既卒の就活方法とは?内定を勝ち取るための対策のやり方&就活の流れを解説
はじめに
既卒は新卒や中途採用よりも就活が難しいと言われています。
しかし、就活に成功しやすいか否かは人それぞれです。内定獲得数が多い人はそれなりの対策をとっていますし、なかなか内定が取れない人はやり方が間違っているのかもしれません。
今回の記事では、既卒の方が就活成功をさせるために効率的なやり方をご紹介しています。
今就活で悩んでいる既卒の方も、これから就活をする既卒の方も、ぜひこの記事でご紹介するコツを参考に就活にのぞんでみて下さい。
【既卒就活のやり方】そもそも「既卒」とは?
既卒とは、高校や大学・大学院などを卒業して概ね3年以内に就労経験がない人を指します。
その理由は人によって様々で、学校卒業後一定期間ニートをしていた方や海外留学で就労しなかった人などもいます。
第二新卒との違い
第二新卒も、学校を卒業してから3年以内の人を指します。
しかし、既卒との違いは就労経験があるかないかです。
既卒は学校卒業後概ね3年以内に就労経験がありませんが、第二新卒は新卒で就職をした経験を持っています。
いずれも学校卒業後3年以内の人ですが、社会経験があるかないかで大きく違うため、就活のしやすさも異なるのです。
フリーターとの違い
フリーターは、正社員や契約社員などの正規雇用とは違い、アルバイト・パートなどの非正規雇用の人を指します。
既卒はあくまで就労経験がない人を指しますが、フリーターはアルバイトでも仕事をした経験を持っているので、学校卒業後3年以内であっても既卒とは異なります。
【既卒就活のやり方】既卒就活の実情
既卒は社会経験がないため、就活で様々な企業の応募をしようとするとスキルや実績面で障壁があります。そのため、既卒の就活は厳しいと言われているのです。
しかし、それはあくまでイメージの話。実際には既卒採用を積極的におこなっている企業は多くあります。
ここからご紹介するのは、既卒就活の市場についてです。厚生労働省の確かなデータにもとづく情報からご紹介するので、ポジティブな気持ちでみてみてください。
7割の会社が既卒採用をしている
厚生労働省のデータによると国内の7割の企業が既卒採用をしていると言われています。
同データの10ページ目を見ると、既卒者の採用に至らなかったという企業は、全体の3割程度にとどまります。
既卒採用している企業が多い理由としては、昨今の人材不足によるものと想定されます。
新卒採用市場は人気企業に人材が取られますし、中途採用では数少ない転職者を多くの企業が取り合う現状です。
そのため、社会経験に乏しい既卒者も積極的に採用をしている企業が多いのです。
国が既卒者採用を推進している
厚生労働省が2010年に発表した「青少年雇用機会確保指針」によると、国内企業に既卒者採用を促進していることがわかります。
もともと既卒者は新卒でも中途採用でもない分類でしたが、学校卒業後3年以内なら新卒枠に応募をすることが可能になりました。
大手企業も既卒採用に積極的
前述したとおり、国も既卒者の採用を促している世の中ですから、大手企業も既卒採用に積極的な傾向にあります。
JILPTの調査によると、従業員数1,000名以上の企業の多くが既卒採用に積極的です。
大手企業ですら人手不足に悩まされている世の中ですから、応募可能とする人材の層を限定している場合ではないというのが現状でしょう。
新卒枠で大手企業を逃してしまった人も、諦める必要はありません。
行きたい会社に既卒採用枠がないかチェックしてみましょう。
新卒枠よりも不利なことが多い
国内企業のほとんどが既卒採用に積極的といっても、実際には新卒採用の方が優先されています。
新卒なら複数の人材を採用して一度にまとめて教育できるので、企業としても非常に効率的というわけです。
既卒者を採用するときは基本的に1名が相場なので、社会経験のない一人に対して多くの時間をかけるのは厳しいというのが、企業の本音です。
【既卒就活のやり方】既卒就活の流れ
実際に既卒の方が就活を進める際、どのようなルートを辿れば効率が良いかを把握しておきましょう。
やり方を知っているか否かで、内定成功率は格段に上がります。
興味のある職業を探そう
まず優先して求人応募して欲しいのが、興味のある職業を探すということです。
自分が好きな分野なら効果的な志望動機を作成できますし、熱意を込めて就活に臨めるので、ポジティブな気持ちですすめられます。
やりたい職業がなくても、好きな分野なら楽しくキャリアアップできるかもしれません。
やりたいことがない人は、優先的に自分が好きな業界や職業に絞って探してみてください。
既卒採用している企業を探そう
転職サイトで求人案件を探すときに着目したいのが、「既卒歓迎」などのワードです。
転職サイトなどの場合、案件の多くはキャリア採用です。
いわゆる即戦力を求めている企業が多いので、既卒者は優先順位を低くされてしまうでしょう。
内定を早くもらうためには、自分を採用してくれそうな企業から探すことです。
既卒採用企業の検索は転職エージェントがおすすめ
既卒者に最もおすすめな求人検索方法は、転職エージェントを活用することです。
転職エージェントならあなたの特性や状況に応じて適切な求人を紹介してくれます。
