地方銀行の営業がきついと言われる理由とは?業務内容や向いている人と合わせて解説
就職のご経験はありますか?
地銀とも呼ばれる「地方銀行」は、就職人気が高い一方で、「きつい」「辞めたい」という声が後を絶たない業界でもあります。
実際に、地方銀行の新卒3年以内の離職率は平均で約24%に達しており、うち銀行によっては35%を超えるケースもあります。「安定しているはずなのに、なぜこんなにきついのか」——その答えは、地方銀行特有の業務構造にあります。
本記事では、地方銀行の営業がなぜきついと言われているのか、業務内容・きつい理由・それでも働く価値・向いている人の特徴と合わせて、元地銀行員・転職経験者のリアルな声も交えながら徹底解説します。
そもそも地方銀行とは?
地方銀行とは、全国地方銀行教会に加盟している日本全国の地方都市に本店をおく銀行のことです。
地方銀行の数は全国で63行あり、個人の預金を預かったり、地元企業への融資を行ったりしています。
たとえば地元の個人顧客に対して住宅ローンの提供を行うなどです。
他にも地元の企業に対して新たな取引先の紹介を行う、M&Aの仲介役になったりと企業の経営力向上などにも貢献する役割があります。
こうした個人、企業問わず、地域に根差した細かいサービスを提供できることが、地方銀行の強みであり、地元の地域経済を担っているのが地方銀行と言えるでしょう。
地方銀行のビジネスモデルとは?
地方銀行のビジネスモデルはメガバンクと同様に、企業や個人からお金を預金してもらい、そのお金を元手にさまざまな個人や企業へ融資していくものです。
個人や企業は地方銀行がある地元であることが多く、この融資で発生した金利で利益を出していくのが地方銀行のビジネスモデルです。
たとえば北海道銀行であれば、北海道内の個人や企業に融資を行い、千葉銀行であれば千葉県内の個人や企業に対して融資を行うなどです。
こうした金利は景気によって左右されるもので、景気が良ければその分の金利は上昇していきます。
地方銀行は景気によって収益が左右されることが多いのも特徴です。
地方銀行とメガバンクの違い
メガバンクには明確な定義はありませんが、大手銀行5グループと言われているのが「三菱UFJフィナンシャル・グループ」「みずほフィナンシャルグループ」「三井住友フィナンシャルグループ」「りそなホールディングス」「三井住友トラスト・ホールディングス」の5行です。
メガバンクの特徴は営業エリアが全国のみならず、海外など世界各地に広がることです。
さらに取引先も大企業と呼ばれる大手上場企業が中心であることが挙げられます。
そのため日本経済を動かすような取引を行っているのが特徴です。
一方で地方銀行は前述した通り、各都道府県に本店があり、本店が置いてある県やその近隣の都道府県を対象に営業を行っているのが特徴です。
さらにメガバンクと取引が行えないような地元の中小企業に対して手厚いサポートをするなど、地域経済の活性化のために融資等を行っています。
今後の地方銀行の行方
現在の地方銀行はバブル経済の崩壊からリーマンショック、マイナス金利の導入などによる経済の疲弊を乗り換えるために、収益源の多様化や地元企業の経営力強化、新規分野への積極的なファンドの設立など、地域を盛り上げるための施策を多く打っています。
さらにメガバンクが人員削減を行っている影響から、地方銀行にもその波が来るのではないかと予想されています。
こうした状況から地方銀行では、地方銀行同士の合併が進んでいます。
たとえば九州地方では2017年に複数の地方銀行グループが合併を行い、一つのグループとなりました。
合併が進む背景には、より地方での影響力を持つことと、それを支えるための体力を銀行自身が持つことが挙げられます。
また、新規分野では人材仲介ビジネスなどを新たに取り入れている銀行が増えてきています。
地方銀行には地元企業の情報が集まるため、その情報を活かし、企業に対して人材の提供を行い、人材の流動性を高めるのが狙いです。
こうした人材紹介などは、元来の銀行業務とはかけ離れていると言えます。
しかし収益源の多様化が求められる昨今においては、こうした取り組みが必要不可欠であり、今後もこれまでの銀行業務では考えられない、新ビジネスへの参入が進むものと考えられます。
地方銀行営業の業務内容とは?
