【海外営業とは】海外営業の仕事内容ややりがいを紹介!向いている人の特徴も解説!
自分のスキルや経験を活かした仕事をしたいと思ったことはないでしょうか。
海外留学の経験やTOEICのスコアや、これまで学習してきたことを活かしたいと思うのであれば、海外営業に就くのも1つの方法です。
憧れを感じる海外営業の仕事ですが、仕事の実態などはなかなか知ることができていないのではないでしょうか?
今回は海外営業に就くために必要とされる特徴やなり方、求められることや注意点などについてご紹介していきます。
【海外営業の仕事内容】海外営業とは
海外営業は海外企業を対象とした営業職です。
主な仕事内容は企業によって異なりますが、海外企業との商談・製品を現地から輸出入・現地マーケティングなどがメインの仕事です。
また、海外企業には海外の現地法人に所属して現地で働くタイプと、国内にいながら海外企業を対象に営業活動をするタイプの2つに分けられます。
相手とする企業が海外の企業であるため、語学力や文化に慣れることが必要ですが、やっていることはあくまで営業であり、ほかの営業職と変わりはありません。
なお、海外営業として働くためには、まず日本国内の商社やメーカーなどで営業職に就くことからはじまります。
海外営業の即戦力として中途採用されない限り、入社直後から海外赴任や海外営業の仕事をすることはありません。
入社後は日本国内で営業職または各部署で会社の仕事を覚えることからスタートします。
そしてある程度地道な実務経験と営業実績を積んで、海外営業の仕事に抜てきされる流れが一般的です。
海外営業に抜てきされても、はじめは国内での営業がメインになるため、海外出張がとともなう仕事や現地駐在をしながらの営業活動ができるわけではないようです。
様々な企業の海外営業
海外営業と一言で言っても、様々なタイプの営業が存在します。
国内の大手商社やメーカーに所属し、取り扱っている商品を海外企業に取引してもらえるようにアプローチする営業や、証券会社などがあります。
これらの国内企業は海外に現地法人を持っていることがあり、そこで働くのが海外営業の仕事です。
また、逆に海外の企業が日本法人を持っていることもあり、この場合はいわゆる「外資系」に所属しています。
商社
海外営業として活躍している人で多いのが、商社の営業です。
とくに大手総合商社は海外から輸入したり、逆に日本の製品を輸出する取引をしています。
そこで活躍するのが営業で、現地の法人と取引するために商談をします。
なお、海外営業が活躍する代表的な日本国内の商社は以下です。
・伊藤忠商事
・三菱商事
・三井物産
・丸紅商事
ご覧の通り大手商社が多いため、中途入社するにはかなりのスキルを要します。
新卒でも数十倍の倍率なので、高度な語学力や学歴だけでなく、即戦力として活躍できる経歴を持っている必要があるでしょう。
メーカー
日本国内のメーカーでも海外営業が活躍しています。
とくに大手メーカーの場合は海外に工場や現地法人を保有している場合が多く、営業は現地に駐在して現地の企業と取引しています。
なお、日本国内のメーカーは海外でも高い評価を得ています。
とくに家電製品はアジア諸国で不動の人気を誇りますし、日本メーカーの自動車は欧米でも高い技術力が評価されています。
そのため、いわゆる「大手」と言われている日本国内のメーカーの多くは海外に拠点を持っており、営業として活躍できるチャンスも多数あります。
転職の難易度が高いことは事実ですが、大手総合商社の海外営業よりは倍率が低いでしょう。
なお、海外営業が活躍している人気の国内メーカーは以下の通りです。
・トヨタ自動車
・ソニー
・キャノン
・三菱電機
・日産自動車
・ホンダ
・日立
今あげた企業は誰もが知っているようなかなりの大手ですが、上記以外でも業界の2番手や3番手のメーカーでも海外営業は活躍しているので、転職先として選べる幅は広いでしょう。
金融
証券会社や保険会社などでも海外営業が活躍しています。
とくに保険会社は、日本国内でもメジャーな外資系企業が多く存在しており、国内にいながら海外の法人と取引をすることもあります。
また、証券会社やメガバンクなども海外との取引をしています。
銀行などで為替の手続きができるのは、古くから海外営業が活躍してきたからこそと言っても過言ではないでしょう。
なお、海外営業が活躍する代表的な金融系企業は以下です。
・三井住友銀行
・野村証券