そのほかにも、レジュメの添削や面接対策もサポートしてくれるので、何かと不安の多い既卒者の就活には非常に心強い存在になるでしょう。
書類選考対策を進めよう
就活の第一関門が書類選考です。
履歴書や職務経歴書で効果的なアピールができなければ、面接にこぎつけることさえできません。
そのために、求人案件に応募をしたらまず書類選考対策を綿密におこないましょう。
志望動機や自己PRで語る内容を考えた上で、相手に刺さるかどうかを客観的にみてみてください。
もし少しでも不安があれば何度も書き直してみましょう。
なお、転職エージェントでは書類添削をしてくれるので、文章作成に自信がない方は利用してみてください。
面接対策を進めよう
面接での印象があなたを採用してくれるかどうかを決めます。
就活の最終関門なので、書類選考対策以上に対策を進めましょう。
面接対策は、まず想定される質問に対して回答を用意しておきましょう。
自己紹介や志望動機、自己PRなどの一般的な質問に加え、既卒者は学校卒業後の空白期間についても質問されます。
卒業後に就職せず何をしていたのかを説明できるよう、具体的なエピソードを用意しておきましょう。
【既卒就活のやり方】既卒者が内定獲得率をアップするコツ
既卒者が内定確率をアップさせる取り組みは、基本的に新卒就活と同様のプロセスです。
自己分析で自分のアピールポイントを見つけることから始まり、行きたい業界や企業の情報を調べて面接で具体的な回答ができるようにしておきましょう。
また、既卒者は企業の中途採用枠でキャリア人材と戦うことも想定しなければまりません。
職歴がなくても、できるだけスキルをアピールできるように資格の取得をしておくのも良いでしょう。
自己分析をする
自己分析をすると自己理解度が高まります。
自分の長所や価値、やりがいに感じるポイントなどがわかるので、就職先の企業選びの際に役立ちます。
また、自分の強みが理解できれば面接での自己PRで役立ちます。
大手転職サイトなどでは無料のオンライン自己分析ツールがあるので、ぜひやってみてください。
業界研究をする
業界研究は、行きたい業界の情報を調べ上げることです。
業界研究をすることで、その業界の知識が身につくため、面接で専門的な回答を求められたときに役立ちます。
また、まだ行きたい業界がざっくりとしか決まっていない人も、改めて業界研究をして情報を得ることで具体的なキャリアプランがイメージできます。
業界研究をするには、ビジネス系記事や業界トップ企業の書籍やインタビュー記事などを読むとある程度わかります。
企業研究をする
企業研究は応募先企業が決まってからおこなうプロセスです。
企業研究をすると応募先企業の特徴だけでなく、表には出ていない魅力的なポイントがわかるので、面接で志望動機を語る際に有利です。
企業研究をするには、まず応募先企業のホームページをチェックすることから始めましょう。
代表のメッセージや沿革、経営方針などを知ることでその企業の方向性や社風が理解できるようになります。
資格を取得する
時間的に余裕があれば、就職に役立つ資格を取得しておくのも良いでしょう。
パソコンスキルを測るMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)やITパスポートはどの企業でも重宝されますし、語学力を提示するためのTOEICなどのスコアを取っておくのも良いでしょう。
そのほかにも、介護初任者研修や電気工事士など専門的な資格も比較的取得しやしと言われているので、行きたい業界に合致する資格があれば受けてみてください。
【既卒就活のやり方】既卒者におすすめの職種
やりたいことがまだ決まっていない既卒者は、既卒者が就職しやすい職種を優先的に選んでみてはいかがでしょうか。
今からご紹介する職業は、未経験から始められて安定的な収入が得られる傾向にある職業です。
ぜひこれらの職業を視野に入れて就活をしてみてください。
営業
営業は新卒でも中途採用でも「未経験OK」と採用活動する企業が多くあります。
必要なスキルは基本的にコミュニケーション能力だけで、あとは仕事を進める中で覚えていくので、ゼロからスタートする既卒者にもおすすめです。
また、営業は業界によって高収入を得ることもできます。
たとえば不動産業界の営業なら物件1軒あたりの成約金額が大きいため、インセンティブも大きい傾向にあります。
営業として適性があれば、着々と年収アップをしていくことも見込めるでしょう。
事務
事務は基本的なパソコンスキルがあれば就業できる職種です。
ExcelやWord、PowerPointなどがある程度使えればすぐに職務につくことができます。
また、事務はいわゆる会社の縁の下の力持ち的な存在です。
営業や技術者を事務でサポートするのが役割なので、人の役に立つことにやりがいを感じる方におすすめです。
SE(システムエンジニア)
システムエンジニアはある程度の技術がないと仕事を進めるのが難しいですが、若い年齢ならゼロから成長させてくれる企業も多くあります。
昨今はAI時代の到来によりIT業が盛んです。
システムエンジニアなどのIT技術者も人材不足なので、業界全体で若手の技術者を成長させようと励んでいます。
また、仕事が板についたら高収入を得られる可能性も高いです。
