就活浪人時代に留学することで変わる未来！留学のメリット・デメリットを解説

自分のやりたいことを貫きたい、またはできる限りの努力をしたが内定をもらえなかったなど、何らかの事情により就活浪人の時期を過ごす人は毎年一定数います。

自由な時期を利用して、留学を検討する人も少なくありません。

就活浪人時代の留学には、どのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットもきちんと把握した上で、長期的な視野で自分の人生設計を立ててみましょう。

この記事では、留学を活用して就職活動を有利に進めるポイントも解説します。

就活浪人時代に留学を選ぶ背景

就活浪人（就職浪人）とは、学校が終了する新卒時に就職が決まらず、卒業後翌年以降に就職を目指す人です。

内定をもらえなかった人だけでなく、もらった内定を何らかの事情により辞退した人や意図的に就職活動をしなかった人も含まれます。

新卒後すぐに就職せず、留学を選ぶ人も少なくありません。就活浪人の現状や留学を選ぶ動機や目的を調べてみましょう。

就活浪人の現状

厚生労働省および文部科学省は、毎年大学等卒業者の就職状況を調査しています。

2022年4月1日時点では、大学生の就職率は95.8％でした。

統計から察すると、就活浪人は約4％とされており、比較的少ない現状です。

就活浪人となる理由は、置かれている状況により異なります。

また、就活浪人をどのように受け止めているのかや自由な時期をどのように過ごすかも人それぞれです。

どこでもいいので就職したいと願っている人もいれば、日本では味わえない経験やスキルを身に付けるべく、留学を検討している人も多くいます。

どの選択肢を選ぶ場合も、成り行きに任せるのではなく、動機や目的を明確にしておきましょう。

留学するかどうかを迷う際は、強い動機付けを持っているかどうかは大切な要素です。

留学後の就職活動にも影響を及ぼします。

自己分析をきちんと行い、自信をもって進む道を決めましょう。

留学を選ぶ動機と目的

留学後就職活動をする予定がある場合は、就職面接でなされる質問を想定しておきましょう。

大抵の企業では、留学経験者に対して「なぜ卒業後に海外留学したのか」と質問するケースが多くあります。

動機や目的を明確に説明できない場合は、マイナスイメージを与えてしまいかねません。

海外留学した経験を生かした自分のスキルを上手にアピールするためには、留学前に自己分析しておく必要があります。

留学で身に付けられそうなスキルをリストアップしてみましょう。

例えば、コミュニケーション能力・決断力・行動力・適応能力などがあります。

留学中どのような経験を積みたいかを考えてみましょう。

就職希望先企業が決まっているのであれば、企業が求める人材を参考にできます。

スキルの他に、留学によりさまざまな物事に対する価値観や考え方が変化した人も多い傾向です。

将来のビジョンを見据えて行動を起こしてみましょう。

就活浪人時代の留学メリット

就活浪人時代を活用して留学したいと考えている場合は、留学が自分の今後にどのようなメリットをもたらしてくれるか、具体的に考慮しましょう。

どこに、どの分野で留学するかにより、メリットもそれぞれ異なります。

多くのケースに共通している主なメリットは、下記を参照してください。

語学力が向上し、就活に活かせる

海外留学するに際し、期待できる大きなメリットは、語学力の向上です。

留学先が英語圏の場合、ネイティブと接する機会が多いため、ハイレベルのリスニング力やスピーキング力を身に付けられます。

外資系やグローバル事業展開している企業であれば、語学力は着目ポイントです。

近年、多くの企業が英語力を重視しているとの調査もあります。

就職希望先企業が決まっている場合は、企業が求める人材を調査しておきましょう。

加えて、自分の語学力がどの程度かを具体的にアピールできるよう、留学前に到達目標を定めておくこともできます。

