に「見ている」ことが伝わるような行動をとるのがおすすめです。

テーブルの左側に置く

名刺を受け取って着席したら、テーブルの左側に名刺を置くようにしましょう。

ここで注意したいのは、名刺を置くのは「自分から見て左側」です。

相手側を意識しすぎて相手から見て左側に置いてしまうと、置く位置が反対になってしまうので注意してください。

また、テーブルに直接置くのではなく名刺入れの上に置くほうが良しとされるので、名刺入れを携帯しておきましょう。

もし名刺を置くテーブルが設置されていない場合は、受け取った際に名刺へ目を通すだけで問題はありません。

ただし、受け取った名刺をそのままポケットに入れる行為がマナー違反と捉えられる可能性もあるので、やはり名刺入れを携帯しておくと良いでしょう。

複数人から受け取る場合は役職の高い順に置く

複数人の面接官から名刺を受け取る際は、役職の高い順から上に並べていきましょう。

受け取った名刺を広げるように並べず、高い役職が上にくるよう重ねます。

ただし、名刺を見ただけで役職がわからない場合は、座席の配置に合うようテーブルに並べるのがおすすめです。

面接官が複数人いる場合も、受け取り方自体に変化はありません。

先方が順番に並び、渡してくれる場合がほとんどなので、慌てず同じ受け取り方やお礼の仕方を繰り返しましょう。

【転職活動の面接における名刺交換】面接で受け取った名刺の管理方法

転職活動の面接時に受け取った名刺を、どのように管理すべきかわからないと悩んでいる方も多いでしょう。

ここでは、受け取った名刺の管理方法をデジタル・アナログの2種類に分けて紹介しているので、自身が管理しやすい方法を選択してください。

デジタル

近年の名刺管理は、デジタル化が進んでいます。

名刺管理用のアプリに移行したり、名刺に記載されている情報をデータ化したりすることで、デジタルでの管理が可能になりました。

デジタルで名刺を管理する最大のメリットは、かさばらずに名刺を保存しておけることです。

面接の回数が多くなるほど、受け取る名刺の数も多くなりがちです。

受け取った名刺のデータをデジタル化できれば、場所を取らずに情報だけを保存できます。

また、データ化した名刺であれば、検索機能を使用して再度確認したい名刺の情報だけを抽出することが可能です。

通信環境さえ整っていればいつでも名刺を閲覧できるので、面接を受けた企業の情報をすぐ確認できるようになります。

アナログ

名刺ホルダーやファイルに入れて、アナログな方法で名刺を管理する方もいます。

アナログな手法での管理は名刺自体がかさばるものの、デジタル管理における懸念である「データが消える」ことを防止できるでしょう。

また、50音順や役職順など、自分が管理しやすい順番に並び替えやすいのもアナログで管理するメリットです。

名刺の裏に面接の内容や面接官の特徴を書いて、面接の振り返りがしやすいのもアナログ管理ならではの特徴といえます。

【転職活動の面接における名刺交換】面接時に名刺を受け取った際の疑問を解消

ここでは、転職活動の面接時に名刺を受け取るうえで、解消しておきたい疑問をQ&A形式で掲載しています。

なお今回は、以下の疑問に関する回答をまとめているので、面接で名刺を受け取ることがあっても慌てず済むよう、参考にしてください。

Q.面接会場に名刺を置き忘れてしまったら？

A.面接を受けた会社に連絡し、名刺を忘れた旨を伝えたうえで謝罪しましょう。

名刺は身分を証明する大切なものであるため、置き忘れること自体がマナー違反になることを認識しておくべきです。

もし忘れてしまった場合は、気がついた段階ですぐ先方に電話し、直接謝るようにしましょう。

そのうえで、名刺を撮りにいきたい旨を伝えてください。

取りに行く必要はないといわれる場合もありますが、誠意としてこちらから提案することは忘れないようにしましょう。

Q.名刺をくれた企業の面接に通らなかったら？

A.シュレッダーなどで処分しましょう。

面接に通らなかった企業の名刺は、持っておく必要のないものです。

わざわざ処分する必要はないと考えがちですが、名刺には個人情報も記載されているので極力処分するようにしてください。

もし面接を受けた会社の情報として残しておきたい場合は、名刺の内容から個人情報に該当しないものだけをデジタル化して保存しましょう。

面接の内容や反省点など、次回の面接に活かせる内容に関しては、むしろ残しておくことで今後の転職活動を成功につなげやすくなります。

Q.現職の名刺は必ず持っていくべき？

A.現職の名刺を持っていくことは必須ではありません。

そもそも面接時の名刺交換自体が必須ではないため、現職の名刺を持っていく必要はありません。

ただし、面接時に名刺を求められる可能性も0ではないことから、念のため持っておくと安心できるでしょう。

ただし、既に退職済みの会社で使用していた名刺を交換するのは、かえってマナー違反です。

あくまで在職中の転職活動においては、念のため現職の名刺を持っておくと良い程度の認識に留めておきましょう。

Q.名刺をくれた会社にお礼のメールは必要？

A.お礼メールは送らなくてもマナー違反とは判断されません。

丁寧に名刺をくれたに会社対しては、お礼のメールを送りたいと考える方も多いでしょう。

