段ボール製造会社の営業が「きつい」と言われる理由は?将来性や向いている人の特徴も解説
営業職をメインに転職活動中の方におすすめしたい業界の一つが、段ボール製造業です。
なぜなら、安定した収入が見込めるだけでなく、将来性のある業界だからです。
近年、通販事業が盛んになったこともあり、段ボールの需要が増えています。
日用品や衣料品も通販で購入することが当たり前になり、それを運ぶための段ボールは必須の商材です。
今回ご紹介するのは、段ボール製造会社の営業職の仕事内容や、仕事を進める上で「きつい」と感じる部分について。
優良企業へ転職をするためのコツなどもご紹介してるので、ぜひ最後までお読みください。
【段ボール業界の営業はきつい?】仕事内容
まずはじめに、段ボール製造会社の営業の仕事内容をご紹介します。
取引先は物流企業や倉庫業を営む会社が中心。
営業の流れとしては既存の取引先を定期的に訪問をして商材を提案し受注するというものですが、新規開拓営業などもあります。
大きさや形、強度など、様々なタイプの段ボールを提案するので、取引先のニーズに応じて定期的に提案することが仕事です。
それでは、具体的な仕事の流れを見ていきましょう。
ルート営業が基本
基本的に、どの段ボール製造会社も既存の取引先を持っています。
対象となる業種は物流業や倉庫業で、段ボールを使って物を流通させる業界の企業がお客様となります。
これらの既存顧客を定期的に訪問し、提供している段ボールに不備がないかのチェックや、今後の流通方法や事業拡大などの予定をヒアリングしながら、お客様の業務がより良くなるように新しい段ボール商材を提案します。
なお、物流業や倉庫業を営む企業は郊外に位置している場合がほとんどです。
そのため、営業は社用車を使って移動します。
基本的にはサンプルの段ボールを車に積んで移動するので、多少体力を使う仕事でもあります。
取引先の業務効率化を提案
営業が提案するものは段ボールですが、本来の役割は段ボールを使っていただくことで流通のクオリティを上げることです。
いわゆるソリューション型(課題解決型)の営業なので、単純に商品知識を持っているだけでは務まりません。
相手の課題を深掘りしてヒアリングし、どのような段ボールで流通の仕組みを作れば業務効率化が図れるかを提案します。
商談の場では、お客様先の仕事の流れや運んでいるものの大きさ、物の種類などをヒアリングし、そのニーズに応じた提案をすることが仕事です。
新規顧客拡大の営業もある
基本的にはルート営業が中心ですが、新規顧客拡大のために電話営業や飛び込み訪問をおこなうこともあります。
これは主に入社したての新人時代におこなうことが多く、1日に数十件〜数百件ほどの電話営業をすることも。
見込み客としてリストにあがっているのは、言わずもがな物流業や倉庫業の企業です。
用意されたトークスクリプトをもとに電話営業することが大半ですが、相手のニーズを引き出さなければアポイントすら取れないので、ある程度の知識が必要です。
営業職以外の仕事|工場内での段ボール製造
今からご説明する仕事は営業職以外の仕事ですが、工場内で段ボール製造をする工程もご紹介します。
営業として現場に立つ前に、自社で扱う製品がどのようにして作られているのかを知っておきましょう。
検品
工場内の機械を通して作られた段ボールは出荷前に必ず検品する決まりです。
段ボールに傷がないか、汚れが付着していないかなどの欠陥を目視で確認します。
非常に単調な作業ではありますが、怠らずに目を光らせていないと、出荷後に大きなクレームに発展することもあります。
そのため、検品は数名体制のチームでおこなっています。
梱包
検品して問題がなかった段ボールは、取引先に出荷する前に梱包をします。
このとき、梱包スタッフが手作業でおこなうため、傷や汚れがつかないように慎重に作業する必要があります。
また、何十枚以上もの段ボールをまとめて梱包するので、かなり体力のいる仕事です。
基本的には現場責任者の社員を筆頭に、派遣スタッフやパート社員などが複数名で作業に取り掛かっています。
パレット積み
梱包を終えたら、出荷です。
出荷の際は、ドライバーが出し入れしやすいようにパレットに積みます。
まとまった段ボールを積み上げる作業なので、フォークリフトを使って積み上げる作業が基本です。
しかし、トラックの荷台に入れる作業は人の手が必要なため、このときも体力を要します。
汗や傷がつかないように慎重に進める必要もあるので、神経も使うでしょう。
【段ボール業界の営業はきつい?】きついと言われる理由
営業職ならどの業界でも「きつい」と感じるシーンは多いですが、段ボール製造業というニッチな業界だからこその辛さもあります。
地道な新規開拓をしなければなりませんし、アフターフォローも大変です。
