転職活動中に面接を辞退したいときは?伝えるときのポイントや知っておきたいマナーなどを解説
はじめに
面接する機会を得ても、別の企業から内定をもらっている、都合がつかないといった理由で辞退を考える場面があるかもしれません。
しかし辞退すれば「トラブルが起こるのではないか」「厳しく追求されてしまうのではないか」と考えて、不安になる方も多いのではないでしょうか。
面接の辞退は可能ですが、やはり企業に迷惑がかかってしまうことに違いはありません。
そのため面接を辞退するときは、失礼のない伝え方やマナーを知っておくことが大切です。
今回は、転職活動中に面接を辞退する方法について解説します。
伝えるときのポイントや知っておきたいマナーなども紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
転職活動中に面接を辞退できる?
結論から言えば、転職活動中に面接の辞退をすることは可能です。
企業側からしても辞退されること自体はよくある話であり、転職希望者にもさまざまな事情があることをわかってくれています。
とは言え、面接の辞退は相手に迷惑をかけてしまうことに間違いはありません。
社会人としてのマナーを欠かすことなく、上手に伝えることが大切となってきます。
当日や前日など土壇場での辞退はできるだけ避け、遅くても2日以上前にはメールで連絡を入れるようにしましょう。
やむを得ない事情で当日に辞退するのであれば、メールと電話の両方で連絡を入れるようにし、誠意ある対応を心がけましょう。
面接前に辞退する人は多い
面接前に辞退をしてしまう人は多いというデータがあります。
転職エージェントサービスを手がけるエン・ジャパンの「月間 人事のミカタ」によれば、面接前に選考を辞退した求職者は45%もいるようです。
また面接後の辞退は43%で、内定取得後の辞退が39%というデータもあり、実に多くの求職者が選考の辞退をしていることがわかります。
このような状況からも、企業側は辞退されることについてはある程度許容しているものだということがうかがえるでしょう。
電話で面接辞退するときの伝え方
前日や当日に面接辞退をするときは、すぐに連絡のつく電話が望ましいでしょう。
電話では次のように伝えるのがポイントです。
お世話になっております。
現在御社に応募させていただいている〇〇と申します。
先日は〇月〇日の面接のご連絡ありがとうございました。
急なご連絡となってしまい大変恐縮ですが、諸般の事情により今回御社の面接を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
お忙しい中面接の機会をいただいたにも関わらず、このような運びになってしまい大変申し訳ございません。
失礼いたします。
企業に電話をかける場合は、氏名と面接予定日を伝えて、採用担当者の方につないでもらうようにお願いしましょう。
相手から理由を聞かれない限りは、一身上の都合、あるいは諸般の事情などで問題ありません。
もし聞かれた場合は、理由を正直に話して誠意ある対応を心がけましょう。
【ケース別】面接辞退メールのテンプレート
メールで面接を辞退するときは、他社から内定をもらっている、家庭の事情で参加できなくなったなどさまざまな要因が考えられます。
次にメールで面接を辞退するときのテンプレートをご紹介します。
こちらも参考にしていただき、ご自身の状況に合わせてアレンジしてみてください。
他社で内定が出ているとき
面接辞退で多い理由として、他社で内定が出ているというパターンがあります。
メールでは、次のような伝え方をするのがポイントです。
件名:【面接辞退のご連絡】 〇〇 〇〇(氏名)
お世話になっております。
現在御社に応募させていただいている〇〇と申します。
先日は〇月〇日の面接をご案内いただきまして、ありがとうございました。
今回、別の企業から内定をいただく運びとなり、熟考の末にそちらへ入社することといたしました。
そのため御社の面接を辞退させていただきたい旨、今回ご連絡を差し上げました。
お忙しい中、ご準備いただいたにも関わらず、このような形となってしまい誠に申し訳ありません。
身勝手なお願いとなり恐縮ですが、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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〇〇 〇〇
〒XXX-XXXX
東京都〇〇区△△
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メール:XXX@XXX
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他社から内定をもらっている場合は、素直に理由を説明しておきましょう。
