物流営業はきつい?年収・2024年問題・転職判断の基準を徹底解説
就職のご経験はありますか?
「物流営業に転職したいけど、きついって聞くけど実際どうなの?」
転職相談でよく聞く問いです。物流営業にはきつい部分があります。ただし「会社・環境が変われば改善できる問題」と「物流営業という職種の本質的な特性」の2種類があります。どちらで消耗しているかを見極めることが、転職で後悔しない判断の核心です。
この記事では、物流営業の仕事内容・きつさの正体・年収データ・向いている人の特徴・後悔しない会社選びのポイントまで解説します。
「物流営業はきついから避けるべきか?」への私の答えは「きつさの正体を知ってから判断してほしい」。
物流営業のきつさには2種類あります。①繁忙期の長時間労働・出張頻度・ノルマ設定など「環境の問題」と、②配車調整のイレギュラー対応・天候トラブルへの対処・複数ステークホルダーとの調整など「職種の特性」です。①は転職先を変えることで改善できますが、②は物流営業である限りどこに行っても変わりません。
・物流業界の平均年収:約450万円前後
・大手物流企業(SGホールディングス・ヤマト運輸等)の総合職:500〜700万円台
・物流業界の新規求人数:2024年は2023年比1.2倍以上に伸長
・2024年問題:トラックドライバーの残業時間上限が年960時間に規制——人手不足が加速・物流営業の需要がさらに拡大
・給与所得者全体の平均年収:460万円
→ 物流業界は人手不足・EC需要拡大・2024年問題により求人が急増中。物流営業の市場価値は高まっており、成長産業のなかでキャリアを積める環境が整っています。
出典:キャリアガーデン「物流企業の年収はいくら?」JAC Recruitment「物流業界の転職事情」(2025年)・国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
アゲルキャリアに相談に来た物流営業の経験者・志望者では、「繁忙期の長時間労働と出張が続いて体力的・精神的に限界」「配車調整のイレギュラー対応が毎回きつい」「物流という社会インフラを支える仕事をしたい」という声が多く見られます。
しかし実際に整理してみると、「繁忙期の残業・出張頻度・ノルマの水準」は環境の問題であり転職先を変えることで改善できます。「イレギュラー対応・複数ステークホルダーとの調整・顧客業界の学習」は物流営業の職種特性であり、事前に理解して入ることが消耗を防ぐ鍵です。
※相談内容をもとにした自社傾向です。個人が特定されない形で内容を整理しています。
物流営業の仕事内容——他の営業職との違いと業務の全体像
物流営業とは、自社製品を流通させたい法人(荷主)に対して自社の物流サービスを売り込む仕事です。以下の6工程からなる物流サービスを提案します。
| 物流の工程 | 内容 |
|---|---|
| 輸送・配送 | トラック・鉄道・船などを利用して商品を届ける |
| 保管 | 商品を配送するまで倉庫で管理する |
| 荷役 | 倉庫への出し入れ・通関手続きを行う |
| 包装・梱包 | 商品を安全に届けるための梱包を行う |
| 流通加工 | 値札付け・小分け包装などを行う |
| 情報管理 | 物流工程が問題なく稼働しているかを確認する |
アゲルキャリア編集部作成(2025年時点)
近年は3PL(サードパーティーロジスティクス)が主流で、物流企業が荷主から物流業務を全て受託する形態が拡大しています。自社設備を使う「アセット型」と、他社設備を活用する「ノンアセット型」の2種類があります。
他の営業職との最大の違いは「満足させる相手が複数いること」です。直接の顧客(荷主)だけでなく、荷物を受け取る小売店・最終的なエンドユーザーまで満足させる提案が必要です。1つの工程でミスがあると、関わる全ての人に影響が出るため、責任の重さが他業種の営業と比べて大きくなります。
物流営業が「きつい」と言われる理由——「環境の問題」と「職種の特性」で整理する
物流営業のきつさは大きく2種類に分けられます。会社・職場が変われば改善できる「環境の問題」と、物流営業である限りどこに行っても変わらない「職種の特性」です。
【環境の問題】繁忙期の長時間労働・出張頻度・ノルマの高さ
→ 会社のDX化・業務効率化の進捗・担当案件の規模によって大きく異なる。転職先選びで改善できる余地がある。
