証券会社の営業はきついのか?実態についてくわしく解説
はじめに
就職解禁日が近づき、いよいよ就職活動が本格化していきます。
この時期になると、志望職種や業界をふるいにかけている方も多いでしょう。
特に営業職は学部や学科を問わないことが多く、さまざまな会社で募集しているので、志望する学生が多い人気の職種かと思います。
本記事では、特に給与が高いイメージのある証券会社の営業について、メリットやデメリット、適性のある方の特徴をご紹介します。
給与が高いというのは本当なのか、激務で大変だといううわさは本当なのか、少しでも証券会社の営業に興味のある方は参考にしてみてください。
【証券会社はきつい?】証券会社の仕事内容
「証券会社は給与が高い分、労働時間が長くきびしい」という話をよく耳にします。
いわゆる「ブラック企業」と呼ばれている会社も中にはあると聞きますが、実際に証券会社で勤務している社員たちが、どのような業務をこなしているか、ご存じでしょうか。
証券会社の営業職の特徴を知る前に、まずは仕事内容にはどういったものがあるのか、見ていきましょう。
証券会社の仕事内容に関する記事をご用意しましたので、くわしくはそちらをご参照ください。
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【証券会社はきつい?】証券会社の営業がきついと感じる理由
証券会社の営業は、激務なイメージや体育会系なイメージが強いと思います。
「想像通り楽な仕事ではない」という話をよく聞きますが、具体的にはどのようなところがきびしいのでしょうか。
実際の仕事内容や金融業界の実情をふまえて、証券会社勤務のきついところをご紹介します。
労働時間が長い
証券会社に勤務すると、毎朝出勤前に最新の経済状況や、株式の相場確認などをチェックすることが必要になります。
出勤も、規定の時間より早く出社しなければいけません。
顧客に提出するための資料をそろえる、ミーティングを行うなどの事前準備を万全に整えてから、やっと業務開始になります。
規定の業務をこなしたあとも、残務処理や打ち合わせ、報告や書類作成など、夕方以降もデスクワークに追われることがあるようです。
仕事量の多さから、気づいたら夜になっているということも珍しくない職業です。
始業が早いことに加えて、帰りは遅い時間になるため、残業時間が100時間を超えるという月もあり、労働時間の長い分類に入るといえるでしょう。
このようにハードスケジュールを毎日こなさなくてはいけないため、証券会社に勤めるうえで大変なこととして、労働時間の長さは多くあげられています。
ノルマが多い
証券会社では、過去の成績は評価対象として認められません。
日々結果を残し続けなければ、出世や昇級を望めない世界です。
そのため、新規開拓・預かり資産総額・債券・株式売買手数料など、さまざまなノルマに追われながら、同時に業務をこなす必要があります。
そして、そのどれも決して簡単な業務ではありません。
債券は、ごく一部を除いてすべて変動制の金融商品であるため、相場は刻一刻と変化します。
すすめた商品が値上がりすることもあれば、もちろん値下がりすることもあります。
相場の調子が良いときの営業は良くても、相場の調子が悪くなったときの営業は、決して楽ではありません。
どのような状況でも一定のノルマを同時にクリアし続けなくてはいけないことが、証券会社ならではのきびしさといえます。
相手にされないことがほとんど
新規開拓の営業などに当てはまることになりますが、そもそも相手にされないことが日常茶飯事である職業です。
1日中電話でアポイントを取り、加えて直接足を運んで営業を行ったとしても、契約に至らないことが多々あります。
契約が取れないというだけではなく、営業の仕事では門前払いに終わってしまったり、怒鳴られたりすることも珍しいことではありません。
ごく一部の「ブラック企業」と呼ばれるような会社では、ノルマをクリアするまで、全員が立ったままテレアポをすることもあるそうです。
証券会社は、体育会系のイメージが強いといわれる業種の1つです。
そのイメージ通り体力はもちろん、精神的にも強くないとこなせない仕事といえます。
常に勉強が必要
相場は24時間365日、常に変化するものです。
また株式市場の傾向は1日で大幅に変動することもあり、毎日欠かさずチェックしなくてはいけません。
