他己分析で転職の成功率が上がるってホント?やり方やコツを解説!
今絶賛転職活動中の人の中には、他己分析というワードを耳にしたことがある人もいるでしょう。
転職活動は自分の市場価値を知った上で、理想と現実のギャップを埋めながら進めていくことで成功しやすくなります。
その有効的な方法の一つが転職活動前に他己分析を済ませておくことです。
今回は、他己分析が転職活動にもたらすメリットや、転職成功率を上げるための他己分析の方法などをご紹介します。
今転職活動中の人も、これから転職活動をする人も、まだ他己分析の経験がないのであれば本記事を読んで他己分析を始めてみてください。
転職活動の質が圧倒的に変わるはずですよ。
他己分析とは
まずは他己分析について説明します。
他己分析とは、他者から評価された内容をもとに自分の価値や思考性を分析する方法。
具体的には、他者に質問を投げかけて自分がどう見えているかを判断し分析するといった内容です。
質問する相手は友人や家族、職場の同僚や先輩などです。
プライベートや職場などの様々なコミュニティで複数の人に評価してもらうことで、自分という人間がどう見えているのか、客観的な位置から自分を分析することができます。
この時複数のコミュニティというところが大事。
フィールドごとに違う自分が見られるので、多角的に分析することで本来の自分の強みや弱みまで細かく分析することができます。
例えば、「自分の良いところ」という一つの質問に対して友人に聞いた時に「いつもみんなをまとめてくれるよね」という回答が出たとしましょう。
それに対して職場では「聞き役に回るタイプだよね」という回答が出れば、自分という人間が「場面に応じて立ち位置を変えられる協調性が万能なタイプの人間」ということがわかります。
この他己分析を行うことで転職の質が圧倒的に上がります。
転職活動は自分の価値を企業に売り込むという行為なので、理想が高すぎても低すぎても転職失敗してしまいます。
他者からの客観的視点で評価をもらった上で自分の価値を言語化し、自分に合った環境の職場を探すことが得策です。
自己分析との違い
他己分析と似た言葉で「自己分析」というものがあります。
自己分析は転職活動や就職活動の際に自分自身を分析し、強みや弱み、価値を見つけることでアピールポイントを引き出すことが目的です。
メリットは自分に自信がついて、ポジティブな気持ちで転職活動ができるということ。
逆にデメリットとしては、自己評価の質に個人差が生まれてしまうということです。
自己評価が高い人は良い結果ばかりで弱点に目が行きませんし、逆に自己評価が低い人は自分の本来の強みに気付きにくい傾向にあります。
一方、他己分析は他者から自分を分析してもらうことを指します。
他己分析をすることで、客観的視点から自分を分析することができます。
自己分析だけではどうしても主観的になってしまうので、他者から評価をしてもらうことで分析の精度を高めるというわけです。
とくに、弱みや短所などのネガティブな部分には自分自身で気づくことが難しいので、他者からフラットに評価してもらうことで自己分析の精度を向上させることが期待できます。
他己分析が転職に必要な背景
では、なぜ転職活動に他己分析が必要なのでしょうか。
その具体的な理由は、客観的視点で転職活動ができることと自己分析の説得力が増すことの2つあります。
他己分析は、主観的になりやすい転職活動において方向性を是正するためにとても大切なことです。
客観的視点から自分を見つめ直すことで仕事の向き・不向きがわかりますし、多面的に自分が分析できるので、自己分析だけでは気づけない新たな自分軸を発見することができます。
誰かに自分を紹介するときに「自分はこういう人間です」ということが具体的に言えない人にとっては、他己分析をきっかけに自己理解をより深められることでしょう。
また、自己分析を行った結果に対して整合性をとる意味でも役立ちます。
自己分析は主観的に自分を見ることで分析するワークなので、他者の評価も加えて分析することで本来の自分の人間性がよりクリアに見えてくるのです。
この2つのメリットについて、具体的に解説していきます。
客観的視点で転職活動ができるから
転職活動をしている人は「こういう仕事がやってみたい」「こういう職場なら自分に合いそう」と、自分なりに方向性を考えながら進めていることでしょう。
しかし、あまり主観的に進めてしまうとせっかく希望の会社に入社できても、あとからギャップを感じてまた転職を繰り返す羽目になりかねません。
客観的な視点で自分をとらえてみると、思いもしなかった適職に出会える可能性が高くなります。
例えば、自分では「自分は内向的な性格だから、人と接しない仕事の方が良いだろう」と思っていても、実は聞き上手な部分があって営業に向いているなど、意外性を発見できることも多くあるのです。