地方銀行の営業職の業務内容は、以下の3つに分類されます。
- 新規顧客開拓業務
- 金融商品販売業務
- 定期積金集金業務
それぞれの業務内容について解説していきます。
新規顧客開拓業務
新規顧客開拓営業は文字通り、銀行との取引をする顧客を増やしていく業務のことです。
個人事業主や法人向けに営業をかけ、自行との取引をしてもらえるように努めていきます。
事業を行う際に融資は必要不可欠です。
しかしすでに事業を行っている法人などは、すでに取引をしている銀行があり、融資もそちらで受けているケースがほとんどです。
そのため、新たに融資先を変えて融資を受ける必要はありません。
顧客の目線に立つと、融資先を変えるのは手間がかかってしまうことに加え、新たな融資が欲しい場合も既存の取引先に対してお願いをする方が安心感があるでしょう。
銀行側としてはこうした顧客に対して、自行で融資を行うために「現在の融資金利よりも低金利で融資しますので検討いただけないでしょうか?」などの提案を行います。
顧客が多ければ多いほど、自行の存在感も大きくなっていくため、融資の争奪戦が起きている地域もあります。
金融商品販売業務
銀行営業の業務には顧客に融資を提案する他に、金融商品を販売する業務があります。
金融商品とは、投資信託や個人年金保険、個人向け国債などお金を運用する商品のことです。
金融商品は個人向けに販売するものもあれば、法人企業の社長向けに販売するものなど、さまざまな種類があります。
昨今では金融商品の販売はインターネットの活用が一般的になってきましたが、地方ではまだまだ対面での購入をする人も多くいます。
対面で説明してもらうことで分かりやすい、地元の銀行に説明してもらうことで、何かあった時に安心感を得やすいなどが理由になります。
金融商品は資産を増やしていくなどの名目で販売しますが、元本割れのリスクも当然あります。
そうした説明をきちんとするのはもちろんのこと、商品ごとにノルマが設定されている場合もあるので、自分があまりおすすめしたくない商品であっても販売しなければいけないケースもあります。
定期積金集金業務
定期積金業務とは、定期積金の商品を契約している法人や個人宅を訪問して、その月の積立金額を回収するという業務です。
積立金額は毎月決まった金額のため、あらかじめ訪問日のアポイントを取り、回収をしていきます。
毎月の回収になるため、定期的に顔を合わせることができ、信頼関係を構築することにもつながります。
さらに新たな金融商品などが出た際には、一緒に提案も行える、新たな融資の提案を受けるなど、業務の幅が広がることも期待できます。
昨今では回収の訪問をせずとも積金は行えますが、経営者の中にはあえて回収に来てもらうように選択する人もいます。
銀行側も顧客の生の声をきちんと聞ける機会が設けられるのは、次の事業に活かすことにもつながっていくでしょう。
地方銀行の営業がきついと言われる理由とは?
前章で解説したような業務がある地方銀行の営業ですが、きついと言われてしまう理由は主に以下の3点になります。
- 営業ノルマがきつい
- 前向きに取り組めない金融商品を販売する
- 旧態依然の体質が染み付いている
それぞれの理由について解説していきます。
営業ノルマがきつい
営業職である限り、どの業界においても営業ノルマは設定されます。
それでも地方銀行の営業職に設定される営業ノルマはきついとも言われています。
地方銀行の営業が設定するノルマの例としては、金融商品の販売があります。
ノルマの設定にも工夫がされており、単純に設定された金額を達成できれば良いものではありません。
金融商品には、さまざまなラインナップがあるため、それぞれの商品に対してノルマが設定されています。
仮にAとBという2つの金融商品があったとします。
Aという金融商品をたくさん販売し、金融商品全体のノルマを達成しても、Bという金融商品のノルマが未達であれば評価されなくなってしまいます。
つまりそれぞれに設定されたノルマを達成する必要があります。
また、時には達成が不可能ではないかと感じるようなノルマを設定されてしまうケースもあるようです。
こうした営業ノルマの設定が厳しいことから、地方銀行の営業はきついと言われています。
【経験者の声】地方銀行で法人営業4年間勤務/Aさん(28歳男性)
