メーカー営業への転職をしたい!未経験・平均年収・就職するためのスキルを解説
営業職への転職を考える再就職先の企業の候補として、メーカー企業も選択肢に入るのではないでしょうか。
しかしながら、メーカーへの転職は難しいというイメージもあり、営業職ともなればどのような仕事内容なのか、想像しづらいこともあるかと思います。
この記事では、メーカーの営業職への転職についてさまざまな観点から掘り下げて紹介します。
業種別の平均年収やメーカー企業のメリットやデメリット、向いている人の特徴なども紹介するので、今後の転職活動の参考に活用してください。
【メーカーへの転職】未経験でもメーカー営業に転職できるのか
転職活動の際に特に気になるのが、未経験でも転職できるのかというポイントです。
特にメーカー企業ともなれば、大手企業や中堅企業、そして中小企業など、さまざまな規模の企業が存在します。
会社の規模によって、転職の難易度は変わってくるのか、未経験でも大手企業に転職できるのか。
まずは企業の規模別で就職の難易度について紹介します。
大手企業への転職の難易度
営業職務経験者が大手のメーカー企業へ営業職として就職する難易度ですが、非常に高いです。
大手企業は人気があるため、応募者が集まりやすく、競争率は常に高い傾向にあります。
これはどの職種でも似たような状態にあり、営業職も例外ではありません。
そのような中で有利になるのは、やはり過去に営業職としてのキャリアを積んでいる人になります。
特にメーカー企業での営業職経験や法人営業、応募先企業が取り扱っている商材と近い業界での営業経験がある人が圧倒的に有利です。
もし転職を希望する企業が大手であるならば、まずは他の企業で営業職のキャリアを積んでから、再度転職することを検討してみましょう。
自分を即戦力としてアピールできるキャリアを積んでからでも遅くありません。
中堅企業への転職の難易度
中堅企業とは売上金額が1000億円以上、または常用雇用者数が1000人未満から301人以上の企業と定義されています。
このような規模のメーカー企業に営業職として転職する難易度ですが、難しくもなければ簡単でもないというレベルの難易度です。
一般的な転職難易度ともいえます。
すなわち、企業の採用担当者に即戦力としての能力が充分にあると認められれば、成功する確率が高まるということです。
仮に営業職の経験があるならば、まずは中堅企業から応募してみるのも、有効な選択肢の一つとなります。
法人営業が未経験だったとしても、取り扱っている商材のジャンルが近ければ、採用される確率は高いです。
積極的に挑戦してみましょう。
中小企業への転職の難易度
大手企業や中堅企業と比較すると中小企業への転職の難易度はあまり高くありません。
応募の倍率にもよりますが、営業職が未経験だったとしても、転職が成功する確率は大いにあります。
そのため、営業未経験の人が大手のメーカー企業の営業職を目指すためのステップとして挑戦することも可能です。
ただし、未経験からの挑戦が問題なく通るのは、比較的若いうちまでであると考えておきましょう。
遅くても30歳になるまでが限度です。
30代より上の年齢になると、企業として求めるのは即戦力としての人材になります。
未経験でゼロからスキルを高めていこうという人材を、積極的に採用する企業は中小企業であってもほとんどありません。
新しいことに挑戦するなら、若いうちにトライするようにしましょう。
【メーカーへの転職】各メーカー営業職の平均年収と特徴
メーカー営業職を転職先として考えるならば、特に気になるのは年収になるのではないでしょうか。
実はどのような製品を作っているメーカーなのかによって、平均年収は異なります。
どの業界のメーカーが年収が高いのか、あるいは低いのか。
主な業界別のメーカーの平均年収やその特徴について、掘り下げて紹介します。
医薬品メーカーの平均年収と特徴
医薬品メーカーや製薬会社の営業職はMR(医薬情報担当者)とも呼ばれていて、一般的には高収入の部類になる業界となります。
国民の給与所得者の平均年収が約433万円であるのに対し、薬品メーカーの営業職は約544万円です。
しかしながら、この数値はあくまで平均値であり、所属する会社役職によって大きく異なっています。
また、営業成績によって獲得できる成果報酬やボーナス等も大きく開くため、優秀な人材であれば年収1000万円を超えることも夢ではありません。
収入の高さは会社の規模と比例しないのが医薬品メーカーの特徴です。
平均年収が高い企業の中には中小企業も存在します。
