営業職の女性の収入はどれくらい?他の業種や男性との比較も解説します
「営業職」と聞くと男性のイメージが強いですが、実は営業職として活躍している女性はたくさんいます。
しかも、収入面やキャリア面でも営業職は女性にとってメリットがいくつもある職種でもあります。
今回の記事では、営業職の女性の収入を業界別に解説したり、他の職種や男性営業マンとの違いや女性ならではの強みなど併せて紹介していきますね。
女性も働くのが当たり前の時代に
働く女性の割合は一昔前と比較すると増加傾向にあり、総務省が公表している「労働力調査」内の「労働力人口及び労働力人口総数に占める女性割合の推移」によると、令和元年には実に3,000万人を超える女性が働いています。
この3000万人の数字は昭和60年当時と比較すると、実に15~20%ほど増加している結果になります。
女性の労働人口が増加した背景にはさまざまな理由がありますが、代表的な理由として女性の大学進学率が増加したことや、経済的な理由、社会との繋がりを持ちたいなどが挙げられます。
共働き世帯やダブルインカムが主流
夫婦において夫も妻も両方が働いている世帯のことを共働き世帯と言いますが、共働き世帯の割合もまた増加傾向にあります。
男女共同参画局が公表した「男女共同画白書 令和3年版」の共働き世帯の推移によると、共働き世帯の増加は一目瞭然ですね。
なぜここまで共働き世帯の割合が増えたのかというと、夫が働いて妻が家事をする「性別役割分担の意識」に変化があったからだと考えられています。
今は女性の社会進出のスタンダード化が進んでいますし「主夫」というワードが誕生しているほど、性別による役割の分担がそこまで明確化されていない背景から来ていると考えられますね。
また、経済的な部分も大きくダブルインカム(夫婦それぞれで収入があること)でないと、家計が苦しくなってしまうことも、共働き世帯が増加した大きな理由の1つです。
営業は女性のキャリアにとっても有利
今回の記事では女性の営業職を中心に解説していくのですが、実は女性にとって営業職はキャリアを築いていく上でメリットが多い職種でもあるんです。
営業職は人間力やコミュニケーション力はもちろんのこと、提案力やマネジメント力、交渉力などさまざまなスキルが求められ、それらのスキルを身につけるチャンスがたくさんある職種です。
事務職や企画職は女性から人気が高い職種になりますが、近年は女性の社会進出も活発になってきたこともあり営業職として活躍している女性も数多くいらっしゃいます。
後ほど詳しく解説しますが、給与面でも営業職は収入UPを目指せる職種なので、これから営業職に転職や挑戦をしたいという方や年収UPを目指したいと考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
女性が年収を上げる方法
近年において女性の社会進出のスタンダード化や、進出率が高くなっている状況の背景はおわかりいただけたでしょうか。
続いては、ではどうすれば女性は年収を上げていけるのかについて解説していきますね。
この段落では働く女性の平均年収や中央値だけでなく、高収入を狙える仕事なども併せて紹介していきます。
女性の平均年収
厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」によると、一般労働者の賃金は女性で平均月収25万6千円ほどとなっているのが分かります。
これを年収に換算すると単純計算で、女性の平均年収は310万円ほどとなります。
(一般労働者としているので非正規雇用も含めた全体の平均値)この310万という数字が高い、低いと感じるのは人ぞれぞれですが仕事をしている女性全体の平均年収となります。
年収500万を超える仕事もある
女性が活躍している仕事の中には、年収500万を超えてくるものもあります。
年収が高い仕事の代表的な仕事として、行政機関へ提出する重要な公的書類の作成を中心に業務を行う女性行政書士や、警察官や教師をはじめとした女性公務員などが挙げられます。
国家資格を取得する必要があったりなど条件などはありますが、女性も高年収を狙える仕事になります。
さらに上の年収600万やそれ以上を目指そうとなると、より難易度が高い女性建築士や女性公認会計士の道もあります。
ここまでの年収となると必要な条件である資格や試験の難易度もグッと上がりますし、狭き門だとされていますが高収入を目指したい人はぜひ知っておいてくださいね。
一般的な方法は転職
女性が年収を上げるために1番効果的な方法はやはり転職です。
「終身雇用」という言葉をあまり聞かなくなってきたように、現代においてはずっと同じ会社で定年まで働き続けるという概念がなくなりつつあります。
特に営業職という職種は業界を問わず幅広い企業で必要とされている人材でもあります。
ですので、一定の需要が今後も続くと考えられますし営業経験者、未経験者問わず転職市場も活発です。
もし年収を上げたい…と考えている方は営業職への転職や、今も営業職として働いている方であればさらに高収入が狙える企業や業界への転職を視野に入れても良いかもしれません。
女性の営業職の年収は?
