なぜ入社後ギャップは起きる?転職活動でミスマッチを防ぐ方法
はじめに
仕事内容が、聞いていた内容と違う。
「残業は必要に応じて」と言われていたのに、実際は毎日遅くまで残っている。
期待して入社したのに、ふたを開けたらイメージと違っていた。
そんな入社後のギャップに悩む人は少なくありません。
特に、仕事のことを休日や寝る前まで考えるようになると深刻です。
休日も休んだ気にならない。
上司に怒られるのが怖い。
そう感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
「自分の選択が間違っていたのかも」と思い、誰にも相談できずに抱え込む人もいます。
ただ、こうした入社後ギャップは珍しいものではありません。
実際に「聞いていた話と違った」「想定よりしんどい」と感じる人は多く、悩みが長引くこともあります。
とはいえ、入社後ギャップを完全にゼロにするのは簡単ではありません。
求人票や面接では見えない部分がどうしても残るためです。
しかし、必要以上に悩む必要はありません。
情報の集め方や面接での確認の仕方を工夫すれば、入社後ギャップが起きる確率は下げられます。
本記事では、入社後にギャップが起きる理由と、転職活動でミスマッチを防ぐ具体的な方法を解説します。
なぜ入社後ギャップは起きるのか
入社後に「思っていたのと違う」とギャップを感じる人は少なくありません。
エン・ジャパン(AMBI)の調査によると、39歳以下のユーザー929名のうち87%が「入社後にギャップを感じた経験がある」と回答しています。
さらに、ギャップの内容としては「職場の雰囲気」と「仕事内容」が上位に挙がっており、違和感は特定の人だけに起きるものではないことが分かります。
こうしたギャップが起こりやすい背景には、選考段階で得られる情報の限界が挙げられるでしょう。
求人票や面接では、仕事内容や働き方の「理想的な部分」が中心に語られやすく、日々の細かな業務、繁忙期の負荷、チームの空気感やコミュニケーションの取り方まで具体的に共有するのは難しくなっています。
ここでは、入社後ギャップが起こる主な理由を解説します。
参照:エン・ジャパン株式会社|20代・30代のビジネスパーソン900人に聞いた「入社後ギャップ」調査
企業側が良い面ばかり伝えている
採用活動では、自社の魅力を伝えることが目的になるため、やりがいや成長環境、働きやすさといったポジティブな情報が前面に出やすくなります。
一方で、業務の大変さや忙しい時期、求められる役割の厳しさなどは十分に語られないことも多く、入社後に想像とのズレが生まれやすくなります。
企業側が優秀な人材を集める為に、良い部分を語ることは当たり前ですが、入社後にギャップを感じる最も大きな理由の1つでもあります。
人事が現場を把握していない
人事担当者が現場の実態を完全に把握できていないケースも少なくありません。
人事は複数部署の採用を横断的に担当しているため、日々の業務内容やチームの雰囲気、実際の負荷感まで細かく理解するのは難しいのが実情です。
その結果、説明自体に悪意がなくても、現場と乖離した情報が伝わってしまうことがあります。
情報収集が不足している
求職者側の情報収集不足も入社後のギャップを大きくする要因です。
求人票や面接の内容だけで判断してしまい、口コミや社員の声、第三者の意見まで確認しきれていないと、見えている情報がどうしても偏ります。
特に早く転職先を決めたい場合、十分に調べないまま入社してしまい、入社後に違和感を覚えるケースが非常に多くなっています。
入社後ギャップが起きやすい代表的な理由
入社後にギャップを感じる理由はさまざまです。
求人票や面接で聞いた内容と、現場の実態が少しでも違うと「想像していたのと違う」と感じやすくなります。
特に、仕事内容・働き方・人間関係・社風のように、入社前には見えにくい部分ほどギャップが起きやすい傾向があります。
ここからは、入社後にギャップを感じやすい代表的な理由をいくつか紹介します。
自分がつまずきやすいポイントを把握しながら読み進めてみてください。
仕事内容が違う
面接で聞いていた仕事内容と、実際に任される業務が違うケースは非常に多いです。
「企画に関われると聞いていたのに、実務はほぼ事務作業だった」「裁量があると思っていたが、指示通り動くだけだった」など、業務内容や業務内容のバランスが原因になります。
求人票では職種名が同じでも、会社ごとに求められる役割が大きく異なるため、入社後に違和感を抱きやすくなります。
人間関係が合わない
実は、仕事内容よりも人間関係のギャップのほうが「つらい」と感じる人は圧倒的に多くなっています。
株式会社ビズヒッツの調査によると、仕事に行きたくない理由として「人間関係の悩み」が1位に挙げられています。
どれだけやりたい仕事でも、上司や同僚との関係はパフォーマンスや働き続けやすさに大きく影響します。
上司との距離感、チームの空気感、コミュニケーションの取り方は、求人票や面接だけでは見えにくい部分です。
実際に働いてみて初めて「相談しづらい」「職場がピリピリしている」「価値観が合わない」と気づくことも多く、精神的な負担につながりやすいギャップと言えるでしょう。
参照:株式会社ビズヒッツ|仕事に行きたくないときの理由ランキング