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
・SMBC日興証券
・ゴールドマンサックス証券
日系証券会社やメガバンクなどの海外営業の場合、国内にいながら海外と取引をすることが大半です。
現地に駐在して仕事をするのは、アメリカの証券会社にMBAによって就職をした場合が大半なので、「海外に住みたい」という人は難しいかもしれません。
海外営業の年収
求人ボックスのデータによると、海外営業の平均年収は483万円と言われています。
しかしこれは企業規模を問わない総合的なデータのため、先ほどご紹介した大手企業の海外営業の場合は2倍ほど高いと思って良いでしょう。
実際に、伊藤忠の全社員の平均年収は1,579万円と言われています(2021年度有価証券報告書)。
日本の平均年収と比べるとかなり高い傾向にあるため、いわゆる高給取りであると言えるでしょう。
また、海外営業は年次昇給やボーナスなどで年収が大幅に上がることがあります。
営業職は実力主義であるので、優秀な社員は平均年収を大幅に超えるでしょう。
新卒の場合は初任給が低いと感じる企業もあるかもしれませんが、結果次第で大幅に向上する可能性が高いため、安定した将来を目指せるのではないでしょうか。
海外営業の将来性
AI時代の到来で営業職も少なくなってくると言われているものの、海外営業はまだまだ需要が高い職業です。
なぜなら、グローバル化が進み、国内市場が縮小傾向にある現在では、海外へ進出する企業も多くなっているからです。
そのため、海外企業に対して上手く交渉できる営業人材は重宝され続けるのです。
また、これから海外へ進出することを考えている企業や、海外で商品を販売したいと考えている中小企業も増えています。
IT系のメガベンチャーは海外の優秀な技術者を採用するために現地に拠点を持っていることもあり、アグリカルチャー系の企業は海外人材の採用にも着目しています。
このようなことから、海外営業の重要性はさらに高まっていくことが予想されます。
【海外営業の仕事内容】海外営業の仕事内容
商談を行ったり製品を輸出入したり、また現地マーケティングをしたりと、海外の企業を相手に営業活動をするのが海外営業の仕事になります。
一般の営業職と変わりはなく、同じことをしているのですが、海外営業は国内営業と違った魅力があるので魅力的に見えるので希望する人も数多くいる職種です。
海外営業が国内営業と異なるのは海外企業を相手とすることがほとんどなので、語学力やプレゼン力などのスキルが高いことが必須です。
営業相手が海外企業になるので外国語での対応が多く、言葉や文化の違いを意識することも重要になります。
勤務形態は海外駐在と国内を拠点として出張を繰り返すタイプに分かれます。
現地に駐在する場合
ここでは、現地に駐在する仕事内容について紹介します。
市場調査
市場調査は、製品やサービスの販売をおこなうために競合となる企業を分析したりどのような状態かを把握することが目的です。
自社製品やサービスがこれから成長していくため入念な戦略を練るので、これまで市場調査の経験がある方だと活躍できるでしょう。
事業拡大につながる業務の一つなので、しっかりとおこなうことが大切です。
プロモーション展開
プロモーション展開は、製品やサービスの広告活動のことを指します。
プロモーションをおこなう目的は、以下の通りです。
・プロモーションを行う目的
・認知拡大
・新規顧客の拡大
・購買の動機づけ
上記のような目的でプロモーション展開をおこなうことで、製品やサービスなどの事業拡大につながります。
販売計画
販売計画は、売上目標を達成するために商品の売り上げ個数を設定する作業です。
セールスプランとも呼ばれており、うまく経営がいっているかどうか判断する基準になります。
慣れない海外の環境で販売計画を細かく打ち出すことは難しいでしょう。
しかし、海外で経営をうまくおこなうためにも、販売計画や市場調査など入念におこなうことが重要です。
日本で業務をおこなう場合
ここからは、日本で業務をおこなう仕事内容について紹介します。
プロモーション戦略
海外営業職として働くことになりがら、日本に駐在する場合でもプロモーション戦略が重要です。
海外に駐在する場合と同じなので、海外で働く時と業務内容は変わりません。
しかし、日本で業務をおこなっているので海外の動向を正確に掴むことは難しいでしょう。
そのためにも、海外でどのような傾向があるのかをしっかり把握することが重要です。
