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施工管理の一日の流れ|業務内容や労働時間のスケジュールも解説

施工管理の一日の流れ|業務内容や労働時間のスケジュールも解説

目次
  1. はじめに
  2. 施工管理の一日の流れ
  3. 【業務内容別】施工管理の一日の流れ
  4. 【シーン別】施工管理の一日の流れ
  5. 施工管理の労働時間や休日
  6. 施工管理は「きつい」「激務」と言われる理由
  7. 施工管理のやりがいや魅力
  8. 未経験者におすすめ!施工管理のキャリアプラン
  9. まとめ

はじめに

施工管理は、建設現場を安全かつ計画どおりに進めるための中心的な役割を担う仕事です。

現場での作業が円滑に進むよう、工程や品質を管理し、職人や協力会社との連携を通じて全体をまとめます。

建築物が完成するまでの過程を支える「現場の指揮者」ともいえる存在であり、責任の大きさと同時にやりがいのある職種です。

業務内容は、朝礼や安全確認、進捗チェック、写真撮影、書類作成、関係各所との打ち合わせなど多岐にわたります。

現場とデスクワークの両方をこなすため、1日のスケジュールは細かく組み立てられており、時間管理も重要なポイントです

この記事では、施工管理職の一日の流れを時間帯ごとにわかりやすく紹介します。

さらに、労働時間や繁忙期の働き方、現場特有のスケジュールなど、実際の勤務イメージがつかめる内容をまとめています。

未経験から転職を検討している方や、建設業界の働き方を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

施工管理の一日の流れ

施工管理の一日は、朝の出勤と現場準備からスタートします

朝礼で職人や協力会社と当日の作業内容や安全事項を共有し、必要な資材や工具の確認を行います。

その後は現場を巡回し、進捗状況をチェックしながら作業が計画どおり進んでいるかを確認します。

午前中は主に現場中心の業務、午後は打ち合わせや写真整理、書類作成などのデスクワークに時間を割くことが多く、現場と事務作業をバランスよく行うのが特徴です。

夕方には翌日の作業内容を整理し、日報の作成やクライアントへの報告を行って業務を終えます。

ここでは、施工管理職の典型的な一日のスケジュールを時間帯ごとに解説し、実際の業務の流れを紹介します。

朝(作業開始前)

施工管理者は、出勤後すぐに現場の安全状況を確認し、作業員がスムーズに作業を始められるよう段取りを整えます。

朝礼では、工事の進捗や当日の作業計画、担当箇所の確認を行い、作業員一人ひとりに注意事項を伝えます。

作業開始後は、現場の動きを観察しながら、安全対策が守られているか、作業が計画どおり進んでいるかを確認。

小さなトラブルも早期に気づけるよう、現場全体を見渡す必要があります。

また、天候や現場の状況によって作業内容を調整することもあり、柔軟な判断が求められる時間帯です。

朝の段階で全体の流れを把握しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、作業を効率よく進めることができます。

朝の確認や打ち合わせは、施工管理業務の中でも重要な準備工程といえるでしょう。

午前

午前中は、現場作業が最も活発に進む時間帯です。

施工管理者は職人たちの作業状況を確認しながら、安全面や品質面のチェックを行います。

図面どおりに施工が進んでいるか、資材の搬入や数量に問題がないかなどを細かく確認し、必要に応じてその場で指示を出します。

また、作業写真の撮影や進捗記録の作成など、工事の証跡を残す業務も欠かせません。

トラブルや工程の遅れが見つかった場合は、すぐに関係者へ報告し、対応を検討します。

午前中の作業内容を正確に把握しておくことで、午後の打ち合わせや翌日の計画立案にもつながるため、現場管理の精度が問われる時間帯です。

午後

午後は、午前中に発生した課題の対応や進捗の最終確認を行う時間です。

現場の作業が安定しているかを確認しながら、資材の追加発注や翌日の作業準備などを進めます。

必要に応じて職人や協力会社と打ち合わせを行い、工程全体の調整を図ることも多い時間帯です。

また、工事日報の下書きや品質記録のまとめなど、デスクワークも行なっていきます。

現場と事務の両立が求められるため、効率的に作業を進めるスケジュール管理能力が重要です。

夜間(退勤前)

