【未経験】カスタマーサクセスってどう?向いている人の特徴や転職する際のポイントについて詳しく紹介
カスタマーサクセスは、自社サービスを利用する企業に対して利用方法を案内し、最大限活用してもらえるようにサポートする仕事です。
業務の幅広さもあり、さまざまなスキルが得られる点で、人気のある職業の一つとして注目されています。
実際、未経験からカスタマナーサクセスの仕事に就きたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
一言にカスタマーサクセスと言っても、自社が提供するサービスによってサポート内容が異なるのが特徴です。
そのため転職をする際はどのような仕事内容があるのか、やりがいはどこにあるのかといった部分について理解を深めておくようにしましょう。
今回は業界未経験の人に向けて、カスタマーサクセスという仕事について詳しく解説していきます。
向いている人の特徴や転職する際のポイントについても触れていますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスは、自社のサービスを利用している顧客のサポートに回る仕事です。
具体的には、サービスの利用方法に関する案内や企業の抱える課題を解決するための提案するといったサポートがあります。
顧客が常に安心してサービスを利用し続けられるようにサポートし、顧客が利益を生み出せるようにアドバイスすることをミッションとしています。
またカスタマーサクセスは、顧客満足度の向上も大事な仕事です。
申し出を受けたときは、サービスに関して改善に向けた取り組みが求められます。
能動的に顧客と密接に関わっていくという部分で、営業職のような色合いもある職種の一つだと言えるでしょう。
信頼構築のためのコミュニケーションや提案力、課題解決能力など、さまざまなスキルが求められるポジションです。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスと混同されがちなのが、カスタマーサポートです。
カスタマーサポートはトラブル対応やクレーム処理などが主な仕事で、両者は取り組み方の姿勢に大きな違いがあります。
先ほどお話したようにカスタマーサクセスは自ら顧客に働きかけることの多い仕事ですが、カスタマーサポートの顧客との関わり方は受け身的です。
カスタマーサポートは顧客から何か要望があった際に対応する性質上、迅速かつ臨機応変に対応する力が求められます。
両者とも名前は似ていますが、このように取り組む姿勢や仕事の目標などが大きく異なります。
未経験でカスタマーサクセスに転職はできる?
結論から言えば、未経験であってもカスタマーサクセスに転職できます。
なぜならコロナ禍の影響やデジタルビジネスの普及等により、サブスクリプションビジネスが拡大し、継続的な顧客満足度の向上が求められる時代に突入しているからです。
継続的にサービスを利用してもらえるかどうかが、今後企業が生き残っていく上でのカギとなってきていると言っても過言ではないでしょう。
つまりカスタマーサクセスの需要は高く、未経験者であっても採用したいという企業が多いのです。
またカスタマーサクセスという仕事自体、まだ国内であまり認知されていない背景もあって未経験でもチャレンジできる可能性を秘めています。
カスタマーサクセスの仕事内容
カスタマーサクセスの仕事内容は、大きく分けて次の3つです。
- オンボーディング
- アダプション
- エクスパンション
それぞれの特徴について順に見ていきましょう。
オンボーディング
オンボーディングには、新しく入ったメンバーに必要なサポートを実施し、即戦力化を促すという意味があります。
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは、顧客自らが自由にサービスを使いこなしてもらえるようにして、最大限活用してもらえるように促す仕事のことを指します。
快適に使いこなせるようになってもらうことで解約防止につながり、カスタマーサクセス側からすれば業務効率化が果たせるため、非常に重要な仕事だと言えるでしょう。
顧客自身が成功体験を得られれば、そのサービスの価値を見出すこともできます。
カスタマーサクセスは、そのプロセスに行きつくまでに必要な情報や正しい使い方を粘り強くレクチャーする必要があるのです。
アダプション
アダプションとは、顧客の解約防止を目的にサービスの利用方法を提案したりアクションプランを提案したりすることを指す言葉です。
定期的に顧客と接触し、正しくサービスを利用してもらえているかをチェックし、データ分析などを活用しながら状況把握をしていきます。
顧客が誤った方法でサービスを利用し続けていれば有効性を感じてもらえず、解約されてしまうこともあるでしょう。
