転職面接の質問で「前職にはどんな不満がありましたか?」と聞かれた場合の対処法【例文あり】
転職面接において、前職の不満を質問されることは少なくありません。正直に不満だったことを打ち明けるべきか、不満はあってもないと答えて取り繕うべきか悩む人も多いでしょう。
面接の質問にはそれぞれ意図があるため、「前職にはどんな不満がありましたか?」という質問にも、企業側があなたの回答から確認しておきたい点があるということです。
本記事では、なぜ「前職にはどんな不満がありましたか?」という質問がされるのか、質問を行う企業側の意図は何なのか、どのように回答をすると良いのかなどを解説していきます。
例文も合わせて載せていますので、参考にしてみてください。
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なぜ「前職への不満」を聞かれるのか
結論から言えば、「どんな理由があって辞めてしまうのか」を知りたいと企業側が考えているからです。せっかく入社してもらっても、入社後に不満に感じてしまい早期退職してしまっては、企業側としても大きな損失になってしまいます。
企業はある程度のコストをかけて人材採用を行なっているため、入社した人材には長く自社で働いてほしいという思いがあります。
面接時に「前職への不満だった点」を把握しておけば、入社までに改善を行う、入社後に不満を感じさせない体制を整えるなどの対策ができます。自社に合う人物であるかを見極めるのはもちろんのこと、志望者の人となりやどのような考えを持っているかを確認したいと考えているため、「前職にはどんな不満がありましたか?」という質問がされます。
面接官が「前職への不満」を聞く意図とは
実際に「前職への不満」を聞く意図を細分化していくと、以下の3つに集約されます。
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入社後にすぐに辞めないかを見極めるため
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他責思考になっていないかを確認するため
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不満を改善する努力をしたかを見極めるたため
それぞれのポイントについて解説していきます。
入社後にすぐに辞めないかを見極めるため
繰り返しになりますが、企業側はある程度のコストをかけて採用活動を行なっています。入社後、すぐに退職されてしまうと、コストに合わず大きな痛手になってしまいます。
転職理由とも紐づけられますが、企業側は前職と同じ理由で退職されてしまっては、困ってしまいます。納得できる転職理由や退職理由であるか、前職への不満が納得感のあるものか、自社の状況と照らし合わせて長く働いていけそうかなどを回答から判断するのです。
少しでも志望者の本音を聞きたいという思いから、前職への不満の質問をしてきます。
他責思考になっていないかを確認するため
他責思考とは、起こった出来事を他の人の責任として考えてしまう思考のことです。自分が感じた不満も「同僚のせいで…」と他責思考で考えている場合は、心象が悪くなってしまいます。
たとえば「人間関係が悪い」という不満を抱えていたとします。回答として「自分がどんなにコミュニケーションに気を使ったとしても、相手からの反応が悪く、非常に居心地悪い環境でした。」とした場合、面接官はどのように感じるでしょうか。
一見すると自分に矢印を向けているようですが、相手が全て悪いというように聞こえなくもありません。職場では人間関係は必ず付きまとうため、面接官は少しでも人間関係が悪ければ辞めてしまうのではないか、という疑念が生じてしまいます。
他責思考ではなく、自分に矢印を向けられる人材であるとアピールすることが大切です。
不満を改善する努力をしたか見極めるため
どのような企業や組織でも、課題や不満は出てくるものです。一切の不満もなく、日々の仕事を行なっている人はほとんどいないと言っても過言ではありません。
企業側も転職する際には、何らかの不満があるから退職、転職を考えていることは理解しています。大切なのは、その不満を抱えたり、愚痴として吐き出すだけではなく、きちんと改善する努力を行なったかという点です。前段でも解説しましたが、他責思考の人材では良い印象を面接官に残すことは難しいでしょう。
給料に関する不満、仕事内容に関する不満、勤務地に関わる不満など、内容は千差万別です。
不満だからと言って、自分の抱えている思いだけを吐き出してしまうと、組織内で努力ができない人材だと思われてしまいます。また、不満があったら「すぐに辞めてしまいそう」というイメージを持たれてしまう可能性もあります。
不満を持った後に、どのように改善を試みたか、企業側はそこを見たいと考えています。
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「前職への不満」について回答する際のポイント
面接で実際に「前職への不満」について質問をされた際には、以下の5つのポイントに注意しながら回答していくことが大切です。
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不満はなかったと言わない
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一貫性のある内容にする
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ポジティブな変換をする
