【営業の仕事】販売職やコンサルとの違いは?仕事内容や必要なスキルには何がある?

【営業の仕事】販売職やコンサルとの違いは?仕事内容や必要なスキルには何がある?

目次
  1. はじめに
  2. 【営業職の仕事内容】営業職の役割とは
  3. 【営業の仕事内容】営業の種類
  4. 【営業の仕事内容】営業の一般的な仕事内容
  5. 【営業の仕事内容】営業職に必要な能力とは
  6. まとめ

はじめに

営業職といえば「商品やサービスを販売する仕事」というのが一般的なイメージですが、実際に営業マンが毎日どのような仕事をしているのかということについて、深く理解している人はあまり多くないかもしれません。

営業職は新卒採用でもっとも求人の多い職種であり、文系大学を卒業した学生の7割は営業職を経験するともいわれています。

営業職を目指すのであれば、営業の仕事がどのようなものなのか、しっかりと理解する必要があるでしょう。

【営業職の仕事内容】営業職の役割とは

「営業職とはどのような仕事なのか」を一口に説明するとすれば「自社の取り扱う商品やサービスを顧客に買ってもらい、売り上げに貢献する仕事」ということになるでしょう。

しかし、ただ顧客に売り込みをかけるだけでは、なかなか売り上げにはつながりません。

商品やサービスの詳しい情報を提供したり、実際に購入したときにどのようなメリットが生まれるかといったことを説明し、顧客の購入意欲を高めたりするのも、営業の大切な仕事です。

販売職との違いは?

「自社の商品やサービスを販売する仕事」という意味では、営業職も販売職も同様です。

事実、両者は非常に混同されやすく、営業職を目指している就活生の中にも「営業職と販売職の違いがよくわからない」というケースが多く見られます。

しかし、会社では営業の部署と販売の部署がわかれていることからもわかるように、その役割には明確な違いがあります。

両者を区別するうえで1番の大きな違いは、「顧客に購買意欲があるか・ないか」です。

たとえば、デパートの化粧品売り場で考えてみましょう。

化粧品売り場を訪れる顧客は、基本的に化粧品に興味があり、気に入ったものがあれば購入したいと考えています。

そして、そのような購買意欲をもつ顧客に化粧品を販売するのが、販売員の仕事です。

一方、営業職が対象とする顧客は自社の商品やサービスを知らない、もしくは興味がないというケースがほとんどです。

そのような顧客に商品やサービスを紹介し、購入してもらえるように働きかけるのが、営業の仕事ということになります。

コンサルティングとの違いは

コンサルティングも、営業職と混同されやすい仕事のひとつです。

コンサルティングとは、顧客が現在抱えている問題点を洗い出し、その問題点を解決するための方法や手段といったものを指摘するのが主な仕事内容です。

たとえば、ある企業において人件費が膨らんで、その費用が経営を圧迫しているような状態であれば、従業員を減らすことのできる効果的な人員配置を指摘することや、効率的な経営に必要なシステムの導入などを提案するのがコンサルティングの仕事ということになります。

このように、営業が顧客のほしいモノを提案するのに対して、コンサルティングは顧客がほしいかほしくないかといったことに関係なく、必要と思われるモノを提案するという点で違いがあります。

コンサルティング営業とは

では、コンサルティング会社は顧客の課題解決のための方法や手段といったものを提案するだけなのかというと、そういうわけではありません。

大手コンサルティング会社の中には自社内に情報システム部門をもつところも多く、顧客の課題解決のために自社のシステムを売り込むということもよく見られます。

このように、自社の商品やサービスを絡めながら顧客の課題解決のための総合的なソリューションを提案する仕事を、コンサルティング営業と呼びます。

【営業の仕事内容】営業の種類

同じ営業職でも、業界や企業によって働き方が異なります。

たとえば、法人を取引相手とする企業と個人を相手とするB企業では、当然ながら営業手法はまったく別です。

手法が異なれば求められる能力も違ってくるわけで、仕事のミスマッチを防ぐという意味でも、営業の種類を理解することはとても大切なことです。

ここでは、法人営業と個人営業、新規開拓営業とルートセールス、外勤営業と内勤営業という3つの観点から、営業職の違いを見ていきます。

企業か、個人か

取り引き相手となる顧客別に営業職を分類するとすれば「法人営業」と「個人営業」の大きく2つに分類することができます。

営業職としてBtoB企業への就職を希望するのであれば仕事は法人客を相手とすることになりますし、BtoC企業への就職を希望するのであれば個人営業の仕事をすることになります。