事務作業
日本に駐在する場合でも、事務作業をおこないます。
仕事内容としては海外営業職のみにならず、一般的な職種と変わらないような事務作業がメインです。
携わる書類は外国語で書かれていることが多いため、英文や中国語などに長けている人でないと難しいでしょう。
また、海外企業とのメールのやりとりも多くあります。
メールの書き方のマナーは日本と海外とで異なる場合が多いため、文化に慣れておくことも必要です。
使用するツールは様々ですが、世界共通で使われているワードやエクセル、パワーポイントなどを活用することが大半です。
最も必要なスキルは外国語の文章力ですが、ある程度のパソコンスキルを使いこなせるようにしておいた方がスムーズでしょう。
販売計画の立案
海外営業として日本に駐在する場合でも、販売計画の立案はおこないます。
とくにメーカーや商社では、扱っている商品を海外企業に取引してもらうプレゼンの場があります。
そのプレゼンに向けて販売計画を立てるのも、海外営業の仕事です。
なお、基本的に計画立案はチームでおこないます。
プロモーション戦略とおなじように、チームのメンバー全員が海外の状況を把握した上で話を進めなければなりません。
海外のトレンドや市場の動向を把握しておくことはもちろん、マーケティング理論を持って議論する必要もあります。
【海外営業の仕事内容】海外営業のやりがい
海外営業は、きついと言われる営業職の中でも特に海外営業は高度な英語力を駆使しつつ、営業力も必要です。
そのような難しい業務をこなしていくことには大きなやりがいがたくさんあります。
その中で特に大きなやりがいの一部を紹介します。
異文化に触れることで成長できる
海外営業のやりがいとして大きいのはやはり異文化に触れられることでしょう。
海外営業という仕事をする中で様々な国と地域の人と関わることになります。
そのような多様な人々はそれぞれ異なる価値観や文化を持っています。
海外の人々と関わることで今までに経験したことのない異文化に触れることができるのは、海外営業ならではのやりがいと言えます。
また、異文化に触れることで自己との差異などから今までよりも広い視点で物事をみることができるようになります。
契約を勝ち取った時の達成感が大きい
海外営業では、母国語ではない英語を駆使して仕事をしなくてはならないため大変なことが多いです。
また、海外の営業先にわかりやすいようにみやすい資料を作成したり、プレゼンの内容を工夫したりと営業をする前に様々な準備に時間を要します。
そのような状況で海外の顧客から契約を勝ち取れた時の達成感は大きいです。
このやりがいが次の仕事へのモチベーションになり、次の仕事も活力を持って取り組めるのです。
英語力が上がる
海外営業をやっていく上では、やはり英語力が不可欠です。
海外営業として働きながら継続的に英語を勉強していくことが必要になります。
英語のスキルの中でも海外営業では特に会話力が求められます。
英語の会話力を高めるために効果的なのが、生の英語に触れることです。
海外営業では海外の顧客との取引が主になるため、おのずと本場の英語に触れることができるため、仕事をしていくと英語力の上達が早くなります。
また、英語力はグローバル化が進む現代では大きな武器になり、仕事だけでなく日常生活にも役に立つことがあります。
日本と海外を繋げているような感覚
海外営業として働くと、日本と海外を繋げているような感覚になります。
そのため、日本と海外の架け橋役として、やりがいを感じる方も少なくありません。
日本人ではなく海外の人を相手にビジネスを展開しているので、日本で働くよりも大きなスケールを感じる方も多いようです。
そもそも、海外で営業職として仕事をしているので、業務に対するハードルが高くなっています。
そのため、日本と海外を繋げている感覚がワクワクするような方にとって、海外営業は最適な業務といえるでしょう。
海外営業として働き続けることで、日本にどれくらいの功績を残せるかを感じることが可能です。
年収が高い
先述した通り、海外営業は平均年収が高い傾向にあります。
年収1,000万円超えの営業は当たり前のように存在する業界です。
また、国内企業から海外転勤を命じられた際は、高額な手当がつくことが大半です。
日本国内の転勤よりもリスクがありますし、精神的な負担も大きいものですから、海外転勤をしてくれる社員には高待遇をするというわけです。