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言わないことを決めておく
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面接官に信用してもらうことを意識する
それぞれのポイントについて解説していきます。
不満はなかったと言わない
不満はなかったと回答することは避けた方が無難です。なぜなら基本的に不満があるから、転職活動をするのであって、不満がなければ前職のままで問題がないからです。もちろん特に不満がなく、やりたいことがあるからという人もいます。その場合は、その思いをぶつければ問題はありません。
しかし不満があるにも関わらず、「不満はなかった」と回答してしまうと嘘をつくことになってしまい、転職理由などと整合性が取れなくなってしまうケースも少なくありません。
大切なことはどのような不満があったのかを伝え、内容や話し方を詰めていくことです。前職に不満があったことは、面接官もわかっているため、素直に伝えていくのが良いでしょう。
一貫性のある内容にする
不満の内容は転職理由や退職理由と紐づけられるように、一貫性のある内容であることが必要です。一貫性のある内容であれば、面接官はあなたの不満の内容を素直に受け取れます。しかし、内容に一貫性がなければどこかに矛盾が生じてしまい、あなたの信頼度は落ちてしまいます。
たとえば「残業が多くワークライフバランスが整っていなかった」という不満があるにも関わらず、志望動機で「スキルアップのためには残業が多くても問題ありません。」と回答してしまうといかがでしょうか。
内容に一貫性がないため、面接官は混乱し、嘘をついていると思われてしまいます。不満についての回答を考える際は、転職理由や退職理由、志望動機、描いているキャリアプランと矛盾がないかを徹底的に確認することが大切です。
ポジティブな変換をする
前職の不満の内容はほとんどがネガティブなものです。しかしネガティブな内容をそのまま伝えてしまうと、愚痴のように聞こえてしまうため、回答としては好ましくはありません。
不満の内容はもちろんのこと、内容に対して自分はどのような努力をしたのか、改善するために必要なことは何かをどのように考えたのかなど、ポジティブな内容に変換していくと良いでしょう。
不満の内容をポジティブに変換ができれば、志望動機や退職理由についても説得力を持たせることが可能です。
たとえば「前職では希望の職種に就くことは叶いませんでしたが、スキルアップのために自主勉強に加え、多角的な視点を持つと強みになるかもしれないと考え、仕事を続けてきました。この経験を御社では…」という回答であれば、ポジティブな内容として伝わります。
どのようにポジティブに伝えられるかを考えながら、回答を作成してみましょう。
言わないことを決めておく
不満の内容は何から何まで全てさらけ出す必要はありません。言わないことを決めておくことで、不満の内容が限定的になり、回答も作りやすくなります。
たとえば「なんとなく人間関係が良くなかった」という漠然と感じていた不満であれば、言及する必要はないでしょう。具体化していない不満だと、面接官に良くない印象を与えてしまいます。
繰り返しになりますが、前職についての不満を聞く意図は、あなたが入社後にすぐに辞めてしまわないかを見極めるためです。不平不満だけを伝えると気持ち良い気分になりがちですが、どんなことでも話す必要はありません。この不満は言う必要はないというものを事前に押さえておくことが大切です。
面接官に信用してもらうことを意識する
転職面接では面接官に信用してもらうことで内定に近づきます。話の内容がしっかりしていたとしても、嘘くさいと思われてしまうと信用がなくなってしまいます。
難しいことですが、なんども練習を繰り返し、あなたの熱意を伝えることが大切です。スラスラと機械のように話す人よりも、たどたどしくも真っ直ぐ目を見て話す人の方が心を掴むケースも少なくありません。
前職に不満を感じていても、応募先に応募した理由は必ずあるはずです。志望動機と不満を関連付けて、熱意を込めて誠心誠意話すことが求められます。
不満の内容によって面接官に与えるイメージ
内容別に面接官にどのようなイメージを与えてしまうかを解説していきます。
主な内容は以下の通りです。
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人間関係が良くない
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残業が多い
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やりたい仕事ができない
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テレワークを続けたい
それぞれの内容について解説していきます。
人間関係が良くない
人間関係はどの企業に所属しても付きまとうものです。そのため人間関係が悪いという理由だけではなく、改善や良くするための努力をしているかが面接官の確認するポイントになります。
たとえば「人間関係に不満がありました。」というあなたの一方的な主張だけでは、面接官に以下のようなイメージを持たれてしまいます。
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入社してもらったとしても、人間関係が上手くいかなければすぐに辞めてしまうのではないか?