例えば、基礎的なコミュニケーションに加え、ディベートが可能なことやレポートが書けるなどプラスアルファとなるアピールポイントがあれば有利です。

単なる机上で身に付けた英語力よりも、実生活で活用できるネイティブレベルの英語力がある人材のほうが重宝されるため、留学経験はメリットになります。

留学経験がアピールポイントになる

留学するためには、さまざまな準備が必要であり、決断力や行動力が求められます。

まず、留学先の選定や手続きが必要です。

留学先が決まった後は、渡航先の国に関する情報を収集し、住む場所や荷物の準備を行わなければなりません。

いざ留学して、実際に海外に住み始めると、予期していなかったトラブルが生じる可能性は十分あります。

そのような中でモチベーションを高く保ち続けるためには、物事に対する情熱や自分の目標達成に対する意欲の高さが必要です。

加えて、日本では経験できないような多種多様な人たちとの関わりがあります。

そのため、価値観が変化したり、物事を広い視野で見られるようになったりする経験もメリットです。

業界や業種の種類を問わず、ビジネスパーソンとして成功するためには、固定観念にとらわれないようにする必要があります。

自分とは異なる意見や要望に遭遇した場合に必要なのは、柔軟性や対応力です。

留学経験を通して身に付けたヒューマンスキルやマネジメント力などを、就職活動時のアピールポイントにできます。

自己成長や独自性が評価される可能性

留学経験により、日本にいたままでは分からなかった自分の強みや弱みに気づけることもメリットです。

また、これまで親や友達に頼ってきた分野でも、自分で決めて行動しなければならないケースが増える可能性は十分あります。

積極性や独自性が高まり、違う自分を発見できるのは楽しい経験ではないでしょうか。

自分を知ることでより成長でき、自分に自信が持てたとの声もよく聞かれます。

多くの就職面接時では「なぜ留学を決意したのか」や「どのようなことを努力してきたのか」との質問も多い傾向です。

これらの質問から推察できるように、留学経験自体が就職する上で有利なわけではありません。

留学に際して経験した苦労や努力を基に、どのような面で自己成長を遂げられたかをアピールすれば、ビジネスパーソンとして有用な人材と高く評価される可能性が高まります。

就活浪人時代の留学デメリット

就活浪人時代の留学は、いくつものメリットがある一方、デメリットもあることを忘れないようにしましょう。

デメリットをきちんと把握しておかなければ、思うように事が運ばなかった場合のダメージが大きくなる可能性があります。

下記項目の3点は、よく聞かれる就活浪人時代の留学デメリットです。

就職活動が遅れる

2023年現在、就活基本スケジュールの策定は政府主導で行われています。

基本スケジュールによると、就職活動の本格スタートは3月1日以降で、採用選考活動が始まるのは6月1日以降です。

就活基本スケジュールがあるとはいえ、あくまでも目安のため、全ての企業が基本スケジュールに準じているわけではありません。

独自の採用スケジュールに従った活動を実施している企業も多くあります。

近年、採用活動が早期化傾向にある状況です。

そのため留学している場合、企業エントリーや会社説明会の参加などの就職活動が、他の人よりも遅れる可能性があります。

留学中に焦る気持ちが募るままでいるなら、貴重な経験を楽しめない状況になりかねません。

海外留学経験者採用枠を設けている企業を探しておくなど、留学後の就活活動を念頭に置いて留学の予定を立てましょう。

費用負担が大きい

留学にかかる費用は、選ぶ国で大きく異なります。

また、国立や私立など学校の種類でも変わってくるため、選ぶ専攻や留学目的を明確にしておくことが大切です。

一般的に、大学留学にかかる費用は、1年間で200~500万円が目安とされています。

学費だけではなく、滞在費や生活費込みの金額です。

2年制と4年制のどちらを選ぶかで総合計が変わってきます。

費用負担が大きいことを念頭に置き、留学経験でしか得られないメリットと比較しながら決定しましょう。

