転職活動の流れとは？必要な期間や準備、退職前後の転職活動について解説

転職活動は流れを把握することが大切

転職活動を進めるうえでは、基本的な流れをまず把握しなければなりません。

しかし、転職活動の流れがわからず、思うように動けていないという方もいるのではないでしょうか。

また、転職活動の基本的な流れを知らないまま、なんとなく始めてしまっている方もいるでしょう。

今回は、転職活動を進めるうえで把握しておくべき、基本的な流れについて解説します。

転職活動にかかる期間や転職先が決まった後の流れ、転職前に必要な準備に関する情報もあわせて紹介しています。

転職活動を初めて実施する方はもちろん、これまで実施してきた転職活動の流れを一新したいと考えている方も、ぜひ本記事で紹介する内容を参考にしてください。

転職活動の基本的な流れ

転職活動は、以下に挙げる流れで進めていくのが一般的です。

ここでは、転職活動の基本的な流れにおけるプロセスについて、一つひとつ紐解きます。

自身の転職活動における流れを構築するうえでも大切な内容となるため、ぜひ参考にしてください。

1.転職に必要な準備の把握

転職を決めたら、まず転職に何が必要なのかを事前に把握しましょう。

以降で触れる準備が必要なことはもちろん、前職で実施しておくべき準備・引き継ぎなどを把握・実施する時間を設けることも大切です。

また、これ以降の項目で触れる転職活動にかかる「期間」や転職活動の開始時期、転職活動の成功につながるポイントもあわせて把握しておく必要もあります。

2.スキル・キャリアの棚卸し

転職を決意し、必要な準備を把握したら、自身のスキルやキャリアについて客観的に分析する時間を設けましょう。

自身のスキルは、適性や保有資格、成果物を改めて客観視することで把握できます。

転職先の候補があらかじめ決まっている場合は、自身のスキルがマッチするものか分析することも大切です。

キャリアに関しても同様で、これまで自身が行ってきた業務や挙げてきた成果などを、客観視したうえで言語化することで把握しやすくなるでしょう。

役職や役職に就くまでの経緯なども、あわせて言語化できれば次以降の書類作成や面接対策に役立ちます。

3.企業探し・情報収集

自己分析を終えたら、実際に転職先となる企業を探してください。

転職先の候補となる企業は、転職サイトやハローワークでの紹介、転職エージェントによる紹介で探し出すことが可能です。

企業探しをある程度進めた後は、企業に関する情報収集を行いましょう。

自身のスキルやキャリアにマッチすることはもちろん、企業そのもののネームバリューや事業内容、規模を把握することが大切です。

あらかじめ転職先の企業を決めている場合は、企業探しをスキップして情報収集に進みましょう。

4.書類作成

アプローチする企業が決定したら、必要書類を作成します。

転職活動における必要書類とは、履歴書と職務経歴書です。

履歴書には自身のこれまでの経歴や志望動機、実際に働くうえでの情報などを簡潔に記載します。

職務経歴書には、履歴書に記載した内容のうち、職務経験に関する情報をより詳しく記載してください。

企業によっては履歴書のみで問題ありませんが、その場合は職務経歴書に記載するような具体的な記載を心がけましょう。

5.求人への応募

書類作成までを終えたら、転職先候補の企業に応募しましょう。

先に応募したうえで、書類を作成しても問題ありません。

企業へ応募する方法には電話やホームページからの直接応募、ハローワークや転職エージェントを経由したアポイント獲得があります。

応募からアポイントまでに時間がかかることもあれば、電話した段階でスケジュールが決まることもあるでしょう。

そのため、コンタクトをとった段階でスケジュールを確定できるよう、あらかじめ自身の予定をいくつか空けておくのがおすすめです。

アプローチの段階でスケジュールが確定できないと、それだけで今後のステップが見送られる可能性があるため注意してください。

6.面接・筆記試験

企業にアポイントが取れたら、面接や筆記試験を受けることになります。

面接・筆記試験に関しては、当日だけでなく事前の準備が何より大切です。

面接を受ける前には、当日出されるであろう質問をいくつか予測し、回答パターンを考えておく必要があります。

もし可能であれば、第三者を交えたロールプレイングを実施することで、当日の面接をスムーズに乗り切れる可能性が高まるでしょう。

第三者を交えたロールプレイングが難しければ、動画を撮影して自身の受け答えが客観的に問題ないか、確認することをおすすめします。

筆記試験に関しては、企業ごとに出される問題の難易度や傾向が異なるため、明確な対策が確立しているわけではありません。

