ランニングコストとは具体的に何を指す?効率的に削減する方法まで徹底解説!
はじめに
今回は「ランニングコスト」について、くわしくご説明いたします。
ランニングコストという言葉は聞いたことがあっても、大体のイメージしかわからず、具体的にそれが何を指すのか、まだあまりよくわかっていない方も多いのではないでしょうか。
ランニングコストは、建物の維持管理やビジネスにおいて、事前によく考えるべきポイントであり、その詳細を理解しておくことが大切です。
まだあまりご存知ない方は、これからご紹介するポイントを確認して、ランニングコストへの理解を深めましょう。
ランニングコストとは
そもそも「ランニングコスト」とは何を指すのかというと「物の維持にあたって必要となる費用のこと」を指します。
より説明を具体化すると、建物や設備・機器などを維持管理するために、建築後にかかる建物や物などの修繕費用や、管理にかかる費用をまとめて総費用がランニングコストになるのです。
そのため、ビジネスにおいては、設備や装置などを維持・活用したり、社員の業務をサポートしたりするために必要なコストのことを意味します。
ランニングコストの具体的な例としては、設備のメンテナンス費用・修繕費用・光熱費・コピー代・オフィス代などがあげられます。
このように、ランニングコストは建物の維持管理やビジネスにおいて、継続的に発生し続けるのが特徴です。
ランニングコストに関連した言葉
一口にランニングコストと言っても、それらに関連する言葉がいくつかあります。
なかでも、「イニシャルコスト」と「ライフサイクルコスト」の2つは、ランニングコストを理解するにあたって、押さえておきたいポイントです。
なぜなら、この「イニシャルコスト」と「ライフサイクルコスト」がよく理解できていないと、ランニングコストを十分に考慮しきれません。
以下でそれぞれについてくわしく説明しますので、一緒によく確認していきましょう。
イニシャルコストとは
「イニシャルコスト」とは、簡単にいうと「初期費用」のことを指しています。
建物やビジネスの維持管理において、継続的にかかるランニングコストとは異なり、最初の1回のみ支払う費用がイニシャルコストです。
そのため、新しく事業を始めるために必要な費用や、新しく建物を建築(購入など)においてかかる費用のことを指します。
イニシャルコストは、維持管理を始めるにあたって最初に負担する費用です。
そのため設定する際は、どのくらいの利益をどれくらいの期間で回収できるか、見通しを立てる必要があるのです。
また、新しい機器を導入する際にかかる初期費用や、それらにかかる電気代・メンテナンス費用もこのイニシャルコストに該当します。
ライフサイクルコストとは
「ライフサイクルコスト」とは、ランニングコストとイニシャルコストを合わせたもののことです。
新しい事業や建物の維持管理を始めるにあたって、導入から廃止までのコストを一貫して考えたものです。
ビジネスにおけるライフサイクルコストをより具体化すると、事業を開始するにあたって必要な初期費用(イニシャルコスト)から、定期的にかかる設備や建物の修繕費用やメンテナンス費用、光熱費などの維持管理にかかる総費用(ランニングコスト)を合わせたものといえます。
そのためライフサイクルコストには、そのビジネスにおいて発生するすべての費用が含まれているのです。
ライフサイクルコストを想定しておけば、起こりうる経済的損失や社員の負担をなどのリスクを事前に避けられるようになります。
ランニングコストを抑えるためのコツ
ビジネスにおいて、ランニングコストは定期的にかかる費用であるため、事前の考慮や十分な見直しが必要です。
なぜなら、ランニングコストを低く抑えられると、大きくコストを削減しながら、うまくビジネスを進められるようになるからです。
ランニングコストを抑えるコツとして「オフィスコストを見直し」「電子機器関連のコストを見直し」「社員への働きかけ」の3つに注目することが大切です。
以下でそれぞれくわしくご紹介していきますので、よく確認しておきましょう。
オフィスコストを見直す
まずランニングコストを抑えるには、オフィスコストを見直すことが大切です。
「オフィスコスト」とは、その名の通り「オフィス(職場)でかかる費用」のことを指します。
具体的には、家賃や印刷などにかかるコピー代・事務用品代・筆記用品など、オフィスで必要なものにかかるコストのことです。
このオフィスコストは、ビジネスの維持管理において、設定が高くならないようよく考慮しておくポイントの1つになります。
オフィスコストを見直すには、より安いもので導入したり、消耗品を減らしたりすることが大切です。
また近年では、テレワーク導入によってより安いオフィスへ移転したり、出社社員を減らして光熱費なども抑えたりするほか、電子化を進めて紙類の印刷にかかる費用を削減したりすることがコツになります。
電子機器関連のコストを見直す
ランニングコストを抑えてより効率的にビジネスを運営するには、電子機器関連のコストの見直しが必要です。
