1on1ミーティングの進め方を徹底解説!目的や話したいテーマも解説します

1on1ミーティングの進め方を徹底解説!目的や話したいテーマも解説します

目次
  1. 1on1ミーティングについて
  2. 1on1ミーティングの目的
  3. 1on1を行う際のポイント6つ
  4. 1on1ミーティングの進め方
  5. 1on1ミーティングのテーマ3つ
  6. 最後に

1on1ミーティ最近「1on1ミーティング」という言葉をよく聞くようになった方も多いのではないでしょうか。

今ビジネスやコミュニケーション方法の1つとして注目を集めています。

今や多くの企業が導入している1on1ですが、上司と部下がコミュニケーションを取る機会の1つとして、管理職やチームリーダーのポジションまでさまざまな人が実施しています。

今回の記事ではそんな1on1ミーティングについての進め方と、そもそも1on1ミーティングの目的や導入すべきテーマについて詳しく解説していきます。

1on1ミーティングについて

そもそも1on1ミーティングが何かをまずは解説していきますね。

1on1ミーティングは今や多くの企業で導入されていて、年々注目度が増している上司と部下のコミュニケーションの機会です。

この段落では、進め方の前に1on1ミーティングの定義となぜ今の時代において1on1が注目されているのかの理由や背景について見ていきましょう。

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは一言で表すと、上司と部下が1対1で行う対話やミーティングを指します。

1度きりの実施ではなく、定期的に行われることが特徴だとされています。

企業によっても異なりますが、1回で30~1時間程度、週に1回〜月に1回くらいの頻度で実施されていることが多いです。

もともとはアメリカのシリコンバレーの企業が1on1ミーティングを導入したことで有名になりました。

社内のコミュニケーション不足の解消を目的とされていた1on1ミーティングは、今や日本でも大企業から中小企業までさまざまな会社が積極的に導入しています。

1on1が注目されている理由

ではなぜ最近になってこの1on1ミーティングが注目を集めているのでしょうか?1on1が注目されている背景や理由について見ていきたいと思います。

“VUCAの時代”と呼ばれるように、ここ数年は新型コロナウイルスの感染拡大やAIやITの急速な発展と変化があったりなど、今後は予想しにくい時代になっています。

予想が難しい社会情勢の中で、よりイノベーションや柔軟に考えられる力、多様な価値観を持ち自分で行動できる人材が求められています。

こういった時代の背景からも、自律を養い、自分の考えや意見を言語化し、人にしか生み出せない付加価値の重要性が増しています。

1on1ミーティングはネットやリモートなど、利便性が増しリモートワークなどの発展で人と人とが直接会う機会が減ってしまった現代だからこそ、対話する機会の重要性が増したとされています。

ですので、お互いのパーソナリティを知り、信頼関係を構築していくためにも1on1ミーティングの注目度は高まってきています。

1on1ミーティングの目的

では続いて、1on1ミーティングの目的について解説します。

1on1ミーティングに限ったことではないですが、目的を理解しているのとしていないとではその後の効果にかなりの影響があります。

これから1on1ミーティングを実施する予定のある方や、初めて部下と1on1ミーティングでコミュニケーションを取る人など、ぜひ本質的な目的をしっかりと理解した状態で実施していただくことをおすすめします。

この段落では1on1ミーティングを実施する目的を大きく分けて4つほど紹介します。

メンバーの成長を促す

1on1ミーティングをする最大の目的はメンバーの成長を促進することです。

部下と上司間のコミュニケーションを活発に行い信頼関係を構築しつつ、部下の成長を促すことも可能です。

メンバーと称されるいわゆる部下の立場にある人は、業務において何かしらの課題や悩みを抱えていることがほとんどです。

この1on1ミーティングは、部下が抱えている悩みや課題を、上司と一緒に振り返り、分析をして共に解決策や次のアクションを打ち出していく場でもあります。

部下に自ら考え、主体的に動いてもらうように働きかけることで成長スピードを早めることもできます。

そして部下が自らPDCAサイクルを回すことで経験値を重ね、再度上司からもフィードバックの機会をもらうことになります。

後ほどポイントの紹介部分でも解説しますが、あくまでも上司は「正解を言う」のではなく「気づきやヒントを部下の中から引き出す」ことが大切になってきています。

コミュニケーションの円滑化

コミュニケーションの円滑化や活性化も1on1ミーティングを実施する目的の1つです。

普段の業務中では、なかなか部下と上司がしっかり時間を作って話し合う機会というものは意外と少なかったりします。

なのであえてちゃんと時間を作り、部下の上司が対話を通してお互いのパーソナリティや価値観を共有したり、プライベートな話もすることでお互いのことをよく知れる機会でもあるんです。

