自己PRとガクチカは被っても良い?違いや書き方も解説!
就職活動では、自己PRやガクチカといった、自分のことを企業にアピールするための項目があります。
この2つの違いをよく知らないまま作成し始めると、似たものができてしまうかもしれません。
本記事では、それぞれのポイントや書き方などをご紹介します。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】ガクチカと自己PRの違いとは?
ガクチカと自己PRには、どのような違いがあるのでしょうか。
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」という言葉を略したもので、学生時代に自分が取り組んだ活動などについて述べます。
一方、自己PRとは、「能力や長所などをアピールする」項目です。
これらはエントリーシートや面接でよく聞かれる内容なので、対策が欠かせません。
ガクチカと自己PRを区別して書くことができるように、特徴を押さえ、違いを知っていきましょう。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】ガクチカと自己PRの内容は被ってもいい?
ガクチカと自己PRを考える際、エピソードはなるべく変えた方が良いとされています。
同じエピソードを使用すると、就活の取り組み方が消極的な人物だと捉えられてしまう可能性が生じるからです。
この2つが被らないようにするためには、それぞれ異なる角度からアプローチして内容を考える必要があります。
自己PRがあまり思い浮かばず、同じような内容になってしまう人は、下記を参考にすると良いでしょう。
では、同じ強みを使用しても良いのかどうか説明します。
被っても良い場合
ガクチカと自己PRは、アピールポイントや見方を変えられれば、同一のエピソードやテーマを使っても構いません。
エピソードは、自分の良さを活かせられた過去の経験などから探しましょう。
同じ経験を扱っても、違う良さを伝えられるのであれば、その内容は変わってきます。
また、テーマにも同じことが言えます。
この場におけるテーマとは、自分の長所や強みのことです。
たとえば、テーマを「責任感がある」にするのなら、自己PRでは「最後までやり遂げられた」こと、ガクチカでは「苦手なものでも努力した」ことを述べると良いでしょう。
このようにアピールポイントを変更することによって、どちらも同じテーマですが、「責任感」をより強調して伝えることができるようになります。
被るとダメな場合
ガクチカと自己PRの内容そのものは、まったく同じにしてはいけません。
同一のエピソードやテーマを使用する場合は、前述したようにアピールポイントを変更してください。
両者の差を明らかにするために、工夫を凝らす必要があります。
また、ガクチカは学生時代について述べるのが基本です。
もし幼いときの体験から自分の長所を自覚した場合でも、それをそのまま話すのはおすすめできません。
ガクチカのエピソードは、大学入学時から現在に至るまでの時系列の中から選ぶようにします。
エピソードとテーマのどちらかは違う内容にし、被ってしまう要素を極力減らすような工夫をしてみてください。
再度自分史を作成してみると、自分の新たな強みが見つかるかもしれません。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】企業がガクチカ・自己PRで聞きたいと思っているポイント
ガクチカと自己PRを違うものに変えるためには、企業がそれぞれの項目で何を知ろうとしているのかを把握することが大切です。
企業がこの2つを同時に聞くのは、見ているポイントが異なるからです。
同じような内容を聞きたくて質問することはほぼありません。
企業は限られた時間の中で、応募者の人柄を可能な限り詳しく知ろうとしています。
就活で効果的なアピールを目指すためには、企業が「何を知りたいか」「なぜこれらを聞くか」などといった企業の狙いを理解するようにしましょう。
この視点を持つことが、ガクチカや自己PRを作成するうえで重要になってきます。
ここからは、この2つが問われる理由について説明しますので、それぞれの項目で求められているものに合わせて内容を考えてみてください。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】ガクチカを聞く理由
企業がエントリーシートなどでガクチカについて質問するのは、学生時代の経験から、価値観や物事への取り組み方を知るためです。
「○○といった長所がある」「○○に自信を持っている」といったことだけでは、本当にそのような強みがあるのかがわかりません。
ガクチカでは、結果よりも取り組み方を重要視しています。
実際の経験を伝えることで、自分の人柄を掴んでもらいやすくなるでしょう。
採用担当者は、その経験をもとに仕事で課題に直面した際、どのように対処しようとするのか、乗り越える力があるのかを判断します。
また、何に力を入れたのかという点から、事業に興味を持ってくれるのかどうかも探ることができます。
ガクチカは、どのような仕事なら応募者が意欲的に取り組もうとするのかを判断する材料になるのです。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】自己PRを聞く理由
企業は、学生の自己PRを聞くことで人柄を理解し、学生が持つ長所や強みが仕事において十分に発揮されるのかを判断しています。
企業は主に何ができるのかを自己PRの項目で知ろうとし、何をやりたいのかは志望動機の項目で確認します。
よって、自己PRでは自分自身の良さを魅力的に伝えることを心がけてください。
しかし、企業が求めている人物像とかけ離れた長所だと、あまり良い印象にはなりません。
また、具体的なエピソードについても、その経験が活かせないような会社ではあまり響かないでしょう。