他社が同業他社、もしくは関連企業・グループ企業であった場合は、入社後に再び関わる可能性もあります。
失礼のないよう伝え方に気を配り、マナーを欠かさないようにするのがポイントです。
企業が自分に合っていないと感じたとき
選考を受けてみたものの、その企業が自分に合っていないと感じてしまうこともあるでしょう。
メールで辞退するときは、次のように伝えるのがポイントです。
件名:【面接辞退のご連絡】 〇〇 〇〇(氏名)
お世話になっております。
現在御社に応募させていただいている〇〇と申します。
先日は〇月〇日の面接をご案内いただきまして、ありがとうございました。
誠に申し訳ございませんが、御社の業務内容について理解を深めていく中で、私のスキルや能力では貢献が難しいものだという結論に至りました。
そのため御社の面接を辞退させていただきたい旨、ご連絡を差し上げました次第です。
お忙しい中、ご準備いただいたにも関わらず、このような形となってしまい誠に申し訳ありません。
身勝手なお願いとなり恐縮ですが、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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〇〇 〇〇
〒XXX-XXXX
東京都〇〇区△△
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メール:XXX@XXX
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企業が自分に合っていないと感じる場合、「思っているような企業ではなかった」という本音があるかもしれませんが、正直に伝えてしまうのはおすすめできません。
「自分では能力不足」「貢献が難しい」といった表現で、あくまでも自分に原因があるというニュアンスにして、相手に非がないように伝えるのがポイントです。
「自分との相性が悪い」などネガティブな表現をしてしまわないよう注意しましょう。
家庭の事情でやむを得ないとき
ケースとしては少ないかもしれませんが、家庭の事情でやむを得ず面接辞退を余儀なくされることもあります。
家庭の事情を理由にメールで辞退するときは、次のように伝えるのがポイントです。
件名:【面接辞退のご連絡】 〇〇 〇〇(氏名)
お世話になっております。
現在御社に応募させていただいている〇〇と申します。
先日は〇月〇日の面接をご案内いただきまして、ありがとうございました。
私事の話となってしまい誠に恐縮ですが、先月から父の具合が優れず急きょ看病をしなければならない状況が訪れてしまい、現在転職活動が難しい状況となっております。
そのため御社の面接を辞退させていただきたい旨、ご連絡を差し上げました次第です。
お忙しい中、ご準備いただいたにも関わらず、このような形となってしまい誠に申し訳ありません。
個人的な理由による辞退となってしまい大変恐縮ですが、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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〇〇 〇〇
〒XXX-XXXX
東京都〇〇区△△
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メール:XXX@XXX
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他の状況と異なり、家庭の事情による辞退は、企業が事情を汲み取り、面接の日程を調整してくれる場合があります。
選考を受ける意思があるのに辞退しなければいけないということなら、面接に参加したい気持ちがあることを伝えてみても良いでしょう。
そのため既に辞退する意思が固い場合は、家庭の事情にせず一身上の都合にしておいた方が無難です。
体調不良のとき
体調不良で面接を辞退しなければならないときの、メールでの伝え方は次のとおりです。
件名:【面接辞退のご連絡】 〇〇 〇〇(氏名)
お世話になっております。
現在御社に応募させていただいている〇〇と申します。
先日は〇月〇日の面接をご案内いただきまして、ありがとうございました。
私事で大変恐縮ですが先日から体調を崩してしまい、今回の面接を辞退させていただきたい旨、ご連絡を差し上げました。
大変心苦しいのですが、まずは回復するまで治療に専念させていただきたい次第です。
個人的な理由による辞退となってしまい大変恐縮ですが、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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〇〇 〇〇
〒XXX-XXXX
東京都〇〇区△△