年収を参考に医薬品メーカーを選ぶのであれば、会社の規模にかかわらず、事前にしっかりと情報を集めていくことをおすすめします。
電機メーカーの平均年収と特徴
電機のメーカー営業職ですが、平均年収はおよそ470万円から480万円程度です。
国民の平均年収約433万円よりやや上回る数値となっています。
こちらも所属する会社や営業成績によって得られる報酬が異なるため、平均値に満たない年収の人もいれば、1000万円以上所得している人もいます。
電機メーカーが担っている製品は、工場で稼働している機械や自動車、コンピューターなどのデジタル機器、家電製品など、あらゆる分野に関わっています。
さまざまな業界が設備投資として、機材の入れ替えや刷新などを積極的に進めているため、取引先におけるそのような動きを素早く察知できる人が、高い営業成績を収めやすいです。
建材メーカーの平均年収と特徴
建築構造物の建設や道路の整備などに必要な建材を販売する、建材メーカーの営業職ですが平均年収は450万円から500万円ほどです。
規模が大きい大手メーカーを中心に、平均年収が高い企業では500万円を上回る平均年収で、中には700万円800万円を超える額が社員の平均年収となっている企業もあります。
主に工務店をはじめとした建設業界に対するルート営業が中心になるため、営業成績が大きく上がるということは少なく、インセンティブ報酬もあまり見込めないのが特徴です。
しかしながら一度構築された信頼関係を基に行われている常識的な取引が中心でもあるため、長く働きたいという人には向いている業界でもあります。
消費財メーカーの平均年収と特徴
ひと口に消費財といっても、そのくくりを大きくするとあらゆる商品が範囲に入るため、ここでは洗剤や水回り用品、衣類などを取り扱っているメーカーを消費財メーカーとします。
その平均年収ですが、400万円から450万円程度が相場です。
企業によっては500万円を超える平均年収となっている企業もありますが、その一方で平均に満たない企業もあります。
消費財メーカーの営業は、スーパーや卸問屋などに自社製品をプレゼンして取り扱ってもらう、ルート営業が多いです。
小売店の展開状況によっては新規営業も積極的に行われています。
近年ではスーパーなどが独自に開発している、プライベートブランド商品の開発支援を獲得することも仕事の1つです。
実際に売り出す商品の試作・修正を繰り返す長期的な仕事を獲得するのは、消費財メーカー営業職ならではの醍醐味となります。
食品メーカーの平均年収と特徴
食品メーカーの営業職平均年収はおよそ440万円です。
一見すると平均的な数値にも見えますが、実は年齢を重ねるとともに、年収も大きく伸び上がっています。
20代の平均年収は400万円に満たない390万円程度ですが、30代になると一気に500万円を超える額になるのが特徴です。
食品メーカーの営業職はルート営業も行いつつ新規営業も実施するのも仕事です。
会社によっては、ルート営業のときに取引先へ商品を納品する配達業務も実施することがあります。
取り扱う商品によっては毎日、受注と発送を繰り返す必要があるため、仕事によっては大変だと感じることもあると承知しておきましょう。
経営が安定していて年功序列型を採用しているしている企業が多いので、長く働くことで収入も上がる可能性が高いです。
化粧品メーカーの平均年収と特徴
化粧品メーカーの営業職平均年収ですが、およそ550万円です。
国民の平均年収と比較するとかなり高めであり、また、大手メーカーにもなれば700万円以上にもなります。
時代景気を問わず身だしなみを気にする人からの需要が高く、売り上げが安定していることが高い年収に結びついていると見られるのが特徴です。
化粧品メーカーの営業が活躍する場はとても広く、国内ではドラッグストアや美容室、百貨店が主な取引先となります。
また海外進出を実施している化粧品メーカーも多く、海外の小売店などに売り込むのも仕事です。
化粧品メーカーの営業はマネジメント能力が求められているといわれており、特に百貨店で自社製品を取り扱う場合、メーカーから派遣する美容部員の配置や、日数などシフトの運営管理、売上目標の設定なども実施します。
自動車メーカーの平均年収と特徴
自動車メーカーの営業とは自動車を製造しているメーカーの営業であり、自動車を販売しているディーラーとはまた別の仕事です。
その平均年収ですが、およそ470万円とされており、年齢が上がるにつれて平均年収も大きく上がっていきます。
自動車メーカーの営業は、まず自社製品を販売するディーラーに対して、車の販売を実施するための支援を行います。