求人票に書かれている待遇と異なる
「残業は少なめ」「平均残業時間○時間」と書かれていたのに、実際は恒常的に残業が発生しているなど、聞いていた待遇と実態が異なる場合もあります。
残業を減らすために転職活動を始めたのに、転職後にむしろ残業が増えたという話も珍しくありません。
一方、ワークライフバランスを重視する一部の大手企業では、残業を抑えるために、終業時間になるとパソコンが自動でシャットダウンする仕組みを導入している場合もあります。
すべての企業で残業が多いわけではないため、事前に見極めることが大切です。
社風が合わない
社風は入社後ギャップの中でも、入社前に最も判断しづらいポイントです。
一方で、社風が合わないと、どれほど仕事内容が好きでも、人間関係や働き方に悩みやすくなります。
たとえば「風通しが良い」と聞いていたのに実際は上下関係が厳しかった、「若手が活躍できる」と言われていたのに発言しづらい雰囲気だったなど、言葉の受け取り方と実態がズレることがあります。
また、体育会系の人が、落ち着いた個人主義の会社に入ると、相談しづらさから一人で抱え込みやすい傾向があります。
逆に、落ち着いた人が体育会系の商社に入社した場合は、濃い付き合いやノリに馴染めず、人間関係で苦労する可能性もあるでしょう。
社風が合わないからといって必ず辞めるべきというわけではありません。
ただし、社風が合わないと仕事内容以前に居心地の悪さを感じやすく、結果として長く働くことが難しくなります。
入社後のギャップを防ぐ転職方法
入社後のギャップを完全になくすことは難しいものです。
しかし、これから紹介するいくつかの方法を実践することで、入社後のギャップをできるだけ抑えることはできます。
ぜひ転職活動の参考にしてみてください。
情報を一つに頼らない
求人票だけを見て判断するのは非常に危険です。
求人票はあくまで「募集のための資料」であり、仕事内容や働き方の実態を100%反映しているとは限りません。
たとえば「残業少なめ」「風通しが良い」「若手が活躍」といった表現は受け取り方によって意味が変わりやすく、入社後に「想像していたのと違う」と感じる原因になりがちです。
実際に口コミを見てみると、求人票とは真逆の内容が書かれていることも珍しくありません。
「残業少なめのはずが毎日遅い」「裁量があると聞いたのに決裁が遅い」「雰囲気が良いはずが人の入れ替わりが激しい」など、現場の実態が異なるケースもあります。
もちろん、口コミには個人の主観が混ざるため鵜呑みにしてはいけませんが、ある程度参考にしてもよいでしょう。
求人票だけでなく、企業のホームページに掲載されている社員の写真やインタビューを見て雰囲気を確認したり、可能であれば実際に働いている社員に話を聞いたりするのもおすすめです。
面接で業務内容を確認する
面接で実際の業務内容について質問することは、仕事内容のギャップを防ぐうえで非常に重要です。
求人票には職種名や業務例が書かれていても、「何に一番時間を使うのか」「どこまで任されるのか」「どんな成果を求められるのか」までは見えません。
だからこそ面接では、入社後に任される業務や1日の流れ、評価されるポイントを具体的に聞き、仕事のイメージをはっきりさせておきましょう。
面接で質問するときは、好印象となるように質問をすることが重要です。
面接での業務内容の聞き方についていくつかまとめました。
待遇面について聞きたい場合
まず、細かい待遇面を面接の場で聞くことには、聞き方次第でマイナス評価につながるリスクがあります。
ただし、完全にポテンシャル採用が中心の新卒の就活とは異なり、中途採用では給与や条件について確認・交渉すること自体は一般的です。
実際、企業側から現年収や希望年収を確認されることもあります。
そのため、ポイントを押さえて質問すれば、むしろ誠実でやる気のある人材と受け取られることもあるでしょう。
質問する際は、具体的な根拠を示しながら自信を持って伝えることが大切です。
給与はもう少し上がりませんか?
残業は何時間ですか?
福利厚生って、他にも何かありますか?
このような聞き方だと、面接官には一方的な要求に見えやすくなります。
また、生活面の都合ばかりを優先しており、仕事に真剣に取り組まないのではないか、と受け取られる可能性があります。
これまで○年間、△△の業務を担当し、□□の成果を出してきました。
その点を踏まえた場合、想定されている給与レンジはどのあたりでしょうか。
入社後の働き方を具体的にイメージしたいので、1日の業務スケジュールや繁忙期の忙しさについて教えていただけますか。
評価制度と連動して、昇給はどのようなタイミング・基準で行われていますか。
このように「理由」や「確認したい背景」を添えて質問すると、仕事への本気度が伝わりやすく、前向きに受け取られる傾向があります。
仕事内容について聞きたい場合
まず、仕事内容は求人票に書かれていても、実際の業務比率や優先順位は入社後に異なりやすいポイントです。
仕事内容を確認する質問は「理解しようとしている」と受け取られやすく、むしろ評価につながることもあります。
質問する際は、日々の業務イメージが湧くように、具体的に聞くのがコツです。
結局、何をやる仕事なんですか?