夕方から退勤前にかけては、一日の作業を振り返り、翌日の準備を整える時間です。

施工管理者はまず、現場の進捗を確認し、安全面や品質面で問題がないかをチェックします。

その後、作業員の退場を見届け、現場の施錠や照明の確認を行い、事故防止のための最終点検を行います。

事務所へ戻った後は、日報や写真資料の整理、クライアントや上司への報告書作成など、デスクワークを中心に進めます。

工程の遅れや資材の不足などがあれば、翌日の作業計画に反映させることも。

こうした締め作業を丁寧に行うことで、翌日の現場がスムーズに動き出し、全体の工期管理にもつながります。

【業務内容別】施工管理の一日の流れ

施工管理と一口にいっても、担当する業務内容や立場によって一日の流れは異なります。

現場を駆け回る新人施工管理と、デスクワーク中心の担当者では、時間の使い方や仕事内容に大きな違いがあります

それぞれの立場でどのような一日を過ごしているのかを知ることで、自分が働く姿をより具体的にイメージできるでしょう。

ここでは、業務内容別に施工管理の一日のスケジュールを紹介します。

新人施工管理

入社直後は先輩社員の指導のもと、安全管理や写真撮影、職人への伝達などの補助業務を中心に行います

朝は先輩とともに現場を巡回し、危険箇所の確認や作業内容の把握を行うほか、必要な資材や工具の準備をサポートします。

日中は、進捗確認や写真撮影、指示伝達などを担当しながら、少しずつ現場管理の感覚を身につけていく期間です。

昼休憩後には、午前中に記録した内容を整理し、報告書や施工記録の作成補助を行うこともあります。

夕方には、翌日の作業内容や必要資材を確認し、準備が整っているかをチェック。

経験を積むにつれて、工程の調整や協力会社との打ち合わせなど、責任のある業務も任されるようになります。

新人の期間は覚えることが多いですが、現場を支える実践経験を通じて、確実に成長できる時期です。

デスクワーク中心

デスクワーク中心の施工管理者は、現場のサポートだけでなく、工事全体を管理する「裏方」の役割を担います。

主な業務は、進捗表や工程表の作成、協力会社との調整、資材や機材の発注などです

現場からの報告内容を整理し、写真や日報をもとに必要な書類を作成することで、現場がスムーズに動くよう支えています。

午前中は、前日の現場状況を確認しながら、工程の進み具合をまとめ、必要に応じてスケジュールを修正します。

午後はクライアントや協力会社との打ち合わせ、報告書の提出準備など、社内外との調整業務が中心となります。

デスクワークといっても、現場との連携は欠かせません。

現場で発生した課題に迅速に対応するため、電話やオンライン会議で細かく情報共有を行います。

正確なデータ管理と円滑なコミュニケーションが求められるポジションであり、現場を支える縁の下の力持ちといえる存在です。

【シーン別】施工管理の一日の流れ

施工管理の一日は、現場の状況や時期によってスケジュールが異なります。

夜間工事や繁忙期、雨天などのシーンでは、通常とは異なる対応やスケジュール管理が求められます

特に建設業は天候や納期の影響を受けやすいため、柔軟な判断と段取りの工夫が必要です。

ここでは、代表的な3つのシーンを取り上げ、それぞれの一日の流れや注意点を解説します。

夜間工事

夜間工事は、交通量の多い道路工事や商業施設・駅構内など、昼間に作業ができない現場で行われます。

施工管理者は、日中とは異なる環境の中で安全を確保しながら、効率的に工事を進める必要があります

出勤は夕方から夜にかけて行われ、まずは現場の照明や安全設備の点検を実施。

夜間作業では視界が限られるため、照明の配置や作業範囲の確認を入念に行います。

作業が始まると、交通誘導員や職人と連携しながら、工事が計画どおり進行しているかを確認します。

作業終了後は、片付けや清掃、現場の施錠を行い、翌日の昼間に向けて報告書や写真整理などの事務作業を進めます。

昼夜逆転のスケジュールになるため、体調管理も重要なポイントです。

繁忙期

繁忙期は、年度末や大型プロジェクトの納期前など、工事の進行が集中する時期に発生します

この期間の施工管理者は、通常よりも多くの現場や業務を担当することがあり、時間の使い方と段取りの正確さが一層求められるでしょう。

朝は早めに出勤し、現場の準備や協力会社との打ち合わせを入念に行います。

日中は現場の巡回や安全確認、進捗管理に追われ、休憩時間も短くなるケースも。

午後からは工程の調整や報告書の作成、資材発注など、デスクワークも並行して行うため、集中力とスピードの両立が必要です。

繁忙期には残業が増えることもありますが、その分、現場を無事に完了させた際の達成感も大きいものです。

限られた時間の中で効率的に動く力、複数の関係者と協力して進める調整力が、施工管理者としての成長につながるはずです。

雨天・休工日

建設現場では、天候が作業スケジュールに直接影響します。

特に雨天時は、足場や資材が滑りやすくなるため、安全を最優先に判断することが欠かせません