同時に販売台数の設定や新製品のキャンペーンなども、ディーラーの代表者と連携して実施。
販売台数拡大のための活動をします。
この他では、盛んに行われている海外での展開についても大きく関わり、新規開拓や現地法人のサポートなども実施します。
このため、総合的な販売マネジメント能力や語学力も問われることが自動車メーカー営業の特徴です。
【メーカーへの転職】仕事内容
メーカー営業と聞くと、ほとんどのケースでイメージするのが法人を相手にして行う営業活動です。
多くの企業では自社製品を取り扱う商社や小売店、関係機関に営業を行います。
その細かい仕事内容は業界によって細かく異なっていて、別の業界ではやらないような仕事にも取り掛かることは珍しくありません。
では、業界によってどのような違いがあるのでしょうか。
業界別にメーカー営業の仕事内容を掘り下げて、異なる点を比較してみましょう。
医薬品メーカーの仕事内容
医薬品メーカーや製薬会社の営業職ですが、主に病院や薬局などを訪ねて、医師や薬剤師に自社の薬品に関する情報を伝えてセールスを行うのが仕事です。
またこの他にも、自社の製品を取り扱う商社やスーパー、ドラッグストアなどを訪ねて新製品の売り込みなども行います。
医薬品に関することですから、有効性や安全性、さらには発生する可能性のある副作用についての情報も相手に伝えることが必要です。
そのため営業職ではありますが、専門的な知識を有することも求められています。
研究開発部門ではないので、専門的な資格を有することは求められていませんが、持っているに越したことはありません。
また、新商品については続々と発売が続きますから、その都度その商品に対する正しい知識や副作用の可能性についてなど把握する必要があり、入社後に勉強が必要な量についてはかなり多いです。
電機メーカーの仕事内容
電機メーカーの営業職の仕事は、自社の製品についての特徴を取引先に伝え、導入した場合のメリットなどもきちんと伝えることが仕事です。
顧客が抱えている問題点をヒアリングし、それに対する解決策を正しく提示した上で、自社製品によって課題が解決することを正しくプレゼンします。
自社製品導入後は、アフターフォローの窓口としての役割も担い、トラブル発生時に迅速に対応して解決するのも仕事です。
トラブルが起きない平常時で定期的に訪問し、新たな要望を聞き取ることも求められています。
一般消費者向けの量販店では、一般消費者に自社製品を購入してもらえるよう、販売の戦略などを練り上げるのが仕事です。
売り場のレイアウトやポップの置き方なども提案し、必要であれば販売員の派遣なども計画します。
建材メーカーの仕事内容
建材メーカーの営業は、自社が製造している建材を施工業者や工務店などに売り込むのが仕事です。
売り込む建材は、木材や金属ブロックといった一般的な材料から、水まわりの製品に完成しているドアなど、建築物に必要な既製品も含まれています。
ルート営業がほとんどですが、新規開拓のための飛び込み営業も仕事の1つです。
メーカーの営業ではありますが、新規客の開拓やノルマの設定、会社での事務作業やメールチェックなど、一般的な企業の営業職とやるべき仕事はほとんど変わりません。
仕事の割り振りについては会社の規模や組織構造によって異なるので、転職を考えている際は質問ができるタイミングで質問をしておくようにしましょう。
消費財メーカーの仕事内容
消費財メーカーの営業職は、自社製品を取り扱う小売店や量販店、卸売を実施する商社などを訪問して、製品の売り込みをするのが仕事です。
例えば小売店に売り込みを行う際は、客層などのデータを綿密にチェックし、どのような商品をおけば効果的に売上が上がるのかを、顧客の担当者とともに検討していきます。
季節によって売れる商品が異なるので、どのような製品に力を入れていくのか、細かくチェックをしなければなりません。
必要であれば試供品などを担当者に提供し、陳列方法などを検討します。
より多くの数を発注してもらえるようにするのが仕事ですから、製品の使用方法や特徴について、充分な理解を深めておくことが必要です。
食品メーカーの仕事内容
食品メーカーの営業職も、自社の製品をより多く買ってもらえるように、販売促進活動を続けていきます。
主要な取引先の一つが卸問屋です。
卸問屋に商品を卸すことで、そこを経由してスーパーやコンビニなどのお店に商品を陳列してもらえるようになります。
卸問屋を利用すると、より幅広く商品を流通させられるのですが、中間マージンが発生するので、割合によっては利益が思ったように増えません。
そのため企業によっては卸問屋を介さず、直接スーパーやコンビニなどの商品仕入れ担当に営業することがあります。