続いていよいよ女性営業職の年収について解説していきます。
営業職の他にも事務職や企画職、販売職など、女性の働き方も多岐に渡っていますが、その中でも営業職の年収は全体を考えた時にどのポジションに位置しているのでしょうか。
この段落では女性営業職の実態と、他の職種との違いを詳細に解説していきます。
女性の営業職の年収はどれくらいなのか
営業職として働いている女性の年収についてですが、マイナビエージェントの職種別年収によると20代女性営業の平均年収は393万、30代女性が531万円であることが分かります。
今回は比較的転職がしやすいとされている20代に注目していきますね。
20代女性営業の平均がおよそ390万ということは、月収にして32.5万ほどの収入があることになります。
ただ、平均年収はボーナスやインセンティブも混みでの指標になるので一概に全員が32.5万の月収があるとは断言しにくいです。
ですが、営業職として働いている女性は平均して年収が300~400万ほどであると考えられますね。
他の職種との年収の違い
他の職種と比べたときに営業職の年収はどのあたりのポジションなのでしょうか?
よく営業と比較されるのが事務職です。
今回は前段と同じようにマイナビエージェントの職種別年収を参考に見ていきます。
営業事務の20代平均年収は324万となっており、営業職の女性と比較すると69万の差があるのが分かります。
他にも総務や受付などの仕事が女性に多く見られる職種ですが、総務や受付などの職種はその企業が属する業界によっても年収が異なってくるのでここでは割愛させていただきます。
ですが、前の段落で女性の平均年収が310円ほどと解説していたので、働く女性全体の割合を考えても営業職の女性は比較的高収入が狙えると考えて良いでしょう。
男性の営業職との違い
最後に男性営業職との平均年収の違いについても触れておきます。
20代男性営業職の平均年収は422万円となっており、同じ年代の女性の平均年収である393万よりも29万ほど男性の方が高くなっています。
男性の方が年収が高くなっている背景には、女性のライフステージの変化の影響や役職に就くか就かないかなど複数の理由が考えられます。
やはり女性は結婚や出産・子育てといったライフステージが移り変わっていく中で、働きやすさを重視する人もいれば、逆にキャリアをずっと続けていく、いわゆる「バリキャリ」と呼ばれる女性も多くいます。
業界別に見る営業職の年収
続いては、業界別に営業職の年収を見ていきましょう。
営業職といっても業界もたくさんありますし、取り扱う商品もさまざまで有形商材なのか無形商材か、成果報酬型なのか月額固定費型なのかなどさまざまです。
女性の営業職が働きやすい業界は?
女性が働きやすい業界の特徴としては次の3つが挙げられます。
・ワークライフバランスが取りやすい
・女性営業職として活躍しているロールモデル的な存在がいる
・パワハラなどのハラスメントがない
医薬品業界や金融・保険業界などは年間休日も120日以上の企業も多く、カレンダー休を採用していることもあり女性にとっても働きやすい環境であることが多いです。
また、医療や金融業界というのは情勢や景気の影響を受けにくく、長く働きやすい特徴もあります。
ですので、女性であっても長く働き続けてキャリアを築いているロールモデルのような人もいる可能性が高いと考えて良いでしょう。
女性の営業は無形商材がおすすめ
女性が業界を選ぶ際に注目してほしいポイントは、営業で取り扱う商品やサービスが有形商材なのか無形商材なのかです。
有形商材とは目に見えるモノや製品を指し、家電や食品、衣類などが代表的な有形商材です。
一方の無形商材は目に見えないサービスを意味し、ネットサービスや広告、アプリなどが例として挙げられます。
無形商材が女性におすすめな理由は、ものやサービスの力を借りることなく自分自身の営業力だけで仕事に挑戦できるからです。
無形商材では商品の差別化が難しいので営業マンとしてのスキルを身につけられる環境があります。
女性は結婚や出産時に育休制度を使用した後に、復帰される人がたくさんいらっしゃいます。
復帰後も営業職として活躍していきたいのであれば、商品に頼るのではなく人として選んでもらえるような”1人の営業マン”としてのスキルを早めから身につけておくことが大切になってきます。
高収入が狙える業界
3つ目は女性が高収入を狙える業界をいくつか紹介します。
業界全体として、また営業職として平均年収が高いとされている業界は、医療系業界や金融業界、IT業界などがあります。
医療系業界の年収が高い背景には、専門知識が必要とされているのが考えられます。
医療系の知識や資格を持っている人であれば転職に有利ですし、資格を持っていない未経験の方でも挑戦できる業界です。