「投資信託のノルマが商品ごとに設定されていて、Aという商品を100売っても、Bが未達なら評価ゼロ。月末になると支店内がピリピリして、先輩が後輩を詰める声が聞こえていました。いくら頑張っても『Bが足りない』の一言で全否定される。それが一番きつかったです。」
前向きに取り組めない金融商品を販売する
金融商品は基本的に元本を保証するものではありません。
投資信託の価値が下がってしまうと、元本割れをしてしまうリスクがあります。
そのため適切な説明を行い、商品を販売する必要がありますが、中にはリスクが大きすぎて前向きに取り組めない金融商品もあるようです。
仮に元本割れが起こってしまうと、商品の説明はしていたとはいえ、銀行への信用がなくなってしまうケースも考えられます。
しかし銀行営業は、そうしたリスクは理解をしながらもノルマを達成するためには、販売をしなければならないケースもあります。
前向きに取り組めない商品にも関わらず、販売しなければならないのは、精神的にも大きな負担となってしまうでしょう。
こうした負担も地方銀行の営業がきついと言われる理由の一つです。
【経験者の声】地方銀行で個人営業3年間勤務/Bさん(25歳女性)
「外貨建て保険を高齢のお客様に説明するとき、本当に申し訳ない気持ちになりました。リスクをきちんと説明しているつもりでも、後日クレームが入ることもあって。『あなたが売ってくれたから買ったのに、元本が減った』と言われた時は、この仕事を続けていいのかと思いました。」
旧態依然の体質が染み付いている
地方銀行は古くから存在しているため、体質的には旧態依然であることがほとんどです。
たとえば昇進は年功序列で決まるなどです。
先輩の従業員よりも良い営業成績を出していたとしても、一定の年齢に達していない、勤続年数が足りていないなどの理由で給料や役職が上がっていかないケースも少なくありません。
新卒で入社してもほとんど給料は上がっていかず、同期の間でも差が付き始めるのは、5年目以降といえます。
さらに仕事をするには上司や本部の承認が必要になります。
スピード感を持って仕事をしたいと考えても社内稟議に時間がかかってしまい、なかなか仕事が前に進まないというケースもあります。
こうした旧態依然の体質を好まない人だと、地方銀行の営業は難しいでしょう。
【経験者の声】地方銀行で勤務5年目/Cさん(30歳男性)
「同期の中で圧倒的に成績が良くても、入行5年目は5年目の給与テーブルで固定。逆に成績が低くても同じ。”数字を出す意味”が分からなくなりました。上が詰まっていてポストも空かない。若手が辞めていくのは当然だと思います。」
転勤・異動が思ったより多い
「転勤が少ない」というイメージで地方銀行を選んだ方も多いですが、支店内の異動や県内各地への転勤は数年に一度のサイクルで発生します。慣れてきたお客様との関係が途切れるのはもちろん、引越しを伴う転勤が発生することも地方銀行によってはあります。
また、営業から窓口・融資・本部など、全く異なる部署への異動も珍しくなく、せっかく身につけた専門スキルが活かせないというストレスを感じる行員も少なくありません。
将来性への不安
地方銀行業界は、低金利の長期化・人口減少・デジタル化の波を受けて、経営環境が年々厳しくなっています。
実際に地方銀行同士の合併・統合が全国で相次いでおり、「自分が勤めている銀行が10年後も存続しているか」という将来性への不安が若手行員の離職を加速させている側面があります。メガバンクなら感じにくいこの不安が、地方銀行ならではの「きつさ」の一つです。
【経験者の声】地方銀行で営業2年間勤務/Dさん(24歳女性)
「2年で3回の異動がありました。やっと担当顧客に顔を覚えてもらえたと思ったら次の支店へ。そしてまた1から人間関係を作る繰り返し。しかも3回目の異動は融資担当で、全く未経験の業務。キャリアが積み上がっている感覚がなく、疲弊してしまいました。」
事務処理と営業ノルマの二重負荷
地方銀行の行員は、特に窓口業務との兼務がある支店では、午前中は事務・窓口対応、午後から外回り営業という過密スケジュールを強いられます。
事務処理でミスをすれば厳しく指導され、かつ営業成績も求められる。この「ミスが許されない事務」と「成果を求められる営業」の二重プレッシャーが、精神的な疲弊につながるのです。
地方銀行に就職するメリットは?
