営業職に必要なスキル15選!意識するポイントや具体的なアクションについて解説
営業として働いてる方の中には「スキルを身につけてキャリアアップを目指したい」「自分に足りないスキルを補いたい」など、実にさまざまな想いを持っておられると思います。
スキルを身につけていくことで、これまでよりもスムーズに業務を進めることができたり、顧客との信頼構築がしやすくなったりするでしょう。
またスキルの高い営業は良い業績を残せるようになり、どんどんと自信がついていきます。
営業職の場合、どのような業界であっても共通して求められるスキルがあります。
各スキルの特徴を知っておけば、企業にとって手放せない営業として成長していけるはずです。
今回は、営業職に求められる15のスキルについて解説します。
意識するポイントや具体的なアクションについても紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
営業に必要なスキル
今回ご紹介する「営業に求められる15のスキル」は、以下のとおりです。
- コミュニケーション能力
- 課題発見力
- ヒアリング力
- クロージング能力
- 人脈構築力
- 分析能力
- 情報収集能力
- ロジカルシンキング能力
- マーケティング能力
- 交渉力
- 行動力
- 対応力
- セルフマネジメント(タイムマネジメント)能力
- ストレス耐性能力
- ITツール活用力
いずれにおいても、営業力を鍛えるために取得しておきたいスキルばかりです。
それぞれの特徴について、順に見ていきたいと思います。
コミュニケーション能力
営業職と言えば、コミュニケーション能力が必要不可欠です。
顧客との関係を構築するうえで欠かせないスキルの一つであり、話を上手に進める能力を指しています。
しかし営業の場合は、単に話が上手というだけでなく、相手の気持ちに寄り添って信頼関係を築いていけるような能力も含まれています。
また営業は一人で完結する仕事ではなく、社内メンバーと協力しながらプロジェクトを進めていく職種です。
そのため上司への進捗報告やフィードバック情報の共有、製造部門との打ち合わせなどで、コミュニケーション能力が発揮されるシーンもあります。
課題発見力
営業職における課題発見力とは、顧客のニーズや抱えている課題を見つけ出す力のことです。
課題とは表面に出ている顧客の悩みではなく、本人も気づいていない問題となっている原因の部分を示しています。
顧客の課題を発見するには、話の内容だけでなく相手の表情や話すペース、態度などから推測することが必要です。
中には話が上手くまとまらない顧客もいるため、情報をまとめて企業の課題がどこにあるのか突き詰めるような場面もあるでしょう。
たとえ内容が難しいものであったとしても、上手く言語化し顧客の悩みのタネを引き出してあげられる営業は、強い信頼関係を築けます。
ヒアリング力
ヒアリング力とは、相手の話をじっくり聞いて必要な情報を引き出すスキルです。
しかしただ話を集中して聞くだけではなく、時には質問を投げかけて、相手が意見を出しやすいように努めることも営業には求められています。
また話を聞きながら時折相槌を打ったりメモを取ったりする姿勢を見せれば「話を聞いてくれている」という安心感を顧客に与え、信頼関係が芽生えていくでしょう。
クロージング能力
クロージング能力とは、顧客と契約を結び取引が完了するように話を進める能力です。
製品に興味を持った購買意欲の高い顧客も、予算やリスクといった障壁が頭をよぎって最後の決断をためらうことがあります。
そこで営業は、割引や購入することで得られるメリット等を補足説明し、顧客の抱える不安要素の解消に努めるのです。
不安が取り除かれた顧客は安心して契約を結ぶことができるので、クロージング能力とはいうなれば「顧客の背中を押してあげる能力」とも言い換えられるかもしれません。
どんなに話が上手な営業でも、このクロージング能力が備わっていなければ、あと一歩のところで契約を逃してしまうことがあります。
人脈構築力
人脈をつくる能力も、営業の世界では重要な役割を果たすスキルだと言えます。
なぜなら人脈が広がれば、その分業界に関する情報がいち早く入手できたり、新規顧客を紹介してもらえたりといったメリットがあるからです。
人脈はすぐにできあがるものではなく、顧客との継続的な関係構築によって徐々に広がっていきます。
とは言え社交性や人当たりの良い営業であれば、短い期間で多くの人脈をつくっていくこともできるでしょう。
また営業先のほか、人脈は展覧会やセミナーなどでの名刺交換においても作るチャンスがあります。
分析能力