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人間関係を理由にしているが、人間関係が悪い理由は志願者にあるのではないか?
直接的なことに言及してしまうと、マイナスなイメージが付きやすいため、「価値観が合わなかった」「方針が合わなかった」など、言い換えた表現で伝えると良いでしょう。
残業が多い
残業が多い場合は「どれくらいの残業をしていたか?」がポイントになります。法定労働時間を超えるような残業であれば、問答無用で「それは多いね」という印象を与えられるでしょう。
しかし、「毎日1時間程度の残業が週に2回程あって多いと感じた」という回答だとどうでしょうか。ほとんどの面接官が許容範囲ではないかと疑問を持たれてしまいます。また、以下のような印象を与えることにもなりかねません。
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そのくらいの残業時間でつらいと感じてしまうなら、入社しても務まらないかもしれない
残業についての不満がある場合は、どれくらいの残業時間をしているか、その残業時間が納得してもらえるものかを確認しましょう。
やりたい仕事ができない
やりたい仕事ができないという不満を抱えている人も多くいます。望んでいた仕事があるのに会社都合で配属されずに不満に至ってしまうケースです。
しかし、やりたい仕事があったとしてもすでに実績のある人材がいるなどの理由から配置ができない場合も少なくありません。やりたい仕事ができないという主張だけでは、以下のような印象を与えてしまいます。
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やりたい仕事ができなくても、今の自分の役割をきちんと果たしてチャンスを待っていたのか?
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そもそもその仕事をやるスキルや能力が足りないのではないか?
やりたい仕事ができないという不満がある場合は、自分がこれまでの仕事においてどのような実績を残してきたか、やりたい仕事をするためにどのような準備をしていたか、現状の仕事でもどのような姿勢で挑んでいたかなどを合わせて伝えることが大切です。
また、なぜ希望する仕事をしたいのかも合わせて伝えられると良いでしょう。
テレワークを続けたいから
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、テレワークが広く普及しました。感染拡大も落ち着いてきたため、通常出社の業務に戻す企業も増えてきています。
こうした背景から「テレワークを続けたい」という不満を持つ従業員も増えてきました。しかしテレワークは仕事を行う手段であって、目的ではありません。通勤が嫌だからという理由では、面接官の納得を得ることは難しいでしょう。
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テレワークを続けたいと言っているが、必要な時は出社してほしいが難しいのか?
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今後はテレワークから通常出社の割合を増やす予定だが受け入れられないかもしれない
上記のような印象を面接官にもたれてしまう可能性があります。育児の両立ができる、生産性が出社するよりも〇〇%上がったなど、納得ができる理由と説明ができる準備を整えておくことが大切です。
決して楽だからという理由で、不満を述べてはいけません。
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不満の内容のケース別回答例文
本章ではケース別にそれぞれの回答の例文を紹介していきます。例文をそのまま引用するのではなく、言い回しや考え方などを自分の言葉に置き換える際の参考にしてみてください。
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残業が多いケース
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給与面のケース
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やりたい仕事ができないケース
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人間関係が理由のケース
残業が多いケース
<例文>
現職では入社以来、長時間労働や残業が常態化していました。具体的には毎日、夜の23時まで勤務しており、終電で帰るというケースも少なくありませんでした。私だけではなく、部内のメンバーがほとんど同様の残業時間となっており、幾度も職場環境改善の提案やアウトソーシング導入の提案、業務効率化を達成するためのツール導入の提案などを行なってきましたが、提案は受け入れてもらえず、変化はないままでした。今後のキャリアを進めていくうえでも、ワーク・ライフ・バランスを改善したいと考え、転職をしたいと考えました。
<解説>
