試用期間中に即日退職は可能?円滑に退職するための伝え方や退職手続きのステップを解説

試用期間中に即日退職は可能?円滑に退職するための伝え方や退職手続きのステップを解説

目次
  1. はじめに
  2. 【試用期間中の即日退職】必要な手続き
  3. 【試用期間中の即日退職】退職理由別例文5選
  4. 【試用期間中の即日退職】会社をすぐ辞めるメリット
  5. 【試用期間中の即日退職】即日退職のリスク
  6. 【試用期間中の即日退職】退職を考える前にやっておきたいこと
  7. 悩みの共有と解決策の模索
  8. 試用期間を活用したスキルアップ
  9. 退職手続きの確認・準備
  10. キャリアの再構築
  11. 【試用期間中の即日退職】退職するかどうかの判断基準とは
  12. 試用期間中の即日退職に関するQ&A
  13. まとめ

はじめに

明るいキャリアを思い描いて転職をしても、入社後に思わぬギャップを感じて「即日退職したい」と考えるひとも少なくありません。

とくに試用期間中の場合はあくまで”お試し”で雇用されている状態なため、退職したくなる気持ちは正式な社員として働く人よりも大きくなります。

一般的に退職は様々な手続きを踏む必要がありますが、試用期間を設けている会社の場合は即日退職しても問題ないのかどうか気になることでしょう。

今回の記事では、試用期間中に退職をする場合のルールや即日退職のリスク、言いにくい退職理由の効果的な例文などを総合的にまとめています。

即日退職を検討している試用期間中の人は、ぜひ本記事を参考に慎重に退職手続きを進めてください。

試用期間中でも正式な社員として雇用された後でも、一般的には退職希望日の2週間前までに退職の旨を申告することが求められます。

民法第627条によれば下記のように定義されています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

引用:https://hourei.net/law/129AC0000000089

無期雇用は原則2週間前に伝える

無期雇用の従業員が会社を辞める場合、民法でも定められている通り退職日の2週間前に退職の意思を会社に伝える必要があります。

また、会社ごとの就業規則では別途退職の申し出期間が定められていることがあります。

例えば多くの会社の就業規則では、退職は1ヶ月前に申し出ることを規定としています。

会社側はあなたが退職をした後も円滑に業務を進められるよう、引き継ぎや人員配置を考慮したいためです。

会社の就業規則よりも民法のほうが効力の面で強いため、規則違反を罰せられることはありませんが、できる限り就業規則に定められた期間内に申し出ましょう。

有期雇用は期間満了後が原則

有期雇用の従業員が試用期間中に会社を辞める場合、一般的には契約期間の終了後に辞めることが原則となっています。

有期雇用契約は期間を限定しているため、契約期間内に従業員が辞めると、会社が代替の人材を探すための時間が短くなり業務の継続性に影響を及ぼす可能性があるためです。

契約期間内に辞める場合、違約金や損害賠償の支払いを請求されることもあります。

ただし、試用期間中に解雇される場合には、違約金や損害賠償を支払う必要はない場合が多く、契約書の内容や法律に基づく規定に従って判断することが重要です。

ただし、「やむを得ない事由」がある場合は期間内であっても辞められます。

やむを得ない事由の詳細は法的には定められていません。

やむを得ない事由にはけがや病気、会社からのハラスメントなどが該当するため、会社と一度話し合いを設けるとよいでしょう。

また、労基法137条に定められているように1年以上の雇用期間があれば契約期間内であっても辞められます。

契約書の労働条件が事実と異なる場合や、使用者の合意がある場合でも退職が可能です。

契約書を確認し、会社と話し合うことが重要でしょう。

無期雇用と有期雇用の違い

無期雇用とは雇用期間が明確に定められず、従業員が自主的に退職するか会社が解雇するまで継続する雇用形態です。

契約期間が定められていないため解雇には特別な理由が必要であり、退職する場合には原則2週間前に会社に報告する必要があります。

一方、有期雇用とは、契約期間が明確に定められている雇用形態です。

契約期間の満了時に自動的に雇用契約が終了し、以降の雇用継続は原則的に行われません。

契約期間内に退職を申し出た場合、理由や契約内容によっては違約金や損害賠償の支払いが請求される場合があります。

両者の違いは、契約期間の有無です。

無期雇用は契約期間が明確でなく、会社と従業員の双方が合意の上で継続する雇用形態なのに対し、有期雇用は契約期間が定められ、その期間内に限り雇用が続く雇用形態な点が異なるでしょう。