世の中の仕組みや流れについて理解し、さらに説明ができないと、契約どころか顧客からの信用を失うという結果に終わってしまいます。
証券会社勤務をまっとうするためには、経済の状況や金融市場が日々変動していく中で、常に最新の情報にアップデートしなければいけません。
日本の市場が閉じているときでも世界のマーケットは動き続けていますし、業務時間外や休日・祝日であっても、金融市場は動き続けています。
そのため、早朝から寝る直前までチェックすることはもちろん、休日であっても勉強をおこたることは許されないのが、証券会社社員の大変なところです。
【証券会社はきつい?】証券会社の営業のメリット
証券会社勤務のきついところをご紹介しました。
これだけ聞くとかなりきびしくてつらい業界に聞こえてしまいますが、一方で、証券会社勤務には良い点もあります。
きびしい業務や多くの勉強も必要な業種ですが、その見返りはかなり大きいものです。
次は、証券会社に勤めることで得られるメリットをご紹介します。
給与面と福利厚生
ベースの給与は、基本的には他業種の営業職と基本給はあまり変わらないといえます。
しかし、証券会社はインセンティブ制度や歩合給を取り入れている企業が多く、結果を出せる社員は若いうちから稼ぐことが可能です。
金融業界は給与の高いイメージが強く、とりわけ証券会社は高額を稼げるといわれています。
一概に証券会社といっても基本給は企業によりますが、大企業では三十代で年収が1,000万円を超える人も少なくありません。
また、ボーナスも基本的には個々人の営業成績によって変わってきます。
そのため年収は人や年により上下しますが、やはり結果重視の世界です。
積極的に良い成績を残せる社員にとっては、固定給の企業よりも稼ぐことができるでしょう。
人間的に成長ができる
証券会社勤務は激務ではありますが、その分人間的に成長できるといえます。
顧客は経営者などある程度の富裕層が多く、普段出会えないような人材と直接話すことができます。
そのような特別な経験が良い刺激となることが、多くあるようです。
また、業務をこなすうえで常に世の中の経済知識を蓄えることが必須の職業であるため、自ずと多くの知識を得られます。
世界情勢や国内の動向など、いつでも最新の情報を取り入れて学ぶ姿勢が身につくため、自然とビジネス的な感覚を磨けるのです。
加えて、業界を通して株や証券のさまざまな仕組みを学べます。
金融に関する知識や経験を広く取得することで、プライベートで行う資産運用や、資格の取得に活かすことも可能です。
成果が目に見てわかる
証券会社では、ご紹介した通り結果が重要視される世界です。
インセンティブ制度を取り入れることが一般的であるこの業界では、どのようなプロセスを踏んだかということよりも、成績が大事になります。
良くも悪くも成績は数字で見られるため、誰がどのくらい契約を取ったかなどは、誰が見てもすぐにわかるシステムになっているのです。
結果を出せば出しただけ評価は上がりますし、数字としてあらわされることで自身の成果が可視化され、モチベーションにつながります。
成果がわかりやすいということは、成績を上げれば会社からも認められやすいということです。
自身の努力した結果がそのまま評価や給与につながると考えれば、仕事へのやりがいを感じられるでしょう。
【証券会社はきつい?】証券会社の営業に向いている人の特徴
ここまでは証券会社に勤めるうえでの、メリットとデメリットをご紹介しました。
勉強量が多い、結果重視の歩合制であるなど、さまざまな特徴をつかめたかと思います。
それでは次に、このような特徴のある証券会社で働くのに向いている人とはどういった人材なのか、ご紹介します。
コミュニケーション能力が高い人
多くの人と関わる職種であるため、コミュニケーション能力が高いことは必要不可欠な要素です。
営業職ではどの業界でも当てはまりますが、やはり顧客と良好な関係を築くことが業務上で最優先事項になります。
顧客との普段の会話から営業は始まっているため、説明能力に加えて高いコミュニケーション能力がある人物は、顧客から好印象をもたれやすいのです。
特に金融業界では顧客が一定以上の富裕層が多いこともあり、しっかりとしたマナーを意識して会話できる人物が好ましいです。
また営業では、会話や説明能力も必要ですが、顧客の話をよく聞いてニーズをしっかり把握することが大切といえます。