【職種の特性】配車・イレギュラー対応・複数ステークホルダーとの調整・顧客業界の継続学習
→ 物流営業である限り、どこに行っても変わらない。職種の本質として受け入れる必要がある。
【環境の問題】繁忙期は長時間労働・休日出勤になりやすい
年末年始・年度末・通販サイトのセール期間は物流の繁忙期です。案件が完了するまで気を抜けないため、この時期は長時間労働・休日出勤になる可能性があります。ただし業務システムの効率化・DX化が進んでいる会社では、繁忙期でも労働時間が大幅に改善されているケースがあります。口コミサイトや面接での確認が重要です。
【環境の問題】出張・現地視察でプライベートが削られる
顧客・協力会社との関係構築や物流拠点の視察、海外案件の場合は相手国への出張も発生します。出張頻度は担当する案件の規模・業務の分担体制によって異なります。「どのくらいの頻度で出張があるか」を面接で具体的に確認しておくことが、ライフプランとのミスマッチを防ぐポイントです。
【職種の特性】配車調整・イレギュラー対応が日常的に発生する
顧客の配送量は毎回変わることがあり、前日に急な依頼が入ることも珍しくありません。自社のトラックを空にさせないよう、常に最適な配車を判断し続けることが求められます。これは物流営業という仕事の構造的な特性です。「臨機応変な調整が苦でない人」かどうかが、物流営業との向き不向きの核心です。
【職種の特性】天候・トラブルによる何度もの調整が必要
高速道路の渋滞・人身事故・台風・大雪など、予期せぬトラブルで配送スケジュールに遅延が生じることがあります。そのたびに顧客・協力会社・ドライバーと連絡を取り合い、代替案を調整する必要があります。どれだけ準備をしても発生するこの対応は、物流営業という職種の特性であり、事前に覚悟しておく必要があります。
【職種の特性】顧客業界の継続的な学習が必要
顧客に最適な物流プランを提案するには、顧客が属する業界の仕組み・繁忙期・物流ニーズを理解する必要があります。物流業界以外のあらゆる業界についての知識を継続的に習得することが、物流営業として差をつけるスキルになります。この学習の継続は職種の特性です。逆に言えば、知識が蓄積されるほど提案の質が上がり、顧客からの信頼も高まります。
「物流営業からの転職相談で必ず確認することがあります。”きついのは繁忙期の残業と出張ですか、それともイレギュラー対応や複数の関係者との調整ですか?”という問いです。前者は会社のDX化・業務分担体制で大きく改善できます。後者は物流営業という仕事の構造的な特性であり、どの会社に行っても変わりません。自分がどちらで消耗しているかを切り分けることが、転職先を正しく選ぶための第一歩です。」
物流営業に向いている人・向いていない人——転職前に確認すべき特徴
「自分に物流営業が務まるか」を転職前に確認することで、入社後のミスマッチを防げます。以下の対比表を参考にしてください。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 複数の関係者と調整しながら仕事を進められる(協調性) | 自分のペースで単独で仕事を進めたい |
| 引き受けた案件を最後までやり抜ける(責任感) | 困難な状況でどこかで投げ出してしまいがち |
| 効率化・コスト削減の方法を常に考えられる | 与えられた業務をこなすだけのスタイルを好む |
| イレギュラー対応・トラブル対処が苦にならない | 決まったルーティンで仕事をしたい |
| 顧客業界の知識を継続的に学べる | 仕事とプライベートを完全に分けたい |
| 社会インフラを支えることにやりがいを感じられる | 目に見える成果やスピード感のある達成感を求める |
アゲルキャリア編集部作成(2025年時点)
最も重要な特徴は「イレギュラー対応・複数ステークホルダーとの調整が苦でないかどうか」です。これは物流営業の職種の本質であり、スキルや慣れで克服できる部分もありますが、そもそも苦手意識が強い場合は長続きしにくくなります。転職前に自己分析しておきましょう。
アゲルキャリア利用者の声(物流営業の転職)
A
Aさん(26歳・前職:食品メーカー法人営業 → 大手物流会社 物流営業)★★★★★
「前職よりイレギュラー対応が多くて最初はきつかったですが、事前に職種の特性として理解して入ったので覚悟ができていました。天災で物流がストップしたときに現場と協力して乗り切った経験が、今の自分の最大の自信になっています。年収も前職比で90万円アップしました。」