【試用期間中の即日退職】必要な手続き

試用期間中でも使用期間経過後でも、基本的に即日退職は就業規則に反する行為です。

退職手続きは、会社で設けられた就業規則に従いながら順を追って進めていく必要があります。

ルールに違反してしまうと思わぬトラブルに発展する可能性もあるので、この後ご説明する退職手続きの流れを確認して慎重に進めましょう。

上司への退職意思の伝達

試用期間中に退職を考えた場合、上司への退職意思の伝達は重要なポイントです。

まずは口頭による上司への相談が望ましいでしょう。

メールや電話ではなく、直接伝えることがポイントです。

電話やメールでは失礼にあたるため、相手への印象も良くありません。

円満退社を心がけるなら直接口頭で伝えるべきです。

また、直接相談することで人間関係や勤務体系の悩みを解決してくれる場合もあります。

上司へ相談する場合は、引き止められた際にどのような言い方をするか考えておきましょう。

引き止められた場合でも感謝の気持ちを伝えながら、自分の退職の理由を冷静かつ明確に伝えることが大切です。

相手を尊重し誠意を持って話し合うことで、円満な退職ができる可能性が高くなります。

試用期間中で直属の上司がいない場合は、人事担当者に相談しましょう。

退職届の提出と人事手続き

試用期間中の退職手続きでは、自主退職と合意退職によって異なる点があります。

自主退職とは、労働者自身が退職を申し出ることで、「退職届」の提出により退職手続きが完了します。

自主退職の場合、雇用契約の解除にあたって、特に上司や会社側の同意は必要ありません。

一方で、合意退職とは雇用主と労働者が退職の条件を話し合い、合意の上での退職を決めます。

合意退職の場合、「退職願」の提出が必要です。

雇用主側の同意が必要なため会社側の承認で退職手続きが完了し、会社の同意前までは退職願の撤回が可能となっています。

また、自主退職と合意退職の違いは、労働者側の立場や、退職後の待遇などにも影響を与えるでしょう。

自主退職は労働者側からの申し出のため、雇用主側からの支払いなどは多くは期待できません。

一方、合意退職では雇用主との話し合いによって条件が決められるため、退職金や引き継ぎ手当などが支払われる場合があります。

【試用期間中の即日退職】退職理由別例文5選

試用期間中に会社を辞めたいと考えている人は、退職の意思を申し出る際に「退職理由」を述べる必要があります。

ここからは、よくある退職理由を5つご紹介しながら、それぞれの退職理由の例文をまとめています。これらを参考に、実際に退職の申し出をする前に準備しておきましょう。

1.求めていた仕事と違っていた

例文

現在の業務は非常に勉強になりますしやりがいも感じています。しかし、実際に仕事を始めてみると、自分が想定するキャリアプランとは大きく異なると感じているのも事実です。

このまま続けた場合、自分のスキルやキャリアプランに合わない状況が続きモチベーションの維持が難しいことが予想されるため、この段階で退職したく思います。

試用期間中にお世話になったご恩がありながらこのような形で終わることを、大変申し訳なく思っております。

会社にご迷惑が掛かる前に退職をしたいので、x月xx日に退職をさせていただけないでしょうか。

希望して入社したにも関わらず、業務内容にギャップを感じて退職を決意したのですから、会社側からすると自己中心的とみられてしまう理由です。

しかし今の業務は今後のキャリアに大きく影響するものですから、後ろめたい気持ちを抱えながらもはっきりと意思を伝えましょう。

伝える際は相手に対して感謝の気持ちを示し、退職に至った事情を冷静かつ明確に伝えることが望ましいです。

2.社風や人間関係が合わなかった

例文

言葉を選ばずに申しますと、人間関係に違和感を感じて業務に集中できなくなりました。

入社前は密なコミュニケーションを取りながら一致団結して目標に向かう社風に魅力を感じていたのですが、実際に仕事を始めてみると自分が思っていた以上に個人プレー型でした。