一般常識や時事問題など、ビジネスパーソンとしての基本ができているかチェックするための問題が出題されやすいことを前提に、対策をとりましょう。

7.内定・退職

面接・筆記試験をパスできれば、内定となります。

面接や筆記試験の内容・回数によっては内定までの時間が長期化しやすいことをあらかじめ把握しておきましょう。

企業から内定をもらったら、内定後・退職に必要な準備や手続きを実施する必要があります。

詳しくは本記事内「転職先が決まった後にすべきことの流れ」の項目を参考にしてください。

転職活動にかかる期間

転職活動にかかる期間は、長く見積もると3～6ヶ月程度が目安です。

しかし、あくまで「目安」の期間であるため、転職先や自身の進め方によって変動する数字であることは認識しておきましょう。

先ほどの項目で解説した自己分析から実際のアプローチ、内定までに実施すべき内容から逆算すると、転職活動にかかる期間はより明確にできるでしょう。

あくまで「およそ」ではありますが、以下では転職活動にかかる期間を「基本的な流れ」にあわせて算出しています。

上記より長くかかる場合もあれば、短い期間で退職まで終えられることになります。

大切なのは「転職活動にかかる時間がこれぐらい」と認識するのではなく、基本的な流れにどれほど時間がかかるか逆算して考えることです。

転職先を決めるまでの時間が限られているのであれば、転職活動の流れにおけるプロセスごとに、どれぐらい時間をかけられるか分析したうえでスケジュールを組みましょう。

転職先が決まった後にすべきことの流れ

ここでは、転職先が決まった後に実施すべきことの流れを5つに分けて紹介します。

なお、ここで紹介しているのは、主に「転職前の職場」で実施すべき内容です。

転職先が決まった後は、前職の兼ね合いも含めたさまざまな調整や交渉が必要となることを覚えておきましょう。

1.退職の報告・交渉

転職先が決まったら、現在勤めている職場の上司や管理職にその旨を伝えてください。

退職の旨を伝えるのは1〜2ヶ月前が理想であるため、厳密には転職先が決まる前でも、あらかじめ退職する意思は伝えておかなければなりません。

法律上、退職届は2週間前の提出で問題ないものの、あくまで重視すべきは「就業規則」であることを認識しておきましょう。

仮に転職先が決まったとしても、前職でのスケジュール調整がうまくいかなければ、内定自体が見送りになってしまうでしょう。

退職することを伝えるだけでなく、退職日の交渉や退職日までのスケジュール、後任に関する相談など、まとめて実施しておきましょう。

2.入社日の調整

退職日が決定したら、その旨を転職先に伝えましょう。

退職日から逆算し、入社日を調整のうえ決定することが大切です。

万が一転職先からあらかじめ入社日が指定されている場合は、その旨を前職の担当者に伝えてください。

入社日から逆算し、引き継ぎや書類受け取りのスケジュールを策定する必要があります。

また、前職の有給休暇が残っている場合は、まず消化しなければなりません。

有給消化期間中に、次の企業に入社はできないため注意してください。

したがって入社日は「現場を退く日」ではなく、有給消化も含めた期間を終えた後と認識しておきましょう。

3.業務の引き継ぎ

退職日が決まった段階で、後任者への業務引き継ぎを進めてください。

仮に入社日が決まっていなくても、退職日が決まった段階で引き継ぎだけは進めておかないと、前職の方々に迷惑をかけることになります。

業務引き継ぎにおいては、以下の項目を重点的に意識しましょう。

後任者に関しては、業務を教える期間を設けるのはもちろん、教えた業務を一人で実施できるようになるまでの期間を逆算して考える必要があります。

また、顧客対応が必要な業務に関しては、顧客への報告と後任者を含めたうえで挨拶の機会を設けることも大切です。

4.必要書類の受け取り

業務の引き継ぎを進めている間、もしくは引き継ぎを終えた段階で、必要書類を受け取って退職をより現実的なものにしていきましょう。

前職の退職及び転職先への入社時に必要な書類は、以下のとおりです。

源泉徴収票・離職票に関しては、退職日以降に発行・郵送されます。

また退職にあわせて、住民税の支払い方法を確認しておくことも大切です。

さらに、必要書類の受け取りにあわせて、会社からの貸与物返却も済ませておきましょう。

返却対象の貸与物は会社から支持されることもあれば、個人ですべて把握して返却する場合などさまざまです。

貸与物や備品を返却しなかったり、紛失・破損したりした場合は、トラブルや賠償請求につながる可能性があるため注意しましょう。

5.保険・年金の手続き

転職先が決まったら、前職での退職準備とあわせて保険や年金に関する手続きを進める必要があります。

転職先に入社するまでの期間が空く場合は、健康保険の切り替え手続きが必要です。