また、海外で働くと現地の税制にしたがって給与が支給されます。
日本は税金が高いと言われているため、海外で働いた方が給与から引かれる金額が少ない場合もあるでしょう。
企業によっては海外でかかる税金を企業負担としてくれることもあるため、さほどお金の心配をしない状況で働き続けることができます。
【海外営業の仕事内容】海外営業のきついポイント
海外営業職は日本と異なる環境であることから、きついポイントが多々あります。
海外営業職は憧れを持たれる職種でありながら、きつい部分を知ってギャップを受けてしまうことも。
そこで、ここでは海外営業のきついポイントについて紹介します。
日本にはない文化の違い
海外の営業で働くため、当然日本ではない環境で勤務することになります。
そのため、日本とは異なる文化の中で自分のパフォーマンスを発揮しなければなりません。
日本でおこなっていた流れや仕事内容のつもりで海外営業職として業務を進めてしまうと、思うように業務がおこなえない可能性があります。
また、海外での業務ではレスポンスに違いがあります。
例えば、依頼を出された時には細かな指示をされることが多いですが、こちらから指示を出す時には素直に聞いてくれることが少ないそう。
そのため、筋が通っていないと感じることも多く、不平を感じるかもしれません。
このように、日本にはない文化がある海外では、自ら馴染むことが重要になります。
日本語以外でコミュニケーションを取らなければならない
海外営業職では、日本語以外の言語でコミュニケーションを取らなければなりません。
海外営業職で使用されやすいのは英語ですが、ビジネスで関わる方と同じレベルでコミュニケーションを取らなければ業務が円滑に進められないでしょう。
また、お互いの第一言語が英語ではない場合、お互いにカタコトな英語でコミュニケーションを取ることになります。
そのような状態になると、お互いに伝えたいことが分からず業務が円滑に進まないことも。
そのためにも、メモを取ることや再度コミュニケーションを取るなど、聞き漏れがないような取り組みが必要です。
担当者が逐一変わる
海外営業職では、取引先の担当者が変わることが頻繁にあります。
海外は日本のように一つの企業に長く勤める方は少なく、転職が頻繁におこなわれます。
日本では競合となる企業に転職する方は少ないかもしれませんが、海外ではそのような制限はありません。
取引先の担当者が競合企業に転職し、取引先から競合先に変わることも珍しくありません。
また、転職が頻繁におこなわれることが多いため、上司からの引き継ぎも正常におこなわれないこともあります。
そのため、上司が転職する情報を手に入れたら、早めに引き継ぎをするようにアプローチしましょう。
日本と異なる法律がある
海外で働くと、海外の法律で働かなければなりません。
そのため、海外に住むための手続きも海外のやり方でおこなわなければならず、日本と異なる方法で取り組まなければなりません。
そのためにも、海外の法律をあらかじめ把握することで、問題なく手続きできるでしょう。
日本とは異なる法律の中で生活をしなければならないので、柔軟に対応できることが重要です。
【海外営業の仕事内容】海外営業で働く上で注意するべきこと
ここからは、海外営業として働く場合に注意すべき点について紹介します。
国内営業とは異なる部分で注意をする必要があります。
どこの国に行くかはわからない
まず海外営業をする場合、行く国は会社が決めるため、自分で決めることはできません。
特定の国に行きたいと思っている場合でも、必ずしもそこへ行けるとは限りません。
希望する国で仕事を行う場合には、国内企業ではなく、他の方法で海外とのつながりのある仕事を探す方がよいでしょう。
国内企業の海外営業を目指す場合、自分が希望する地域への駐在などはできないことを理解しておく必要があります。
語学力より営業力が重視される
最低限の語学力は必要ですが、語学力よりも重視されることは高度なビジネススキルです。
なぜなら、海外営業が提案する取引金額は多額であることが多く、レベルの高い交渉力を持っていなければ現地の人と商取引できないからです。
そのため、営業未経験でいきなり海外営業として転職をすることは不可能と言っても良いでしょう。
海外営業になるためには、まず国内で営業として実績を挙げて、小さな企業でも海外との取引を経験することが必要です。
そして段階的にキャリアアップを積んだ後、即戦力として中途採用枠を狙うと良いでしょう。