きついと言われることも多い地方銀行ですが、就職するメリットも当然あります。
メリットは、以下の4点が主に挙げられます。
- 地元に密着した仕事ができる
- 地元でのネームバリューがある
- 転勤がない
- 収入が安定している
それぞれのメリットについて解説していきます。
地元に密着した仕事ができる
メガバンクでは手が届かないような、地元に密着した仕事が行えるのは地方銀行に就職する大きな魅力です。
地方銀行の顧客は、ほとんどが地元の企業や個人であるため、その人たちのために仕事を行っていきます。
なんども顔を合わせて相談や提案を行う、さらに成果が上がった時には一緒に喜べるなど、地元の人の顔を見ながら仕事をしてる実感が持てます。
たとえば地元企業に融資を行い、その融資がきっかけで大きく事業が飛躍したなどになれば、大きな成果と言えるでしょう。
地元だからこそわかる事情や風習などにも対応ができ、地域貢献ができるのは、その地域が好きな人にとっては魅力的な仕事になります。
【経験者の声】地方銀行で法人営業8年目/Fさん(34歳男性)
「きついことはたくさんありますが、融資をきっかけに地元の中小企業が事業を拡大して、雇用が生まれた場面に立ち会えたことは一生の誇りです。経営者から『あなたが背中を押してくれたから決断できた』と言われた時、この仕事を選んで良かったと思いました。地元に根差して働ける仕事はここだけだと今でも思っています。」
地元でのネームバリューがある
地方銀行はその地域でのネームバリューが抜群です。
首都圏であればメガバンクの知名度は抜群ですが、地方に行くと支店も少なく、地元の人に馴染みがないというケースもめずらしくありません。
地方銀行は地域密着のスタイルのため、小さい町であっても支店を作り、訪問して融資の相談を行うケースもあります。
メガバンクではなかなかできない地域密着の仕事を行えるのが、地方銀行の魅力であり、その分ネームバリューやブランド力が抜群です。
さらにこのブランド力は、長年地元で積み重ねてきたものなので、簡単に揺らぐことはありません。
ある意味では仕事がしやすい環境であると言えるでしょう。
転勤がない
地方銀行はその地域内で支店を出店していることがほとんどです。
つまりメガバンクのように全国に支店を出店していないので、仮に転勤を通達されたとしても引っ越しを伴うような大きな転勤はありません。
一つの拠点をどっしりと構えて仕事が行えるので、住宅購入や結婚、子どもの入学等で悩むこともなく、ライフプランを設計できます。
とくにその地域が好きな人や地元が好きな方にとっては、同じ場所で活動し続けられるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
収入が安定している
銀行の収入は他業界と比較すると安定していると言えます。
たとえば有力地銀と言われている「千葉銀行」や「福岡銀行」などの平均年収は735万円と言われています。
もちろん年齢や就業年数、役職などによって差はあるものの、日本のサラリーマンの平均年収が400万円台とされているため、収入は多いと言えるでしょう。
さらに銀行は滅多なことでは潰れることもないため、定年まで安定した収入、年功序列が続いていけば、勤めれば勤めるほど、得られる収入は多くなっていきます。
日本経済が停滞している中でも、きちんとした収入を得られるのは、ライフプランを描く際にも大きなメリットと言えるでしょう。
収入が安定しており高水準
地方銀行は給与面での安定性が高く、業界全体として待遇改善が進んでいます。
| 銀行の種別 | 2024年度平均年収 | 前年比 |
|---|---|---|
| 大手行(メガバンク等) | 838万6,000円 | +24万1,000円 |
| 地方銀行(37行平均) | 659万7,000円 | +21万7,000円 |
| 第二地銀(20行平均) | 585万8,000円 | +16万2,000円 |
| 全産業平均(正社員) | 530万3,000円 | — |
※出典:東京商工リサーチ「国内63銀行の2024年度平均年収調査」、国税庁「2023年分民間給与実態統計調査」
地方銀行の平均年収659万7,000円は、全産業平均を約130万円上回っており、地元での生活水準を保ちながら安定した収入を得られる点は大きな魅力です。また、2024年度は前年比21万7,000円増と過去最高水準で、賃上げの流れも続いています。