B
Bさん(29歳・前職:物流営業(繁忙期残業100時間超) → 別の物流会社(DX化が進んだ職場)に転職)★★★★☆
「前の会社は繁忙期に毎日終電で限界でした。同じ物流営業でも、業務システムが整った会社に転職したら繁忙期の残業が半分以下になりました。物流営業という仕事自体は好きなので、会社を変えるだけでこんなに変わるとは思わなかったです。年収も前職より50万円上がりました。」
※アゲルキャリア利用者の傾向をもとに再構成しています。
物流営業の年収——2026年最新データで確認する
・物流業界全体の平均年収:約450万円前後
・大手物流企業の総合職:500〜700万円台
・物流・運輸・倉庫業界の求人想定年収中央値:リクルートエージェント2026年2月掲載求人ベース
・給与所得者全体の平均年収:460万円
→ 物流業界全体の平均年収は全産業平均とほぼ同水準。ただし企業規模・インセンティブ設計・担当案件の規模によって給与差が大きく、大手企業・国際物流案件では大幅な年収アップが見込める。
出典:キャリアガーデン「物流企業の年収はいくら?」(2025年時点)・国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
なお、物流業界の年収はドライバー・倉庫作業員・事務職・営業職が混在した全体平均である点に注意が必要です。物流営業(法人向け提案営業)単体では、全体平均より高い水準になるケースが多くなります。また2024年問題でドライバーの残業が制限され人手不足が加速したことで、物流営業の採用ニーズが高まっており、求職者にとって有利な市場環境が続いています。
物流営業で「後悔しない職場」を選ぶ5つのチェックポイント
物流営業に転職する際、「どの会社を選ぶか」がきつさの度合いを大きく左右します。入社前に必ず確認すべき5点を整理しました。
1
業務システムのDX化・効率化の進捗を確認する
SFA・TMS(輸送管理システム)・配車最適化ツールなどの導入状況を確認しましょう。デジタル化が進んでいる会社では、繁忙期の残業時間や配車調整の負担が大幅に軽減されています。面接で「現場で使っているシステムを教えてください」と確認するのが有効です。
2
繁忙期の残業時間・休日出勤の頻度を確認する
口コミサイト(OpenWork・転職会議)の「残業」欄で直近1〜2年の投稿を確認しましょう。「繁忙期の平均残業時間」「振替休日の取得可否」を面接で直接確認することも重要です。
3
担当案件の規模(国内・国際・大規模・中小規模)を確認する
大規模な国際物流案件は出張・協力会社との調整が多くなり負荷が高い反面、キャリアアップの機会も多くなります。自分のライフプランに合った案件規模の会社を選びましょう。
4
3PL(アセット型・ノンアセット型)の形態を確認する
アセット型は自社設備で業務管理しやすく安定。ノンアセット型は荷物の量・種類に応じて柔軟に対応できる反面、複数の協力会社との調整が多くなります。自分の得意なスタイルに合わせて選択しましょう。
5
資格取得支援・スキルアップ制度を確認する
物流技術管理士・通関士・貿易事務検定などの資格取得を支援する制度があるかを確認しましょう。費用補助・受験休暇・学習時間の確保など、支援内容は会社によって大きく異なります。
物流営業への転職を動かす3ステップ
1
「環境の問題」か「職種の特性」かを書き出して判断する
繁忙期の残業・出張頻度・ノルマは環境の問題であり転職先で改善できます。配車調整・イレギュラー対応・複数ステークホルダーとの調整は職種の特性として受け入れる必要があります。まず自分の「何なら受け入れられるか」を言語化することが出発点です。
2
前職の営業・折衝経験を数字で言語化する
「月間新規開拓件数○件」「担当顧客数○社・年間売上○億円」「複数ステークホルダーとの折衝経験」など具体的な実績を棚卸しする。物流未経験でも、法人営業経験・ロジカルな提案力・調整力が評価されます。
3
転職エージェントに相談してDX化が進んだ会社・非公開求人を確認する
アゲルキャリアはLINEで24時間相談できます。「業務システムが整った物流会社を探したい」「自分の経歴が物流営業で通用するか確認したい」という段階からでも気軽にご相談ください。面談はもちろん無料です。
物流営業転職でよくある質問
物流営業はきつくて辞めたいです。すぐ転職すべきですか?
