【新卒向け】印刷業界営業の志望動機とは?書く際のポイントやおすすめ構成を解説!
はじめに
デジタル化が進み、多くの人の中で情報源や娯楽が雑誌や書籍、新聞から掌の中のスマートフォンに代わりました。
現在もその流れは顕著であり、多くの出版社ではデジタル版も同時に発売されています。
しかし、紙媒体ならではのページをめくる高揚感や醍醐味に魅せられ、好んで書籍版を購入している方も少なくはありません。
今回は、紙媒体への思い入れがある学生に向けて、印刷業界を目指す方の志望動機の書き方について触れていきましょう。
【印刷業界営業の志望動機】印刷業界とは
印刷製品業界とは、印刷物の製造や取り引きを行う業態の総称です。
印刷製品を用途別に4つに分類できます。
まず、新聞や雑誌の定期出版やコミックや教科書などの不定期出版を扱う出版印刷があります。
次に、一般企業や団体の反訴用の印刷物や業務用の印刷物を扱う商業印刷、企業内の帳票などを扱う事務用印刷があります。
そしてさらに、食品や製品に貼られているラベルを作成するラベル&パッケージ印刷があります。
印刷業界を目指すのであれば、この4つは頭に入れておきましょう。
業界規模
次に、印刷業界の現状について話していきましょう。
印刷業界の規模は、2020年から2021年の間では3.6兆円と非常に大きいことが見受けられます。
しかし、2007年以降、ゆるやかな減少傾向にあることも見逃せません。
理由としては、やはり急速なデジタル化によるインターネットの普及やデジタル書籍の流通が挙げられるでしょう。
2007年といえば、米国でiPhoneが発売され、若年層を中心に爆発的に普及し始めた年です。
さまざまなアプリや、月額制で雑誌が読み放題のサブスクリプションが流通するなど、書籍との関係が大きく変化をとげてきています。
近年、デジタル化の流れは義務教育の場にも影響しており、タブレットを利用した教育など紙媒体以外での教育も普及しています。
将来性
印刷に関する企業は、全国に2万弱存在するといわれています。
しかし、現状は凸版印刷と大日本印刷の大手2社の寡占状態であることは否めません。
実際に2021年3月期の連結売上高は、凸版印刷は1兆4669億円、大日本印刷が1兆3354億円となっており印刷業界全体の売り上げの大部分をこの2社が担っていることが分かります。
また、大手二社は資金力が高いだけではなく、多角的に事業を展開しているという特徴もあります。
今や半導体関連製品やバーチャルリアリティー(VR)などの最先端のデジタル分野にも進出しているのです。
中小企業は大手二社の手の届かない業務を行い、下請けにまわり営業をしていますが、撤退を余儀なくされた企業も少なくはありません。
今後のデジタル化された時代を生き抜くためには、印刷分野よりも、非印刷分野で価値創造をする必要があるといえるでしょう。
【印刷業界営業の志望動機】営業の仕事内容
説明してきたように、印刷業界は縮小傾向にあることは否めませんが、大手二社を中心に、今までの技術やネットワークを活かしてさまざまな分野に手をのばしています。
グローバル化とデジタル化の流れに、いかに適応できるかが課題といえるでしょう。
印刷業界は今までのビジネスモデルからの脱却が要となる、まさに変革の時期にあるといえるのです。
このような印刷業界の売り上げを担う営業の仕事内容は、具体的にいうとどのようなものなのでしょうか。
主要な業務を3つピックアップして解説します。
クライアントにヒアリング
まず、クライアントにどのようなものを求めているのか、ニーズを引き出すのが業務のひとつです。
商談は基本的に印刷物発注担当者や、広報部・総務部などを中心に行われます。
定期発注の印刷物の受注だけではなく、新しく制作する印刷物の内容や種類について詳しく聞き、それに基づいてレイアウトや印刷用紙の種類などの企画を立てます。
最近では、SNSとの連動企画など、顧客のニーズを先取りした新しい形での印刷物の企画を提案するケースも増えています。
また、自社のコンテンツであるオウンドメディアを活かした戦略を行う企業が増えています。
ただ印刷するというだけではなく、プラスαの付加価値を与えられる企画が求められているのです。
資料作成
クライアントのニーズをつかみ、おおよその企画ができたら、企画書や見積書など契約に必要な資料を作成します。
営業が作成する資料は、分かりやすさがもっとも大切です。
なぜなら、企画の意図と自社で行うメリットをクライアントに訴求することが、営業の資料作成の最大の目的だからです。
そのため、デザイン性だけではなく、情報量が適切であるか、文字数と図や票の割合がよく見づらくないかなどクライアントの立場に立って、バランスが良いか検討する必要があります。
企画書は、課題の表示→課題に対する解決策→解決策による効果という流れで行われるのが一般的です。
企画書と見積書を作成してクライアントに提示し、納得していただければ、晴れて商談が成立したことになります。
印刷工場との連絡
契約が成立したら、印刷会社に企画を発注します。