国によっては、留学生にアルバイトを許可している場合もあります。

また、新入生向けの奨学金制度を設けている国もあるため、費用の削減が可能かどうかを検討してみるのも方法のひとつです。

留学期間中の就職サポートが限定的

貴重な留学経験を生かした就職活動をどのように行えばよいか、不安を感じている人は多いのではないでしょうか。

留学経験者の間でもよく聞かれるのは、就職サポートが限定的なため、帰国後の就職活動に自信がないとの声です。

例えば、留学中に会社説明会や合同説明会の連絡があっても参加できません。

国内にいないため、就職サポートの恩恵にあずかれないことが留学のデメリットです。

しかし、近年、海外留学経験者に特化した就職サポート会社が増えてきました。

留学経験で培ったスキルを十分生かせるような就職先を効率的に見つけられるよう、頼りになるサポートをしてくれます。

自分が求めるキャリアサポートサービスをしてくれる場合もあるため、留学前にチェックしておきましょう。

留学期間とタイミングの選択

留学する際には、短期にするか長期にするかを決定する必要があります。

また、就活シーズンを見据えた留学タイミングの決定も大切です。

後悔しないよう、留学の期間やタイミングを現実的に考慮しましょう。

就活と留学を平行して進める方法も解説します。

短期留学と長期留学の違い

就活浪人時代に留学しようと思う際、期間やタイミングを決める必要があります。

大学や専門学校のディブロマ取得以外の語学留学の場合、1~3か月であれば短期、4か月以上であれば長期とみなすケースが一般的です。

長くても1年前後の期間を選択する人が多いといわれています。

渡航先の国により学生ビザやワーキングホリデーなどが必要です。

半年までの滞在であれば、観光ビザだけで良い国もあります。

ビザの要・不要で留学期間を決めるとの選択肢も考慮してみましょう。

加えて、留学の目的を踏まえた上で、達成可能な期間を見極める必要があります。

語学力は、現地での生活である程度上達する可能性が高い分野です。

しかし、専門分野の資格を取得したい場合、長期間の勉強が必要なケースが多くあります。

長期留学の場合、シェアハウスに住んだり、現地でアルバイトしたりして海外生活を満喫できることがメリットです。

自分が達成したい条件を明確にしてみましょう。

就活シーズンと留学のタイミング

留学後の就職活動を効率的に行うためには、日本国内での就活シーズンを見据えたタイミングを検討できます。

例えば、会社説明会および合同説明会が頻繁に行われる春の時期には帰国できるようなタイミングです。

就活シーズンに国内にいなければ、必要な就職サポートを受けられない可能性があります。

特に、どの企業に就職したいか具体的に定まっていない場合は、帰国後に自分で情報収集して企業探しをしなければなりません。

何をどのように始めればよいかなど、不安が募る可能性があります。

不安や心配が強いことが予想される場合は、できるだけ就職サポートを受けやすい時期に国内にいるようにしましょう。

希望先企業が決まっている場合は、新卒扱いしてもらえるか、あるいは既卒扱いとなるのかの確認が必要です。

どの採用枠に応募可能かを留学前に調査しておくと、自分の立ち位置が分かります。

留学期間を有意義に過ごすために、就活を考慮に入れたプランをきちんと立てておきましょう。

就活と留学を並行して進める方法

就活浪人の時期に留学する際は、帰国後の就職活動を見据えて、あらかじめ準備をしておくと安心です。

例えば、留学前に会社説明会および合同説明会などの就活イベントに参加しておけます。

情報量が多ければ、どのような業界・業種が自分に合っているかをイメージしやすくなり、希望先企業をある程度絞っておくことが可能です。

また、希望先企業の事業内容や方向性、どのような人材を求めているかなどを把握しておくことにより、留学先でどのような経験やスキルを身に付けておけばよいかを明確にできます。