私は仕事に情熱を注ぐためには、自分に合った環境で働くことが必要だと考えています。そのため、退職を決めました。

試用期間でありながら貴重な業務に携われて、大変感謝しております。

ご迷惑をお掛けしますが、今の業務が落ち着いたx月xx日ごろに退職をさせてください。よろしくお願いいたします。

社風や人間関係が合わなかった場合、自分自身の意志や価値観の尊重が大切です。

上記の例はある程度オブラートに包んだ伝え方ですが、ハラスメントに近い状態で人間関係が合わなかった場合は具体的にどのような問題があったかを説明し、相手に理解してもらいましょう。

ただし、人間関係ではなく単純に社風が合わなかった場合は、会社の立場を尊重し具体的な明言は避けて差し障りのない内容で伝えるのが無難です。

社風や人間関係が合わなくても、批判的な言葉遣いや感情的な表現は避け、冷静かつ丁寧な言葉で伝えることが重要です。

3.別の仕事を手伝うことになった

例文

大変申し訳ありませんが、急遽家業を継ぐことになり、今後は実家で親の手伝いをすることになりました。

今の仕事は本当にやりがいを感じていますし、日々新しい知識を身につけることへの楽しさも感じています。

そんな中でこのようなお申し出をすることは非常に心苦しいのですが、家業の都合でx月xx日から準備をしたいためそのタイミングで退職したく存じます。

試用期間中という短い間でしたが、多くのことを学び、経験を積ませていただきましたこと、心より感謝しております。

また、業務の引き継ぎについては、最善を尽くしスムーズに進めたいと思います。

実家の家業を継いだり、知り合いの会社の立ち上げに参加することになったり、急遽別の仕事に変えることは決してマイナスなことではありません。

自分にとって重要な退職理由ですので、堂々と伝えましょう

また、退職理由を説明するときは状況をできるだけ具体的かつ相手に自分の立場を理解してもらうように心がけましょう。

退職を申し出た後も業務の引き継ぎに関する協力や、スムーズな手続きへの配慮も重要です。

新しいキャリアを気持ちよくスタートさせるためにも、最後に感謝の気持ちを伝えることで、円満な退職を目指しましょう。

4.体調不良で働けなくなった

例文

このたびはお世話になっております。

以前からお伝えしておりましたが、体調不良が続いておりました。

病院での診察結果により、治療やリハビリに専念する必要があり、今後もしばらくの間、仕事に専念できない状況となってしまいました。

誠に申し訳ありませんが、試用期間中ですが退職を希望いたします。

試用期間にてさまざまなことを学ばせて頂いたにもかかわらずこのような形となってしまい大変申し訳ありません。

欠勤でご迷惑おかけした上でさらに迷惑をかけることになると思いますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

体調不良により退職する場合、自分の体調不良や病気のことを正直に相手に伝えることが大切です。

特に試用期間中に退職する場合は、短期間での退職が相手に与える影響を考慮する必要があります。

休業期間が長期間に及ぶ場合は、会社に負担が掛かることもあるため、できるだけ早い退職の検討が望ましい場合もあるでしょう。

5.別の会社で働きたくなった

例文

先日、自分にとって適職と思われる仕事が見つかったため、試用期間中ですが退職することに決めました。

入社して間もないタイミングでこのような形になり大変申し訳ありません。

貴社での勤務は短い期間でしたが、多くのことを学び、経験を積ませていただきましたこと、心より感謝しております。

また、業務の引き継ぎに関しましては、迅速かつ適切に行うよう努めたいと思います。

ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

別の会社で働きたくなったことによる、試用期間中の退職は珍しくありません。

しかし、相手に対しては、「適職と思われる仕事がみつかった」や「スキルアップのためにやりたい仕事がみつかった」などのように表現を変えて伝え、さらに感謝の気持ちを伝えることが重要です。