千葉銀行・福岡銀行など有力地銀では平均年収700万円台後半に達するケースもあり、地域の中では最上位の待遇を誇ります。
地方銀行の営業に向いている人
地方銀行の営業職に向いている人の特徴としては、以下の4点が主に挙げられます。
- 真面目で責任感がある人
- 地元企業の経営などに興味がある人
- 精神的にタフである人
- 金融業務に関する勉強を続けられる人
それぞれの特徴を持つ人が、なぜ地方銀行の営業に向いているかを解説していきます。
【現役行員の声】地方銀行で営業10年目/Hさん(36歳男性)
「ノルマはきつく、旧態依然な部分もありますが、10年続けてわかったことがあります。地域の人に信頼されて、困ったときに真っ先に連絡が来るようになる。それがこの仕事の本当の醍醐味です。銀行の仕事が好きで、地元で貢献したいという気持ちがある人には、絶対に向いている仕事だと思います。」
真面目で責任感がある人
地方銀行の営業職に限らずですが、真面目で責任感がある人は向いています。
地方銀行の営業職の特徴として、常に数字を扱うことが挙げられます。
為替や融資など正確な数字を扱えない人は、向いていないと言えるでしょう。
たとえば融資の申請を行う際は、書面に金額を記載していきます。
その際の数字の書き方が雑になってしまい「1」と「7」が分かりづらいなどの人は責任感がないと言えるでしょう。
普段の文字が雑であっても、書面は丁寧に書く、判別できるように書くなど、当たり前のことに頭が回らない人は、業務が難しくなってしまいます。
こうしたことをしてしまうと、稟議まで時間がかかってしまう、訂正する手間がかかってしまう、顧客への融資が遅れてしまうなどにつながってしまいます。
こうした事態が起きないように常日頃から丁寧に仕事が行える、真面目で責任感がある人が地方銀行の営業職に向いています。
地元企業の経営などに興味がある人
地方銀行の営業をやるうえで企業への融資業務を経験しない人はいないでしょう。
適切な融資を行うためには、企業の経営についてきちんと見極める必要があります。
財務諸表や貸借対照表など資料を読み込んで経営状況を判断するのはもちろんのこと、実際に事業現場に行ってリアルの様子を確認することも大切です。
さらには融資を希望する経営者のプレゼンやプランニングなどを聞き、本当に融資して良いかの判断をしていきます。
融資を行ったにも関わらず、経営が上手くいかず返済が滞ってしまえば、銀行としても大きな損失になってしまいます。
とくに地方銀行は地元への密着が強いため、一つの融資先のミスが他の企業や地域経済にも伝播してしまう可能性があります。
簡単にはできない責任の重い仕事ですが、経営知識を活かせる仕事でもあり、地元企業の経営などに興味があれば、地方銀行の営業職は向いていると言えるでしょう。
精神的にタフである人
多くのお金を動かし、ミスができない銀行の営業職は精神的にタフであることが求められます。
一つのミスが銀行の業績に直結してしまうことを考えれば、慎重に丁寧に仕事を進めていく人が求められるでしょう。
また、前述したように地方銀行の営業職はノルマが厳しいケースもあります。
ノルマがなかなか達成できないと、上司から叱責を受けてしまうなど厳しいと感じてしまうこともあります。
大きなお金を動かすことに対して良い意味で鈍感であり、なんど挫けても立ち上がれる強さを持つ精神的なタフさがあると思える人は、地方銀行の営業職に向いています。
金融業務に関する勉強を続けられる人
金融業界のトレンドは常に移り変わっていきます。
また、法律も時代に合わせて変化することが多いため、常に最新の情報へアップデートできる勉強を続けることが求められます。
とくに企業経営者と話す際には、最新の情報を持っていること、知識があることが前提で話が進みます。
ニュースを見るのはもちろんのこと、日経新聞などの購読をして、時代に遅れないようにする人が良い営業成績を出していきます。
また、トレンドを追う他にも知識やスキルについて勉強を続け、顧客とより深い話し合いができるようにするなど、継続的に努力をできる人は向いていると言えるでしょう。
地方銀行の営業に求められるスキル
地方銀行の営業職として求められるスキルは主に以下の3点です。
- 金融に関する知識
- 顧客との関係構築力
- 柔軟な対応力
それぞれのスキルについて具体的に解説していきます。
金融に関する知識
銀行に所属して仕事を行う以上、金融に関する知識は必須と言えます。
IT企業に勤めている人がITの知識が全くない状態だと、仕事がままならないことに加え、顧客からの信頼も得られずに営業として力を発揮することは難しくなってしまいます。