しかし、面接を実施してくれただけの状態であれば、あえてお礼のメールを送る必要はありません。

むしろ、面接の実施に関するお礼メールが、面接官にとって負担となる場合があるため注意してください。

お礼メールに関しては、内定をもらった際などに限定する方が良いでしょう。

こちらから面接官にメールを送るのは、何らかのトラブルや後日質問したいことがある場合のみに留める方が無難です。

【転職活動の面接における名刺交換】転職の面接で名刺交換をするうえで覚えておくべきこと

転職活動の面接時は、仮に名刺を受け取ってもこちらから渡す必要はありません。

しかし、会社によっては名刺交換を求めてくる場合もあるため、名刺交換の基本自体は覚えておくと良いでしょう。

ここでは、名刺交換に関する以下の内容について解説します。

面接時に行う必要はないものの、名刺交換は基本的なビジネスマナーとして必須の知識です。

今後の就業におけるマナー違反を防止するうえでも、ここで紹介する名刺交換に関する情報を把握しておきましょう。

名刺の渡し方

名刺を渡す際は、まず名刺を面接官が読みやすい向きに変え、名刺入れの上に載せておきます。

そのうえで、両手で相手に渡すようにしてください。

片手で渡すのはマナー違反です。

名刺を渡す際に、氏名を名乗るようにしましょう。

在職中の場合は、社名・部署名も忘れずに伝えてください。

なお名刺を渡す際は、相手よりも低い位置から名刺を差し出すようにしましょう。

相手より低い位置から差し出すことで、より謙虚かつ丁寧な印象を与えられます。

また、名刺を渡す際は必ず立って渡すようにしてください。

座ったまま渡すのはマナー違反なので、徹底しましょう。

相手の前に移動し、正面から渡すことも忘れてはいけません。

万が一スペースがない場合は「横から失礼します」「机の上からすみません」などと、一言添えるようにしましょう。

名刺の受け取り方

名刺を受け取る際は、渡すときと同様両手で受け取るよう意識してください。

ただし、名刺交換においては、渡すのと受け取るのを同時に行わなければならない場面があります。

そのような場合は、以下を意識して受け取ることでマナー違反を防げます。

名刺を受け取ったら、すぐ右手を添えて両手で持つようにしてください。

また受け取る際は「ありがとうございます。頂戴します。」と声をかけるのも忘れてはいけません。

名刺の置き方

受け取った名刺は、自分から見てテーブルの左側に置くようにしましょう。

相手側から見て左側に置いてしまうと反対になるため、注意が必要です。

複数人から名刺を受け取った際は、役職が上の方の名刺が上にくるように重ねて置きましょう。

名刺だけで役職がわからない場合は、テーブルの位置に比例するように並べて置くようにしてください。

名刺のしまい方

名刺交換後は、受け取った名刺を少し見ましょう。

受け取ってすぐにしまうのは、マナー違反です。

名刺を軽く見たら、名刺入れもしくはファイルなどに入れてください。

ポケットに直接入れるのは避けてください。

なお、面接中は名刺をしまわず、あくまで面接後にしまうことを前提としましょう。

名刺交換の順番

名刺交換をする際は、基本的な順番を覚えておくことも大切です。

基本的には、訪問したこちら側から名刺を渡すのがマナーとされています。

面接での名刺交換は必須ではないため、あくまで基本的なマナーとして覚えておきましょう。

万が一名刺交換が必要で、かつ相手側から先に名刺を渡された場合は、こちらの名刺を渡す際に「申し遅れました」と一声添えれば問題ありません。

また、複数の面接官がいる場合は、名刺を渡された順番と役職が比例していることを覚えておくと良いでしょう。

最初に名刺を渡してきた面接官が、その場にいる面接官の中でもっとも役位が高い方です。

名刺は役職順に置くのがルールなので、名刺の情報だけで役職を把握しきれないときの参考情報として活用しましょう。

【転職活動の面接における名刺交換】名刺交換におけるNG例

最後に、名刺交換に関する主なNG例をまとめています。

これまで紹介した内容のおさらいにも活用できるので、名刺交換に関するマナーを再確認するうえでお役立てください。

転職活動の面接においてはこちらから名刺を渡す必要はなく、面接官から名刺をもらうこと自体もない可能性があります。

とはいえ、名刺交換に関してのマナーを覚えておくことはビジネスパーソンとして必須であるため、ここで紹介する内容を把握しておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、面接時の名刺交換に関する疑問を解消すべく、さまざまな情報をまとめました。

面接時にこちらから名刺を渡す必要はないものの、面接官から渡される場面は少なからず存在します。

そのため、名刺を渡される理由や受け取り方については、最低限理解しておくべきでしょう。

面接官によってはこちらが名刺を持っているか確認してくる場合もあるので、持っている場合と持っていない場合それぞれのマナーや対処法もあわせて理解しておく必要があります。

また、万が一面接時に名刺交換が必要になっても慌てずに済むよう、名刺交換における基本も念の為把握しておくことが大切です。

今回は名刺交換の基本やNG例も解説しているので、面接時のイレギュラー対策として把握しておくと良いでしょう。