部下と上司のコミュニケーション機会が増えるというのは信頼関係が構築できるメリットがあります。

信頼関係が構築されることで、部下と上司間だけでなく社員同士のやりとりや連携がしやすくなる効果が期待できるのもポイントです。

つまり、1on1ミーティングを経てメンバー1人1人の心理的安全性も高まり、パフォーマンスの最大化にも繋がるということですね。

モチベーション維持

1on1ミーティングの目的の3つ目として紹介したいのが、モチベーションの維持です。

部下の視点から考えると、自分の話に耳を傾けしっかり話を聞いてくれる上司が近くにいてくれるだけでも安心感や心強さがあります。

1on1ミーティングは部下と上司のコミュニケーションが主な目的であり内容とされていますが、実は会社や組織へのモチベーションやエンゲージメント(貢献したいと思うこと)を高める効果もあるとされています。

特に新卒1~2年目の社員は、まだ自分で自分自身の気持ちやモチベーションをコントロールができず仕事に影響を及ぼしてしまうケースもあります。

部下のモチベーションが下降傾向にあるタイミングで1on1ミーティングを実施できれば、モチベーションを維持するためにさまざまな策を講じることができます。

そういった意味でも、1on1ミーティングをどれくらいの頻度で実施するのか、いつのタイミングで話すべきなのかを見極めるのも上司のスキルや洞察力が求められます。

離職率の低下

最後に解説する1on1ミーティングの目的は「離職率の低下」です。

近年よく「新卒3年以内に仕事を辞める人の割合が全体の3割」なんて言葉を耳にすることも増えました。

特に近年において、新卒が早い段階で離職してしまう早期離職も増えてきています。

そのような時代の中で、1on1ミーティングの目的の1つとして精神的な不調やモチベーションの状態、仕事や組織に対するマインドをしっかり見極め離職を防ぐという点が挙げられます。

心身共に参ってしまうと、これ以上勤務を続けていくことが難しくなってしまうケースも少なくありません。

そういった事態に陥らないためにも1on1ミーティングを定期的に実施することで、部下の異変や気持ちの変化を把握し、離職に繋がってしまう前に何かしらの対応をすることが重要なポイントとなるのでぜひ覚えておいてください。

1on1を行う際のポイント6つ

1on1ミーティングをなぜ実施するのかの目的を知っていただけたら、続いては1on1を実施する際に意識しておきたいポイントを6つ解説していきます。

1on1ミーティングは趣旨やポイントがズレてしまうと、効果が期待できずただただ時間の無駄になってしまうリスクもあります。

せっかく部下と上司の2人分の業務時間を割いて行う1on1ミーティングなので、ぜひ双方にとって学びや発見のある良い時間にしていくことが大切です。

それでは1on1ミーティングを実施する際のポイントを見ていきましょう。

事前準備が重要なことを理解する

1on1ミーティングの内容やテーマばかりに意識が傾きがちですが、実は1on1ミーティングを実施する前の準備段階が重要であることを理解しておくことが必要です。

事前に部下とどんなことを話し、1on1のゴールはどこに設置するのかなど、あらかじめ決められる部分は決めてしまい、さらにそれを部下にもちゃんと共有するようにしましょう。

逆に事前準備がないと、目的やゴールが曖昧で何を目指せばいいかが不明瞭になり、ただの雑談で1on1ミーティングが終わってしまうリスクさえあるんです。

ですので、1on1ミーティングを実施する前には話すテーマだけでなく、1on1自体の目的・ゴールとセットでざっくばらんに「最近どう?」などの部下が主体となってオープンマインドで答えられるような質問も用意しておくと良いでしょう。

部下目線でゴールを考える

上記で1on1ミーティングの目的とゴールを前もって準備しておくことが大切だということはお分かりいただけたでしょうか。

では、1on1ミーティングで目的を設定する際に、どんな点に気をつけて考えたらいいのでしょうか。

目的を設定する際に意識していただきたいのが「部下目線で考える」ということです。

上司からの要望や、上司目線で部下にはこうあってほしい、こういうことをしてほしいという考えを基準に目標設定するのではなく、部下目線での目標にすることがポイントです。

部下自身が主体的に考えて、今抱えている課題や悩みに対してどう改善、打開していき、自分がどんな状態になるのがベストなのか?を考えてもらえるように促しましょう。

そうすることで、自立意識が生まれてPDCAを回すというサイクルが確立されますよ。

主体となるのは部下からの話

1on1ミーティングで主体となるのは上司からのアドバイスではなく、あくまでも部下からの話が中心となることをぜひ知っておいてください。

1on1ミーティングは強制的にさせられるものではなく、本来は充実感や高揚感を感じられる時間であるべきです。

ですので、部下自らも積極的に1on1に参加しようとする姿勢が大切ですし、上司は部下が積極的に1on1で話せるような雰囲気や話を用意してあげられるように心がけましょう。