営業における分析能力とは、顧客情報や市場データを見ながら戦略的な立案をするスキルです。
分析能力の高い営業は、データに裏打ちされた情報により素早く意思決定を下すことができます。
またスキルがあれば競合他社の動きまで分析することができ、自社独自の強みや差別化できるポイントが見える化され、それを営業活動に活かすことも可能です。
顧客へのヒアリングで、必要な情報を精査して提案すべきポイントを導き出すには、この分析能力が非常に重要となります。
情報収集能力
情報収集能力は、市場や顧客に関する情報を素早く集める能力のことです。
手元に多くの情報があれば、商談の際に顧客の潜在的ニーズや課題を引き出すときのヒントになります。
また競合他社の活動状況やマーケットの動向などの情報を集める力に長けていると、営業戦略を打ち出すときなどに効果を発揮します。
また他社の製品に関する情報を上手く収集できれば、自社製品との比較で役に立ちます。
実際に情報収集能力の高い営業は、毎日新聞やニュースに目を通し、TwitterやInstagramといったSNSなどをフル活用して、日々情報収集に努めています。
ロジカルシンキング能力
ロジカルシンキング(論理的思考)能力は、筋道を立てて物事を冷静に捉えるスキルのことです。
商談の際に順序立てて説明する能力に長けていると、顧客に対し説得力の増した提案が行えます。
ロジカルシンキング能力の高い営業は、簡潔に結論を伝え、その理由を説明し、再度結論を伝えることを心がけています。
結論から入る提案は、相手から「なるほど」と納得されやすく、成約率を高めることも可能です。
逆に話が上手くまとまらない営業は話の筋道が曖昧であることが多く、内容があやふやになってしまうことが多々あります。
マーケティング能力
売上を拡大させたい営業は、マーケティングスキルもあると良いでしょう。
マーケティングスキルがあれば、ターゲットを絞りこんで必要とする人へピンポイントで商品を売り込めるようになるからです。
また競合他社との製品比較ができるようになり、自社の製品を求めている見込み客の特定もしやすくなります。
マーケティング部門が設置されている企業もありますが、営業自身でもマーケティングの知識を持っていれば、より効率的に営業活動を進めることができるでしょう。
交渉力
交渉力とは、顧客の要望と自社の要望をすり合わせて調整する能力のことです。
成約につなげるためには顧客の要望を満たした提案が必要となりますが、全ての相手にとって有利な仕様や条件を飲み込んでしまうと、自社に不利益が生じてしまう可能性もあります。
そのため営業は、交渉力をもって相手の満足するレベルで要望を満たしつつ、自社にとっても利益となるよう商談をまとめる必要があるのです。
また時には社内の担当者へ交渉をして、最短納期での納品などをお願いする場面もあるでしょう。
社内外の調整で、この交渉力は必要となることが多くあります。
行動力
営業における行動力とは、自ら考えて積極的に働きかけるスキルのことです。
相手の反応を待つだけの受け身的な姿勢では、なかなか成約につながりません。
もちろん情報収集や分析も大切ですが、「まずは行動してみよう」という気持ちを強く持ち、積極的に顧客を訪問する営業は、結果として大きな営業成果を生み出すことがあります。
言い換えると行動力の低い営業は、顧客との信頼を築くことが難しく、思うような成果が得られない可能性があるのです。
対応力
対応力は、何かトラブルが発生したときに柔軟な対応をするスキルのことです。
自社の不手際によるクレームがあったときは、相手への謝罪に加え、今後トラブルを回避するための解決策を合わせて提案する必要があります。
誠実かつ正しい対応ができれば、その後の信頼関係が逆に強固になることもあります。
しかし誤った対応をしてしまった場合は、相手からの信用を失墜させて取引が中止となってしまうこともあるでしょう。
セルフマネジメント(タイムマネジメント)能力
セルフマネジメント(タイムマネジメント)能力とは、自己管理スキルのことです。
営業は限られた時間の中で、アポイントメントの獲得や商談、デスクワークするタイミングなどを上手にコントロールしていかなければいけません。
一日に多くの顧客と話ができるようなスケジュールを組むことができれば、その分成約率を高めていくことができるでしょう。
営業は上手に時間の管理をして、より多くの業務を効率良くこなしていく工夫が求められています。
ストレス耐性能力
ストレス耐性能力は、ストレスをためこまないように受け流すスキルです。
営業は顧客からのクレーム対応や上司からの追及など、ストレスを抱え込みやすい職種でもあります。