この他にあるのは業務用の商品を飲食店に卸すケースです。
チェーン店を相手にすることもあれば、個人経営の飲食店を相手にすることもあります。
この場合、取り扱うのは一般消費者向けの商品ではなく、内容量の多い業務用商品です。
化粧品メーカーの仕事内容
化粧品メーカーの営業は担当する顧客によって仕事内容が異なるのが特徴です。
コンビニやドラッグストアを担当する場合、本部の担当者を相手にして、取り扱う商品やその販売数などを交渉します。
新製品の売り込みについても、サンプルなどを用いて積極的に実施。
より多くの受注を目指します。
百貨店を担当する場合、1人当たりの購入単価がとても高いので、特に力を入れた営業活動を実施しなければなりません。
バイヤーに対する商品の説明やプロモーションの提案など、その店舗で商品を売るためのあらゆる活動に積極的に関わります。
この他にも美容室や法人、海外展開などの営業も実施し、それぞれで細かな仕事内容が異なるので、事前に応募先のメーカーがどのような営業活動を行っているか、知っておくようにしましょう。
自動車メーカーの仕事内容
自動車メーカーの営業が主に実施するのは、ディーラーによりたくさんの車を売ってもらうための活動です。
新型車が発売される際には、プロモーションのために必要な資料やカタログなどをディーラーに持ち込み、展示車の展示方法などの提案も行います。
また、ディーラーが独自に実施するキャンペーンについても積極的に支援する他、ディーラーが受注を獲得するための試乗会の開催なども企画するのがメーカー営業の活動です。
メーカー営業が他に行う仕事としては、大企業や官公庁に対する売り込みとなります。
一度の受注でたくさんの台数を受注することになるので、メーカーが直接販売台数を増やすための重要な仕事です。
【メーカーへの転職】メーカーへの転職でのメリット
会社の規模を問わず、メーカー企業は転職市場において高い人気を持っています。
それは他の業種の企業にはない、メーカーならではのメリットに高い魅力があるからです。
その魅力と自分のキャリアプランやライフプランが合致すれば、メーカー企業は理想の就職先となります。
では、メーカー企業に転職できるとどのようなメリットを享受できるのでしょうか。
主なメリットを3つ紹介します。
年収が安定している
メーカー企業の多くは、景気感に左右されず安定した業績を誇っている事が特徴です。
その安定感は従業員の給与にも現れており、メーカー企業の平均年収は高い水準で安定しています。
しかしながら、営業はあくまで高い成績を残すことが必要だというイメージも根強いです。
一部の業界ではその流れも否定しきれませんが、多くの企業ではその限りではありません。
特にルート営業が中心となっているタイプの企業であれば、ノルマの設定が少なく、個人に割り当てられず、チームや部署単位での設定とされているのが一般的です。
より多くのお金を稼ぐために、必死になって新規顧客の開拓をしなければならないという心配はほとんどありません。
このことも、収入が安定しているといえる重要な要因です。
社会的信用が高い
メーカー企業の多くは名前が広く知られている有名企業で、大企業となっている割合も多いです。
そのため社会的信用度がとても高く、さまざまな場面において信頼を得やすくなります。
社会的信用度の高さはビジネス以外のシーンでもそのメリットを享受できることも特徴の1つです。
イメージしやすいのが、クレジットカードの審査、自動車や不動産のローンの審査が通りやすいことになります。
これはメーカー企業で働くことによって、安定的な収入や社会的地位が保障されていると認められやすくなることの裏付けです。
一般常識や社会人としての基本的マナーを身に付けていると見られやすく、会社外での人間関係においても有利な立ち位置となるため、人間的な魅力を底上げする要素でもあります。
福利厚生がしっかりしている
業界にも左右されますが、メーカー企業は福利厚生が充実しており、とても働きやすい環境が整備されているのが特徴です。
休暇ですが、法人相手に商売をすることが多い業界ですから、基本的にはカレンダー通りに休めたり、お盆や年末年始にまとまった休暇を与えられます。
これ以外にも好きな時期に取得できる数日間の休暇を貰えるのもメーカー企業ならではのメリットです。
育児休暇についても取得しやすく、復帰もしやすい環境が整っています。
ただしこれらはあくまで一例であり、業界によっては休みが不定期です。
社宅の有無やその他の福利厚生については、事前に会社の公式サイトや求人情報などで確認しておくようにしましょう。