残業時間がどれくらいだったのかを具体的な数字で述べ、改善につながるアクションについても示しています。不満に至っても仕方がないという説得力を持ち、今後、どのようにしていきたいかも明確な回答になっています。
給与面のケース
<例文>
現在の月収は16万円程度となっており、経済的にゆとりがないことが大きな理由です。入社して最初のうちはしょうがないのかなと感じていたのですが、同部署の先輩社員に話をしたところ、5年後でも大差ない給与だよと言われ、大幅な昇給は見込めないのが現状です。今後のキャリアプランや人生設計を考えると、この水準で推移していくのは厳しいと感じたため、転職を決意しました。そのためのスキルアップのための勉強や資格取得などを進め、御社に入社後は、売上への貢献を果たすことで、経済的なゆとりを持つキャリアアップをしていきたいと思います。
<解説>
現在の給与状況、そして未来の状況などを具体的な数字を交えて伝えているため、説得力が増しています。さらに将来的な将来的な不安にも違和感はなく、給与を上げるために行なってきたことなどを述べているのも良い点になります。
やりたい仕事ができないケース
<例文>
現在は営業職として従事していますが、現場のお客様の声を直に聞いているにも関わらず、商品企画に反映ができないことに限界を感じています。現職では企画と営業が分かれており、企画部では現場の声を吸い上げるという名目を掲げていますが、こちらの声がなかなか届いていないのが現状です。こうした現状から、何度も改善提案やプロジェクトの立ち上げを提案しましたが、コスト面を理由に採用はされませんでした。
私自身は良い商品を作り、それが人々を幸せにすると考えているため、御社の企画部でこれまでの経験を活かして精進したいと考えています。
<解説>
なぜやりたい仕事にいきたいのかが端的に伝わります。また不満に終わらせず、どのような改善を試みたかも相手にはイメージしやすいでしょう。キャリアを変える際は、志望動機などと一緒くたになりがちですが、なぜ不満に至ったかを軸に回答するように心がけましょう。
人間関係が理由のケース
<例文>
現職の職場では上司のマネジメント方針に違和感を感じたのが大きな理由です。現職では、ノルマが明確に定まっており、未達の場合は事あるごとにメンバーの前で叱責されます。皆の前でプレッシャーをかけるという方針らしいのですが、成果は芳しくなく、部署のほとんどのメンバーが叱責されるというのが現状で、退職者も後を絶ちませんでした。
営業部長などにも改善を要望したのですが、状況は変わらなかったため、心機一転をしたいと考えました。頭ごなしの叱責だけではなく、改善点の提案や指導も重要なマネジメントだと考えているため、御社ではさらに成長していき、業績に貢献していきたいと考えています。
<解説>
人間関係が悪いことについて直接的な言及せず、社風や考え方の違いによるミスマッチがあったことによる不満と言い換えると良いでしょう。なぜ合わないと感じたのか、改善するためにどのようなことをしたのかまでを含めて回答していくことを心がけましょう。
ケース別のNGな回答例
本章では前章の回答例と異なり、NGな回答例についても解説していきます。これまでも解説したように愚痴のような回答では面接官の心象を悪くしてしまうため、本章の回答を参考に避けるようにしてください。
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残業が多いケース
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給与面のケース
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やりたい仕事ができないケース
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人間関係が理由のケース
残業が多いケース
<例文>
現職では残業がかなり多いのが理由です。入社当時から定時で帰れた試しはなく、毎日1時間程の残業が続いています。他の人は定時で帰れているのですが、私だけいつも仕事が終わらずに残業が続いています。趣味の時間も割けないため、非常に不満を感じています。御社では、残業時間がほとんどないと聞いたため、仕事以外にも時間を割けると思い、志望しました。
<解説>
残業時間が毎日1時間程度は多いと感じてしまうかは難しいところです。しかし他の人が定時で帰れていると聞くと、面接官は単純にあなたの能力が足りていないのではないか?と疑問に感じるでしょう。さらに定時で帰ることが目的となっているため、実際の仕事をきちんと行なってもらえるかどうかの理由も良くありません。
極端なケースに聞こえますが、このような回答をする人は少なくありません。
給与面のケース
<例文>
給与が低すぎたことです。ここまで給与が低いと生活するので一杯一杯になってしまって、大好きな趣味などにお金をかけることができません。給与を上げてくれとずっと思っていたのですが、何も変わらなかったのが残念です。このままでは副業なども必要だなと感じているため、給与が今よりも良い会社に行きたいと感じています。
<解説>
ただ単に給与が低いという理由になっています。具体的にいくら貰っているのか不明瞭なことに加え、改善する努力も見えなかった回答です。スキルアップのための勉強や改善の提案もしなかった回答なので心象は悪くなってしまうでしょう。