そのためカスタマーサクセスは、定期的にアダプションを実施して顧客満足度を向上させていかなければなりません。
アダプションは、主にサブスクリプションサービスを展開する企業などで実施されることの多い仕事です。
エクスパンション
エクスパンションには拡大という意味があり、カスタマーサクセスの世界では顧客のサービス利用拡大のことを指しています。
カスタマーサクセスは、顧客に対し契約更新をすることによって得られる新たなメリット・付加価値等を提案し、切っても切り離せない関係を構築していくのがミッションです。
「再度契約を更新してください」とお願いするだけでは、ただの押し売りセールスのようになってしまい、突然解約されてしまうことがあります。
そのためデータ分析などを駆使しながら、顧客の利益や売上を上げるための新たなサービスを提案したり、有料版を案内したりし続けなければなりません。
顧客との十分な信頼構築ができあがっている状態でなければ話を進めることが難しい仕事であり、カスタマーサクセスとしての腕の見せ所とも言える部分でしょう。
カスタマーサクセスのやりがい
カスタマーサクセスには、次のようなやりがいがあります。
- 顧客と深く関われる
- さまざまなスキルが身につく
- 働きによってサービスが改善されていく
顧客と深く関われる
カスタマーサクセスは、顧客と深く関われるという点で大きなやりがいが得られます。
他の職種よりも顧客との距離が近く、成果が出たときには感謝の言葉や喜びをダイレクトに受け取ることができるでしょう。
自分の提案や働きかけによって顧客が成功体験を得て、満足度が上がっていく様子を目の当たりにすることができ、貢献しているという実感も得られます。
顧客との関係を構築していくことにやりがいを感じられる人であれば、カスタマーサクセスとして長く働き続けることができるでしょう。
さまざまなスキルが身につく
カスタマーサクセスという仕事を通じて、さまざまなスキルが身につきます。
なぜなら顧客との密接な関わりの中でコミュニケーション能力が発揮されたり、提案力や課題解決力が培われていくからです。
またカスタマーサクセスは同時に複数の顧客対応することも多いので、タイムマネジメントスキルやリレーションシップビルディングスキルなども身についていきます。
多くのスキルが備われば、その分自分自身の市場価値が大きくなり、キャリアアップにも役立つようになるでしょう。
成長しながら働きたいという人にとって、カスタマーサクセスの仕事は非常にやりがいのある仕事です。
働きによってサービスが改善されていく
カスタマーサクセスは、働きによって自社のサービスが改善されていくというやりがいもあります。
誰よりも早く顧客からサービスについて直接意見をもらえる立場にあるので、自分の手でサービスを改善しているという実感が生まれやすい仕事です。
フィードバックを社内で共有すれば徐々にサービスの価値が高まっていくので、顧客のみならず自社にも大きな貢献を果たしているという感覚も得られるでしょう。
売上の増加や利用者の増加など目に見える形で成果が出てくるのもカスタマーサクセスの魅力の一つです。
カスタマーサクセスの平均年収
IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントが運営するメディア「Geekly Media」の調査によれば、カスタマーサクセスの平均年収は、おおよそ400万円から900万円だとされています。
また国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、2021年(令和3年)における全国の平均年収は443万円で対前年比2.4%増です。
つまりカスタマーサクセスの平均年収は、全国と比べても高い水準にあることがうかがえます。
年収が高く設定されている理由については、サブスクリプションビジネスの拡大によって需要が増していること、求められるスキルが多いことなどが考えられます。
ただし勤続年数やポジションによっても年収には違いが出るため、頑張り次第で平均年収よりも稼ぐこともできるでしょう。
カスタマーサクセスの将来性
カスタマーサクセスは将来性のある仕事の一つだと言えるでしょう。
なぜなら顧客満足度の向上が各企業の課題となりつつある昨今、市場ニーズが非常に高くなっているからです。
現在ビジネスの主流となっているサブスクリプションは、契約や導入よりも提供後の安定したサービスやメンテンナンスが重要視されています。
顧客満足度を高められるか、いかに成功体験を提供できるかが売上を確保するカギとなっていて、あらゆる企業においてカスタマーサクセスが必要不可欠となっているのです。