辞める前に「環境の問題」か「職種の特性」かを確認することをおすすめします。繁忙期の残業・出張頻度・ノルマは環境の問題であり、DX化が進んだ会社・担当案件の規模が合った会社に転職することで改善できます。一方、配車調整・イレギュラー対応・複数ステークホルダーとの調整は物流営業の職種特性であり、どの会社に行っても変わりません。後者が原因なら、職種ごと変えることを検討してください。
物流営業の平均年収はどれくらいですか?
物流業界全体の平均年収は約450万円前後で、全産業平均(460万円)とほぼ同水準です。大手物流企業の総合職では500〜700万円台も現実的です。物流営業(法人向け提案営業)単体では全体平均より高い水準になるケースが多く、インセンティブ制度のある会社・大規模案件を担当できる会社では年収が大きく上がります。2024年問題で人手不足が加速したため、物流営業の採用ニーズが高まっており、給与改善の動きも出ています。
物流営業は未経験でも転職できますか?
未経験でも転職できる可能性があります。物流業界は人材不足が続いており、未経験者の採用に積極的な会社も増えています。前職での法人営業経験・ロジカルな提案力・調整力があれば評価されやすいです。ただし物流業界未経験の場合は、3PL・物流の工程・業界知識の習得が必要なため、研修・OJT体制が充実している会社を選ぶことが成功のポイントです。
物流業界の将来性・2024年問題の影響はどうですか?
物流業界は成長産業であり、将来性は高い水準にあります。EC市場の拡大による小口配送需要の増加・2024年問題によるドライバー不足の深刻化・物流施設の需要増加など、物流の重要性は高まり続けています。2024年の物流業界の新規求人数は2023年比1.2倍以上に伸長しており、物流営業の採用ニーズも拡大中です。課題が多い分、課題解決に関わるチャンスも多い業界です。
物流営業に向いている人はどんな人ですか?
「複数の関係者と調整しながら仕事を進められる人」「イレギュラー対応が苦でない人」「社会インフラを支えることにやりがいを感じられる人」が向いています。物流営業は顧客・ドライバー・協力会社・倉庫管理者など多くのステークホルダーと連絡を取り合いながら仕事を進めます。協調性・責任感・効率化思考が重要なスキルです。一方、ルーティンワークを好む人・単独で完結する仕事が好きな人は向いていない可能性があります。
物流営業に役立つ資格はありますか?
物流技術管理士・通関士・貿易事務検定が代表的な資格です。物流技術管理士は物流関連の全領域にわたる専門知識を証明する資格で、取得することで大型案件に関わりやすくなります(受験には2年以上の実務経験と物流技術管理士補の資格が必要)。国際物流を扱う会社への転職を目指すなら、通関手続き・関税知識を証明する通関士や、貿易書類作成の知識を証明する貿易事務検定も有効です。いずれも合格率が低いため、計画的な準備が必要です。
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