魅力的な自己PRにするためには、企業研究や業界研究が欠かせません。
加えて、同じ業界であったとしても、力を入れている事業が異なることは珍しくないので気をつけてください。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】自己PR作成のコツ
次に、自己PRを作成する際の注意点と、より印象的な自己PRの文章になるポイントについて説明します。
自己PRでは、他者との差別化を図るために、可能な限り具体的に述べます。
しかし、いくら具体的にといっても細かい描写は求められていません。
長所やスキルなどは、学生同士で似たものになることもありますが、エピソードは自分が過去に経験したものです。
結論で長所を簡潔に提示し、エピソードに重きを置きましょう。
また、作成する際には第三者の意見を参考にするようにしてください。
PREP法を使う
自己PRの文章構成に用いることで、アピール度を高められるテクニックのひとつに「PREP法」というものがあります。
「PREP法」とは、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)の順で伝える方法のことを指します。
相手に要点をわかりやすく伝えられるので、ぜひ活用してください。
次に、その結論に至った理由を書き、根拠を示しましょう。
それから、長所を発揮できたエピソードとなるような具体例を伝えます。
そして、最後に再度結論を繰り返してください。
この方法は、文章だけではなく口頭の場合でも使えます。
何から書けば良いのかわからない人は、「PREP法」に沿って文章を考え始めることをおすすめします。
第三者からの意見を取り入れる
家族や親友の意見を聞くことで、自分では気づかなかった特徴がわかることがあります。
自己PRの内容を考えるときは、まず自己分析をすることが大切です。
その際には、なるべく自分自身を客観的に捉えなければいけませんが、つい主観的な視点から見てしまいがちになるので、第三者からの意見は積極的に取り入れましょう。
自分をよく知っている人に分析してもらうのは、人によっては抵抗を持つことかもしれません。
しかし、長所だと思っていない点が実は良いところだったと判明することは往々にしてあります。
第三者の客観的な意見を踏まえたうえで作成されたエントリーシートには、説得力が生まれます。
また、実際に第三者からの意見を自己PRの一部に加えることもできるでしょう。
たとえば、「ゼミやアルバイトで友人から褒められた」といった内容を加えればより高く評価されるでしょう。
具体的なエピソードを取り入れる
具体的なエピソードを入れられると、信憑性のある自己PRになるでしょう。
エピソードでは、自分の長所をどのような場面で発揮することができたのかなどをアピールする必要があります。
このとき、嘘をつくようなことはしないでください。
前述したように、自己PRでは結論から述べます。
エピソードとは結論に対する理由なので、提示した長所との矛盾が生じないようにしなければいけません。
そして、結果や実績にこだわらず、強みを明確にアピールできるようなエピソードを探しましょう。
些細な出来事や、失敗した出来事でも構いません。
その失敗から何を学び、どう成長したのかが相手にわかれば問題ないでしょう。
このような失敗経験も自己PRになっていると言えるからです。
志望する企業の業務につなげる
応募するときは、自分がその企業の求めているタイプの人物であることを伝えなければいけません。
応募先の企業の方針やニーズに合わせて、自分の長所をアピールすることが大切です。
このとき、長所を裏付けられるようなエピソードが思い浮かばないときもあるでしょう。
しかし、企業は珍しい経験やすばらしい実績を学生に求めてはいません。
もし持っていたとしても、仕事内容と関係のないものだと入社後に活かすことは難しいでしょう。
自己PRの内容を志望する企業と関連付けるためには、企業研究が欠かせません。
その企業について細かく調べていくうちに、興味のある仕事がはっきりしてくるかもしれません。
そこから、自己PRの作成のヒントにしても良いでしょう。
これにより、自分がその企業を選んだ妥当性が伝わるようになります。
文私の長所は、相手に合わせた行動ができるところです。
私は老人ホームのボランティアをしています。
始めたばかりの頃は、「高齢者は○○といった話や××といった本に興味があるだろう」と決めつけて話してしまい、なかなか打ち解けることができませんでした。
そこで、入居者一人ひとりを観察し、何に興味を持っているのかなどを知ろうとするうちに、きちんと向き合えていなかったことに気がつきました。
相手が必要としているものは、それぞれ異なります。施設に入居している方の要望に耳を傾けたり、自分から積極的に話しかけたりし、一人ひとり対応を変えました。
その結果、今では利用者の方に「一緒に過ごすのが楽しい」と言ってもらえています。私は相手に合った手段を取り、関わることができるという自負を持っています。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】ガクチカ作成のコツ
ここまで、自己PRの書き方について確認しました。
次に、ガクチカを作成するうえでのコツを紹介します。
就職活動をしていると、ガクチカという言葉をよく耳にするようになります。
ガクチカは、書類だけではなく面接でも質問されることが珍しくないため、非常に重要なものだと言えるでしょう。
自己PRと同じように、ガクチカにも基本的な構成があります。
自己PRでは「PREP法」を取り上げましたが、ガクチカでは「STAR法」をおすすめします。
では、詳細を見ていきましょう。
STAR法を使う
「STAR法」とは、Situation(状況)・Task(課題)・Action(行動)・Result(結果)の頭文字を取ったもので、この順に述べる方法のことです。