自分が本来合っている職場や職業を知らずに主観だけで転職してしまうと、「やっぱり違う」という気持ちが起こりやすくなってしまうので、他者からの視点も参考にして方向性を是正していくことが重要なのです。
自己分析の説得力が増すから
他己分析と自己分析を同時に行った場合、自己分析の精度を上げることにつながります。
なぜなら、自己分析で出た答えと他己分析で出た答えが一致した場合、それが本当の自分軸である可能性が高いからです。
例えば、自己分析で自分の長所が「面倒見が良い」という結果だったとしましょう。
そこで他己分析をした結果「◯◯さんの良さって、相談すると最後まで親身に話を聞いてくれるところだよね」という回答が出たら、その面倒見の良さという長所は他者からも評価を得ている確信できるものであることが言えます。
逆に、自己分析で「面倒見が良い」という長所が結果として出たこと対して、他己分析で短所を質問したときに「込み入った相談をされることが苦手だよね」といった回答をくれた人がいた場合は、自己分析の結果を疑った方が良いでしょう。
もしかすると、自分が強いと思っている部分が他者にとっては長所には見られていない可能性があります。
自己分析と他己分析で不一致した内容があれば、そのギャップの原因を探りながら自分軸を探すことができるので、不一致結果が多い場合は何度もやり続けることで精度を上げることができます。
転職活動における他己分析のメリット
他己分析が転職に有利に働くメリットは、主に4つ挙げられます。
- 自分では気づけなかった強みが知れる=新たな自己PRができる
- 弱みが知れる=何を改善すれば良いかがわかる
- 自己分析の精度が上がる=自己分析の結果が納得のいくものになる
- 面接で自己PRの精度が増す=自分の価値を言語化して伝えられる
具体的な理由と背景について、次より解説します。
自分では気付けなかった強みが知れる
とくに自己評価が低い人にとっては、他己分析はとてもポジティブに働く行為です。
自分が思っている長所や短所は、あくまで自分が主観的に見ている部分にすぎません。
他己分析を行えば、「自分って実はこういうところが好かれているんだ」と新たな価値を発見することができます。
その強みが一つあれば、それを起点に様々な長所が発見できることでしょう。
そうして長所がどんどん見つかれば、自分の価値を活かせる業界や職場など適職の環境が見えてきます。
「チームワークが苦手」と思っていたところ「実は縁の下の力持ちで、協調性がある」という新たな強みを発見できたとしたら、営業事務やアシスタント業務などサポート力を活かせる仕事が新たな転職先の候補としてあげられることでしょう。
さらに、自分の強みを知ることで自己肯定感がどんどん上がります。
転職活動中はどうしても不安や焦りがつきものです。
そうした気持ちが膨らむと自己肯定感が徐々に下がってしまい、いずれネガティブでマイナス思考な人間へと変化してしまいます。
面接では明るくポジティブな人が評価されるので、自己肯定感が低いまま転職活動をしてしまうことで不採用が続いたりと負のループに陥ることも考えられるでしょう。
そのためには客観的視点から自分の強みを知ることで、自分の価値を確信できるものにして自己肯定感を高めておく必要があるのです。
弱みを知ることで改善点が見つかる
他己分析を行うと、強みとは逆に弱い部分を見つけることができます。
自己分析では弱い部分を見つけることが困難と言われていますが、それは自分の短所は普段誰かから指摘されるものではないからです。
普段生活をしていて「こういうところ直した方が良い」と言われることが頻繁にあるでしょうか。
大人になると人と人とのコミュニケーションに一定の距離を保って接することが多いので、誰かに自分の人間的な弱みを指摘されるというシーンが少なくなります。
他己分析という、改めて自分の弱みについても聞く場を設けることで、直した方が良いところ・逆に活かした方が良いところを言語化することができます。
そうした改善点が見つかれば、転職活動において何に気をつければ良いか?転職後までにどこを直せば新しい仕事を円滑に進められるか?がわかります。
弱みを知ることは少し勇気がいることかもしれませんが、転職活動中の今の自分と将来キャリアアップしたときの自分のためにはとても有利に働くのです。
自己分析の精度が上がる
他己分析を行うと、自己分析で出た結果の精度を上げることにつながります。
例えば、他己分析と自己分析で「長所」に対して同じ結果が出たとしましょう。
自分で強みに思っていた部分が他者からも同じように思われていた場合、その長所は本物であると考えて間違いありません。