ときには段ボールを社用車から積み下ろしたりする作業もあるため、体力も使います。
繁忙期には残業が多く、体がヘトヘトになることもあるでしょう。
そんな段ボール製造業の営業が「きつい」と言われるシーンについて、4つほどご紹介します。
新規営業がきつい
新規開拓営業は、苦手意識を持つ人が多いようです。
ニーズのわからない状態で電話営業やアポなしの飛び込み営業をおこなうため、当然ながら神経を使います。
もともと人見知りな方の場合、1日に数十件や数百件もの見込み顧客に接するのは苦痛に感じるでしょう。
慣れてくると緊張せずに営業をかけることができますが、新人時代は新規営業中心におこなうので、この段階で挫折してしまう人も少なくありません。
顧客満足度の維持が難しい
自社で新規開拓営業があるということは、他社でも同様におこなっているということです。
そのため、いつ自社の顧客が他社にリプレイスされてしまってもおかしくない状況。
そのため、一生懸命提案しているお客様を取られないように、顧客満足度を維持し続けることも仕事の一つです。
これが非常に難しく、ルート営業がゆえに提案がマンネリ化してしまわないよう、常に新しい提案をし続けなければなりません。
もちろん、お客様との信頼関係を維持し続けることも大切で、ぞんざいに扱わないように定期的なフォローをする必要があります。
アフターフォローが多い
一つの商材を提案して契約が決まったら、あとはお客様に納品して使っていただく流れです。
しかし、営業はここで終わりではありません。
納品した段ボールに不備がなかったか、出荷時の課題はないかなどを細かくアフターフォローする必要があります。
顧客数が多ければ多いほど、アフターフォローの数も増えてくるので、社歴が長くなるにつれて大変だと感じることが多いでしょう。
肉体的疲労を感じやすい
段ボール製造会社の営業はルート営業であるため、基本的には1日中外出しっぱなしです。
社用車を使うものの、ずっと運転していると疲労は溜まります。
また、業界の需要に合わせて段ボールが常に刷新されるので、サンプルを社用車に積んでいることが大半です。
サンプルを積み下ろしするだけでも体力を使うので、アポイントがたくさん入っている日はかなりの疲れを感じるでしょう。
【段ボール業界の営業はきつい?】とある営業マンの一日
ここからは、とある段ボール製造会社の営業マンの一日をご紹介します。
出社してから退勤時まで、どのような流れで営業活動をしているのかを知っておくことで、転職後のイメージがより具現化されるでしょう。
朝から夜までの仕事の流れを順を追ってご紹介するので、ぜひ参考になさってください。
午前中
朝出勤したら、朝礼の時間が来るまでパソコンを立ち上げて前日のメールチェックをおこなったり、同僚と雑談をしながらゆっくり時間を過ごします。
朝礼が終わったら、訪問先企業へ提案する資料を準備したり、サンプルの段ボールを社用車に入れたりと、事前準備をしてから訪問先へ向かいます。
09:00 出社
09:30 朝礼(当日時点での売上進捗報告やその他全体共有)
10:00 訪問準備(提案資料の準備や、サンプルのチェックなど)
11:00 訪問先へ出発
11:20 訪問先A社で商談
お昼〜夕方
お昼はだいたい12時ごろに昼食をとり、1時間の休憩を終えたらまた次の訪問先へ向かいます。
午後は夕方まで時間があるので、近隣エリアの複数社を回ることが大半です。
道路状況などによりアポイントの時間まで余裕があるときは、途中のコンビニエンスストアで休憩をすることもしばしばあります。
商談が長引いてしまったときは合間の休憩を取ることが難しいですが、慣れてくれば定刻通りに訪問することができるようになります。
12:00 昼食
13:00 訪問先へ出発
13:20 訪問先B社で商談
14:10 訪問先C社で商談
15:00 訪問先D社で商談
15:40 途中休憩
16:00 訪問先E社で商談
17:00 商談終了
夕方〜夜
当日の訪問が全て終わったら、夕方18時ごろに会社に着いて残りの事務作業を行います。
商談先でいただいた要望を資料にまとめたり、見積書作成を営業事務に依頼したり、日報を記入したりします。
もし当日受注になった案件があれば、営業管理システムに売上を入力するのも営業の仕事です。
また、夕方以降は当日にアポイントのあったお客様から追加の依頼で電話をいただくこともあるので、デスクワークしながら電話対応をしたりと、忙しい時間帯でもあります。
17:30 帰社
17:40 見積書の作成依頼、要望の段ボールを製造部門に依頼
18:00 上司との1on1ミーティング(営業進捗についての相談など)
18:20 日報作成
18:30 業務終了
【段ボール業界の営業はきつい?】将来性について
段ボール業界の将来性は大いにあると言えます。