特に試用期間中に退職する場合は、相手に与える影響も大きくなるためできるだけ早期に退職を伝え、引き継ぎ業務にも配慮するよう心がけましょう。

また適職を見つけたことを伝えることで、相手にも自分にとっての大切なキャリア選択を理解してもらえる場合もあります。

ただし、退職理由には個人的な感情を混ぜないことが望ましいです。

【試用期間中の即日退職】会社をすぐ辞めるメリット

「早めの行動が吉」とよく言われますが、退職に関しても同じです。

早めに退職をすれば時間を無駄にせずに次のステップへ進めますし、機会損失を減らすこともできます。

また、「即日にでも退職したい」というネガティブな気持ちを解消することで精神的な負担を減らすこともできるでしょう。

これらも含めて、会社をすぐ辞めるメリットを5つご紹介していきます。

時間を有効活用できる

1つ目のメリットは「時間を有効活用できること」です。

退職したいと思っても、勇気が出なかったり流れが分からなかったりして言い出せないこともあるでしょう。

基本的には意思表示してから2週間で退職できるため、決断や覚悟をしているならば早めに伝えるべきです。

退職が決まれば転職の準備やリフレッシュなどに時間を充てることが可能なので、時間を無駄にすることを回避できます。

新卒の人は第二新卒として転職できる

2つ目のメリットは「新卒の人は第二新卒として転職できること」です。

一度就職している以上、完全な新卒として転職活動を行うことはできません。

しかし新卒入社後3年以内であれば、第二新卒として転職できます。

中途採用とは枠が異なるため、ライバルが少なかったり未経験でも就職しやすかったりなどメリットがあります。

業界選びや企業分析をしっかりして、第二新卒としての転職活動に活かしましょう。

機会損失を減らせる

3つ目のメリットは「機会損失を減らせること」です。

退職や転職は決して軽い気持ちで行うべきではありません。

しかし何か別にやりたいことがあったり満足がいかない場合は、退職をしないことにメリットはないでしょう。

社会や自分の気持ちは常に変化するため、機会を逃してしまうと次にタイミングが来るまで待つ必要があります。

時間の有効活用だけでなく、新しい出会いや思わぬ発見の機会を作り出せるでしょう。

体や精神の回復に集中できる

4つ目のメリットは「体や精神の回復に集中できること」です。

試用期間の退職理由が体調不良という人もいるでしょう。

体調が悪いまま働くことは、さらに悪化し大事に至る可能性がありますよね。

精神的なものであれば、鬱病や適応障害が発症し社会復帰が難しくなることもあります。

そのような人は、速やかに退職し体や精神の回復に時間を使うべきです。

体調不良であれば退職の際に引き止められたり揉めたりしにくいため、躊躇せずに伝えてみましょう。

退職に対するハードルが下がる

5つ目のメリットは「退職に対するハードルが下がること」です。

一度入社した会社で定年を迎えるまで働かなければいけないルールは存在しません。

風潮として退職や転職を繰り返すことは良しとされていませんが、自分のキャリアのために積極的に行動することは素晴らしいことです。

一生働きたいと思える仕事に出会えるまでは、退職や転職をしてでも探す価値があります。

試用期間に退職できれば退職の流れが分かるだけでなく、その後のキャリアで勇気が出たり積極的に行動できたりしますよね。

気が楽になり力まずに仕事に臨むようになるでしょう。

故意に試用期間の退職を目指す必要はありませんが、退職時には次につながると前向きに考えてください。

【試用期間中の即日退職】即日退職のリスク

試用期間中に会社を辞めることのメリットがある一方、心がけておかなければならないデメリットも存在します。

何も考えずに退職することはリスクがつきものですので、思わぬトラブルに発展することもあるでしょう。

ここからは、試用期間中に退職する5つのデメリットについて解説します。

とくに「即日退職したい!」と焦る気持ちを持って退職を検討中の人は注意してご覧ください。

損害賠償を求められるリスクがある

あなたが退職した際に会社に大きな損失があった場合に限られますが、損害賠償を求められるリスクも少なくありません。

とくに、就業規定を守らずに無断欠勤から即日退職をしてしまった場合は、あなたに与えている業務や予算を会社側がマイナスすることになります。

法律上退職自体は問題なくとも、企業に対する契約違反とみなされ損害賠償を求められるケースがゼロではありません。

入社する際にサインした雇用契約書には必ずと言って良いほど職務違反に関する罰則について記載されているので、あまりにも会社側の意向を無視した退職をしてしまうと、本当に罰則を与えられる可能性もあるでしょう。