逆に、他己分析と自己分析で出た結果が違っていた場合、なぜギャップが生じるのかを考えることができます。
ギャップが出た場合、「もしかしたらこういう理由で自己評価が高すぎた(または低すぎた)のかも」と、より自分を見つめることができます。
このようにまた深掘りして考えた状態で再度自己分析をしてみれば、本来の自分にたどり着く可能性が高くなります。
他己分析は、自己分析の結果との整合性をとるためにも重要な行為とも言えます。
面接の自己PRの精度が増す
他己分析を行うと自分の新たな強みが発見できる、とお伝えしましたが、この強みを引き出すことができれば自己PRできる内容も具体的に変わってきます。
とくに自己肯定感が低いタイプの方は、レジュメをまとめるときや面接時にうまく自分をアピールできずに落とされてしまう傾向にあります。
転職は自分を売り込む行為なので、自分の良さを知っておかないとアピールできないのです。
また、面接ではよく「他人からどういう人間だと言われますか」という質問があります。
このときに他己分析を行っていないと、抽象的なことしか話せず「あまり自分を客観的に見られる人間ではないのだな」というマイナスな判断をされてしまうので、面接対策の意味でもしっかりと他己分析を完了させておきたいところです。
転職活動における他己分析の方法
ここからは、他己分析の方法についてご紹介します。
他己分析の流れは、次の5つのステップを踏んで行っていきます。
- 自己分析
- 評価者の選定
- 質問内容の整理
- 質問
- 自己分析結果との照合
まずは自己分析の結果を出しておき、他己分析が終了したら自己分析結果と照らし合わせて整合性が取れているか見ていきます。
1|自己分析
まずは自己分析をしましょう。
自分の強み、弱み、将来の方向性などを言語化しておくことで、最終的に他己分析したときの自分が思う自分像との整合性を見るためです。
なお、自己分析は大手転職サイトなどで開示している無料の自己分析サービスなどで構いません。
サービスによって自己分析の質問数が違いますが、正確性を高めるためにはできるだけボリュームの多い自己分析サービスを使うことをおすすめします。
また、自己分析は主観が偏りすぎて信憑性のない結果になることも想定されます。
そうならないためのポイントとして、以下を注意して進めていきましょう。
- 自分の好きなところ・嫌いなところは深くか考えず、できるだけ多くの数を書き出す
- 短所ばかりに目を向けないようにする
- 自分の好きなところや嫌いなところに対して「なぜ好きなのか」を深掘りして考える
- 深掘りした内容から共通点を見つける
自己分析の進め方のコツは、以前のコラム「【既卒者】自己分析で大切なこと!具体的なやり方やおすすめのツールを徹底解説」でもご紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
2|評価者の選定
自己分析が終わったらいよいよ他己分析のフェーズに入ります。
まずは他己分析に協力をしてくれる評価者を選定しましょう。
相手はよく会っている友人や家族、会社の同僚など、普段の自分をよく見てくれている人をおすすめします。
関係性的には、毎日もしくは月に数回定期的に会っている人で、付き合いが長い人が良いでしょう。
なお、関係性が少し遠い人はおすすめしません。
普段の自分をあまりよくわかっていない人に評価をしてもらっても、気をつかって良い評価しかもらえないことが想定されるからです。
また、評価者の人数は問いませんが、5名くらいがベスト。
その中で親しい人から順に他己分析を行っていくと、高い質の情報がより多く引き出せるのでおすすめです。
3|質問内容の整理
評価者が決まったら、次は何を質問するかを整理します。
質問内容は自己分析の内容をベースに、他人にしかわからないプラスαな質問がおすすめです。
最終的に自己分析の結果と照らし合わせて判断していくので、照合しやすいようにバランスよく6:4くらいの割合で配分しておくと良いでしょう。
また、他己分析は自己分析のようにツールがあるわけではないので、自分で用意しておく必要があります。
紙に書き出しておくことも良いですし、Excelなどを使ってPCで保存しておくことも良いでしょう。
なお、他己分析の質問例のまとめ方は次の図を参考にしてみてください。
質問内容例
以下の質問は、自己分析の質問にプラスして質問したい内容です。
私がここ数年で最も成長したところは?
私との出来事で印象的だったものは?
私といつも一緒にいてくれる理由は?
私が直した方が良いところは?
私の第一印象はどういう印象を受けた?
私の第一印象に対して、今とのギャップはある?
私が楽しそうにしている時はどんな時?
私が辛そうな顔をしている時はどんな時?
私という人間を他の人に紹介する時、何て紹介する?