営業としての経験がある人は、まず海外と何らかの形でやりとりをしている企業に転職することをおすすめします。
無事に海外営業になるためには数年かかるかもしれませんが、地道な努力をしなければ成功の切符を手にすることはできないということを覚えておきましょう。
【海外営業の仕事内容】海外営業に向いている人の特徴
海外営業職は華やかな職種に見えますが、向いている人の特徴が存在します。
一般的な営業職とは異なり、海外という環境で働くことに向いている人は限られています。
向いていないのにも関わらず海外営業職として勤務してしまうと、大きなギャップを受けて心身ともにダメージを受けてしまうことでしょう。
そこで、ここからは海外営業職に向いている人の特徴について紹介します。
異文化に馴染める人
海外営業職は、異文化に馴染めるかどうかが重要です。
海外で働くため、日本と異なる文化で何不自由なく働けなければ、海外営業職として業務をおこなうことは厳しいでしょう。
海外に数ヶ月・数年住んだことがある方であれば把握しているかもしれませんが、日本と海外の生活は大きく異なります。
水を自由に飲めない国もあれば、食文化が日本と大きく異なる国もあるように、日本とは同じような生活ができるとは限りません。
そのため、仕事以外にも生活で苦しめられたりリラックスできる時間でリラックスできないなど、異文化に馴染めない方は業務に影響を及ぼす可能性が高まります。
このように、異文化に馴染めない・異文化の経験がない方にとって、海外での営業職は厳しい職種になる可能性が高いでしょう。
場所に影響されず自分のスキルを発揮できる人
自分のスキルを惜しみなく発揮できる方は、海外の営業職として活躍できるでしょう。
なぜなら、海外企業は結果に非常にシビアだからです。
どれだけ営業スキルを武器に頑張っても、いざという場面で発揮できないと結果に結びつきません。
結果が出なければ「海外では役に立たない人」というレッテルを貼られてしまうリスクもあるので、ビジネスマンとして低い位置付けをされることでしょう。
一方、環境にとらわれずに自分のスキルを発揮できる人は、海外に行っても活躍できる可能性は高いです。
プレッシャーのかかる場面でも自分のスキルを惜しみなく発揮できる人は、海外の営業職にチャレンジすることもキャリアのより良い選択につながるかもしれません。
主体的に動ける人
海外営業職では、主体的に動ける人ほど成果を残す傾向があります。
海外のビジネスではどんどん自ら発信し、成果を自ら取りにいかなければならない環境です。
そのため、受動的に物事に取り組んでいると周囲から成果を取られてしまい、やりがいはもちろん収入面といった部分も得られないかもしれません。
また、海外での営業職は上司からの指示で動くことが少ない環境です。
これまで上司からの指示で営業職として全うしてきた方だと、海外の営業職として入社してもどのように動けばいいかわからないといったことも。
自ら動いて自分がやるべきことが把握できる方こそ、海外の営業職として活躍できることでしょう。
相手の価値観を尊重できる人
海外営業職では、相手の価値観を尊重できる人が活躍できるでしょう。
なぜなら、日本ではなく海外で働いており、バックグラウンドや文化が異なる方たちばかり勤務しているからです。
海外で勤務しているからと一概にはいえませんが、「日本だからこうやってする」といった固定概念を持った方は海外営業職として活躍できる可能性は低いでしょう。
その国の文化や一人ひとりの性格は異なるため、国や相手に合わせて業務を進めなければなりません。
しかし、当然自分の意見を発する場面は出てくるので主張すべきところでは合わせる必要ありませんが、周囲の意見を聞かずに自分の意見を押し通すことを避けるようにしましょう。
性格や文化の違いを理解することで、相手の価値観に沿って円滑に業務を進めることが可能です。
英語力がある人
海外営業に必要な語学は様々ですが、基本的には英語力が必要不可欠になります。
英語は多くの国が公用語としているため、何気ない会話からビジネスの会話まで全て英語で完結します。
そのため、TOEIC800以上程度の幅広い英語力が必要です。
なお、英語力は生活する上でももちろん大切です。
英語力が低いと、普段の生活もままならずにストレスばかりがたまることでしょう。
これから英語力を上げたいと考えている人は、オンライン英会話に通ったりTOEICを受け直したりなどをして地道に学ぶことをおすすめします。