【メーカーへの転職】メーカーへの転職でのデメリット
メリットが多いように思われるメーカー企業ですが、当然デメリットも存在します。
メーカーへの転職を考えるならば、デメリットを知っておくことも必要です。
あらかじめどのようなデメリットを含む可能性があるのかを把握しておけば、入社前後でイメージとのギャップに悩まされることも少なくなります。
メーカー企業ならではのデメリットで代表的な物とされるポイントを2つピックアップして紹介しましょう。
形式的な会議が多い
メーカー企業は経営が安定していることが特徴ですが、これは新しい風土が根付きにくいことを意味しているともいえます。
従って、古い日本企業の特徴としてありがちな、形式的な会議が多いことがデメリットです。
形式的な会議な会議の多さは、必要な稟議を通すまでの道の長さと比例します。
メーカーの営業職はクライアントや自社の製造部門とさまざまな項目を調整して仕事を進めますが、その多くを社内手続きに時間が必要です。
直属の上司を通したかと思ったら、次の段階でつまずき、稟議の書類を再度作り直す必要が生じてしまうケースも珍しくありません。
時間も多く奪われてしまい、営業職のモチベーションも下がってしまいます。
メーカー企業には、古い慣習の中にある企業が多いことを頭に入れておきましょう。
個人に任される業務幅が少ない
メーカー企業の営業職は、実はイメージするほど仕事の幅が広くありません。
特に新規顧客の開拓はあまり行わない、ルート営業を中心の業界になると、取引先を訪問して受注し、それをまた届けるといったルーティンワークのような仕事が中心となります。
歯車の一つとしての働き方といい換えられますが、同じ仕事を淡々と繰り返す日々が続くので、人によってはやりがいを感じられないままになってしまう可能性が高いです。
大きな取引を担当することになっても、結局は単純作業の繰り返しになるので、自分の成績に反映されることもなく、達成感を感じることもできません。
営業という仕事の醍醐味とはかけ離れた実情であることが、お分かりでしょう。
しかしながら、淡々と同じことを同じ作業を繰り返すことが好きな人であれば、問題なく続けられます。
【メーカーへの転職】メーカー営業に向いている人の特徴
業界や企業にもよりますが、メーカー営業は通常の営業とはやや異なる特色を持っていることが分かります。
そのため、向いている人の特徴についても通常の営業とはやや異なる部分があるので、事前にどのような人がメーカー営業に向いているのかをチェックしておきましょう。
ルーティンワークが得意な人
メーカー営業の多くは、既存の顧客を訪問するルート営業を実施しています。
決まった時間に決まった場所にいる顧客を訪問し、必要なときに新商品のプレゼンを実施するといった流れです。
そのため、実施する仕事のほとんどがルーティン作業になり、仕事内容に大きな変化が起きない日々を過ごすことになります。
一般的な営業のイメージとは異なり、同じ仕事の繰り返しを苦痛と感じる人には向きません。
反対に、決められた仕事を淡々とこなすようなタイプの人は、メーカー営業に向いています。
企業向けの営業が得意な人
メーカー営業では一般消費者を相手にすることはほとんどなく、多くのケースで法人を相手に営業するBtoB営業を行なうのが仕事です。
そのため、法人を相手にする営業を得意としている人が、メーカー営業に向いています。
メーカー営業が直接話して交渉する相手は、取引先企業の仕入れ担当責任者。
あるいはそれよりも上に位置する幹部クラスの社員であることがほとんどです。
長年関わっているベテランであり、業界の動向や商品に対して深い知見を持っています。
そのような相手と話しても臆せず会話ができ、商談をスムーズに進められる人に向いているのが、メーカー営業の仕事です。
多面的な視点が持てる人
メーカー企業の営業に求められるのは、商品をどれだけ売り込めるかよりも、どれだけ顧客が求めている要望に応えられるかの能力です。
そのため、相手の立場に立って抱えている課題に対して向き合い、その解決方法を的確に考え出さなければなりません。
法人だけでなく、一般消費者も含めた多角的な観点から現状を把握し、相手に提案することで、顧客の課題が解決できます。
多角的な視点が不足すると、自分よがりの営業になってしまい、製品がいくら優れていても相手に欲しいと思わせることはできません。
分析能力の高い人
自社製品をよりたくさん売り込むためには、市場における商品の需要やユーザーの要望を的確に聞き取り、分析することが必要です。