話すことがうまいだけではなく、いわゆる聞き上手な人材は、証券会社での勤務に向いているといえるでしょう。
向上心の高い人
証券会社の社員は、常に社会情勢や金融の知識を蓄えなくてはいけません。
ただ毎日の業務をこなすだけで身につくものでは、情報のアップデートは追いつきません。
毎日の株価の変動や市場の傾向などを自ら進んでチェックし、常に最新の情報を取り入れなくてはならないのが証券会社での仕事です。
そのため向上心が強く、能動的に物事を学べる人材は、証券会社に入ってもその姿勢を活かせます。
またチャレンジすることが好きという人も、自らの知識を自ら活かすという証券会社での業務にやりがいを感じられるでしょう。
常に成果を求められる職種ですので、向上心がある人は目標が明確化しやすく、このような結果重視の仕事に打ち込みやすいといえます。
メンタルが強い人
先ほどもご紹介しましたが、証券会社の営業は断られたり、怒鳴られて門前払いされたりすることが珍しくありません。
また、ノルマを達成できないことが原因で叱咤されることもありますし、一定の成績をあげ続けることが当たり前のように求められる世界です。
そのため、証券会社での勤務は常にプレッシャーや不安がつきまといます。
体力もかなり必要になる職業ですので、体の疲れも相まってメンタルがいつもより弱ってしまうことも考えられます。
営業を断られ続けてもへこたれない打たれ強い人や、叱咤されてもすぐに切り替えられるなど、気持ちの切り替えが得意な人でなければ、精神的に苦痛に感じてしまう可能性が高いのです。
一方で、忍耐力のある人物や精神的に強い人物は、この業界において重宝されるといえるでしょう。
【証券会社はきつい?】証券会社の営業に向いていない人の特徴
証券会社で勤務するにあたって、どのような人物に向いているかをご紹介しました。
メンタルが強い・向上心が高いなど、学ぶことの多い証券会社で働くために特に、必要な特徴についておわかりいただけたかと思います。
それでは反対に、どのような人物が証券会社に向いていないのか、その特徴をご紹介します。
傷つきやすい人
メンタルの強い人が証券会社での仕事に向いている一方で、傷つきやすい人は業務に苦痛を感じやすいかもしれません。
先ほどもご紹介した通り、証券会社での営業は断られることが多く、ときには社内外を問わず怒鳴られることも珍しくありません。
そのため、注意されたことを引きずりやすかったり、きつい言葉を真に受けてしまったりする人には、かなりストレスがかかる仕事になってしまうでしょう。
またプロセスよりも結果重視の仕事なので、どれだけ努力しても結果が出なければ評価されません。
傷つきやすい人は繊細な傾向にありますので、仕事の課程でも気をつかい、努力する人が多いです。
しかし、結果重視の世界では、プロセスでの努力はあまり評価の対象にはならないので、心が折れてしまう可能性が高いといえます。
相手の気持ちを考えすぎる人
営業をかける際は、相手には迷惑をかけることが前提にあります。
特に電話での営業や飛び込みでの営業は、相手の時間も割くことになるので、多少の図々しさを持ち合わせていないと行動できません。
繊細な方は相手の気持ちが考えられる分、考えすぎてしまう傾向にあります。
「この電話迷惑じゃないかな?」などと相手の気持ちを考えすぎてしまうと、営業の仕事は成立しません。
顧客のニーズを考えることが必須とはいえ、こちらもビジネスですので、契約をしてもらえるまで何度も粘る場合もあります。
1日に何本も営業の電話をかけることや、断られた相手に何度も営業をかけることは日常茶飯事です。
相手の迷惑を考えてしまう人には、きびしい業務になるでしょう。
証券会社での勤務は、多少の神経の太さや図々しさがなければ務まらない仕事であるといえます。
まとめ
証券会社に勤めるうえでのメリット・デメリットに加え、証券会社での勤務に向いている方の特徴や向いていない方の特徴までご紹介しました。
証券会社での苦労や、その分得られる大きな経験があることもおわかりいただけたかと思います。
現在、まさに就職活動が本格化していく時期で、志望の業種や業界もかなり絞られてきているでしょう。
実際に企業説明会に足を運ぶことも証券会社を知る大事な一歩です。
少しでも興味のある方は、本記事であげられていたことを参考に企業研究を進めてみてください。
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