健康保険の被保険者資格は退職日翌日から失効されるので、保険の切り替えは早めに済ませておきましょう。

また転職時は保険と同様に、年金の切り替えも必要です。

前職で社会保険の厚生年金に加入していた場合であれば、退職後は国民年金に再加入し、被保険者種別の切り替えを実施します。

転職先の入社前に必要な準備

ここでは、転職先の企業へ入社する前に必要な準備を3つに分けて解説します。

ここで挙げる項目を把握・実施することで、転職先の入社後における業務遂行やコミュニケーションがスムーズになるでしょう。

入社日初日に必要なことの把握

転職先での入社日初日は、今後の働きやすさを決めるうえで重要なタイミングになります。

言動・言葉遣い・身だしなみなど、好印象につながる所作を意識することが大切です。

入社前に、自身の所作が正しいものといえるか、客観的に分析しておきましょう。

また入社日初日はオリエンテーションや挨拶回りを実施することが多いため、どちらかというとコミュニケーション面が大切になります。

しっかりとした受け答えやビジネスパーソンとしての常識、上司の顔と名前を覚えることなど、人間性が重視される部分の意識を忘れてはいけません。

退職・入社日の管理

前職を退職する日と、転職先の入社日がバッティングしないよう注意したうえでそれぞれ管理しましょう。

退職日を決める際は、まず前職の管理者もしくは担当者に、転職が決まったことを伝えます。

そのうえで「転職先が決まった後にすべきことの流れ」でも解説したように、業務引き継ぎなどのスケジュールも含めて退職日を決定しましょう。

仮に入社日があらかじめ決まっている場合は、入社日に間に合うような退職日になるよう交渉する必要があります。

入社日に関しては自身で決めるよりも、転職先企業から伝えられる方が一般的です。

あらかじめ入社日が決まっている場合は、入社日に合わせた退職のスケジュールを組んでください。

もし入社日を自身で設定できるのであれば、まず退職日を決めたうえで逆算し、最短の入社日を転職先に伝えましょう。

内定から入社日までの期間があまりにも長くなると、それを理由に内定を取り消されるケースもあるので注意してください。

転職先の業務に関する知識・スキルの会得

転職先が決まったら、転職先企業の業務や事業内容にマッチした知識やスキルを身につけておくべきです。

入社後にオリエンテーションや教育を受けられるものの、事前にある程度の学習をしておくと、業務を進めるうえで有利になります。

また、意欲を評価され、今後の業務やコミュニケーションが円滑になることもあるでしょう。

転職先の業務に関する知識やスキルを会得する際は、まず事業内容を把握することが大切です。

そのうえで、何を会得しておくことで有利になるか、分析しましょう。

例えばパソコンを活用したデータ入力などが必要であれば、事前にExcelなどのソフトを自在に扱えるようになることで有利になります。

営業をメインで実施する仕事であれば、営業用の文言を事前に考えたり、ロールプレイングで実践イメージをつけたりといった準備がおすすめです。

転職先の企業で実施する業務によって、必要な知識・スキルは異なります。

自身が今後実施するであろう業務を推測したうえで、見当違いの準備を進めないよう注意してください。

転職活動は退職前後どちらで実施すべきか

転職活動は、退職前後どちらで進めても問題はありません。

ただし、どちらにもメリット・デメリットがあるため、ここで紹介します。

転職活動を進める時期を悩んでいる方は、ここで紹介する時期別のメリット・デメリットを参考に、自身にとって最適なタイミングを導き出しましょう。

退職前に転職活動を進めるメリット

転職活動を退職前に進めることで、収入面の不安が軽減されます。

仮に転職活動が長引いたとしても、在職中であれば収入は確保された状態です。

退職から入社までの間隔を空けずに転職できるようにすれば、収入が途絶えることなく新たな仕事に就けるでしょう。

退職から入社までの期間を空けないことで、ブランクなく働き続けられるのも退職前に転職活動を進めるメリットです。

ブランクがあるとスキル面はもちろん、ビジネスにおいて重要な「勘」も鈍ってしまうため、そういった事態を防止できるのは大きなメリットといえます。

また、転職ではなく現職に残る選択肢が生まれるのも、退職前に転職活動を進めるメリットです。

転職先の候補をいくつかみるうえで、やはり現職に残る方が自身にとっていいと判断できることもあるでしょう。

退職前に転職活動を進めるデメリット

退職前に転職活動を進めるうえでは、現職の業務と並行することによる活動時間の圧迫が懸念されます。

自己分析や書類作成、面接や筆記試験のスケジュール確保は、働きながらの状態では難しいでしょう。