動機や目的が明確でなく、漠然とした気持ちで留学してしまうと、海外生活の目新しさや観光の楽しさだけで終わってしまう可能性があるため注意が必要です。

あくまでも帰国後の就職活動を見据え、今後の将来に役立つような留学生活を送るようにしましょう。

就活浪人時代の留学前後の就活ポイント

大きな夢を抱いて留学したものの、帰国後に留学生活で得た貴重な経験やスキルを活用できずに終わったとの声を時折耳にします。

残念な結果にならないために、就活浪人の時期に行く留学を有意義なものにできるよう、綿密な計画や事前の準備が必要です。

帰国後に就活を最初から始めるのではなく、留学前に準備できる事柄がいくつかあります。

主なポイントを押さえておきましょう。

留学前に企業説明会やインターンシップを活用

留学前に行える準備のひとつは、企業説明会やジョブフェアへの参加です。

複数の企業に関する情報を収集しておけば、自分が今後どのような道に進みたいか、具体的な将来のビジョンを描けます。

気になる企業があれば、企業説明会やジョブフェアで得られる情報に加え、インターネットなどを活用し企業情報をできるだけ多く収集しておきましょう。

インターンシッププログラムを用意している企業であれば、可能な限り参加しておくと就職希望先を決めやすくなります。

複数企業の短期インターンシッププログラムへの参加では、業界・業種の大まかな雰囲気を肌で感じることが可能です。

中には、実際の職場で業務体験ができる企業もあります。

実務内容や先輩社員の体験談などを聞けるため、入社後のミスマッチを防ぐことが可能です。

留学中にネットワーキングや情報収集を行う

留学中は、目的を忘れず、勉強に励みましょう。

就職希望先企業が求めるスキルや経験を念頭に置き、自己成長できるよう努めます。

加えて、行動範囲を広げることも大切です。

さまざまな人々と交流できるネットワーキングなどにも積極的に参加できます。

日本とは異なる文化や考え方に触れたり、業界・業種の垣根を越えて意見交換したりできるため、人間性の幅を広げるのに役立つのがネットワーキングのメリットです。

数多くの人々に出会うことで人脈も広がり、今後就職活動をする上で役立つ情報を得られる可能性もあります。

ネットワーキングで出会った人とのつながりで就職が決まるケースも珍しくありません。

現在、世界のどこにいても、インターネットで多くの情報を収集できます。

帰国後の就活に役立つ情報に目ざとくありましょう。

留学後の就活戦略を立てる

留学中に得た情報や体験は、その都度写真やメモなどで残しておくと、後から自分の経験やスキルを整理する際に役立ちます。

どの業界・業種に応募する際にも、エントリーシート記入時や面接時に自己アピールを求められるケースが多いためです。

上手に自己アピールできるよう、写真やメモを小まめに見返し、自分の強みやアピールポイントを整理しておきましょう。

留学体験がどのように企業での業務遂行に役立つかをうまく説明できれば、企業側から戦力となる人材とみなされ、採用される可能性が高まります。

自己成長に役立った具体的なエピソードなど、就職面接の際に聞かれた際すぐに答えられるような準備も大切です。

留学後の就活戦略を立てた有意義な過ごし方を心掛けましょう。

留学経験を活かした就活戦略

留学で味わった貴重な経験を就活にじゅうぶん生かすためには、前もって戦略を立てておく必要があります。

留学の目的および動機、得られた教訓、企業で生かせる経験などをきちんと言語化できるよう意識しておきましょう。

就活戦略を立てる上で、押さえておきたい主なポイントを解説します。

留学経験をアピールする方法

大抵の企業は、自社で活躍してくれそうな人材を見極めるべく「なぜ就活浪人時代に留学したのか」との点を尋ねます。

「なぜ」に対する理由をはっきり述べられなければ、就職する気がなかったので留学したのではないか、などマイナスなイメージを持たれかねません。

就職面接で留学経験を上手にアピールするためには、留学前に希望先企業の事業展開や方向性をきちんと調査しておくことが重要です。

一例として、大学で再生エネルギー事業を専攻していた場合、再生エネルギーに力を入れている企業への就職面接を受けると仮定します。

就職面接では「環境先進国ではどのような再生エネルギーを研究および開発しているのかに興味があり、学ぶために留学した」などのアピール方法が効果的です。

オリジナリティーあふれるエピソードを準備し、自分の動機や目的が相手に伝わるような言葉の選択をしましょう。

グローバル志向企業へのアプローチ

近年、日本国内の需要のみならず、世界的な視野で事業展開する企業が増えてきました。

そのようなグローバル志向企業への就職を希望している場合、グローバル志向企業が重視しているスキルに注目してアプローチできます。

海外事業を展開している企業で重宝されるスキルのひとつは、文化や習慣などが異なるさまざまな環境に対応できる柔軟性です。

海外では、自分が思う仕事の仕方に固執せず、違う考え方に柔軟に対応しなければなりません。

加えて、異なる環境にうまくなじむためには、高いコミュニケーションスキルも必要です。

自分から積極的に話しかけたり、考え方が違う人と折り合ったりできる力をアピールできます。

留学するに際し求められる、能動的な行動力・決断力・積極性も大事なスキルです。

企業の指示を待つだけでなく、自ら考え行動する姿勢をアピールしましょう。

就活浪人向け就職サポートサービスの利用

就活浪人時代に留学するのは、貴重な経験になります。

ただし、帰国後に就職活動を始める際は、他の新卒者に後れを取る可能性があることを覚えておきましょう。

また、留学した事実や語学力だけでは、就活に有利に働く条件とはいえません。

効率的に、かつ留学経験を活用した就職活動をするために、就活浪人向け就職サポートサービスを利用しましょう。

他の人に後れを取らない最新の求人情報収集や、留学経験をブラッシュアップする方法など、効率的な就職活動をするにあたって不安や心配などが多いのではないでしょうか。

可能な限り、就活に関する不安や心配を減らす上で就職サポートサービスを活用できます。

現在利用可能な就職サポートサイトはいくつかあるため、自分に合うサービスを比較検討してみましょう。

大抵のサポートでは、面接対策や自分に向いている企業選びなどを専任アドバイザーがアドバイスしてくれます。

内定を受けるまで頼りになるサービスです。

まとめ

就活浪人になる理由は、人それぞれです。

就職するまでの間をどのように過ごすかの選択肢もさまざまあります。

今後のビジョンを考慮して留学を検討する人も少なくありません。

就活浪人時代に留学する場合は、動機や目的を明確にして、帰国後の就職活動を見据えた戦略を立てる必要があります。

自己成長につながるような有意義な時間を過ごせるよう準備しましょう。