はじめに
文系大学を卒業した人が営業職に就く割合は7割といわれています。
多くの人がまずはプレイヤーとして勤め、数年経った頃に、将来のキャリアプランについて考えるのではないでしょうか。
自分は営業のプレイヤーが向いていると思う場合や、キャリアアップのために役職への昇進を目指す場合もあるでしょう。
本記事では、キャリアアップの選択肢の1つである「営業マネージャー」という役職について、仕事内容や求められること、必要なスキルなどをご紹介いたします。
営業マネージャーとは
一般的に、営業職のほとんどは顧客に商品を販売するプレイヤーです。
その中でも営業マネージャーはプレイヤーが集まっているチームの予算達成のために、戦略の立案や売上管理・プレイヤーの育成・チームのマネジメント・上長への報告などを担っています。
会社の業績を伸ばすために、一人ひとりのプレイヤーを管理し、サポートしながら予算達成のために司令塔のような役割を担うため、その責任は大きいです。
また、計画した営業戦略が結果を出しているか検証する必要もあり、都度改善が必要であれば営業手法を変えたり、目標数値を設定し直したりなどの見直しも行わなければなりません。
ちなみに、プレイングマネージャーという役職であれば、自分自身にも予算が割り振られるため、管理業務のほかに自身も商談に取り組んでいきます。
営業マネージャーの仕事
営業マネージャーの仕事は、大きく分けて3つです。
予算を達成するための営業戦略の立案、現場で商談を行うプレイヤーの育成、経営サイドの上長へ数字の報告が主な仕事といえるでしょう。
これらは、プレイヤーと経営サイドをつなぐパイプのような役割でもあり、営業マネージャーに昇進することは、経営サイドに近づいているともとらえられます。
今回は主に、営業マネージャーならではの仕事といえる「営業戦略の立案」と「プレイヤーの育成」について、詳しく解説いたします。
@戦略を立てる
まずは会社の業績を伸ばすために、会社の経営戦略をもとに営業戦略を立てることが営業マネージャーの重要な仕事です。
会社の経営方針をよく理解し、それに合った具体的な戦略を立てることが求められます。
支社を増やすなどといった事業の拡大をする経営方針であれば、新規顧客を獲得できるような能力がプレイヤーには必要となり、営業マネージャーはそのような人材を育成しなければなりません。
また、利益を伸ばすことに注力する経営方針であれば、商談の成功率を上げる力や、アポイントの獲得能力がプレイヤーに求められます。
そして、こういった経営戦略と現場のプレイヤーやチーム全体を俯瞰して、実行できる営業戦略を立てることが、営業マネージャーの重要な仕事なのです。
Aプレイヤーの育成
営業マネージャーの大切な仕事として、もう1つ、プレイヤー個々人の育成もあげられます。
目標を達成できていたとしても、それが1人のトップセールスマンの成果であれば、チームとしては問題があります。
そのため、一人ひとりのプレイヤーの業績をこまめにチェックし、分析したうえで個別にアドバイスをすることが重要です。
数字を追うだけだとチームは崩壊してしまい、プレイヤーをやさしく育てるだけでは、数字は伸びないかもしれません。
育成については一人ひとりの状態をしっかりと把握して、どうアドバイスすればプレイヤーが成長するかを考えることが必要でしょう。
それによって、チーム全体のレベルを底上げし、目標を達成することが営業マネージャーには求められます。
ポイントはPDCAサイクルを回すこと
営業戦略を立て着実に成果を出していくには、日々結果と照らし合わせながら、その戦略が効果的であったか検証を行い、必要に応じて改善を繰り返す必要があります。
わかりやすくいうと、「営業PDCA」を回すという仕事です。
PDCAサイクルとは、「P=Plan(計画)」「D=Do(実行)」「C=Check(検証)」「A=Action(改善)」という一連のプロセスを指します。
営業職においては販売計画を立てて営業活動をし、売り上げが計画通りに伸びているかを確認し、営業方針や方法を改善させる、という内容がPDCAにあたるといえます。
営業マネージャーになるには
それでは、このような責任ある仕事を任される営業マネージャーには、どのような人が採用されるのでしょうか。
まず、プレイヤーとしてしっかりと実績を残していることが大前提になります。
そのほか、経営サイドや多くのプレイヤーとの意思疎通を潤滑に行えるコミュニケーション能力や、自社の商品について深く理解していることなどが求められるでしょう。
将来、営業マネージャーを目指す方にとっては、どれも早い段階から頭に入れておきたい項目です。
@プレイヤーとしての成績を残している
営業マネージャーを採用する際の第一条件に、プレイヤーとして十分な成績を残していることが必須になります。