次のTaskでは、自分の問題や目標を述べましょう。
そしてActionでは、その問題を解決したり、目標を達成したりするためにどのように取り組んだのかを具体的に伝えてください。
最後にResultとして、どういう成果を生み出したのかを明らかにします。
その際に、結果が出ていなくても、どのように成長したのかが相手にわかれば問題はありません。
ガクチカはこの4つを意識し、どのような状況でどういった問題や挫折が起こり、それに対してどう行動を取り、どのような結果を得たのかを詳しく書いてください。
企業が求める人物像を見極める
ガクチカを作成するときは、応募する企業が求めている人物像を理解し、それに合わせて自分をアピールする方向性を決める必要があります。
これから一緒に働いていくのなら、スキルだけではなく人柄も無視できません。
たとえば、企業がサポート力のある人物を求めているのなら、それと似た長所を探してから作成してみても良いでしょう。
「自分と企業の相性が良い」ということを意識して書くようにしてください。
どのような人物を採用したいのかは、応募先の企業によってそれぞれ異なります。
すばらしい長所を持っていたとしても、場合によっては響かないかもしれません。
企業研究を行い、これまでの経験の中から、効果的にアピールできるようなものを探しましょう。
エピソードや経験を入れる
ガクチカでは、学生時代にがんばっていた活動について、エピソードや経験を具体的に取り入れることが重要です。
これは、「STAR法」におけるActionに該当する部分です。
Actionでは、困難の乗り越え方や、目標の努力の仕方が見えてくるので、企業に重視されているポイントと言えるでしょう。
その活動に熱心になったきっかけ、直面した問題、解決するための行動などを記述すると、説得力を持ったアピールが可能になります。
その際に、結果よりも自分らしさを伝えることを心がけてください。
自分らしさは、物事の考え方や向き合い方から捉えることができます。
そのため、なるべく再現性がある経験を述べるようにしてください。
再現性があるかどうかは、エピソードの過程を明確にすることで伝わります。
例文
サークルに入ったばかりの頃は、まとまりのないチームでしたが、地区大会優勝を目標にして励みました。
大学では、中学や高校のときとは違い、アルバイトをしなければ生活ができない人がいるほか、学部によって課題の量が多い人もいます。
そのため、練習時間の確保よりも、効率的に行うことが向いていると考え、徹底的にスケジュールを管理しました。
三年生のときにはキャプテンになり、限られた時間の中で毎回の練習を大切にし、チームの団結力を深めました。
優勝することはできませんでしたが、3位入賞を果たしています。
この経験から、目標を達成するために計画を立て、責任感を持って最後までやり遂げることの大切さを実感しています。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】自己PRがうまく書けないにすると良いこと
上記のことを意識していても、なかなか良いエントリーシートが書けないこともあるかもしれません。
エントリーシートを書く前には、必ず自己分析を済ませておきましょう。
自己分析の方法には、自分史やマインドマップなどが挙げられますので、自分に合ったやり方で行ってください。
また、添削サービスを活用することもおすすめします。
では、うまく書けないときの解決法をいくつか紹介するので、うまく書けずに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
自己分析を行う
自己分析をしていない人は、自己PRを書き始める前に自己分析をしてください。
自己分析にはさまざまな方法があります。
たとえば、「自分史」は自分の歴史のことを指し、幼いときから今までの出来事を振り返り、そのときに感じたことや身についたことなどを整理します。
また、「マインドマップ」は中心にテーマとなるキーワードを書き、そこから放射線状に関連する言葉をつなげ、自分のやりたいことなどを見つけていくという方法です。
いずれも有効な方法なので、ぜひ実践してみてください。
内定をもらったエントリーシートを参考にする
内定者のエントリーシートが集められたWebサイトを参考にして、書き方を参考にすると書きやすくなります。
良いESとはどのようなものなのか、内容や特徴を知りたい人は多いでしょう。
ほかの人の文章を読むことで、基本的な構成や書き方がわかるようになります。
また、自分の長所と似たアピールポイントも見つかるかもしれません。
内定者のESをそのまま使ってはいけませんが、どのようなアピールが響くのかを掴むことは大切なので、ぜひ一度チェックしてみてください。
ES添削サービスを利用する
ES添削サービスを利用して、第三者が読んでもわかりやすい文章になっているかどうか見てもらうことも効果的です。
ESを完成させた後、そのままESを提出してしまうのは非常に危険です。
誰かに添削してもらうことによって、自分では違和感のなかった表現や気づかなかった問題点を把握できるようになります。
ES添削サービスを使えば、選考通過率のアップが期待できるでしょう。
プロの視点で見てもらえるので、積極的に活用して魅力的なESを作るようにしてください。
【自己PRとガクチカの違いを解説!】まとめ
本記事では、自己PRとガクチカの違いについて解説しました。
それぞれの特徴を知っておけば、企業がこの項目で求めていることがわかります。
もし同じような内容を書いてしまうと、良い印象を持ってもらうのが難しくなります。
基本的な構成やポイントを押さえ、企業に響くようなESを書きましょう。
また、ESは読みやすく、わかりやすい文章にすることが重要です。
本記事の内容を参考にして、魅力的なESを作成してみてください。
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