就業規則にも退職について規定があるはずです。退職時にトラブルに発展しないように、事前に契約やルールについて注意深く見ておきましょう。

転職活動で転職先に不信感を与えやすい

2つ目のデメリットは、試用期間中という早い段階で退職したことが転職活動にマイナスの影響を与えることです。

例えば、履歴書の職歴欄で1ヶ月未満の退職が分かった場合、なぜ即日退職をしようと思ったかを言及されることがほとんどです。

なお、履歴書には試用期間中の雇用も記載する必要があるため、嘘をついて空白期間として提出するのはあまり推奨されません。

即日退職ではなくとも、試用期間中に退職した人に対しては良いイメージを持つ企業は少ないでしょう。

「本人に何か問題があるのではないか」、「前職でトラブルになったのではないか」と不信感を持たれてしまいます。

正直に理由を伝えることで挽回可能なので、先ほどご紹介した退職理由の例も参考にしながら、転職先でも伝え方を工夫しましょう。

収入源が一時的に減るためお金の管理が難しい

3つ目のデメリットは、退職したことで一時的に収入源が減ってしまうことです。

退職してから転職するまでは、アルバイトや副業などをしない限り収入が途絶えてしまうでしょう。

退職後にすぐ転職活動をしても、うまく転職できるとは限らず、期間が長引くことも考慮すべきです。

安定的な収入がない間は、家賃や光熱費などの生活費が重くのしかかってくるでしょう。

また、働いていなくても税金や健康保険料の支払いもあるため、想像以上にお金の管理が難しくなります。

退職を決めたら、お金の計画についても緻密に練る必要があるでしょう。

「退職したい」と思った時に即日退職をするのではなく、あらかじめ転職活動の準備をしておくのがおすすめです。

なお、転職エージェントに相談をすれば希望の就業開始日に合わせて転職できるように様々なサポートをしてくれます。

退職手続きと同時進行で進められるように、早めに登録しておくことをおすすめします。

即日退職できず間延びする可能性がある

4つ目のデメリットは「即日退職できず間延びする可能性があること」です。

退職を申し出てから2週間経過すれば退職できるとお伝えしました。

しかし実際はスムーズに退職できるかどうかは分かりません。

例えば企業が繁忙期で人材不足の場合は、少し退社日が先になることもあります。

また、手続きでトラブルが起きて時間を要する可能性もあるでしょう。

2週間はあくまで法的なルールであり、状況に左右されてしまうことを把握しておかなければいけません。

試用期間の退職は、決断から退職完了までは気を抜かず計画的に進めることを意識しましょう。

軽い気持ちで退職するとモチベーションが上がらない

5つ目のデメリットは「軽い気持ちで退職するとモチベーションが上がらあないこと」です。

退職したはいいものの特に何も考えずに退職してしまうと、転職や労働自体にやる気が出ずモチベーションが下がってしまうケースが考えられます。

先のキャリアや未来に向かって前向きに退職する人は、やるべきことをしっかりこなしていけば問題ありません。

モチベーションが下がって働きたくない場合は、無理に転職活動をすると逆効果になる可能性があります。

人生を左右するような決断なので、退職する時は前もって目標や覚悟を持って進むべきです。

環境や人に責任を押し付けずに、主体的に退職や転職に臨むようにしましょう。

【試用期間中の即日退職】退職を考える前にやっておきたいこと

考えた末の決断であれば問題ありませんが、試用期間中でも「即日退職したい」と踏み切る前にやっておきたいことがいくつかあります。

例えば、退職をしたあとのキャリアプランの再構築や、試用期間中でも業務の中でスキルアップをしておくことです。

勢いで退職をしてしまうと何も持たないまま転職市場に挑むことになるので、ある程度事前準備をした上で進めましょう。

ここからは、試用期間中の退職を決断する前にできることを5つご紹介していきます。

悩みの共有と解決策の模索

試用期間中に勢いで退職をする前に、まず今の状況を改善できるかどうか模索してみてください。

例えば社内での異動が可能かどうか、上司とのコミュニケーションが改善できるかどうかなど、悩みを共有し解決策を模索することが重要です。

また、辞めた後にやりたいことを明確にした上で、本当に今の会社で叶えられないのかを再度考えることも大切です。

退職後に後悔しないためにも、自分自身のキャリアプランを再度考えることは必要です。