発注する際には、企画書に沿って、予算、日程、部数などを細かく指定します。
しかし、発注したら一連の業務が終わりというわけではありません。
企画書通りに印刷が行われているかどうかも、密に連絡をとる必要もあるのです。
また、すべての部数を印刷する前に、試し刷りしたテストの印刷物をクライアントに見せ、満足したものになっているか確認します。
これは校正刷りで、業界ではゲラと呼ばれているものです。
ゲラに赤字で修正が入れば、また印刷会社に戻り、修正案のゲラを刷ってもらいます。
このように、クライアントと工場の間に立ち、クライアントが納得するものになるまで調整を繰り返すのも、営業の大切な仕事のひとつです。
【印刷業界営業の志望動機】志望動機を書く際のポイント
業界の現状と、印刷営業の主な業務内容について説明してきました。
志望動機を作成する際には、自己分析と同様に業界研究はとても大切です。
なぜなら、企業についての情報量は、熱意と同様に捉えられる傾向があるからです。
志望する企業が決まったら、より深く広く企業や取り巻く環境について掘り下げる必要があります。
それでは、志望動機を書く際に心がけてほしいポイントを4つピックアップしました。
さっそく紹介していきましょう。
「なぜ」魅力を感じたかを意識して書く
なぜその企業に魅力を感じたのか、そこに注力して書いていきましょう。
企業が志望動機で見ているポイントは「WHAT」よりも、「WHY」の部分であることをご存じでしょうか。
なぜなら魅力を感じた理由にこそ、その人の考えや価値観が含まれているからです。
企業が採用活動においてもっとも重視しているのは、能力や経歴以上に、学生とのマッチングといわれています。
どんなに優秀な学生であっても、企業の社風や考えと相性が悪ければ、早期離職につながるリスクがあることが大きな理由です。
費用や時間をかけて採用しても、戦力になる前に離職されては企業にとっては非常に大きな損失なのです。
そのため、なぜ企業を志望するのかを、競合他社にはないその企業の魅力を取り上げて説明する必要があります。
具体的に書く
志望動機は抽象的な表現を避け、具体的に述べるように心がけてください。
たとえば、「御社の企業理念に共感した」と言われても、取ってつけたような印象があり、説得力と信ぴょう性に欠けると思いませんか。
つまり、具体性のない文は訴求力に欠けるのです。
改善する際には
・「社員の方が魅力的だった」→目標意識を高く持ち、社員同士コミュニケーションをとりながら目標に向かって働いているところに、魅力を感じた
・「社会貢献されているから」→御社の〇〇の取り組みに、SDGs に関心を持ちボランティア活動に参加している私は感銘を受けました。
など、「たとえば?」と突っ込みが入らないように、エピソードを盛り込んでください。
採用担当者は、あなたとは初対面でほとんど情報がない状態です。
なるべく詳しく具体的に書くことで、あなたの人柄や個性が伝わるでしょう。
その企業にとって「核」の部分を取り上げる
企業の核となる部分に触れましょう。
具体的にいうと、企業理念や社風、方針などが企業のコアな部分です。
制度や社員の雰囲気などは、企業の魅力ではありますが、可変的な要素でもあります。
つまり、そこを志望動機にすると、入社後のミスマッチにつながる恐れがあるのです。
そのため、普遍的な部分を取り上げたほうが、地に足をつけて物事を考えているという良い印象を与えられるのです。
企業理念や方針については、企業のHPの会社案内や中期計画で確認できます。
より深く知りたいのであればOB/OG訪問をして、社員にしか知り得ない生の情報を手に入れるのも効果的な方法です。
自己分析で見つけた就活の軸と照らし合わせ、共通するポイントを探して企業にアピールしましょう。
挑戦し続けることを意識
新しいことに挑戦したいというチャレンジ精神を、意識して盛り込むと良いでしょう。
先ほども述べたように、デジタル化の影響を受けているために、印刷業界は斜陽産業であることは否めません。
そのため、大手2社を中心に、さまざまな事業に手を広げ、印刷以外の分野で利益を上げる企業が目立ってきています。
たとえば、凸版印刷はIoT機能を備えた住宅建材を開発し、AIを取り入れた多言語音声翻訳機を企業に提供していることでも知られています。
また、大日本印刷では、銀行や専門性を有する企業へのプラットフォームの提供、校務の効率化など、コンサルティング的な分野にも進出しています。
このように、印刷業界は新しい価値を生み出せるポテンシャルのある人材を欲しがっている傾向があるため、既存の枠組みに囚われず、柔軟な発想で新しいことに挑戦できることをアピールすると良いでしょう。
【印刷業界営業の志望動機】志望動機の構成
志望動機を作成する際には、企業の魅力を述べるだけでは不十分です。
なぜその企業を目指すのか、そして自分はどのような利益を与えられるのか、これらを就活の軸に沿って、論理的かつ分かりやすく説明する必要があるのです。
実際に、どのように書けば企業に熱意を効果的に伝えられるのでしょうか?