このような理由から、今後しばらくカスタマーサクセスの需要が絶えることはないでしょう。
カスタマーサクセスに向いている人
カスタマーサクセスに向いているのは、主に次のような特徴を持つ人です。
- 人のサポートが好きな人
- 人と関わりながら仕事をしたい人
- 自分の市場価値を高めたい人
それぞれの理由について、順に見ていきたいと思います。
人のサポートが好きな人
人のサポートが好きな人は、カスタマーサクセスに向いています。
カスタマーサクセスは顧客との距離が近く、幅広いサポートによって信頼関係が構築されていく仕事だからです。
相手の立場に寄り添う性質があるため、営業職や接客業、カスタマーサポートの経験がある人であれば十分に活躍できます。
感謝の言葉をもらえることにやりがいを感じる、相手の喜ぶ顔を見ると幸せになるという人は、まさにカスタマーサクセスが適職だと言えるでしょう。
人と関わりながら仕事をしたい人
人と関わりながら仕事をしたい人は、カスタマーサクセスとして長く働き続けられます。
カスタマーサクセスの仕事は顧客との関わりはもちろんですが、それだけではありません。
フィードバックを共有する際はプロダクト部門やマーケティング部門と話をする機会も多いですし、問い合わせに関する対応ではカスタマーサポートと協力することもあります。
社内外問わず、あらゆる人々と協力しながら仕事を進める仕事であり、コミュニケーションを発揮しながら仕事をしたい人は、カスタマーサクセスの適性があると言えるでしょう。
自分の市場価値を高めたい人
自分を成長させながら市場価値を高めていきたい人は、カスタマーサポートがうってつけです。
業務の幅広さによって、次のようなスキルが身につき大きな成長が期待できるからです。
- コミュニケーションスキル
- ヒアリングスキル
- 提案力
- 共感力
- 課題解決力
- データ分析スキル
- タイムマネジメントスキルなど
これらのスキルはどのような業界・職種でも重宝され、非常に市場価値の高いものです。
転職や独立といったキャリアパスを考える際にも大いに役立つでしょう。
カスタマーサクセスで求められるスキル
カスタマーサクセスは、次のような5つのスキルが重要視されています。
- コミュニケーションスキル
- 課題解決スキル
- 情報収集能力
- 倫理的思考スキル
- 忍耐スキル
コミュニケーションスキル
カスタマーサクセスは、コミュニケーションスキルが欠かせません。
顧客がサービスを継続利用するきっかけとして、必ずと言っても良いほどカスタマーサクセスによる信頼構築が必要となるからです。
ただサービスの使い心地をヒアリングするだけでなく、相手の目線に立ち、細かな配慮や調整をしながら、顧客の潜在的な課題を引き出す姿勢が求められます。
そして時々によって顧客の心理は変化します。
「活用方法を詳しく知りたい」「今より利益を上げたい」など顧客の状況によってカスタマーサクセスも柔軟に対応し、最適な提案をしなければなりません。
カスタマーサクセスは、いずれの業務においても顧客との関わりの中で高いコミュニケーションが常に求められるのです。
課題解決スキル
課題解決スキルとは、顧客の抱える問題点を洗い出し解決に導くスキルです。
相手の口から語られる表面的な部分だけでなく、本人が気づいていない潜在的なニーズを発見し、提案しなければならない難しさがあります。
そのために課題解決スキルは必要不可欠であり、このスキルが不足している場合は突然サービスを解約されてしまうことがあるかもしれません。
顧客がサービスを停止したいというときは、「なぜ満足してもらえないのか」「どのような改善が必要なのか」について考え、解決までのプロセスを提案する必要があります。
日ごろから「なぜ?」という疑問を投げかけながら仕事に打ち込むことで、課題解決スキルは培われていきます。
情報収集能力
カスタマーサクセスが顧客の課題を解決をするためには、数値による情報を収集する能力も必要です。
机上の空論だけでなく客観的かつ具体的な数値を用いて分析することで、より再現性の高い解決策が導かれるようになります。
裏付けとなるデータがあれば顧客への提案も自信を持ってできるようになり、相手の満足度向上につなげることもできるでしょう。
倫理的思考スキル
論理的思考スキルがあれば、顧客の抱える問題の解決や原因の究明に役立ちます。
ただ感情的に提案しているだけでは、顧客の課題解決には結びついていきません。
顧客のビジネスモデルや競合の状況等を踏まえながらロジカルな思考を持ちながら提案することで適切な提案ができるようになり、わかりやすく解決策を見出すことができます。
日ごろから物事を順序だてて考えられる人は、この論理的思考スキルが高い傾向にあると言えるでしょう。
忍耐スキル
カスタマーサクセスは、忍耐スキルもあると良いでしょう。