1on1ミーティングはあくまでも部下の成長や振り返りを目的とし、部下の主体性に重きを置いてるので、部下の自主性を引き出すことも1on1を成功させるためのポイントです。

過去ではなく未来志向

よく1on1ミーティングの失敗談で挙げられるのが、振り返りや反省が話の中心になってしまって次のアクションや改善策に辿り着かないまま終わってしまうケースです。

もちろん、どんな課題が存在し何を意識すべきだったのかなどの一定の振り返りは1on1ミーティングに必要です。

ですが、過去の話ばかりしてしまうと部下が次に何をしたら良いのかを考える機会が少なくなってしまうのです。

過去の振り返りや反省を元に「じゃあ次はその反省を活かしてどうしたら良いんだっけ?」の思考を深ぼってもらえるように上司は過去ではなく“未来思考”の質問をぜひ意識してみてください。

・このタスクについてはどう進めていきたい?

・もしこの目標が達成できたら何を感じると思う?

・どんな成功体験ができると思う?

など、今後どうしていきたいのかを問えるような質問をすることで、部下も自分自身が向かうべき方向性が見えてより前向きに仕事に取り組めるようになりますよ。

1on1ミーティングは定期的に実施する

1on1ミーティングは単発で実施しても何の効果もありません。

時間と労力がかかる仕事だからこそ、継続的に行うことで意味を成します。

ではなぜ定期的に、かつ継続的に1on1ミーティングを実施する必要があるのかというと、部下と上司が持った共通の目標を定期的に振り返りPDCAを回すことで成長や学びを感じられる点が理由として挙げられます。

なので、毎回の1on1ミーティングの最後には次の1on1までにやるべきことやそれまでの目標を明確にして、部下はその目標に向かって取り組み計画的に動くことができます。

上司は1on1の時間にちゃんと向き合う

部下の1on1ミーティングに対するモチベーションももちろん重要ですが、上司がこの1on1ミーティングを「重要な仕事の1つ」として認識し、ちゃんと向き合う根本的な部分もとても大切です。

1on1ミーティングは労力が必要ですし、管理しているメンバーの数だけ実施することになるので人数が多ければ多いほど時間が裂かれてしまいます。

「これでは自分の仕事時間がなくなってしまう」と思うこともあるかと思いますが、チームや部署全体としての大事な部下の育成機会だと思い、時間を作れるようにしましょう。

メンバー1人1人が当事者意識を持ち自走することで、チームのパフォーマンスは何倍にもなります。

短期的ではなく長期的な目線で考えた時に、上司自身にも返ってくるものが多いはずです。

1on1ミーティングの進め方

ではいよいよ1on1ミーティングの進め方について解説していきます。

絶対にこの流れや形でやらないといけない訳ではないのですが、特にこれから1on1ミーティングを初めてしようとしている人、今までの1on1ミーティングでそこまで効果を感じられなかった方などに向けて、ぜひ参考にしてくださいね。

それでは順番に解説していきます。

①話す内容やテーマを決める

最初に踏むべきステップとして重要なのは、1on1ミーティングで話す内容やテーマを決めることです。

1on1ミーティングを実施する際のポイントの箇所でも解説しましたが、1on1は実施する前の準備を念入りに行う必要があります。

どういった流れで何を話すのか、最終的なゴールは何にするのか、そもそも今回の1on1のテーマは何なのかをしっかり決めることが大切です。

いきなり1on1ミーティングを実施するのではなく、まずは何を話すのか、どんなテーマで部下とコミュニケーションを取るのかを考えるところからスタートしましょう。

②チェックインやアイスブレイクから

意外とわすれられがちなのが1on1ミーティングでのアイスブレイクやチェックインと呼ばれるコミュニケーションです。

1on1ミーティング開始早々いきなり、「今季の業務での反省点は何ですか?」なんて議題で話し始めてしまうと、部下側も緊張してしまいなかなか本音で話してはくれません。

だからこそ、アイスブレイクやチェックインなど、たわいも無い話をわざと挟むことで、場の雰囲気を柔らかくすることがポイントです。

よくこのアイスブレイクやチェックインをせずに本題に入る方もいますが、普段の業務外の会話をすることで人柄や雰囲気がなども伝わりやすくなり、より円滑にコミュニケーションを取ることができます。