頭の中で整理しきれないなら、辞めたい理由と辞めるべきでない理由を書き出して精査する方法も良いでしょう。

書き出すことで感情的にならずに冷静に今の自分を見直せます。

試用期間を活用したスキルアップ

試用期間とは、あなたが実際に業務に携わることでその会社や業務に適しているかどうかを判断するための期間です。

さらに、社員の技術や知識の習得が目的であり、教育プログラムが用意されている場合が多いです。

そのため、試用期間中とはいえどもスキルアップできるチャンスはいくつもあるのです。

試用期間という短い期間でも自分自身のスキルアップにつなげるには、職場での業務に真剣に取り組み能力を発揮することが必要です。

また、上司や先輩社員からのフィードバックを積極的に受け取り、改善点を把握し自己成長につなげることも大切でしょう。

自分のスキルアップに取り組むことで、試用期間中に退職することがあっても無駄な時間にはならず、転職先での業務に役立てられます。

退職手続きの確認・準備

退職には様々な手続きが必要です。

さらにいうと、会社には就業規則があるため、そのルールに則って退職手続きを進めなければなりません。

退職するしないに関わらず事前に退職について確認しておくことで、いつでも行動できるようになります。

「どうせ試用期間だから」と即日退職を希望しても通らないことは多く、最低でも2週間ほどの期間が必要です。

この間に退職届を提出したり貸与物の返却手続きを行ったりと、やるべきことは山ほどあります。

もし試用期間中でもある程度責任感のある業務を任されていたのなら、引き継ぎ業務も必要でしょう。

試用期間といえど、あなたに課せられた仕事や会社の社員として守るべきルールがあるのですから、それに則って最後まで誠実に業務をこなさなければなりません。

2週間の間に何をすべきか、各フェーズをスケジュールに落とし込んで進めると良いでしょう。

キャリアの再構築

試用期間中に退職をしてまた転職をしても、キャリアプランが決まっていなければ同じことを繰り返す羽目になります。

自分が将来どんなことをしたいのか、どんな自分になりたいのか、改めてキャリアを再構築しましょう。

勢いで退職しても、キャリアや目標が決まっていなければあまり意味がありません。

自分の理想のキャリアやなりたい自分の姿を明確にした上で、目標に向かってどう進むべきか方向性を決めます。

そうすると次にどういう会社に転職をすれば良いか、正しい選択ができるようになります。

自分と向き合い、その時々でベストな選択ができるように考えてみてください。

【試用期間中の即日退職】退職するかどうかの判断基準とは

「試用期間中だけど即日退職したい」という気持ちが強くなればなるほど、マイナス思考になって正しい判断ができなくなってしまいます。

本当に退職という選択が正しいかどうかは、自分の置かれている環境によっても異なるでしょう。

メリットやデメリットをよく考え、冷静かつ客観的に考えることが重要です。

試用期間中に退職するかどうかの判断基準を解説します。

自分に合った仕事環境の確認

試用期間中に退職するかどうかの判断基準として、自分に合った仕事内環境かどうかを客観視して確認してみましょう。

性格的に向いている職業なのか、理想とするキャリアプランに近づけるために必要なプロセスなのか、客観的に今の自分を見ることで、冷静な判断ができるようになります。

今の業務が性格的にも適性で将来のためになると判断した場合、辞めるべきとは言えません。

将来的にはやりがいを感じながら取り組める可能性があるので、今の辞めたい気持ちは転職をして環境が変わったことによる一時的な感情と言えるでしょう。

また、勤務時間が自分のライフスタイルに合っているか、その仕事に求められる時間的な負担が自分にとって許容範囲かどうかも重要です。

残業や休日出勤が過度でないかどうかも考慮すべきでしょう。

やりがいや時間的負担の要素がバランスよく備わっている仕事であれば、長期的に取り組めて自己成長につながることが期待できます。

試用期間中に仕事環境の要素を考慮して、自分に最適な選択肢を選ぶことが大切です。

退職のメリット・デメリットの検討

試用期間中の退職を検討する場合、退職したことによるメリットとデメリットを検討することが重要です。

先ほどご紹介した通り、試用期間中でも退職をするメリットとしてあげられるのは、早期でキャリア形成ができることや精神的な負担がなくなり、気持ちよく次のステップに進めることです。