同じ営業職であっても、法人営業か個人営業かによって働き方も変わってくるので、就活をスタートさせる前に、両者の違いを明確にしておく必要があるでしょう。

法人営業

法人営業は、企業など法人の顧客を対象とする営業職のことです。

法人営業がメインの業界には、商社業界や広告・メディア業界、人材業界、インフラ業界などがあります。

法人営業は企業間の取り引きとなるため、1件あたりの金額が大きくなるのが特徴です。

特に大規模な情報システムの導入や企業保険への加入といった契約は非常にスケールの大きな取引となるため、営業マンの責任も、大きなものとなります。

また、個人営業とは、お金の出所が異なるという大きな違いもあります。

たとえば個人に自動車を売り込む場合、購入するのは基本的に営業相手ですから、本人を納得させれば、売り上げにつなげることができます。

しかし、法人の場合は、担当部署の社員が購入したいと思っていても、最終的に購入する判断を下してお金を出すのは企業本体です。

ですから、法人営業の場合は、担当以外の部署の人たちも納得させるだけの合理的なアプローチが必要になってきます。

個人営業

個人営業は、個人の消費者を対象とする営業職のことです。

個人営業がメインの業界としては自動車業界、不動産業界、保険業界などがありますが、このような業界においてすべてが個人営業というわけではなく、法人を対象とした営業も行われています。

取り引きの金額は、法人営業に比べると少額です。

個人営業の仕事の特徴ですが、先ほどもいったように、個人営業の場合は基本的に営業相手が購入者ということになるので、相手の購入意欲をいかに刺激するかがとても重要になります。

購入の決断をなかなかしてくれない顧客に対しては、ある程度時間をかけて信頼関係を築くことも求められるでしょう。

しかし、その一方で、短時間のうちに契約が決まることがあるのも個人営業の魅力のひとつです。

購入希望者とお金の出所が異なる法人営業では、このようなことはまずあり得ません。

営業相手とお金の出所が同一である個人営業ならではといえるでしょう。

新規か、既存か

営業手法という観点から見れば、営業職の仕事は「新規営業」と「既存営業」の2つに分類することも可能です。

新規営業とは、これまで取り引き実績のない新しい顧客を開拓するための営業のことで、既存営業とはすでに取り引きのある顧客との継続的な関係を構築するための営業のことです。

既存営業は、ルートセールスと呼ばれることもあります。

ここでは、新規営業と既存営業の仕事内容の違いやアプローチの方法などについて詳しく見ていきます。

新規営業

新規営業とは、個人・法人を問わず、これまでまったく取引を行ってこなかった顧客に対しての営業活動のことです。

いわゆる「飛び込み営業」といわれるものも、この新規営業のひとつの手法です。

初対面となる顧客の会社や住居を訪問して直接商品やサービスを売り込むことになりますが、ほとんどの相手は商品のことを知らないわけですし、ほしいとも考えていないので、多くの場合は話も聞いてもらえず断られてしまいます。

そのため、心が折れてしまう人も多いようです。

ただ、最近はあらかじめテレアポ営業を行って、営業先を訪問する手法が主流となっています。

とくに企業の場合は信頼性も重要になるので、事前にしっかりとリサーチを行うケースがほとんどです。

既存営業

既存営業とは、新規営業とは対照的に、すでに取り引きの実績のある顧客に対して行う営業活動のことです。

たとえば、企業における日常的な営業活動で使用する消耗品や、季節ごとに必要となる商品などを定期的に発注してもらえるように信頼関係を築くというのは、既存営業の重要な仕事内容のひとつとなります。

すでに取り引きの実績があるということで「新規営業と比べると精神的な負担も少なく、楽な仕事だ」というイメージをもつ学生も多いかもしれません。

しかし、良好な関係性を維持するためには商品を購入してもらうだけでなく、購入してもらった商品のメンテナンスなどのフォロー業務にあたるなど、既存営業には既存営業の大変なところもあります。