英語は語学なので文法や単語を覚えるだけでは海外で働けるレベルの英語力は身につきません。
実際の会話力も養いつつ、資格として自信が持てるものを持っておくのが良いでしょう。
なお、最近では中国語が話せる人材を欲する企業も増えています。
英語ができる人の方が重宝されていますが、大学などで中国語を専攻していた経験のある人は、もう一度チャレンジしてみるのも良いでしょう。
【海外営業の仕事内容】海外営業に転職するには
ここまで海外営業の仕事内容などについてご紹介をしました。
次は実際に海外営業の仕事に就くには、どのようなことが必要なのか確認してみましょう。
海外と取り引きのある企業に転職する
海外営業専門・最初から海外営業をする人材の求人を募集している企業はほぼありません。
まずは一般職や営業職や総合職として、国内で営業をはじめることになります。
社内においてさまざまな経験を積み、もちろん営業職としてのスキルを高めて海外営業へチャレンジしていきます。
道のりは長いかもしれませんが、海外との取り引きがある企業に就職して、希望する海外営業を目指しましょう。
海外と取り引きがある業界:商社
海外営業がいる業界といえば商社というイメージもあることでしょう。
商社は食品から通信、ありとあらゆる「モノ」を取り扱います。
幅広い分野を取り扱う商社は「総合商社」、そのほかにも専門的な分野の取り引きに注力している商社を「専門商社」というのです。
「総合商社」として有名なのは、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅・豊田通商などがあげられます。
一度は聞いたことのある社名であるはずですが、これらの総合商社は世界の商社としても有名です。
日本の総合商社は「ラーメンから飛行機まで」といわれるようにありとあらゆるものを取り引きします。
簡単にいえば、巨大な何でも屋さんともいえます。
専門的な分野の取り引きに注力している「専門商社」として有名なのは次の4社です。
・伊藤忠エネクス:伊藤忠系エネルギー商社のトップ専門商社
・加賀電子:SANKYOを大株主とする電子部品・半導体の専門商社
・帝人フロンティア:は繊維メーカー帝人の専門商社
・ミツウロコ:LPガスなどを主力とした専門商社
CMや広告などでも、一度は聞いたことのある社名であるかもしれません。
専門商社は私たちの生活の元となる部分に注力していることが多いのです。
海外と取り引きがある業界:メーカー
商社のほかに海外と取り引きがある業界にメーカーがあります。
メーカーといえど数多くの分野があり、それぞれによって仕事内容も変わります。
海外との取り引きがある業界としてあげられるのが「トヨタ自動車」です。
世界上位の自動車メーカーであり、国内外全体で約2,450人の海外勤務者がいます。
トヨタ系の電装メーカーであるデンソーも海外勤務者が多くなっています。
主要の自動車メーカーとの取り引きがあるので、世界各地へ海外営業などとして活躍する人も多くなります。
電気・電子・半導体メーカーも海外との取り引きが多く、海外勤務者なども多い会社です。
キャノン・SONY・パナソニックなど、海外で製品を製造しているメーカーは現地法人などを設立したり、営業所を構えたりしています。
製造ラインの納期調整や現地での部品調達などで海外営業が活躍しています。
ベンチャーや中小企業でも求人はある
数は少ないものの、ベンチャー企業や中小企業でも求人はあります。
海外営業は大手だけに存在すると思われるかもしれませんが、海外との取り引きが積極的なベンチャー企業や中小企業も出てきました。
特定の国に興味があるのであれば、特定の国で事業展開をしている中小企業を選ぶこともおすすめです。
「特定の国ニッチな産業」を捉えた仕事が、中小企業にもあります。
自分の希望に合う仕事を探していくことは可能であるので、幅広い視野で探してみましょう。
求められる資格やスコア
海外営業に就くためには海外企業と交渉などを進めるための、資格やスコアが必要です。
外国語を中心とした仕事を進めていくためにも、比較的高度な語学力が求められます。
4年制大学を卒業していること
4年制大学の卒業を最低条件としている企業がほとんどです。
多くの企業が4年制大学の卒業や、大学院の卒業・修了を条件にあげていることが多くなっています。
学歴を必要としないとしている企業がほとんどですが、大手商社などに勤めたい場合には学歴が高いほど有利であるというのが実情です。