実際に現場で営業に携わるプレイヤーを育成するにあたり、マネージャー自身に豊富な営業経験がなければ、プレイヤーを指導する以前に信頼を得ることも難しいでしょう。
「この人の言うことなら受け入れてついていこう」と思わせるような実績や、営業能力があってはじめて、多くのプレイヤーを束ねる、マネージャー職を務めることができるのです。
A自社商品・サービスを十分に理解している
次に、自社商品や自社のサービスをよく理解していることが求められます。
プレイヤーが商談で契約を得られないとき、営業マネージャーはどこに原因があり、何を提案すれば解決できるかという分析をしなければなりません。
そのため自社商品以外に、顧客についても理解できていれば、より深くニーズを察知し、それに見合った自社商品を提案できます。
それによってはじめて、マネージャーとしてプレイヤーに的確なアドバイスができるのです。
B十分なスキルが身についている
最後にチームを束ねるリーダーシップ性や、経営サイドとプレイヤー個々人と、スムーズに意思疎通できる高いコミュニケーション能力、また計画に従って実行するスケジュール管理能力などのスキルが必須です。
どれか1つ欠けたとすると、チームの運営が行き詰まってしまったり、状況を立て直すことができず、赤字を招いてしまったりするなどの可能性があるでしょう。
このように、営業マネージャーには、さまざまなスキルがバランス良く求められるのです。
営業マネージャーに求められること
実際に営業マネージャーに昇進した場合、マインドや基本のスタンスとして、どのようなことを求められるのでしょうか。
これにはチームを束ねて結果を出す上司であるという自覚や、プレイヤーの意見を受け入れる柔軟性、問題が起きた際の素早い行動力などがあげられます。
具体的には、チームのモチベーションを上げつつ維持することや、自分自身の成長を止めない意識などが含まれるでしょう。
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。
@上司である自覚
チームを束ねる営業マネージャーは、所属している全プレイヤーの上司にあたります。
なお、マネージャーは管理職であり、チームを運営するうえで、支配と管理の違いをしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
この点をとらえ違えてしまうと、目標達成のために、ともに切磋琢磨するチームの団結を壊してしまう可能性があります。
また、部下全員を平等に接しつつ、プレイヤーを信じて仕事を任せることも重要です。
それにより、プレイヤーは安心し、モチベーションを保ちながら力を発揮できます。
ときには、悩んでいるプレイヤーに自ら声をかけたり、サポート体制を作ったりしておくことも大切な役割です。
このように、上司である自覚をもつことが、チーム全体を良い状態に保つポイントでしょう。
A意見を受け入れる
営業戦略を立てるにしても、マネージャーが独断的すぎる場合、うまくいかないこともあるでしょう。
そのため、部下であるプレイヤーからの意見を積極的に引き出し、良い意見は素直に受け入れていくことが重要です。
そして指示を出すばかりのマネージャーでいると、知らぬ間に独裁的なチーム管理となってしまい、チームの目標達成も難しくなり、行き詰まってしまいます。
プレイヤーが意見を出しやすい空気感にすることで、業績的な結果につながり、結果的にマネージャーの評価にもつながるでしょう。
B素早い対応
問題が起きたときや営業戦略がうまくいっていないときに、それらを見逃さず素早く対応できるかどうかは、営業マネージャーの手腕にかかっていると言っても良いでしょう。
「営業PDCA」のAction(改善)が遅いと、次第に業績も下がってしまい、取り戻すまでの時間もさらにかかってしまいます。
また、良いときも悪いときもプレイヤーへ素早くフィードバックをすることで、モチベーションを維持しやすく、悩みを抱えすぎないという良い状態をキープしやすくなります。
まとめ
今回は営業職の方へ向けて、キャリアアップの選択肢である営業マネージャーの仕事内容や、求められるスキルなどについて、詳しくご紹介いたしました。
営業マネージャーはプレイヤーよりも経営サイドに近く、管理職であるため、さまざまなスキルをバランス良く、高い水準でもっていることが前提になります。
責任も重く、結果を出すために常に分析とプレイヤーの育成・サポートをしなければならない、大変な仕事ではありますが、やりがいはひとしおでしょう。
キャリアアップに悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にし、営業マネージャーを目指してみてはいかがでしょうか。
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