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メール:XXX@XXX
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体調不良の場合も、家庭の事情と同様に面接日を変更してもらえる可能性があります。
そのため伝える際には、どれくらいで体調が回復できるのか、入院が必要なのかどうかについても言及しておいた方が良いでしょう。
言えない事情があるとき
そのほか、やむを得ない事情によって面接を辞退しなければならないときもあるでしょう。
何か言えない事情があるときは、次のようにメールで伝えるようにしましょう。
件名:【面接辞退のご連絡】 〇〇 〇〇(氏名)
お世話になっております。
現在御社に応募させていただいている〇〇と申します。
先日は〇月〇日の面接をご案内いただきまして、ありがとうございました。
誠に申し訳ございませんが、一身上の都合により御社の面接を辞退させていただきたい旨、ご連絡を差し上げました。
お忙しい中、ご準備いただいたにも関わらず、このような形となってしまい誠に申し訳ありません。
身勝手なお願いとなり恐縮ですが、何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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〇〇 〇〇
〒XXX-XXXX
東京都〇〇区△△
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
メール:XXX@XXX
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言いづらい事情があるにも関わらず、正直に理由を伝えてしまうと相手に悪い印象を持たれてしまいます。
そのため一身上の都合という言葉を使い、辞退する旨を伝えると良いでしょう。
一身上の都合であれば、企業側も理由を深く追求してくることはありません。
面接辞退をメールで伝えるときのポイント
面接辞退をメールで伝えるときのポイントは次のとおりです。
- 件名で内容がわかるようにする
- 本文は簡潔で読みやすい内容にする
- お詫びの言葉を添える
- 辞退の理由は詳細に書かなくてよい
- 最後に署名をつける
件名で内容がわかるようにする
一目で伝えたいのかわかるように、件名に内容を入れておきましょう。
採用担当者は応募者だけでなく、社内や取引先など毎日多くのメールが届くため、件名で用件がわからないと見落としてしまうことがあります。
件名を「【面接辞退のご連絡】 〇〇 〇〇(氏名)」としておけば、面接辞退したい旨が伝わり、すぐに内容を確認してもらえるでしょう。
本文は簡潔で読みやすい内容にする
本文に関しては、簡潔で読みやすい内容にすることを心がけましょう。
基本的には、次の順番で記載していくのが面接辞退の型です。
- 自己紹介
- 面接を案内してもらったことに対する感謝
- 面接を辞退したい旨と理由
- 辞退することに対するお詫び
- 結びの言葉
このような順番で記載していけば、相手に内容が伝わりやすくなります。
そして単に辞退したいことを伝えるだけでなく、面接を準備してもらったことに対する感謝や、辞退してしまうことに対する謝罪も忘れないようにしましょう。
理由の部分はつい長文になってしまいがちですが、相手が読み疲れない2行から3行くらいのボリュームがベストです。
適切な文章量でわかりやすく用件を伝えることが、メールで辞退するときのマナーでありポイントだと言えるでしょう。
お詫びの言葉を添える
メール文章の中で、感謝の気持ちを必ず添えるようにしましょう。
企業説明会をしてくれた、面接の日程を調整してくれたなど、感謝するポイントは人によってさまざまです。
感謝の部分はテンプレートではなく、できるだけ自分の言葉で伝えるようにすると、相手に誠実さが伝わります。
辞退の理由は詳細に書かなくてよい
面接を辞退する理由は、採用担当者に聞かれない限り無理に書かなくても大丈夫です。
理由を伝えるのが難しい場合は「一身上の都合」としてしまっても構いません。
ただし同業他社から内定をもらって辞退するのであれば、辞退した企業と再び関わる可能性もあるので、正直に伝えておいた方が良いでしょう。
最後に署名をつける
最後に署名をつけるのを忘れないようにしましょう。
署名はビジネスメールの基本であり、つけないまま送るのは失礼に当たります。
転職活動において、署名で必要な情報は次のとおりです。
- 氏名(フルネーム)
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
署名は、多くのメールソフトでテンプレート設定ができるので、転職活動をする前にあらかじめ準備しておきましょう。
面接を辞退するときのマナー
面接を辞退するときに気をつけたいマナーは、次のとおりです。