場所による違い

営業活動を行う場所という観点から営業職を見ると、営業職は「外勤営業」と「内勤営業」の2つに分類することができます。

営業職の一般的なイメージとしては、外勤での営業活動の印象が強いと思いますが、近年は内勤での営業活動を行う企業も増えてきています。

外勤営業と内勤営業では手法がまったく異なりますし、向き・不向きもあるので、営業職を目指すならば、両者の違いを十分に理解して、どちらが自分に適しているかを判断しましょう。

外勤営業

オフィスを飛び出して法人営業なら企業や商店など、個人営業ならお客様のご自宅などに出向いて、セールスを行う手法のことです。

汗をかき、靴をすり減らして顧客回りをするという、昔ながらの営業スタイルともいえるかもしれません。

外勤営業では1日に何件もの顧客を訪れることも珍しくないので、いかに効率的に移動するのかといったことも、大きな成果を出すために重要になります。

そのため、営業事務のスタッフと力を合わせて営業活動を行うケースも多く、移動ルートを考えたり、見積書や資料を作成したりする事務的な作業は営業事務に任せて、営業マンは商談に集中するといった営業手法を取る企業も増えてきています。

内勤営業

内勤営業とは、自社のオフィスの中で営業活動を行う手法のことです。

インサイドセールスと呼ばれることもあります。

営業マンは、あらかじめ売り上げを見込めそうな顧客をリストアップし、そのリストに応じてオフィス内から電話やメール、Web会議ツールなどを使って顧客にアプローチを行い、自社の商品やサービスを売り込みます。

営業マンは移動の必要がなく、時間や場所にも縛られないため、効率的な営業活動を行うことが可能です。

また、カウンターセールスも内勤営業の一種です。

旅行代理店などでは、顧客のほうが店舗に出向いて、移動手段や宿泊先の交渉を行うのが一般的です。

ただし、ネットの普及やコロナの問題もあり、最近はウェブ上で販売を行う非接触型のカウンターセールスも増えてきています。

【営業の仕事内容】営業の一般的な仕事内容

営業の仕事に興味をもっている学生のために、ここでは営業職の一般的な仕事内容とその流れについて詳しく説明していきます。

営業の仕事は、どちらかといえば個人プレー重視で、場当たり的なイメージがあるかもしれませんが、実際はそうではありません。

しっかり戦略を立て、時にはチームプレーで仕事にあたることも、効率的に仕事のためには必要になってきます。

就活対策としてだけでなく、入社後のキャリアアップのためにも、営業の仕事の流れを理解しておくようにしましょう。

①アプローチ先の検討

営業の仕事でまずやるべきことは、どのような相手をターゲットにするのかを選定する作業です。

営業には、飛び込み営業のように無作為に数多くの顧客を訪問するという手法もありますが、効率の悪さは否めません。

とくに法人営業の場合は、いきなり会社に訪問して「担当者に合わせてくれ」とお願いしても、「アポイントを取ってから来てください」と追い返されてしまうでしょう。

それでは時間の無駄にしかなりません。

効率的な営業を行うためにも、まずは様々なデータから「話を聞いてくれそうだ」「商品を購入してもらえるかもしれない」という顧客をリストアップすることが先決です。

そして、リストの中で優先順位をつけ、その順番通りにアプローチをかけていきます。

②商談

アプローチ先の選定が済んだら、次に実際に顧客にアプローチを行いアポを取り付け、商談のセッティングをします。

アプローチの選定の時点である程度購入意欲のある顧客をピックアップしていますが、契約にもち込むには、もう一押しが必要です。

自社の商品やサービスにはどのような特徴があるのか、実際に使ってみるとどのようなメリットがあるのか、といったことを、わかりやすい資料などにまとめてアピールしていきます。

また、予算面での配慮も重要です。

どんなにいい商品であっても、予算をオーバーしていては購入してもらえないので、もしも値引きの交渉を持ちかけられたときにその場で価格を提示できるように、あらかじめどこまで値引きできるのか決めておく必要があります。

③受注・手配

取引先との商談が順調に進めば契約成立となるわけですが、営業マンの仕事は、契約が成立すれば終わりというわけではありません。

注文を受けた商品やサービスを必要な数だけ手配して、取り引きがスムーズに行われるようにサポートするのも営業マンの大切な仕事のひとつです。

数量を間違えてしまったり、スケジュール通りの納品ができなくなってしまったりすると、契約をキャンセルされてしまう可能性もあるので、関連部署と密に連携を取りながら、慎重に仕事を進めていきます。