そのため気持ちを引きずることなく、前向きな気持ちで業務に当たる姿勢が求められているのです。
ストレスに耐える力は個人によって差があるため、運動したり音楽を聴いたりして、適度に自分をリフレッシュさせ、ストレスが発散できるような環境を用意しておきましょう。
ITツール活用力
ITツール活用力とは、ソフトウェアを活用して効率良く営業活動を進めるスキルのことです。
多くの企業で取り入れられているITツールとして、顧客情報を一元管理できるCRM(Customer Relationship Management)や商談の進捗を記録できるSFA(Sales Force Automation)などがあります。
このようなITツールは、業務効率の向上やマーケティング・データ分析などで活用されることが多々あります。
「ITツールの活用が営業成果を生み出すカギとなる」と言われるほど、これからはITツールの活用が必要となってきています。
営業職のスキルアップで意識するポイント
営業職の場合、以下の4ポイントを意識すれば、先ほど紹介したスキルを磨くことができます。
- 謙虚な気持ちを持つ
- 物事をポジティブに捉える
- 常にチームワークを意識する
- 顧客の課題解決を意識する
それぞれの内容や特徴について、順に見ていきましょう。
謙虚な気持ちを持つ
営業職として長く働いている人はつい忘れがちですが、常に謙虚な気持ちを忘れないように仕事をしましょう。
必要以上に強気な姿勢で営業活動をしていると、担当者によっては不快感を示すこともあり、時に信頼関係構築の妨げとなるおそれがあるからです。
また謙虚な姿勢は、自分自身を冷静に見つめることができ、他者の意見やアドバイスを素直に受け入れやすくなり、成長につなげることができます。
しかしながら、あまりに謙虚すぎる態度は相手から自信のない印象を与えてしまうこともあるため、謙虚さと自信のバランスを上手に取ることが大切です。
物事をポジティブに捉える
物事をポジティブに捉え、ポジティブに営業活動をしましょう。
営業はクレーム対応やノルマへのプレッシャーなどで、ついネガティブな思考に陥ってしまうことが多い仕事だからです。
できなかったことに対する反省は大切ですが、くよくよと悩みずっと後悔していてはパフォーマンスが低下してしまい、効率もガクンと落ちてしまいます。
「失敗も全て自分の成長につながっている」という前向きな気持ちで仕事に取り組んでいければ、自然とスキルアップができていくはずです。
常にチームワークを意識する
営業は個人の努力だけで完結する仕事ではないので、常にチームワークを意識しながら業務に当たりましょう。
チーム一丸となって仕事をすれば、組織の一体感が醸成されるだけでなく、自分のスキルアップに関しても良い効果があります。
例えば、プロジェクト進捗の悪い部門のサポートに回ったり、悩みを抱えているメンバーの相談に乗ったりしているうちに、営業に求められるヒアリング能力や課題解決力が徐々に培われていくのです。
一見個人で進めた方が早いと思えるような仕事でも、他のメンバーと手を取り合いながら仕事を進めていくことで、結果的に良い営業成績を残すことができます。
顧客の課題解決を意識する
営業をするときは、顧客の課題解決を意識しましょう。
課題解決を視野に入れず、自社の製品を買ってもらうことだけに集中してしまうと、顧客からの信頼を得られにくいからです。
顧客目線に立てば自社の商品がどのように課題を解決して、利益に貢献できるのかが見えてきて、上手な提案ができるようになります。
そのようになれば顧客から「自分のことを理解してくれている」と思われるようになり、強力な信頼関係が積みあがっていきます。
営業職がスキルアップをするための具体的なアクション
営業職がスキルアップをするための具体的なアクションには、次のようなものがあります。
- 自己分析をする
- 業界の情報収集をする
- 営業の成果を振り返る
- 営業の目標をしっかり立てる
- 外部研修・セミナーに参加する
- 営業に関するビジネス書を読む
- 周囲に相談してアドバイスを求める
- 上司の働き方から学ぶ
- 自社製品のファンになる
- 失敗から学ぶ
それぞれの内容や特徴について、順に見ていきましょう。
自己分析をする
まずは過去のエピソードを思いつくまま書き出していき、自己分析をしましょう。
自己分析をすることで自分の強みや弱みが明らかになり、すでに備わっているスキルや足りてないスキルが見える化されるからです。
例えば「場の雰囲気づくりは得意なのに、肝心のヒアリングで話が上手くまとまらない」ということであれば、課題解決力が足りていないことがわかります。