継続的なサービス利用をしてもらうためには、顧客と何度もコミュニケーションを取りながら二人三脚で課題解決に向かって走り続ける必要があるからです。
場合によっては思うように解決ができず、不安が募ってしまうことがあるかもしれません。
そんなときでも焦らず、時間をかけてじっくりと思考を巡らせるような忍耐力が求められるのです。
粘り強く顧客と向き合うことで、相手にとっても満足度の高いカスタマーサクセスを提供できるようになります。
未経験からカスタマーサクセスへ転職する際のポイント
未経験からカスタマーサクセスへ転職する際のポイントは、主に次の5つです。
- 棚卸をして自分のスキルを理解する
- しっかりと業界研究・企業研究をする
- データ分析の基本を押さえておく
- 転職後のキャリアプランを考える
棚卸をして自分のスキルを理解する
まずは棚卸をして、自分がどのようなスキルを持っているのか理解しておきましょう。
未経験の方は「自分には必要なスキルがない」と思うことがあるかもしれません。
しかし、じっくりと過去の経験を振り返ってみれば、実際の業務に生かせるスキルが出てくる可能性があります。
例えば営業を経験してきた人であれば、相手の立場に寄り添って話を聞き出す傾聴力や共感力が備わっているでしょう。
もしくは接客業を経験した人なら、商品の良さを相手へ上手にアピールするといった提案力が磨かれている可能性もあります。
このように業界未経験であっても、これまで取り組んできた仕事などからカスタマーサクセスに求められるスキルを見つけられることがあるのです。
面接でも採用担当者に自分の強みを自信を持ってアピールすることができるので、転職活動を始める前に棚卸をきっちりと進めておきましょう。
しっかりと業界研究・企業研究をする
次に業界研究と企業研究を行いましょう。
業界に関する知識が入っていれば、面接や説明会等においてスムーズに話が進められるようになり、採用担当者からの信頼が得られるからです。
先述したカスタマーサクセスの仕事内容も参考にしながら、基本的な知識は入れておくようにしておくと良いでしょう。
また志望する企業のサービスについても理解を深めておくことが重要です。
他社にはない強みや魅力を掘り下げて、自身のこれまでのエピソードと交えながら話をすることで、採用担当者へ説得力のある志望動機が伝えられるようになります。
データ分析の基本を押さえておく
可能であれば、カスタマーサクセスに関する情報のほか、データ分析に関する基礎知識も身につけておくと良いでしょう。
面接でデータ分析に関する話ができれば、意欲的に学ぶ姿勢が大きく評価される可能性が高まるからです。
またデータ分析に関して一定の知識を持っていれば、未経験であっても入社後に即戦力として活躍できるようになります。
カスタマーサクセスの業務では、顧客ニーズの掘り下げや製品改善のフィードバックといった場面で、このデータ分析を用いることが多々あります。
転職後のキャリアプランを考える
転職をゴールに捉えるのではなく、きちんと転職後のキャリアプランについても事前に考えておきましょう。
転職後どのように働いていきたいか決めておけば、個人で目標を設定しやすくなり、モチベーションを保ちながら一生懸命仕事に打ち込めるようになります。
カスタマーサクセスの場合、担当者の指導に回る「カスタマーサクセスマネージャー」や顧客に質の高いサポートを提供する「カスタマーサクセススペシャリスト」といった管理職に特化したキャリアパスが用意されています。
またコンサルタントのプロとして、フリーランスとなって独立する道もあるでしょう。
今後自分がカスタマーサクセスという仕事に就き、どのように働いていきたいのかをしっかりイメージしておくことが非常に大切です。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
カスタマーサクセスは、顧客から直接感謝される、自社の成長に携われるといった部分で大きなやりがいが得られる点で非常に人気があります。
そしてサブスクリプションビジネスが主流となりつつある現代において、徐々に注目を集めている仕事の一つです。
需要の高さから、未経験であっても挑戦できる環境が整っています。
しかしながらカスタマーサクセスは業務の幅広さから求められるスキルも多く、転職のハードルは高めだと言えるでしょう。
そのため未経験から転職を目指す場合は、棚卸をする、業界・企業研究をするといった始められるところから準備を進めておくことが大切です。
カスタマーサクセスへの転職に興味のある方は、今回ご紹介した転職する際のポイントなども参考にしてみてください。
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