- できるだけ早く連絡をする
- 無断キャンセルはしない
- 営業時間内に伝える
- 電話をするときは場所を選ぶ
できるだけ早く連絡をする
面接の辞退を決断した段階で、できるだけ早く採用担当者の方に連絡を入れるようにするのがマナーです。
面接官の割り当てや面接会場の手配など、一つの面接でも多くの準備が必要となります。
そのため連絡が遅くなればなるほど、企業に迷惑をかけてしまうことになってしまうのです。
やむを得ず前日、もしくは当日の辞退となってしまう場合は、メールだけでなく電話連絡をして、確実に伝えられるようにしましょう。
無断キャンセルはしない
面接辞退が後ろめたいからと言って、無断キャンセルは絶対にNGです。
企業に迷惑がかかりますし、大きく信用を損ねる可能性があります。
最悪の場合は無断キャンセルした情報が周囲に広がり、自身のキャリア形成に影響が出てしまう可能性もゼロではありません。
社会人の最低限のマナーとして、面接辞退の旨はしっかり企業へ伝えるようにしましょう。
営業時間内に伝える
可能な限り、辞退の連絡は営業時間内にしましょう。
特に電話での連絡の場合は、営業時間外だと相手に迷惑をかけてしまうことがあります。
メールであっても営業時間外に送ってしまうと、担当者の確認が遅れてしまい返事が翌日以降になってしまうかもしれません。
日中の連絡が難しい場合は、「夜分遅くに失礼します」と一文添えるようにして、失礼のないよう気を配ることが大切です。
電話をするときは場所を選ぶ
電話で内定辞退をするときは、静かな場所を選びましょう。
電波が悪い、もしくは雑音の多い場所からの電話は、仕事の忙しい採用担当者の方に大きな迷惑がかかってしまいます。
もし電話の途中で音声に不具合があったときは「後ほどこちらから改めてご連絡いたします」などと伝え、場所を変えてからすぐにかけなおすようにしましょう。
面接辞退メールにまつわるQ&A
最後に面接辞退メールにまつわるQ&Aを用意しました。
面接の辞退を考えている方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
電話がつながらないときは?
電話がつながらないときは、企業の方に電話をかけて担当者に伝言をお願いしましょう。
採用担当者の電話番号がわかっている場合であれば、伝言を残した後にメールを送っておきましょう。
「先ほどお電話をさせていただきましたが、ご不在のようでしたのでメールにて失礼いたします」という一言を添えておけば、相手から返事をもらえます。
企業から返信が来たとき返事は必要?
企業から内定辞退を承諾する返信が届いている場合は、基本的に返信不要です。
ただし辞退の理由を聞かれているときなどは、必ず返信しましょう。
企業から返信が来ないときはどうする?
数日にわたって企業から返信が来ないときは、こちらから電話をかけましょう。
メールが届いてない、もしくは見落とされている可能性が考えられます。
電話をする際は、いつメールを送ったのかを伝えてから話をするのがポイントです。
企業から説得されたときはどうする?
辞退の意思が固いのであれば、しっかりと断るようにしましょう。
ただし説得されるということは入社してほしいという気持を持たれている可能性が非常に高い証拠です。
他社から内定をもらっていないなら、面接を一度受けることを検討してみても良いでしょう。
面接辞退する前にもう一度考えるべきこと
一度面接を辞退してしまうと、基本的に再度選考に参加することはできません。
そのため連絡を入れる前に「本当に辞退しても良いのか」について改めて考えましょう。
選考が進むにつれ面接官が魅力的な人だったり、仕事のやりがいに魅力を感じたりして、「やっぱり働いてみたい」という気持が芽生えることもあります。
辞退する理由がミスマッチを感じているということであれば、一次面接、二次面接を受けたあとに、改めて辞退を考えてみるというのも一つの手段です。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
転職活動をしていると、どうしても面接を辞退しなければならない状況に陥ることがあります。
辞退の連絡を入れれば、企業に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
しかし転職活動は複数の企業を受けることもあって、辞退する人も大勢いますし、企業側もその部分については理解があります。
大切なのは、社会人のマナーとして感謝の気持やお詫びの気持を込めて誠心誠意対応するこということです。
面接の辞退は勇気がいるかもしれませんが、無断キャンセルにならないよう必ず企業へ伝えるようにしましょう。
今回の記事が、転職活動をしている方の参考になれば幸いです。
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