状況によっては作業を中断し休工とする場合もありますが、小雨程度であれば屋内作業やデスクワークを進めるなど、柔軟な対応が必要です。

施工管理者は、朝の時点で天気予報を確認し、現場の状態を踏まえて作業可否を判断します。

休工となった場合は、進捗の遅れを防ぐために工程表の見直しや関係各所との再調整を行います。

また、雨天を活用して書類整理や安全対策会議を実施する企業も多く、時間を有効に使う工夫が求められます。

天候の影響を受けやすい建設業では、計画力と判断力が特に重要です。

安全を確保しながら効率的に業務を進めることが、施工管理者に求められます。

施工管理の労働時間や休日

施工管理職の基本的な労働時間は1日8時間程度で、一般的な勤務時間は8時から17時頃までです

ただし、現場の進捗や天候の影響により、早出や残業が発生することもあります。

特に工期が迫る繁忙期には、夜間対応や休日出勤が必要になる場合もあります。

休日は会社や現場によって異なりますが、週休2日制を採用する企業が増加傾向にあります。

国の「働き方改革」の推進により、建設業界でも労働時間の短縮や休暇取得の改善が進んでいます。

現場の状況に合わせた柔軟な働き方を実現しつつ、効率的なスケジュール管理で負担を減らす取り組みが求められています。

施工管理は「きつい」「激務」と言われる理由

施工管理の仕事はやりがいが大きい一方で、「きつい」「激務」といわれることもあります。

現場の進行を支える立場として、多くの人と関わりながら安全・品質・工程を管理するため、責任が重く、業務量も多くなりがちです

ここでは、施工管理が大変とされる主な理由を紹介し、実際の現場で求められる対応力や改善の動きについても解説します。

繁忙期の残業

施工管理の残業が増える主な要因は、繁忙期の業務集中にあります。

年度末や大型案件の納期前は、複数の現場が同時に進行し、進捗確認や書類整理、関係者との調整に多くの時間を要します

現場の安全や品質を保ちながら工程を守る必要があるため、結果的に時間外労働が発生しやすくなります。

ただし、こうした状況は業界全体で改善が進められています。

2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、労働環境の見直しが本格化。

国土交通省や建設関連団体が推進する「週休2日制」や「時短モデル工事」の導入により、残業削減への取り組みが広がっています。

近年では、ICT施工やクラウド管理システムの活用によって、現場業務の効率化が進んでいます。

こうした環境整備が進むことで、施工管理者がより健全な働き方を実現できる体制が整いつつあるでしょう。

現場をまとめるプレッシャー

施工管理者は、現場全体を統括する立場として多くの責任を担います。

安全管理・品質管理・工程管理のすべてを把握し、各作業が計画どおり進むよう調整することが求められます。

現場では複数の職種や協力会社が同時に作業を行うため、わずかな連携ミスが大きなトラブルにつながることも

特に、作業工程の変更や天候による予定のずれが発生した際は、即座に判断し、指示を出す必要があります。

作業員への安全配慮を徹底しつつ、納期を守るための判断を行うことは大きなプレッシャーとなるかもしれません。

こうした状況の中で、施工管理者には冷静な判断力と高いコミュニケーション能力が必要です。

現場をスムーズに進めるためには、職人や発注者との信頼関係を築き、全員が同じ目標に向かって動ける体制を整えることが重要です。

休日がやや少ない

施工管理職は、現場の進行に合わせて勤務するため、他の職種と比べて休日が少なくなる傾向があります

特に工期が迫っている時期やトラブル対応が必要な場合には、休日出勤や時間外対応を求められることもあります。

現場が稼働している限り、管理者として確認や立ち会いが必要になるため、完全な休日を確保しづらいのが実情です。

近年は、企業が休日取得の仕組みを整備する動きを強めています。

現場ごとに交代制勤務を導入したり、週休2日制を実現するために工程計画を変更する企業も少なくありません。

さらに、デジタルツールを用いた進捗共有や書類管理の効率化が進み、担当者の負担軽減につながっています。

今後は、休日確保を前提とした工程管理が業界全体へ定着し、持続的な働き方の実現が期待できるでしょう。

施工管理のやりがいや魅力

施工管理の仕事は、責任が大きい反面、達成感ややりがいを強く感じられる職種です。

自分が関わった建物や構造物が形として残り、多くの人の生活や社会インフラを支えるという誇りを持てます。

また、現場をまとめる経験を通じて、マネジメント力や調整力などのスキルを高められる点も大きな魅力です

ここでは、施工管理職ならではのやりがいを紹介します。

大きな仕事をやり遂げる達成感

施工管理のやりがいの中でも、最も大きいのが「大規模な工事を無事に完遂したときの達成感」です。

長期間にわたって多くの人が関わる建設プロジェクトでは、計画どおりに進めるための調整や管理に多くの努力が必要です。