4|質問
質問内容がまとまったら、早速質問をしていきましょう。
質問する環境は、なるべく一対一で対話ができる場所がおすすめです。
周りに別の知り合いがいると気をつかってしまったり集中できないため、静かなカフェか自宅、もしくはZOOMなどのオンラインで進めると良いでしょう。
時間は30分〜1時間程度設けておくと良いです。
短すぎると具体的な話が聞けませんし、長すぎるとだらだらと無駄な会話をしてしまうことも想定されます。
先ほど書き出した質問内容のボリュームに応じて、想定される時間よりも少し長めに設定しておくと良いでしょう。
また、質問中は必ずメモをとりましょう。
複数の人に他己分析を依頼する時は、比較しやすいように同じフォーマットを使うことをおすすめします。
取りためてあとで見返せるように、同じノートもしくはExcelなどでデータ化しておくと便利です。
5|自己分析との照合
他己分析が終わったら、最後に自己分析の結果と照合してみましょう。
まずは同じ結果だった点をピックアップし、そのあとギャップのある点をマーキングしておきます。
同じ結果だった点は、他人も同じように考えているという点なので、自分自身を理解できていることになります。
逆にギャップが多いと自分が見えていないことになります。
なお、もしギャップが多かったとしても問題はありません。
転職では他者から評価されている部分を自己PR点としてアピールすることが多いので、良い結果だった項目についてはそれを自己PR点として考えると良いでしょう。
もし自己分析と他己分析の結果にあまりにもギャップが多すぎて、結果に納得が行かない場合は、もう一度自己分析をして見つめ直してみると良いでしょう。
他己分析をするときに注意したいこと
次に、他己分析を進める上で注意したいことを2点お伝えします。
- 人の意見を気にしすぎないこと
- 分析結果は数字でまとめておくこと
この2点を注意しておかないと、分析が曖昧になって結果に自信が持てなくなってしまいます。
その具体的な理由について、次よりご説明します。
人の意見を気にしすぎない
他己分析は、自己分析の答え合わせをする感覚で進めると良いです。
あまり人の意見を気にしすぎてしまうと、自分の軸を見失ってしまうためです。
他己分析のメリットは他人から自分についての意見を聞けることですが、転職の方向性を決めるのはあくまで自分です。
自分が行きたいフィールドへ行くためのステップの一つに過ぎませんので、人の意見に左右されていては立ち止まったり考え過ぎたりして道に迷ってしまいます。
自己分析の結果と違う項目があって、それが自分にとってネガティブな意見だったとしても、シンプルに「こういう意見もあるのだな」と俯瞰して見るくらいの感覚が良いです。
分析結果は数字でまとめておくと良い
結果の整合性をとるために、各項目の結果を数字でまとめておくとわかりやすいです。
例えば、各項目の結果と自己分析結果を照らし合わせたときに、整合性が取れているか・取れていないかを0〜100で評価する方法です。
こうすることで、結果の信憑性が高い項目から長所を引き出して自己PRに使えるのでお勧めです。
他己分析をして転職活動を有利に進めるにはエージェント登録もおすすめ
今回ご紹介した他己分析の方法で、評価者を友人や同僚など近しい人にすることをおすすめしましたが、最終的には転職エージェントに登録をしてプロから評価をもらうこともおすすめします。
転職エージェントはその人のスキルや経歴だけでなく、人間的なタイプも加味して転職先を紹介している転職のプロです。
転職エージェントに登録した際、担当エージェントとの面談ではマンツーマンで対話をしながら転職先を決める流れが一般的です。
このときに、自己分析や他己分析をした結果で出た長所や短所をエージェントに伝えられれば、スキルに見合った会社だけでなく、タイプ的に相性の良さそうな会社が紹介されやすくなります。
転職における面接とは、いわば会社と人材のお見合いのようなものです。
相性が良い会社と人が出会うことができれば面接通過率を上げることが期待できるので、転職エージェントにはより具体的に自分の軸を伝えると転職成功しやすくなるのです。
まとめ|他己分析をして転職を成功させよう
転職活動は、迷ったり落ち込んだりと紆余曲折しがちなプロセスですが、他己分析をすることで進むべき道すじがはっきりと見えてくるでしょう。
迷ってしまう人の多くは「自分がわからない」という気持ちがあるためネガティブなフェーズに入ってしまいます。
しかし、他己分析をして自分への理解度をより高められることができれば、自分に自信を持って生き生きと転職活動をすることができます。
他己分析は転職の方向性を確信させてくれる行動と言えますので、将来の自分のためにもぜひやっておきましょう。
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