携わるプロジェクトなどによりますが、若手のSE人材でも年収1,000万円以上稼いでいる人もいるので、非常に夢のある仕事と言えるでしょう。
販売職
販売職は、アパレルやスーパー、ドラッグストアなど様々な小売店で活躍しています。
ある程度のコミュニケーション能力さえあれば未経験からスタートできるので、就労経験がない既卒の方にもおすすめです。
また、販売職は意外にも業務内容が幅広く、単なる接客業というわけではありません。
正社員として入社したら店舗のスタッフ教育やシフト管理、発注業務など多岐に渡ります。
短期間で多くのことを学べるので、早くキャリアアップしたい既卒者におすすめです。
介護職
介護職は少子高齢化に伴い、人手不足が著しい業界の一つです。
従来は有資格者しか働くことができませんでしたが、最近では無資格から入社した後に資格取得支援制度を利用して有資格者にアップグレードさせてくれる企業も増えています。
介護業界はこれからも需要がどんどん高まる業界の一つなので、将来的にも安定してキャリアを歩めるでしょう。
工場作業員
工場での製造スタッフなども、未経験OKとして求人募集する企業が多くあります。
工場作業員はマニュアル通りに丁寧な仕事を進めることが求められますが、やることはシンプルなので、職歴がない既卒の方におすすめです。
また、大手製造メーカーの工場スタッフは学歴や職歴問わずに募集していることも多くあります。
大手企業の社員としてスタートできるチャンスも眠っているので、狙い目の業界と言っても過言ではないでしょう。
公務員
公務員は基本的に新卒で就職する人が多いですが、「社会人採用枠」を利用すれば既卒者でも挑戦することができます。
社会人採用枠で応募できる条件は自治体によりますが、概ね35歳くらいまでなら応募することができるので、学校卒業から年数が浅い既卒者は十分にそのフィールドに乗ることができます。
公務員は退職金も見込めるので、長期的に安定して働き続けたい人におすすめです。
【既卒就活のやり方】採用されやすい人の特徴
既卒者は就活が厳しいというものの、採用されやすい人は一定の特徴を持っています。
それが次の4つです。
- コミュニケーション能力が高い人
- ストレスに対する耐性が高い人
- 説明が上手な人
- 専門性を極めている人
社会人としてゼロからスタートしても違和感のないコミュニケーション能力やストレス耐性、専門性を極めた堅実な人は採用されやすい傾向にあります。
自分が少しでも当てはまっていれば自信を持って就活のフィールドにのぞめるのではないでしょうか。
コミュニケーション能力が高い人
どの職業でもコミュニケーション能力が求められます。
なぜなら、会社という一つの組織で働く以上他者との関わりは避けられないからです。
個人プレーをし過ぎてしまうと組織の輪をみ出してしまうことにもなりかねませんので、仲間と共に切磋琢磨できる人がむいています。
また、とくに営業や接客など顧客と折衝する仕事に応募する場合は尚更コミュニケーション能力が求められます。
ストレスに対する耐性が高い人
社会に出ると、どんな職業でもストレスがかかるものです。
しかしその感じ方は人それぞれ。
ほんの少し辛いと感じて退職を決意する人もいますし、辛くても歯を食いしばって頑張り続ける人もいます。
企業は一つの組織に長く働いてくれる人材を募集しているので、何事にもめげずに忍耐力を持って仕事にのぞめる人を欲しいと思っているのです。
説明が上手な人
巧みな話術で説明する必要はないですが、ある程度話が上手な方が当然採用確率は上がります。
実際に会社員として働くときも分かりやすい説明力が必要ですが、面接でもこのスキルが十分に発揮されます。
説明上手な人は自分のアピールを具体的にできる傾向にあるので、面接官の印象に残りやすくなるでしょう。
専門性を極めている人
行きたい会社が専門的な職種を求めている場合、その分野に精通した人を優先的に採用したいと考えています。
既卒の方でその業界未経験だとしても、専門的な知識があれば採用市場の厳しいフィールドに乗ることができます。
経験がない分、スキルで勝負するというわけです。
【既卒就活のやり方】求人探しも選考対策もエージェントを利用しよう
厳しい既卒就活をより効果的に進めるためにおすすめなのが、就活・転職エージェントを利用することです。
エージェントに登録をすれば自分の適性やスキルに応じた企業を紹介してくれますし、書類選考対策や面接対策などのサポートもしてくれます。
また、面接日程調整など企業とのやりとりも取り持ってくれるので、就活が初めてでビジネスマナーに不安がある人にも心強い存在と言えます。
登録は無料ですし、登録して損することはありません。
むしろ求人選びも選考対策もプラスに運んでくれる貴重な存在なので、利用しない手はないと言っても過言ではないでしょう。
まとめ
既卒の就活は非常に厳しいものですが、効率的な進め方さえ覚えてしまえば、早い段階で内定を勝ち取ることができます。
今回ご紹介したことを参考に、まずは求人探しからおこなってみてください。
なお、転職エージェントに登録をすればあなたにぴったりの案件を紹介してくれるので、道に迷いがちな既卒の方にもおすすめです。
SHARE この記事を友達におしえる!