電子機器関連は、維持管理において費用がかさみやすく、出費が多くなってしまう1つでもあります。
近年では、IT技術の発展が著しく、作業効率向上の観点からあれもこれもと新しい電子機器につい手が出てしまいがちです。
しかし、そのように業務の効率化を重視しすぎると、機能性を考慮するあまりに新しいものへの買い換えでコストがかさみ、ランニングコストを抑えられなくなってしまいます。
電子機器関連のコストを見直すには、すべて購入してそろえるのではなく、リースレンタルなどのサービスの導入を検討することがおすすめです。
導入においては、そのビジネスにおけるメリット・デメリットや、使用期間・値段やそのほかの制限を事前に確認しておきましょう。
社員への働きかけ
オフィスコストや電子機器関連にかかるコストの見直しだけでなく、それらの意識を社員に働きかけることは、ランニングコストを抑えるにあたってとても重要なポイントです。
なぜなら、ランニングコストというのは、社員が仕事をするうえでかかる費用も多く含まれます。
そのため、ランニングコストを抑えるような意識を社員に働きかけている企業とそうでない企業では、発生するコストに大きな差が生まれてしまうのです。
具体的な例を出すと、電気代やコピー代、そのほかの用品代を節約することが必要といえます。
それらの節約は、社員の協力人数が多いほど効果が大きいため、会社としてランニングコストカット目標を掲げるのであれば、社員の協力を得るように働きかけましょう。
ランニングコストカットにおいて気をつけること
ランニングコストの削減は大切ですが、ただそこだけ尽力しても、結果的に会社が利益を出せなければその意味はなくなってしまいます。
ランニングコストのカットにおいて気を受けるべきポイントは、「働きやすい環境を維持すること」「負担を分散させること」「本来の目的を理解すること」の3点です。
これらの点を意識しなければ、作業効率の低下につながる可能性もあるため、注意が必要です。
以下でそれぞれくわしくご紹介しますので、参考にしてみてください。
働きやすい環境を維持する
コストを削減することも大切ですが、ビジネスの維持管理においては、何より働きやすい環境を保つことが大切です。
ランニングコストカットに注力しすぎてしまうと、作業効率より価格を優先してしまい、社員の働く環境の整備をおろそかにすることもあります。
たとえば、事務用品の質やストックを大幅に下げると、使いにくい用品で社員が作業せざるを得なくなったり、社員が自腹で買わなければならなくなったりといった問題が発生します。
ランニングコストカットに注力したあまりに、そのような問題が発生すると、社員のモチベーションは低下し、さまざまなトラブルが生じやすくなってしまうでしょう。
行き過ぎたランニングコストカットは、業務に支障が出るだけでなく、売り上げも下げてしまう可能性があるため、十分に気をつけましょう。
負担を分散させる
ランニングコストカットをする際は、それによって生じる負担もきちんと分散させることが大切です。
コストがかかっているところを発見すると、その部分の削減に注力してしまいがちですが、一点を重点的にコストカットをすると、その分の負担も増えてしまいます。
そのため、一部の従業員や、特定の部署にのみランニングコストのカットを強いることは避けましょう。
一部に偏ったランニングコストカットをしてしまうと、不公平性からくる社員の不満や、部署間のトラブルを招きかねません。
社内環境を守りながらランニングコストカットをするには、社員が納得できるようなランニングコストカットの計画を立て、それらへの理解を深めてもらえるよう働きかけることが大切です。
本来の目的を理解する
ランニングコストをカットする本来の目的は、ビジネスの維持管理にかかる費用を抑えて、会社の利益をあげることにあります。
しかし、ランニングコストカットのやりすぎによって、社員のパフォーマンスや業務効率が低下してしまうと、サービスの低下や収益の低下につながってしまうので注意しましょう。
そのため本来の目的を忘れて、ランニングコストカットに注力してしまうと、結果的に利益が下がってしまうこともあります。
そうなってしまうと、損失が増えるだけでなく、社内環境も悪化してしまい、どんどん悪循環に陥ってしまいます。
ランニングコストカットにおいては、本来の目的を忘れずに、程度を考えながら利益をあげられるように実施しましょう。
おわりに
今回は、ランニングコストについて具体的にご紹介いたしました。
ビジネスの維持管理においては、事前によくこれらの点について理解しておくことが大切です。
イニシャルコストやランニングコストを安く設定することは大切ですが、それらに注力しすぎてしまうと、本来の目的を見失いやすくなってしまいます。
上手にコストを削減しながらビジネスを維持するには、社内環境や社員の意見を取り入れながら、十分に考慮して実施するように心がけましょう。
SHARE この記事を友達におしえる!