③部下が話したいことを聞く

アイスブレイクやチェックインが終わったらいよいよ本題に入っていきます。

ここでも注意していただきたいのが、上司は主体となって話すのではなく聞き役に徹するということです。

「今日は何か話したいことある?」というように部下の方から話し出すように動かしましょう。

テーマを決めるのはもちろんですが、これを絶対に話さなきゃいけないと決めつけるのではなく会話の主導権はあくまでも部下にあることを覚えておいてください。

部下の話を聞いている際にいてはいけないのは、

・上司側の意見を言う

・部下の話を途中で遮る

・部下の話に対して良し悪しをつける

など、上司が指示や解決策の提示をすぐしてしまうと部下が思考するタイミングがなくなってしまいます。

ぜひ部下が中心となって話せるような雰囲気を1on1ミーティングの序盤に持ってくるようにしてください。

④一緒に対策や解決方法を考える

部下の話を聞いた(もしくはあらかじめ用意していた議題を話した)後は、その話の中で挙がった課題や部下が抱えている悩みに対して、一緒に対策や解決方法を考えていきましょう。

ここで意識したいポイントが、「すぐに解決策や打開策を提示しない」ということです。

すぐに答えを提示してしまうと、ただただ指導やアドバイスの場になってしまい、1on1ミーティングの本来の目的であるコミュニケーションや部下の成長機会とは繋がりにくくなります。

ですので、「どうしたらいいと思う?」「どんな解決方法があるのかな?」など部下の気持ちをうまく引き出すような質問の仕方が効果的です。

⑤次回の1on1までに具体的なアクションを決める

部下が抱えている課題や悩みに対して打開策や解決策を提示できたら、次はその策を実行するための具体的なアクションプランを一緒に考えてあげましょう。

ここでのポイントは「いつまでにやるのか」という期限とセットに考えてあげることです。

期限を決めずにダラダラと先延ばしにしていては部下の成長には繋がらないので、限られている時間の中でしっかりと行動に移しやり切るという経験を積ませることが大切ですよ。

⑥上司は1on1の内容を振り返る

1on1ミーティングが終了したら、上司は1on1の内容を必ず振り返りましょう。

振り返る視点としては、

・部下が主体となって話しやすい雰囲気があったか

・部下にとっての発見や新しい学びがあったかどうか

・次回の1on1ミーティングに向けて改善点はあるか

などがあります。

1on1ミーティングを実施しただけで終わらず、上司自身も内容をちゃんと振り返り、改善点を洗い出してPDCAを回していくことでより質の高い1on1ミーティングに繋がります。

1on1ミーティングのテーマ3つ

最後に1on1ミーティングで話すと良い、おすすめのテーマを3つ紹介していきます。

仕事や業務の話はもちろんですが、自己評価やプライベートの話、将来のライフプラン関連などテーマは多岐に渡ってOKなんです。

目標や自己評価

部下に目標意識を持たせることで主体的に行動できると同時に、部下が今自分自身がどの立ち位置にいるのかを客観視できる機会になるんですね。

ですので、1on1ミーティングの多くの場面で目標や自己評価はテーマにされていますよ。

部下が今の会社や部署が掲げている目標値や方針に対して納得感を持って仕事をしているかどうかも確認することをおすすめします。

プライベートの話も

あえて業務ではなくプライベートの話をするのも1on1ミーティングのテーマ例です。

なかなか仕事上だけではお互いのパーソナリティやプライベートな部分は見えにくいので、こういった1on1ミーティングの機会を利用するのも方法の1つです。

プライベートの一面をすることで相互理解が深まり、信頼関係を築きやすくなります。

ですが、人によっては会社の人に自分のプライベートの話をしたくないという人もいますので注意も必要です。

将来のキャリアについて

最後に紹介するテーマは今後のキャリアについてです。

特に部下が新卒1〜3年目の時期は「キャリア」という言葉を聞いてもあまりピンと来ず、明確にできていない人も多くいます。

今後の社会人生活の中で、何の仕事をしてどんなキャリアを築いていきたいのか、どう行動すれば理想のキャリアに近づけるのかをテーマに話してみてください。

短期的ではなく今後を見据えたキャリアを部下にも考えさせることで部下自身の現在地の把握であったり、達成すべき姿や中間目標が明確になるので、部下のモチベーションにも繋がります。

社会人経験が長い上司だからこそ部下に伝えるべきことや導いて上げるというのも1on1ミーディングの醍醐味だと言えるでしょう。

最後に

今回の記事では、1on1ミーティングの基本的な進め方と押さえておきたいポイントを解説しました。

色々な形があるので実施が難しい1on1ミーティングですが、この変化が激しい「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれる今においては「自ら考え、行動する力」が求められます。

1on1ミーティングはこの予想が難しく、変化の激しい環境に対応していくための力を養う機会として、今後ますます需要や注目度は高まってくると考えられています。

1on1ミーティングの進め方や目的を理解して、ぜひ有意義な1on1を実施してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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