工期を守り、安全に品質を確保しながら現場をまとめ上げたとき、チーム全体で感じる充実感は非常に大きなものとなります。

また、施工管理者としての対応力や調整力が評価され、より規模の大きな現場や責任ある立場を任される機会も増えていきます

成果が明確に可視化される点こそが、この職種のやりがいといえるでしょう。

仕事が形として残る

施工管理職の大きな魅力は、自分の仕事が目に見える「形」として残ることです。

手がけた建物や施設は完成後も長期間にわたって利用され、地域の人々の生活や社会活動を支える存在になります。

完成した現場を通りかかったときに、「この建物の工事を担当した」と誇りを感じられるのは、施工管理ならではの喜びです

また、建設現場では工程ごとに成果が確認できるため、日々の進捗がそのまま形として積み上がっていきます。

努力の結果が目に見える形で反映されることは、モチベーションの維持にもつながります。

こうした「形に残る仕事」は、長く続けるほどに達成感と責任感を強めていく職種です。

スキルや経験による成長が得られる

施工管理職は、実務を通じて幅広いスキルを身につけられます。

現場では安全・品質・工程の管理だけでなく、協力会社や職人との調整、クライアントへの報告など、コミュニケーション能力やマネジメント力が日々鍛えられるでしょう。

特に未経験からのスタートでも、実際の現場経験を重ねることで、図面の読み取りや段取りの組み方など、実践的な技術を着実に習得可能です

また、経験を積むことで、現場全体を見渡す判断力やリーダーシップも養われます。

トラブルへの対応や工程変更の判断など、現場での経験が次第に自信へと変わっていく過程は、この仕事ならではの魅力です。

さらに、2級・1級施工管理技士などの資格を取得すれば、より大規模な現場を担当するチャンスも。

経験とスキルの積み重ねが、そのままキャリアアップにつながる点も施工管理の大きな特徴です。

未経験者におすすめ!施工管理のキャリアプラン

施工管理は、未経験からでも専門スキルを身につけやすく、将来性の高い職種です。

現場での経験を積みながら知識を学べるため、販売職や営業職など異業種からの転職者も多く活躍しています。

最初はアシスタント業務からスタートし、徐々に管理や調整を任されるようになるのが一般的な流れです

ここでは、未経験者がどのようにキャリアを築いていくのか、ステップごとに紹介します。

現場で実務経験を積む

未経験から施工管理を目指す場合、まずは現場で実務を経験することが重要です。

入社後は先輩の補助として、安全確認や写真撮影、作業記録の整理、職人への伝達などを担当しながら、現場の流れを学びます

実際の工事を間近で見ることで、図面の読み方や工程管理の考え方など、机上の知識では得られない実践力が身につきます。

経験を重ねるにつれて、資材の手配や協力会社との打ち合わせ、進捗確認など、より責任ある業務を任されるようになります。

この段階では、チーム全体を意識して行動する力や、臨機応変な判断力が求められます。

現場経験を積むことで、管理職としての基礎が自然と身につきます。

現場で得た知識と人との関わりの中で培われる対応力は、その後のキャリア形成において大きな武器となるでしょう。

資格を取得する

施工管理のキャリアを築くうえで、資格取得は大きなステップになります。

実務経験を積んだ後、多くの人が目指すのが「施工管理技士」資格です。

まずは2級施工管理技士から挑戦し、経験を重ねたのちに1級施工管理技士を取得することで、より大規模な工事や監理技術者としての業務に携われるようになります

資格を取得することで、業務範囲が広がるだけでなく、企業からの評価や待遇面にも影響します。

実務経験と資格取得を積み重ねることで、より専門性の高い施工管理者へと成長できるでしょう。

まとめ

施工管理の仕事は、現場を安全かつ計画どおりに進める重要な役割を担います。

朝の準備から夜の報告業務まで、一日のスケジュールは多忙ですが、その分やりがいと達成感を得られる職種です。

特に、完成した建物が社会の中で活用される姿を目にできる点は、他の仕事にはない大きな魅力といえます。

また、未経験からでも実務を通じてスキルを身につけ、資格取得によって着実にキャリアアップを目指せる環境が整っています

働き方改革の進展により、労働環境の改善も進んでおり、将来性の高い職種として注目されています。

建設業界で安定したキャリアを築きたい方は、施工管理を検討してみてください。

戸嵜滉大監修者

キャリアアドバイザーとして、これまでに累計1,000人以上のキャリア支援を経験。
人事や採用代行、採用コンサル、法人対応など幅広く携わってきました。

その後はマーケティングの世界に転身し、メディア運営やコンテンツ制作に取り組んでいます。
個人の転職支援から企業の採用まで両方の現場を見てきた経験をもとに、読者にとって役立つリアルな情報をお届けしています。

転職でお困りの方はぜひご相談ください。

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