未経験でこの仕事は難しいですか?
評価される人の共通点は何ですか?
このような聞き方だと、受け身・他責に見えたり、仕事を選り好みしている印象になったりしやすいです。
入社後3か月は、どの業務に一番時間を使うことになりますか?
このポジションで評価される成果は何でしょうか。具体例があれば教えてください。
入社前に勉強しておくと良いことがあれば教えてください。
求人票の内容で疑問に感じた点は、そのままにせず、具体的に質問するとよいでしょう。
質問は、相手が答えやすい形にすることも大切です。
たとえば「評価されている人の共通点」を聞くのも有効ですが、質問が抽象的なため、すぐに答えにくい場合もあります。
評価されている人と一口にいっても、マネジメントが得意な人もいれば、仕事が早い人、周囲との調整がうまい人などタイプはさまざまです。
そのため、「共通点」を一つにまとめて答えるのは難しくなりがちです。
面接官の立場も意識しながら、具体例を引き出せる質問にすると好印象につながりやすいでしょう。
配属・異動・キャリアパスについて聞きたい場合
入社後の配属や異動は、会社によって大きく異なります。
事前に把握できていないと、入社後にギャップを感じやすくなる原因の一つになります。
質問したい場合は、希望を押し付けるのではなく、ルールや実態を確認する聞き方が好ましいでしょう。
希望の部署じゃなかったら辞めます。
異動したくないんですが、大丈夫ですか?
最初から○○部署に入れますか?
このような言い方だと、条件を押し付けている印象になったり、融通が利かない人だと受け取られたりしやすいです。
初期配属はどのように決まりますか。希望はどの程度反映されますか?
異動の頻度や、異動が発生する典型的なパターンがあれば教えてください。
このポジションで成果を出した方は、その後どのようなキャリアに進むことが多いですか?
新卒の就職活動と異なり、中途採用では求人票に勤務地が詳しく書かれていることが多い一方で、配属や異動の可能性など、さらに詳しく確認したくなる点も出てくるでしょう。
異動は会社都合で決まることも多く、断れないケースもあるため、生活への影響が大きくなります。
勤務条件に関して気になる点がある場合は、事前に聞きたいことを整理したうえで、面接官に失礼のない形で確認しましょう。
ここまで、聞きたい内容についてNG例とOK例をいくつか紹介しました。
ここで重要なことは、同じ内容を聞く場合でも、相手がどう感じるかを意識して言い回しを工夫することです。
転職活動において労働条件を確認することは一般的です。
条件を尋ねることを躊躇する必要はありませんが、相手の立場を理解して質問するようにしましょう。
譲れない条件を決めておく
転職活動では、「どんな会社に行きたいか」よりも先に、「これだけは無理」というラインをはっきりさせておくことが重要です。
すべての条件を満たす会社はほとんどありません。
事前に譲れない条件を決めておくことで、雰囲気や勢いだけで入社することを防げます。
譲れない条件は、2〜3個用意しておきましょう。
たとえば「残業時間が一定以内に収まる」「仕事内容が希望内容と同じ」「評価基準が明確」など、働き続けるうえで生活やメンタルに直結するものを優先しましょう。
逆に、多少の忙しさや業務内容の細かな違いなどは、あとから慣れることもあります。
面接では、この譲れない条件に関わる部分を重点的に確認するのがポイントです。
譲れない条件を決めておくことで、判断軸がブレにくくなり、結果的に納得感のある転職につながりやすくなります。
転職エージェントに内部情報を聞く
入社後のギャップを防ぐには、転職エージェントを活用することが有効です。
転職エージェントは企業と直接やり取りしているため、求人票だけでは分からない職場の雰囲気や働き方、選考で重視されるポイントなどの情報を把握している場合があります。
企業側が「どんな人を求めているのか」も共有されていることが多く、自分に合う社風かどうかを見極める材料にもなります。
また、非公開求人を扱っていることもあり、個人では見つけにくい求人に出会える可能性もあります。
弊社では、丁寧なヒアリングを通じてミスマッチを防ぎながら転職活動をサポートしています。
転職するか迷っている段階でも相談可能ですので、まずは情報収集としてLINE追加のうえ、面談をご予約ください。
まとめ
入社後にギャップを感じることは珍しくありません。
ギャップを完全にゼロにするのは難しいものの、事前の準備次第で最小限に抑えることは可能です。
まずは自分の「譲れない条件」を整理し、求人票だけに頼らず複数の情報源から確認しましょう。
企業についてより詳しく知りたい場合は、内部情報を得やすい転職エージェントを活用しながら転職活動を進めるのがおすすめです。
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