志望動機は、結論→具体的なエピソード→入社後に伝えたいことという流れに沿って述べるのが一般的です。
より詳しく説明していきましょう。
志望した理由
最初に、結論である志望した理由について触れます。
文章の第一印象にあたる書き出しで結論を述べることで、「なぜそう思ったのか?」「その後の話について聞きたい」と採用担当者の関心をぐっと引き付けるのです。
結論を先送りにすると、聞き手は結局何が言いたいのか分からないと、聞き飽きてしまう可能性があります。
そのため、「私が御社を志望したのは~だからです。」と、最初に志望理由を手短に述べ、その後詳細について述べていくスタイルが推奨されています。
就活の軸
就活の軸とは企業を選ぶ際に、自分の中で大切にしている、譲れない条件や基準を指します。
就活の軸は、自己分析をすることで明らかになります。
過去の経験から何を感じ、何を学び、何に喜びを覚えたか、その今までの価値観をもとに、就職活動をする上で譲れない軸がはっきりとするのです。
これまでの人生経験に基づいて決めた就活の軸は、価値観や考え方が表れているといえます。
自分にとって、働く上で大切なものは何かということもアピールしましょう。
志望している業界
就活の軸を述べたら、その軸に沿って志望している業界について説明していきます。
自分のもっている就職したい理由と業界を選んだ理由の接点を明らかにすることで、なぜこの業界を志望しているのかの整合性がとれ、志望動機全体に一貫性と厚みが生まれるのです。
基本的に就活の軸ありきの志望動機なので、論理的に整合性がとれなければ説得力は持たせられません。
自分の就活の軸と業界を選んだ理由について、整理しておくことが志望動機を成功させるポイントでもあるのです。
その中でその企業が良い理由
業界を志望する理由を述べたら、その後その企業を志望した理由について述べていきましょう。
たくさんの競合がいる中、なぜその企業を志望するのかは、志望動機の中で非常に重要です。
採用担当者を納得させるためには、企業だけの研究だけでなく業界の中の立ち位置や企業の強みや弱みについても研究して、自分の言葉で説明できるようにならなければなりません。
ここでは具体性が一層強く求められるので、手を抜かずにしっかりと述べてください。
入社後にやりたいこと
最後に、入社後にやりたいことや将来のビジョンについて書き、志望動機を締めくくります。
企業に入社した後のキャリアプランがはっきりと描けているということは、企業に対して熱意があり、企業研究をしっかりしていて今後の自分の働く姿が想像できているということなので、採用担当者へのアピールになるのです。
自己PRで触れた自分の強みに絡めて書けば、エントリーシートのほかの項目とも整合性がとれ、より説得力のある志望動機になります。
【印刷業界営業の志望動機】例文
印刷業界の営業職を目指す方に向けて、志望動機を書く際に抑えてほしいポイントと、推奨されている構成についてお伝えしてきました。
これらを踏まえた上で、さっそく志望動機を書いてみましょう。
とはいえ、いきなり書いてほしいといわれても、思うように筆が進まないという方も多いでしょう。
そんな方のために、異なるモチベーションから考えられた志望動機の例文を2つ紹介します。
書き方に悩んだ際は、参考にしてください。
例文①
私は貴社の色々なことに挑戦できる風土に魅力を感じ、志望いたしました。
私は、学生時代に本を読むボランティア団体を設立し、100近くの保育園や乳児園をまわり絵本を読んできました。
このように大好きな本に携わる業界で、チャレンジシップを活かし、新しいことに挑戦しながら貢献できる企業で働きたいと考えております。
御社は歴史ある印刷業界の企業でありながらも、カーボンニュートラルとESG経営へいち早く対応し、AI技術を活かした翻訳サービスなど時代を先読みし新たな分野に切り込んでいくところに、魅力を感じました。
これまでのノウハウの貴社が培ったノウハウを活かしながら、持ち前のパイオニニア精神をもとに、新しい価値を生み出し社会をより豊かにしたいと考えております。
例文②
私は貴社の鮮やかな色味を表現する印刷技術に感動し、志望いたしました。
私は、学生時代にバックパックで世界30か国を旅しながら各国の本を読んだ経験から、日本の持つ色彩の豊かさや繊細な色を紡ぎ出す技術のすばらしさに気づき、世界に広めたいと考えるようになったのです。
数多くの印刷業界がありますが、私が装丁を気に入り購入した書籍の多くが貴社で印刷しているものだということに気づき、貴社の唯一無二の印刷技術を世界に広めたいと考えるようになりました。
4か国語を自在に話せる語学力と、世界を自由に行き来した行動力を活かして、営業職としてよりグローバルなアジアを中心とした市場に、貴社のすばらしい印刷技術を広げていきたいと考えております。
【印刷業界営業の志望動機】就活エージェントを利用しよう
内定を得るためには、徹底した自己分析と企業研究が必須です。
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まとめ
印刷業界は、紙媒体の縮小のあおりを受け、厳しい状況に立たされていることは否めません。
しかし、非印刷業への介入を機に、新たなビジネスチャンスを手に入れ軌道に乗っている企業が多いのも事実です。
営業職を目指すのであれば、未開拓分野への参入という非常にやりがいのある業務に携われるチャンスかもしれません。
大きな変革のさなかにある印刷業界を目指す方は、チャレンジ精神を存分に企業にアピールして、内定をつかんでください。
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