なぜなら、冒頭でもお伝えしたように、近年通販事業が盛んになっているためです。
消耗品や食料品一つ購入をするにも、スーパーではなく通販を選ぶ消費者が増えており、年々需要は高まるばかりです。
安定性があり、遠い将来を見ても需要がなくなる見込みはありませんので、かなりおすすめの業界と言えます。
そんな段ボール製造業界の将来性について、詳しく見ていきましょう。
盛んな通販事業に対するニーズ
Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどを中心に、現代では様々な通販事業が盛んです。
消耗品や食料品、雑貨などをこれらのECサイトで購入したことがある方も多いのではないでしょうか。
また、専門性の高い通販事業も続々と成長しています。
ファッションEC事業大手のZOZOや、個人間取引のメルカリなども有名です。
これらの物の流通には、段ボールが必須です。
書籍などの小さな物から、家電や家具などの大きな物まで様々な商品が段ボールを使って運ばれます。
そのため、どの業界でも段ボールを欲している状況です。
これらの需要は今後も消える見込みがなく、むしろ消費者の購買行動が「店舗<<ECサイト」に変化しつつあります。
よって、段ボール製造業はどんどん成長していくことでしょう。
大手中心で安定している
段ボール製造業は老舗の製紙会社など、大手が占めている状況です。
中小企業やベンチャー企業はほとんどなく、大手同士でシェアを取り合っている状況。
そのため、転職先を選ぶとしても大手中心になるでしょう。
大手企業が必ずしもホワイト企業とは限りませんが、それでも中小企業やベンチャー企業に比べると給与水準が高く、福利厚生が整っている傾向にあります。
特別休暇の日数が多かったり、家族手当や住宅手当が手厚いなどのメリットがあるので、子供のいる方や家族を扶養している方にはとくにおすすめです。
【段ボール業界の営業はきつい?】向いている人の特徴
段ボール製造会社の営業は提案力が必要で、多少体力も使います。
しかし、本当に重要なことは性格的な向き・不向きです。
ここからご紹介するのは、段ボール製造会社の営業に向いている人の特徴です。
ご自身の性格が当てはまっていないか、転職先選びの参考にご覧ください。
人と接することが好きな人
段ボール製造会社の営業が相手とするお客様は、物流業・倉庫業の経営者や仕入れ担当者など。
ルート営業ということもあり、一人の人と長くお付き合いすることが一般的です。
相手と完全に打ち解けるまでには何回かの訪問を重ねる必要がありますが、大事なのは第一印象です。
緊張してあまり話せないと「新しい担当さんはなんだか話しづらいな」と思われてしまい、マイナスイメージを払拭するまでにかなり苦戦するでしょう。
一方、人見知りをせず会話を楽しむことができる人は、打ち解けるまでが早く、信頼も獲得しやすいです。
新しいプロジェクトに使う段ボールを任せてもらえたり、他社には教えていない情報を教えてもらえたりと、良いことがたくさんあります。
数字にも影響が出てくるので、人と接することが好きな人は営業として得することが多いでしょう。
一人ひとりとの縁を長く大事にしたい人
一度担当した取引先はずっと担当営業としてつくことになりますし、取引先の担当者は数年変わることはありません。
そのため、縁を長く大事にできる人が向いています。
営業の仕事は利益を上げることではありますが、それはお客様に気に入っていただけてこその恩恵です。
その前提として、取引先の窓口である担当者との縁を大事にすることが大切です。
新しい顧客にばかり目を向けて既存顧客のフォローを怠ってしまっては、他社にリプレイスされてしまう可能性もあります。
状況が変わっても一社一社を大切に思い続けられる優しい心を持つことが大切です。
効率的に物事を考えられる人
取引先が段ボールを選ぶ基準は、物を安全かつ効率的に運べるかどうかです。
大きさや強度を決めるために、取引先の業務の流れをしっかり理解する必要がありますが、業務効率を考えて提案することも重要です。
基本的に段ボール製造会社の段ボールは、取引先と打ち合わせをして決めるオーダーメイドです。
設計は専門部署が担当しますが、営業はニーズをくみ取って設計部署に依頼する必要があるので、取引先が効率良く運べるような提案を考える必要もあります。
ざっくりとした提案だと受注は難しいですし、仮に受注できたとしても納品後にデメリットだらけで取引先との関係性が悪化するリスクもあります。
初回商談の段階から効率を考えて提案することで、ニーズに合致した良い商品を提案することができるのです。
古くからの規律を大事にできる人
段ボール製造会社の多くは、老舗の大手企業です。
そのため、古いしきたりや文化に溶け込まなければならないこともあるでしょう。