そのため、メーカー営業にはデータを分析する能力や学習能力の高さが求められます。
分析や学習は市場の動向だけでなく、ライバルメーカーが発売した新商品に対しても必要です。
どのようなニーズに応えるために新しい特徴を加えたのか、その製品にどのような強みがあるのかも分析しておかなければなりません。
分析した内容を基に取引先に対するプレゼンを実施します。
ですから、自社製品が発揮できる強みをどう見せていくべきなのかを、分析する能力が営業には必要です。
理論的に物事を考えられる人
メーカー営業が取引先に対して自社の製品を売り込む際に、明確な根拠に基づいて製品の強みを伝えていく必要があります。
そのために必要なスキルは、理論的な思考力です。
顧客や一般消費者が抱える問題や悩みについて、感情的な要素ではなく論理的な思考に基づいて考えることで、より的確に解決するための方策が導き出されます。
そうなれば、その解決策に対してどのような製品を提案すれば良いのかが明確になり、取引先を納得させられる確率も高まるので、メーカー営業に求められるスキルとしては非常に重要なものです。
【メーカーへの転職】未経験でも活かせるスキルや資格
未経験からメーカー営業へ転職するのはかなり難しいですが、自分が持っているスキルや資格について的確にアピールできると、選考を通過する確率は高いです。
そのためにはメーカー営業に対してどのようなスキルや資格が求められているのかを知っておく必要があります。
メーカー営業になる人材としてアピールできると有利になるのは、果たしてどのようなスキルと資格なのでしょうか。
代表的なものを紹介します。
分析力
メーカー営業は、取引先や一般消費者が求めるニーズをくみ取り、それを分析して商品展開などを提案することが仕事です。
そのため、世の中の流れやデータを分析して、それを商品販売に生かして提案できる能力を持っている人は、未経験からメーカー営業に転職しても活躍できます。
メーカーとしても、営業職に求める人材はそのような人材であることが多いです。
求められる役割は、顧客や一般消費者が求める商品を的確に世に送り出すことであり、これが実現できれば、自然と会社としての売上も上がります。
コミュニケーション力
さまざまな人と良好な人間関係を築けるコミュニケーション能力も、メーカー営業に重宝される能力です。
メーカー営業は既存顧客との関係性を深めていくことで、受注アップや新商品の取り扱いにつなげられます。
ルート営業が多いメーカー営業では、担当する顧客との信頼関係の構築がこのようにそのような結果に結びつくため、信頼関係を構築する能力が必要です。
トラブルが発生したときの対応についても、コミュニケーション能力に優れていれば、必要以上に相手を怒らせることもありません。
取引先だけでなく、社内における人間関係もうまく構築できる人が重宝されます。
取引先だけでなく、社内の製造部門や幹部とのやりとりもうまくこなすことで顧客からの要望にも応えて、より深い信頼関係を築くことが可能です。
営業系や語学系の資格
未経験からメーカー営業に転職するためには、保有している資格をアピールすることも重要です。
必ずしも必要ではありませんが、例えば業界に関わる資格を持っていると、専門的な知識を持っていることの証明にもなるため、即戦力として働けることの期待を持たせることもできます。
例えば、食品業界であれば食品表示検定。
自動車メーカーであれば、自動車整備士や自動車検査員資格です。
海外に向けて積極的に事業展開している企業であれば、英語力をアピールするための英検やTOEICなどもアピールするために有効となります。
今現在の自分のキャリアやスキルだけで転職できるかどうか不安な人は、目指している業界に即した資格を取得しておくことがおすすめです。
まとめ
メーカー営業は一般的な営業職とは異なり、既存の顧客を中心に取引を行うルート営業が中心となっています。
そのため、求められる能力や仕切りなどは、営業とは少々異なることがポイントです。
また、業界によっても仕事内容が細かく異なるため、目指す業界を明確にすることや、メーカー営業のメリットやデメリットをあらかじめきちんと把握しておくことが重要です。
一般的な給与所得者の平均年収よりも高い収入を実現できる可能性が高いため、メーカー営業未経験の場合でも積極的にチャレンジしてみましょう。
その場合は、自分がこれまで経験してきた仕事やスキル、持っている資格などを存分にアピールして、自分がメーカー営業に向いている人材であることを示してください。
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