また、給与が今より良い会社なのであれば、ウチでなくても良いのでは?とも思われてしまいます。具体的な数字を用いるなど、言い回しには注意が必要です。
やりたい仕事ができないケース
<例文>
入社してから、技術系の仕事が面白そうだと思い、何度か打診をしましたが受け入れてもらえませんでした。それまでは営業職として従事していましたが、自分的には合わないと感じていたのも理由です。
技術職はお客様と顔合わせる回数も少なく、自分のペースで仕事ができるのが魅力的だなと感じていました。やってみたいと思い、進言をしたのですが受け入れてもらえず、転職してやりたい仕事をしようと考えました。
<解説>
おもしろそうという理由だけの進言で、職種を変えるのは難しいだろうという印象を与えてしまいます。とくに技術職は専門的な知識やスキルも必要な職種で、それに対しての努力をしたのかという点も不明瞭です。
職種の変更は人員配置など、会社の都合にも左右されるため、自分の希望通りでいかないケースもあります。そのため、自分のわがままを押し通したいだけではないか?という疑念も与えかねません。
人間関係が理由のケース
<例文>
上司が自分に対して厳しすぎると感じて辞めたいと思いました。少しでもミスをしたら、ネチネチ注意を繰り返し、何度かは大声で怒鳴られたこともあります。常に自分の仕事に対して監視しているような状況で、毎日の報告書も書かされました。
これ以上、この上司のもとでは働きたくないと感じたため、退職して転職活動をしようと思いました。
<解説>
好き嫌いでの判断はNGの代表例と言えます。どの会社や組織に身を置いたとしても、合う人と合わない人は必ず出てきます。上司とソリが合わないという理由だと、自社でも同じことが起きてしまうのではないかと不安につながってしまいます。
人間関係を理由にする際は、自分に矢印を向けてどのように改善を試みたかなどを軸に話していくと良いでしょう。
面接官に好印象を与えるためのポイント
実際に不満を述べる際には、以下のポイントを意識することで面接官に好印象を与えられます。意識するかしないかは大きな差なので、きちんと押さえておくと良いでしょう。
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誠心誠意が一番であることを意識する
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他責思考ではなく、具体的にどのようにしたかを話す
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将来のビジョンと合わせて伝える
それぞれのポイントについて解説していきます。
誠心誠意が一番であることを意識する
面接では面接官に信用してもらうことが最も大切です。そのためには、誠心誠意話すことが大切です。面接官も人間なので、感情があります。職務経歴書からだけではわからない、あなたの性格や人柄などを見たいと思い、面接をするのです。
面接を行うということは、あなたに興味があると言っても過言ではありません。本当の自分を取り繕ってしまい、偽りの自分を作ってしまうと面接官にも嘘だと思われてしまいます。
感情に訴えかけるためには、誠心誠意話していくことが必要です。熱意と意志を持った回答は、必ず相手に伝わります。
他責思考ではなく、具体的にどのようにしたかを話す
「〇〇のせいでダメだった」「同僚の〇〇が悪くて自分が活きなかった」など、他責思考の回答は心象を悪くしてしまいます。たとえばプロ野球選手が「バットが悪くて打てなかった」という言い訳をすると、信用できないと感じないでしょうか。
他責思考であるうちは転職に成功しないと言っても良いでしょう。自分に矢印を向けて、何をするか、何をしてきたかを見ていくことが大切です。
そして不満があることについて、何をどのようにしてきたかを具体的に話すことを意識しましょう。もちろん嘘を付くことはいけません。具体的なエピソードや数字を用いることで、説得力が増していきます。
将来のビジョンと合わせて伝える
現状を変えたいという思いはもちろんのこと、将来のビジョンと合わせて伝えることで印象が良くなります。不満に思っていたことから何を学び、何を感じ、今後どのように活かしていきたいかを明確にすると良いでしょう。
将来のビジョンは志望動機などにも関連付けられます。志望動機や転職理由などに悩んでいるのであれば、現状の不満からつなげていくことも考えると良いでしょう。
10年、20年先の未来ではなく、まずは5年先の未来で自分がどのようになっていたいかを想像して不満と紐づけて考えてみてください。
まとめ
転職面接において、前職の不満を聞かれても慌てることはありません。きちんと整理して回答を準備することで、面接官に好印象を与えることにもつながります。
そのためには現状の不満は何かを明確にし、それをどう変えていく努力をしてきたかを具体的に落とし込むことが大切です。不満の内容は志望動機にも結び付けられるので、ぜひ自分の中で徹底的に落とし込んでみてください。
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