大手企業では、自主性を持ちながら働きつつも規律を守れる人が評価されます。
自分発信で新しいアイデアを出すよりも、まずは会社を作ってきた先人たちの文化にならって仕事に取り組む姿勢が大切です。
訪問が苦にならない人
先述したとおり、段ボール製造会社の営業はルート営業が中心で、基本的に一日中外に出て訪問しています。
移動は社用車ですが、場所によっては1時間ほど車を走らせて訪問することもあり、それなりの疲労感を感じることもあります。
オンライン商談ではかなり難しい業界なので、足を運ぶことに苦痛を感じない人の方が楽しんで仕事ができるでしょう。
マルチタスクが得意な人
段ボール製造会社の営業は、単純に営業活動のみをおこなっているわけではありません。
訪問して商談をするかたわら、商談でヒアリングしたニーズに応じて、段ボールの形状や細部のこだわりなどをまとめる必要があります。
その要望をまとめて設計担当者に依頼し、ようやく形になるわけです。
また、商談後に見積書を作成する必要もあります。
営業事務が担当することもありますが、見積書の提示は営業の仕事なので、綿密なチェックも必須です。
いろいろな作業を同時進行で進めるため、マルチタスクをこなせるスキルが必要です。
前職で何かしらの形でマルチタスクを経験したことがあれば、転職後も弊害なく営業活動に取り組めるでしょう。
【段ボール業界の営業はきつい?】働くメリット
段ボール製造会社の営業はとても忙しく、向き不向きがはっきりしているものですが、その分働くメリットが十分にあります。
安定した業界なので将来途方に暮れてしまう心配も少ないですし、法人営業であるため安定的に休日を取得することも可能です。
そんな段ボール業界の営業のメリットについて、詳しく見ていきましょう。
長期的な需要と安定性のもと働ける
先述したとおり、段ボール製造会社の需要は高いです。
昨今のECサイト事業の活性化もあり、将来食いっぱぐれる可能性は少ないでしょう。
転勤が少ない
段ボール製造会社の多くは、同じエリア内に複数の営業所を設けています。
例えば、関東地方なら東京と埼玉だったり、栃木と茨城だったり。
仮に転勤があったとしても、今の担当エリアから大幅に離れてしなうことは少なく、どのエリアにあっても通えなくない範囲です。
ホワイト企業が多い
段ボール製造会社の多くは古くから根付く大手企業です。
大手=ホワイト企業ということではありませんが、大手はそれなりの安定性があり福利厚生も充実している傾向にあります。
住宅手当や子育てしている社員のための手当てなど、生活に嬉しいプラスアルファの福利厚生を設けているところも多くあります。
また、ボーナスや年次昇級はほとんどの会社であると思って良いでしょう。
他の業界のベンチャー企業などではボーナスすらないことも多いですが、段ボール製造業ならほぼ心配ありません。
むしろ、需要が高まっている業界なので、実績次第でボーナスの金額も期待できるでしょ
う。
休日が安定している
段ボール製造会社が相手とするのは法人です。
さらに、物流業や倉庫業を営む企業であるため、土日祝日を休日としている法人が大半。
そのため、顧客の休日に合わせて、段ボール製造会社の営業の休日も土日祝日が中心です。
急な休日出勤はよほどのことがない限りありませんので、家族イベントや趣味の時間を大事にメリハリのある働き方が叶うことでしょう。
将来性&安定性が魅力の段ボール業界営業へ転職しよう
将来性があり、安定した収入が期待できる段ボール業界の営業は、営業として長く続けていきたい方にとくにおすすめです。
とはいえ、ニッチな業界であるため、営業職の募集している会社を探すには一苦労でしょう。
全国の段ボール製造会社のコーポレートサイトから採用情報を探してみたり、知り合いにツテがあれば頼み込んで紹介してもらうのも手です。
また、自分で探すにはかなり根気のいる行動なので、転職エージェントに登録をしてまとめて求人情報を紹介してもらうのもおすすめです。
転職をするならエージェントがおすすめ
段ボール製造業の営業職は、その他の業界の営業職の募集に比べるとかなり数が少ないです。
効率良く探すには、転職エージェントに相談をしてみてはいかがでしょうか。
転職エージェントなら数多の求人案件を保有しているので、求職者が希望する業界や会社の特徴に合った求人を紹介してくれます。
また、企業と人との相性を見て紹介をしているため、自分で求人を探すタイプの転職活動よりもミスマッチが少なくなります。
求人紹介だけでなく、面接対策のアドバイスや履歴書・職務経歴書の添削までサポートしてくれるので、安心して転職活動を進めることができます。
登録料がかかるサービスではないので、ぜひ活用してみてください。
SHARE この記事を友達におしえる!