自己分析で得られた結果から、今後自分がどのようなポイントを意識しながら仕事に取り組めば良いかが見えてくるでしょう。
業界の情報収集をする
あらゆる業界の情報収集を欠かさないようにしましょう。
難しい商談であっても事前に集めた情報があれば、ちょっとしたタイミングで話を広げるきっかけが生まれるからです。
日頃から新聞を読んだりニュース番組をチェックしたりして、世界の情勢から市場のトレンド動向まで話ができるようにしておきましょう。
営業の成果を振り返る
営業活動の成果を振り返る習慣を身につけておきましょう。
自己分析と同じように、今備わっているスキルや、今後新たに磨いていかなければいけないスキルが見えるようになります。
難しく考える必要はないので、その日の営業活動で上手くいった部分や失敗してしまった部分などをメモなどで書き記すようにしておきましょう。
情報が整理されることでモチベーションが高まり、次の営業活動で注意しておくポイントなどが見えてきます。
営業の目標をしっかり立てる
営業の目標をしっかり立てて、営業活動をすることもおすすめです。
目標があれば、やりがいや達成感を得られやすく、成長する実感も得られやすくなります。
目標は達成、未達の判断をつきやすくするため、可能な限り具体的な数字を設定しておくことがポイントです。
外部研修・セミナーに参加する
営業職向けの外部研修やセミナーの参加も、スキルアップには有効な手段です。
専門的な知識やスキルを獲得できることに加えて、自社では教えてもらう機会のなかった営業ノウハウを習得できるチャンスがあります。
「自社の研修では十分な効果が得られていないのではないだろうか」と思ったときは、一度このような研修やセミナーに参加してみるのがおすすめです。
営業に関するビジネス書を読む
営業に関するビジネス書を読むことでも、必要なスキル獲得の役に立つことがあります。
多くの場合、ビジネス書は営業として大きな実績を上げてきた人や成功事例を持った経営者が執筆していることがほとんどです。
そのためしっかりと読み込むことで、営業に必要な商談の進め方やコミュニケーション能力の高め方について学ぶことができ、大きなスキルアップが見込めるでしょう。
周囲に相談してアドバイスを求める
時には周囲に相談して、仕事の進め方についてアドバイスを求めてみましょう。
異なる経験や知識を持った第三者からの話を聞くことで、自分では気づきにくい改善ポイントなどが把握できることがあります。
課題解決力やヒアリング力に自信がないときは、上司に同行を依頼してみても良いでしょう。
営業手法に関してフィードバックを受けることができ、自分の成長につながることがあります。
上司の働き方から学ぶ
尊敬する上司の働き方を見て学び、スキルアップを目指すこともできます。
自分で不足している部分などが気づきやすく、次の自身の営業活動に活かすことが可能です。
気になることがあれば臆せずに質問して、自分のスキルアップに役立てましょう。
自社製品のファンになる
自社製品のファンになることで、営業の成果を上げやすくなるでしょう。
自社製品のファンであれば、顧客への説明もスムーズに進めることができ、魅力について的確に伝えることができます。
またユーザーの目線に立って話を進めることで、顧客は使用するシーンをイメージしやすくなります。
失敗から学ぶ
失敗することを恐れず、「失敗から学ぶんだ」という姿勢をもって営業活動をしましょう。
失敗するとつい忘れようという思考になりがちですが、原因をしっかりと紐解くことで、次に気をつけるポイントが見えてきます。
誰でも初めは失敗するものと捉え、失敗は学びが得られるものだというマインドを持つことが大切です。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回紹介した15のスキルは、どのような業界であっても営業職なら必要とされるスキルばかりです。
一日でも早く顧客から信頼される営業になるためには、これらのスキル獲得を目指すことが近道となるでしょう。
また、すでに習得できているというスキルであっても、顧客ニーズや市場の動向によってはさらにブラッシュアップする必要が出てきます。
そのため、今回ご紹介した意識するポイントや行動するための具体的なアクションを参考にして自己研鑽を欠かさずに行いましょう。
営業職として働いている方は、今回の記事を参考にして明日からできるスキル磨きに挑戦してみてください。
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