ただし、デメリットとしては転職活動が難航したり一時的に収入が減ってしまうこともあります。

一方で、退職により職歴が短くなり、次の転職で不利になる可能性もあります。

自分の置かれている環境によって退職すべきかどうかが異なるため、まずはメリット・デメリットを洗い出し、自分にとって最善の選択が大切です。

懐事情

退職を考える際には「懐事情」も考慮しましょう。

退職から次の仕事が見つかるまでのお金のやりくりをしっかりと考え、必要に応じてアルバイトや節約といった対策を打つ必要があります。

また転職後は給与も多少変化するはずなので、長期的なお金の管理も気にするようにしましょう。

もし金銭的な目途が立たない場合は、退職を一旦保留することも検討すべきです。

お金は退職するかしないかの基準として大きな影響を与えます。

今後の見通しやキャリア

「今後の見通しやキャリア」がハッキリしない場合は、退職しても良い結果にはなりにくいといえます。

退職は次に向けての一歩であり、強い意志が必要です。

社会人としての見通しがっていれば、適切なアプローチをすることで目標に近づけます。

何もないのに退職するという判断はかえって状況を悪化させかねないため、キャリアや見通しが不透明の場合は一度立ち止まって考えてみましょう。

試用期間中の即日退職に関するQ&A

最後に、試用期間中に即日退職をしたい人からよくある質問についてQ&A形式でお答えします。

すぐに辞めたい場合の対応策と、将来のキャリアに与える影響の2つに絞り、それぞれよくある疑問点を細分化して回答しているので、退職をするか否か選択をする際の参考にしてください。

すぐに辞めたい場合の対応策

Q . 入社前は「自分に合っていそう」と思っていたのですが、実際に 働いてみると自分とは合わない環境でした。試用期間中ですが最短で辞める場合どのタイミングがベストですか?
A . 試用期間中の退職でも、退職希望日の2週間前に申告すれば原則可能です。
ただし、雇用契約書に試用期間中の解雇規定が明示されている場合があります。
試用期間中に退職する場合は、入社当時に渡された契約書の内容を確認し、適切な手続きを踏んで進めましょう。
Q . 試用期間中に辞めた場合に、給与は支払われるのでしょうか?
A . 試用期間中に辞めた場合、一般的には試用期間中でも労働をした期間に対する対価が支払われます。
ただし、労働条件に関する契約書や就業規則に明記された支払い義務や免責事項に注意する必要があるでしょう。
退職日が支払い日を過ぎてしまった場合や退職前に未払いの給与があった場合は請求できる権利があるため、人事と話し合いをして解決策の模索が必要です。

試用期間中の退職が将来のキャリアに与える影響

Q . 試用期間中に退職した場合は履歴書に書くべきでしょうか
A . 履歴書は、自分自身の職歴を正確に記載することが求められています。
もし試用期間中に退職した経験があっても、その事実を隠して書類提出した場合は虚偽の履歴書を提出したことになるでしょう。
経歴詐称は企業との信頼関係を損ね、求職者としての信用を失うことにつながります。
そのため試用期間中に辞めた場合でも、履歴書への正確な記載が大切です。
Q . 試用期間中の退職は転職で不利になりますか
A . 試用期間中の退職は、次の転職で不利になる可能性があります。
そのため、退職前には慎重に考え、可能な限り自分自身のスキルアップにつながる期間の確保が重要です。
ただし、退職理由を明確に説明し、その後のキャリアプランを具体的に説明できれば印象も良くできるでしょう。

まとめ

今回の記事では、「すぐにでも辞めたい」と試用期間中に即日退職を考えている人に向けて、退職にまつわる法的なルールや即日退職のリスクなどについて解説しました。

試用期間中の退職は、会社ごとの就業規則によってルールが定められているため、まずはルールを確認してトラブル回避を最優先しましょう。

早めに退職することで時間を無駄にせずにキャリアを再構築ができるためメリットは大きいものの、転職活動ではマイナスな影響が出ることも事実です。

本当に退職すべきかどうかはよく検討しながら、会社のルールを確認するとともに慎重に進めましょう。

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