金融業界は全体的に安定しているため高収入を狙いやすい環境にあります。金融系であれば専門知識が求められハードルが高いことも多いのですが、保険業界であれば比較的未経験からでも転職しやすい傾向がありますよ。
3つ目のIT業界は今まさに需要が伸びている業界であるため、求人数の数も多くなっています。
特に最近はソフトウェアなどを扱うSaaS業界やカスタマーサクセスといった新しい営業スタイルも確立され始めており、注目されている業界でもあります。
営業職に向いている女性の特徴
ここからは営業職に向いている女性の特徴について解説していきます。
事務職や企画職、販売職と女性が活躍できる仕事がたくさんある中で、営業職にピッタリな女性にはどのような特徴があるのでしょうか?営業職に向いている女性の主な特徴を4つご紹介します。
人と話すのが好き
真っ先に挙げられる特徴はやはり人と話すこと自体が好きな女性です。
営業職にとって “人と話す”ことは必要不可欠であり、やりがいも感じられる、営業の醍醐味だと言えるでしょう。
どんな仕事においても「人と話す」「コミュニケーションを取る」行為は日常的にありますが、特に営業職は人との対話が色濃い職種になります。
人と話すことが好きで、明るく愛想よく振る舞える女性は営業職にピッタリです。
人と話すことが好きなのにプラスして、場を盛り上げるのが好きな人や空気を読んだり人によって話し方や接し方を変えられたりするとさらに良いでしょう。
負けず嫌いな性格
負けず嫌いな性格であることも、営業職に向いている女性の特徴として挙げられます。
営業は常に「目標」や「契約件数」などのノルマが課される仕事で、当然ながら優秀な成績を収めた人や契約をたくさん取った人が評価される世界です。
数字で評価されるのが普通なので、よくも悪くも評価や成績が明確になるのも営業職ならではの特徴となっています。
ですので、「絶対に契約を取ろう」「売り上げ成績で負けたくない」というような負けず嫌いで闘争心を持っている女性の方が営業職には向いているとされています。
さらに、もっと提案力を磨こうという向上心や成長精神があった方が、営業職は活躍できる可能性が高いこともぜひ覚えておいてくださいね。
相手のニーズを読み取るのが得意
営業職にとって、相手が何を求めていてニーズはどこにあるのかを汲み取る力はとても大切になってきます。
もしあなたがそういう力や得意だと思っているのであれば、営業職にピッタリです。
会話の中でお客様やクライアントがどこに問題を感じていて、何を求めているのかをいち早く先回りして汲み取ることが営業職においては非常に大切です。
直接顧客から聞き出す方法も1つですが、ちょっとした表情の変化や何気ない会話の中から「きっとこの人はこういうことを求めているんだろう」というように、いい意味で相手の心情や気持ちを読み取ることも営業に取っては大切なスキルになってきますよ。
気持ちの切り替えができる
ちょっとしたことで一喜一憂せず、気持ちの切り替えができる女性も営業職に向いています。
よくメンタルが強い方がいいという言葉も聞きますが、いつまでも引きずらないことが営業職にとっては必要になってきます。
営業の仕事の中には辛いこともたくさんありますし、中には営業成績が露骨に出て他の人と比較してしまうことも少なくありません。
また、せっかく頑張って提案しても営業は相手ありきの仕事になるので努力や頑張りがなかなか成果に結び付かないこともあります。
そのようなことで、いちいちクヨクヨしたりショックを受けたりしていては目標に近づくことは難しいです。
ですので、細かいことや1つの事象に一喜一憂するのではなく、気持ちの切り替えができ自分にも負けないぞという強い気持ちを持っている女性は、営業職に向いていると考えられますね。
女性ならではの営業の強み
では続いて、女性だからこその営業職で活かせる強みを見ていきましょう。
男性の営業マンとは違い、営業職として働いている女性の強みやその強みをどう業務に活かすのかもセットで解説していきますね。
共感力がある
最初に紹介する女性ならではの営業職の強みは共感力です。
もちろん営業に向いている男性にも当てはまる特徴ですが、特に営業を得意としている女性には共感力が備わっていることが非常に多いです。
女性の声のトーンや雰囲気が男性よりも柔らかく優しい印象を持ってもらいやすいので、話を聞いてもらいやすい傾向にあります。
顧客やクライアントの中には「女性だから話しやすい」と感じる方も一定数いますので、女性ならではの視点で共感力を発揮することは、女性営業職の強みであると言えるでしょう。
女性の視点を活かせる
営業で取り扱う商品やサービスによっては女性の視点を活かせる場合もあります。
例えば、コスメやスキンケア製品、下着などの女性がメインターゲットになる商品やサービスを扱う営業職だと、女性の視点や考えを活かした提案ができます。