現職の業務時間によっては、面接の時間をそもそも確保できないことも少なくありません。

また、退職希望時期と入社日がマッチしない可能性もあります。

入社日に合わせることだけ意識し、前職の引き継ぎがままならないような状態は、トラブルを防ぐためにも可能な限り回避すべきです。

退職後に転職活動を進めるメリット

転職活動は、退職後に行うことで集中して取り組めます。

前職の業務にかかる時間などをすべて転職活動に費やせるため、スムーズかつ効率的な転職活動が実現します。

面接や筆記試験の日程を、転職希望先の企業にあわせられるのもメリットです。

自身の都合ばかりを優先していては、それだけで採用を見送られる可能性があります。

あくまで転職先を優先した転職活動を進めることで、評価面を含めたスムーズさにつながるでしょう。

また内定後、入社日と退職日を擦り合わせる必要がないのもメリットです。

前職の引き継ぎなどの事情によっては、入社日をずらす必要性が出てきます。

しかしすでに退職済みであれば、入社日の調整が不要であるためスムーズに転職先への入社日を決められます。

退職後に転職活動を進めるデメリット

転職先が決まっていない状態で退職すると、無収入の期間が発生することを認識しておきましょう。

一時的とはいえ、安定した収入が得られないことは焦りにつながります。

焦りはスムーズな転職活動の妨げになるため、収入面を割り切れない場合は、退職前に転職活動を進めるべきです。

また退職後の転職活動は、内定までの期間が長引いた際に収入面の補填が難しいこともデメリットです。

無収入の期間が長くなると、日常生活を円滑に送るうえでの障害になります。

内定までの期間が長引くことで「ブランクがある」と判断され、転職希望先に良い印象を与えられない可能性もあります。

スキルの陳腐化や意欲の低下、ビジネスパーソンとしての不備を疑われやすく、採用を見送られるケースが増えやすくなるでしょう。

転職活動を成功させるためのポイント

ここでは、転職活動を成功させるために押さえておきたいポイントを5つにまとめて紹介します。

ここで紹介するポイントは転職活動を成功させるだけでなく、よりスムーズに進めるうえでも重要な内容です。

自身の転職活動を成功させ、収入面やメンタル面などを安定させるための参考にしてください。

余裕のあるスケジューリング

転職活動を成功させるには、スケジューリングに余裕を持たせることが大切です。

退職を決めたタイミングから転職先を決めるまでの時期が短いと、転職希望先の善し悪しを見極められません。

また、退職日と入社日のすり合わせも困難になるため、余裕をもったスケジュール設定を意識しましょう。

徹底した自己分析

転職先企業を決めるのと同時に、自身の適性や活かせるスキル・知見を客観視しておきましょう。

ただ転職したいというだけでは転職活動の成功にはつながらず、仮に転職できたとしても早期退職につながる可能性があります。

転職先で何ができるか、転職を通じて何を実現したいかを明確にしたうえで転職活動を進めましょう。

ミスマッチ防止につながる企業分析

自己分析とあわせて、企業分析を進めることでミスマッチを防止できます。

十分な自己分析を進めたとしても、業務内容や企業ビジョンとのミスマッチが発生していては自身だけでなく企業にとってもデメリットです。

双方のミスマッチを防ぐうえでも、自己分析とあわせた企業分析も徹底して進めておきましょう。

書類選考・面接対策

書類選考においては、転職先企業が求める人物像を想定したうえでの作成が大切です。

テンプレート化した内容ではなく、事業内容やビジョンを把握しつつ、自身の適性や意欲を落とし込んだ内容を記載しましょう。

面接対策に関しては、質問の内容を予測したうえで、スムーズな回答ができるようロープレを実施しましょう。

一般的な質問内容に関する回答を用意するのはもちろん、転職先企業の傾向を把握したうえで質問を予測することも大切です。

転職エージェントの活用

自分だけで転職活動を進めるのが不安な場合は、転職エージェントを活用しましょう。

転職エージェントは面接対策や書類作成のコツ、自身の適性を踏まえたうえでの企業探しなどさまざまな視点でサポートしてくれます。

一般的なリサーチでは見つけ出せない企業を紹介してくれることもあるため、転職先の決定にも役立つでしょう。

まとめ

今回は、転職活動を進めるうえでの基本的な流れについて解説しました。

転職活動は十分に準備し、スケジュール調整を意識して進めることが大切です。

また、転職先が決まった後に実施すべきことや、入社前の準備を把握する必要もあります。

転職活動は、退職前後それぞれで開始時期におけるメリット・デメリットがあるのも特徴です。

より確実な成功につなげるためのポイントとあわせて把握し、納得いく転職活動を実施しましょう。