学歴だけで採用されることはありませんが、人気の高い企業などを志望する場合は優秀な大学からの希望者が多くなります。
必然的に学歴も高くなるというわけです。
学歴がなくても他の人には負けないスキル・資格・スコアなどがあるのであれば学歴などは重要視されないかもしれませんが、特別なものがない場合には学歴は重要な選考要素となってしまいます。
外国語学部や国際関係学部を卒業する必要はなく、文理不問で学部学科制限なく応募することが可能です。
貿易に関する知識
輸出入に関わることが多いため、貿易に関する知識が必要となります。
「貿易実務検定」などを取得しておくと就職に有利でしょう。
貿易実務検定とは貿易取引の実務や書類の書き方、実務に必要な英語力をはかる試験です。
マーケティングの能力・輸送機関(飛行機・船・クーリエなど)の手配に関する知識、通関の知識や実務英語といった幅広い分野について出題されます。
C〜A級までレベルが分けられており、B級を取得しておくことである程度の知識がある認められます。
入社してから取得することや勉強することも可能ですが、より有利になるためには早くからの勉強・取得をおすすめします。
TOEIC800以上のスコア
英語力をはかる基準として必須である「TOEICスコア」は、世界基準の指標として利用されています。
基本的にはTOEICのスコアがなくても海外営業として活躍することもできますが、英語力を客観的に知るためには必要とされておりスコアの提示を求められることもあります。
そのため、海外営業として活躍することを目標としているのであれば高いスコアを持っておくべきです。
なお、海外営業として活躍するためにはTOEIC800以上のスコアが望ましいです。
実際に、日本国内の大手商社の新卒採用ではTOEIC800未満の人が足切りされる傾向にあるため、中途採用でも同等のレベルと考えた方が良いでしょう。
なお、TOEICの点数が上がらず悩んでいる方は、学生時代の英語のテキストを見直してみたり、英会話スクールでTOEIC専門の勉強をすることをおすすめします。
ビジネス会話の能力
海外営業の取引先はほとんどが海外の企業となります。
営業としてのビジネス会話の能力は高いことが望まれます。
TOEICの成績も必要ですが、現地での交渉力を必要とされる営業としての語学力が必要です。
日本国内で海外営業として仕事をする場合には、海外の取引先とのコミュニケーション上利用されることが多いのが電話よりもメールになります。
ビジネス会話能力の高さも必要ですが、英語の読み書きをできることが最低条件です。
英文法をしっかり学んでビジネスに活用できるライティング力をマスターしましょう。
熱意が評価される場合もある
たとえ語学能力が低くても、海外営業では異なる文化や習慣で暮らす人々と、コミュニケーションをとらなければなりません。
現地駐在となる場合には、語学力や営業スキル・コミュニケーション能力以上にその人となりや仕事に対する熱意も必要です。
前向きさ、バイタリティの強さで評価されることも多いでしょう。
熱意や情熱が評価されて海外営業に就くことができたとしても、語学能力が必要なので、勉強するようにしましょう。
【海外営業の仕事内容】海外営業になるためにやっておくべきこと
海外営業になるために今のうちからやっておくべきことはたくさんあります。
具体的にどんなことをしておいて方が良いのかわからない方のために、海外営業を目指す上でやるべきことを解説します。
ぜひ参考にして実践してみてください。
自己分析をする
まず最初にやってほしいのが、自己分析です。
自己分析とは、自分について深ぼって考えてみることで自分の根本的な性格を知ることです。
自己分析をすると、自分の強みや弱み、向いていることや好きなことが具体的にわかるようになります。
今まで自分が思っていたことと異なる結果になるかもしれませんが、それこそが本質的な自分だということを意識してください。
自己分析で得た自分についての理解は、エントリーシートの作成や面接でも発言に説得力をもたせられます。
具体的な自己分析のやり方については以下の記事で紹介していますので参照してみてください。
【新卒向け】これさえやれば完璧!自己分析を効率的にするためのおすすめ手法を徹底解説
業界・企業研究をする
業界・企業研究とは、自分の志望する業界や企業の特徴や現状、将来性などについて研究することです。