女性ならではの悩みや着眼点、男性ではなかなか気付けないポイントにも気遣いができる女性営業職は重宝されます。
また、顧客やクライアントが女性で同性同士になると、さらに共感できるポイントも増えますし、的を得た提案でたくさんの契約獲得にも繋がりますよ。
細かい気配りができる
営業職は提案や対話以外っでも立ち振る舞いや仕草なども見られていることを意識する必要があります。
さらに相手の気持ちを汲み取り、細かな気配りや配慮できる能力は女性の方が男性に比べると得意している分野でもありますので、営業職としての活躍の機会も増えます。
営業の仕事は行動力や突破力も大事だとされていますが、表情1つや声のトーン、気遣いなど総合的にスキルがある人材が重宝される世界です。
顧客やクライアントのニーズや発言の細かい部分までアンテナを貼ることで、相手が何を求めているのかを察知できるような営業職をぜひ目指してくださいね。
女子が営業に転職するときのポイント
では最後に、女性が営業職に転職する際のポイントについて解説していきますね。
営業職は精神的にも身体的にも体力が必要な仕事でもあるので、ライフステージやワークライフバランスを重要視する女性にとっても、キャリアに重きを置いている女性にとっても転職は大きなターニングポイントになります。
ぜひ大切なタイミングである転職を成功させるために、次の3つのポイントを意識してください。
キャリアプランを明確に
1つ目はキャリアプランを明確にすることです。
前段でも述べたように女性には結婚・出産・子育てなどライフステージの変化がたくさんあります。
企業側からすると、どのような人生の中でどのようなキャリアプランやビジョンを描いているのかは採用時にも注目するポイントです。
収入面だけでなく、人間関係や残業時間、育休産休の制度の充実性など、どの部分が譲れない分野なのかを明確にし、その上で転職活動の軸を決めるといいでしょう。
この転職を通して何を得たいのか何を実現させたいのかを伝え、あなたが思い描いているキャリアビジョンを明確にすることが大切です。
出産や育児に理解がある会社を選ぶ
女性が営業に転職する際に押さえていただきたいポイントとして、出産や育児に理解がある会社選びも重要になってきます。
キャリアを続けている女性の多くは、出産育児を経て仕事に復帰し、現役で働き続けている方が多いです。
ですので、女性のライフイベントに対して理解のある会社を選ぶことは、女性が長年に渡って仕事を続けていく上では欠かせないポイントになります。
募集要項には「育休産休制度あり」と書かれている会社は多いのですが、蓋を開けてみると取得者が全然いない、なんてことも現実としてあります。
育休産休制度が整っているかどうかは取得率にも目を向けることをおすすめします。
育休や産休の取得率が高い企業であれば、出産後や子育ての後であっても職場に復帰しやすい企業であると考えられますね。
業界選びは慎重に
前の段落でも解説したように、営業職であってもどんな商材やサービスを取り扱うのかによって女性の強みを発揮しやすいかどうかは違ってきます。
つまり、女性が営業職として転職する際は、業界選びはとても重要になってくるということですね。
顧客やクライアントとの共感性が高いほど女性にとっては有利ですし、より効果的にアプローチすることもできます。
化粧品や美容関係、女性ファッションなど、女性に特化した商品やサービスであれば活躍できる可能性もグッと高くなります。
女性が転職時に失敗しないためには、事前の業界研究をしっかり行うことと、入社すると決める前段階で面接時に質問をしてみたり、可能であればオフィス見学もしてみると良いでしょう。
事前に社内の雰囲気や女性社員の割合が多いかなどを確認しておくことも大切です。
最後に
今回の記事では営業職として働く女性の年収についてと、女性が営業職として転職・活躍できるポイントについて解説しました。
営業の言葉だけを聞くと、「キツそう」「ノルマが辛そう」などといったネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。
ですが営業は、コミュニケーション力や提案力をはじめとしたさまざまなスキルを身につけられる職種であり、女性のキャリア構築にとっても有利に働きます。
ぜひご自身がどういった職種に向いているのか、キャリアも続け年収をアップさせるためにはどのような選択肢があるのかに常にアンテナを貼っておくことをぜひ頭に入れておいてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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