銀行も同様に財務諸表などを適切に読み取れる力や、金融商品などについてきちんと理解できる力、業績を予測する力など金融に関する知識を最低限でも所持していることが求められます。
地方銀行の営業職に就職する際に、特別な資格が求められることはありません。
しかし、業務を行っていくうえで一定以上の知識は必要になるため、簿記の資格を積極的に取得する、金融に関する資格を取得して知識を身につけるなどの努力は必要です。
顧客との関係構築力
営業職として働いていくうえで、人間的に魅力があることは非常に重要です。
どんなに良い商品を提案したり、説明が良かったとしても担当営業の態度が悪い、会話のキャッチボールができないなどだと、提案を受け入れてもらうことは少なくなってしまいます。
融資などは銀行と企業の取引になりますが、最終的には人と人の関係が決まると言っても過言ではありません。
顧客の要望を聞き、その要望や現場の課題を的確に把握し、解決できるような提案をしていくことが営業の仕事です。
相手のニーズをきちんと捉えるためには、日々のコミュニケーションや信頼関係は欠かせません。
信頼関係がないと、営業として結果が出ないばかりか、銀行としての信用も失ってしまいます。
また、地元に密着した銀行だと一つの企業に対して、不遜な態度を取って印象を悪くしてしまうと、同じ地元の他の企業にまで話がまわってしまい、業績が傾いてしまう恐れもあります。
こうしたことにならないためにも、顧客との関係構築力は非常に大切なものになります。
柔軟な対応力
金融業界は変化が激しい業界のため、常に最新の情報へアップデートし、対応するスキルが求められます。
たとえば金融商品についての規制が緩和されて、新しい商品が発売されるなどは日常茶飯事と言っても過言ではありません。
さらに営業職であれば、商品の販売方法やこれまでの手続き方法が大幅に変わってしまうなどのケースもあります。
こうした変化に対しても柔軟な対応力が求められます。
また、金融商品についての取り決めは監査が厳しくなってきており、間違った方法で販売をしてしまうと、銀行にも顧客に対して大きな損害を与えることになってしまいます。
変化することが当たり前の業界のため、柔軟に対応するスキルは非常に重要です。
地方銀行の営業からの転職先
きつさを乗り越えられない場合、または将来性に不安を感じた場合は、転職という選択肢も有効です。地方銀行の営業で身につけたスキルは、以下の職種で高く評価されます。
| 転職先 | 活きるスキル | 年収の変化目安 |
|---|---|---|
| 信用金庫・信用組合 | 地域密着の営業スタイル・法人対応力 | ほぼ同水準 |
| 保険会社の法人営業 | 金融知識・顧客との関係構築力 | ↑ 実力次第で大幅UP |
| 証券会社の営業 | 金融商品の知識・富裕層対応経験 | ↑ インセンティブ次第 |
| 中小企業向けコンサル | 財務諸表の読み取り・経営提案力 | ↑ 600万〜 |
| フィンテック・ネット銀行 | 銀行業務全般の知識 | ↑〜↓ 企業による |
特に中小企業向けの経営コンサルタントは、地方銀行で培った「融資判断」「財務分析」「経営者との対話」がそのまま強みになります。転職エージェントに相談すれば、銀行経験者向けの非公開求人を紹介してもらえる場合も多いため、まずは情報収集から始めてみましょう。
【転職成功事例】地方銀行→中小企業向けコンサルへ/Gさん(31歳男性)
「地銀で6年間、法人融資を担当しました。財務諸表を読んで経営課題を見つける力と、経営者と深い話をするスキルが、コンサル転職で高く評価されました。年収は480万円→620万円にアップ。銀行の仕事は地道でしたが、あの経験がなければ今の仕事はできていません。」
まとめ
地方銀行は地域経済を活性化させるためには欠かせない存在です。
地方銀行がいるからこそ、地元の企業が輝ける側面も当然あるでしょう。
そのため、地方銀行の営業職として働く際には、金融知識を活かして地元の企業に貢献したいなどの想いが求められます。
そしてそれを実現するためには、金融に関する知識はもちろんのこと、コミュニケーションスキルなど顧客との関係構築力も必要です。
ノルマがきついなどの実情はありますが、自分が向いているなと感じているのであれば、ぜひ飛び込んでみてください。
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