業界・企業研究をすることで自分が本当に就きたい職業なのか、本当にやりたいことなのかを改めて考えることができます。
そうすることで、入社後のミスマッチを防ぐことができ、自分の思い描く姿に近づくことになります。
また、業界・企業研究をして業界や企業について深く理解をしておくと、選考の際にも役に立ちます。
まとめると、業界・企業研究をすることで入社後のミスマッチを防ぐことができ、選考の際にも役立つのです。
英語能力を伸ばす
やはり海外営業として働いていく中で、海外の取引先との交渉の際などに英語能力は不可欠です。
選考を始める前にできるだけ英語能力を伸ばしておくことが大切です。
特に重点をおいて学習を進めるべきなのが、リスニングとスピーキングの能力、すなわち英語の会話力です。
海外営業で文書などでつまづくことはほとんどなく、英語力が必要不可欠になるのは海外の顧客との商談です。
そのため、英語でどれだけ正確にコミュニケーションを取れるかがとても重要なのです。
転職エージェントを利用する
海外営業になるには、選考を通過するために自己PRや志望動機の作成や面接対策など様々な準備が必要です。
しかし、個人の力だけでは限界があることも確かです。
海外営業に転職できる確率を少しでも上げるために転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントでは自分のニーズに合った企業を紹介してくれます。
企業紹介だけでなく、面接対策などの選考に必要な対策のサポートもしてくれます。
ぜひ転職エージェントを利用して転職活動を成功させましょう。
【海外営業の仕事内容】営業以外の海外と関わる仕事
海外営業のみではなく、海外と関わる仕事はさまざまなものがあります。
海外営業にばかり目を向けず、視野を広げてみることも必要です。
現地企業で「会社員」をする
海外の現地企業で「会社員」として勤める方法もあります。
日本の企業に転職をしてから海外に行くわけではないため、採用されるまでのルートは複雑ですが、専門のエージェントなどを使えばスムーズでしょう。
また、日本向けの対応をするための人材として採用する企業をターゲットとすることで、即戦力として期待される可能性も高いです。
とくにセールス・IT分野などでの需要は高く、日本人の高度なビジネススキルを求めていることもあります。
実績を必要とするので日本での実績を作っておくと良いでしょう。
日本企業の現地採用となる
働きたい国がある場合には日本企業の現地採用という方法もあります。
自分が好きな国での就労をすることが可能になり、海外滞在期間も自分の自由で決めることができます。
待遇面で現地物価などに合わせることが多いため、日本で働くよりも低い賃金になることが多いでしょう。
日本での転職マーケットでの海外キャリアについて評価されない場合もあるので、よく考えて決める必要があります。
国際的なNGO・NPOのスタッフ
企業に勤めるという考え方以外に、国際的なNGO・NPOのスタッフとして海外で働くという選択肢もあります。
世界にはさまざまな問題があり、解決されていないことが数多くあるのです。
経済的利益を求めない、市民が自発的に参加、運営する団体がNGOやNPOとなります。
誰かのために資格やスコアを活用して、海外で活動していくというのもよいでしょう。
特に社会を変えたい・世界の抱える課題に挑戦したいという人は、NGOやNPOがおすすめできます。
まとめ
今回は海外営業の仕事内容や必要とされる資格や、スキルなどについてご紹介をしました。
海外営業とは海外と日本の橋渡しとなる重要なポジションです。
TOEICなどのスコアも必要としますが、あくまで営業職の求人で営業力が必要です。
商社やメーカー・海外との取り引きがある業種に就職ができても、営業力を磨くことが必要とされるのですぐには海外勤務をできるということはありません。
さまざまな経験を積んでからチャレンジ可能です。
海外で働くことに魅力を感じているだけならば、つとまらない仕事です。
憧れだけではうまくいかず、厳しいことやつらいこともあるでしょう。
しかしそれを覚悟のうえで挑戦すれば、自分ながらのやりがいを見つけられるかもしれません。
海外で働きたいと思うだけであれば、現地企業で働くことやNGO・NPOという選択肢もあるので、自分がどのように働きたいかを考えて選ぶようにしてください。
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