④納品

手配した商品の発送準備が整ったら速やかに納品しますが、納品が済んだからといって、安心できるわけではありません。

納品した商品の中に不具合があることや、必要な数が揃っていないといったトラブルが起こることもあります。

このようなときに、会社の代表として顧客との間に立ち、できるだけ迷惑をかけないように迅速に対応するのも、営業マンの仕事です。

たとえミスがあったとしても、その後の対応に満足してもらうことができれば、継続的な取引が期待できるでしょう。

⑤請求業務

顧客との契約時には、代金を請求するタイミングや支払い方法、分割回数、納入期限などについても確認が必要であり、この確認を行うのも営業マンの仕事です。

一般的な契約では、商品を納入した時点で代金を請求することになるので、このタイミングで請求書を作成して顧客に手渡します。

請求書の作成時には、万が一にも間違いがないように、複数の社員によってチェックされます。

また、支払いの期日が来た時点でしっかりと代金が支払われているか確認する作業も、営業マンの業務のひとつです。

⑥アフターフォロー

法人営業の営業マンは、御用聞きでもあります。

取引先の企業を定期的に訪問してニーズを探り、ニーズに合った商品を提案することもとても重要な仕事です。

また、一度納品した商品やサービスの状態を常にチェックし、なんらかの不具合が生じたときには迅速に対応します。

このように、取引先の企業の経営をサポートして信頼関係を築き、継続的な取引をしてもらえるようにアフターフォローに力を入れるのも、営業マンとして成功するためには欠かすことのできない業務です。

【営業の仕事内容】営業職に必要な能力とは

営業職を目指す学生にとって、ゴールは会社から内定をもらうことではありません。

入社してからも営業マンとして活躍し会社の業績に貢献することで、給料もアップしますし、キャリアアップも目指すことができます。

では、営業の仕事で活躍するためには、どのような能力が必要になるのでしょうか。

ここでは、営業として働いていくうえで重要となる能力、ぜひ身につけておきたいスキルなどについて詳しく紹介していきます。

課題発見能力

営業マンとして一番大切なのは、顧客がどのような課題を抱えているのかを把握する能力、つまりは「課題発見能力」です。

顧客が現在抱えている課題を解消するために、どんな商品やサービスを購入したいと考えているのかを理解することができれば、簡単に契約へと結びつけることができるからです。

また、顧客からしてみても、自分に必要なモノを適切なタイミングで提案してくれる営業マンは貴重な存在ですから、継続的な取引が期待できます。

ヒアリング力

これは課題発見能力にも関係することですが、顧客との何気ない会話の中からでも、相手のニーズを引き出すことのできる「ヒアリング力」も営業職には欠かせない能力といえるでしょう。

まだ、信頼関係の築けていない状態では、営業マンに困ったことを何もかも相談するのは難しいものです。

しかし、相手の話の中から上手に悩み事などを聞き出す力があれば、その悩みを解消するための商品を提案することができるので、売り上げにもつながります。

コミュニケーション力

コミュニケーション能力も、ぜひ身につけておきたい能力の1つです。

コミュニケーション能力というと一般的には「初めての人に対しても物怖じすることなく明るく話ができること」を意味しますが、営業職に必要なコミュニケーション能力は、少し違います。

営業において大切なのは、顧客との信頼関係であり、同じ目線に立ったうえで相手が何を言いたいのかを理解し、相手の望むこと提案を明確に伝えることです。

いかに相手の心の中に入り込むことができるかが重要になります。

まとめ

ここまで、営業職という仕事について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

営業という仕事は、モノを売りつけるだけの仕事と考えられがちですが、実際にはそれだけではないということがわかっていただけたと思います。

また、営業職はどの業界にも存在するわけですが、取引先が企業か個人か、対象が新規顧客か既存顧客かなどによって、働き方がまったく異なることも理解していただけたでしょう。

営業の仕事に対しての理解を深めることで、混同されがちな販売職やコンサルティング営業などとの違いも明確になります。

営業職は課題発見能力やヒアリング能力、コミュニケーション能力のある人に向いているので、そういった能力に自信がある人は、営業職を目指してみてはいかがでしょうか。

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